発表年:1992年
ez的ジャンル:鬼才系サイケ/シューゲイザー
気分は... :4月になったけど...
新年度の始まりということで、例年は4月になるとワクワク・モードなのですが、今年はイマイチそういった気分になれません。
今の経済情勢の中で周囲に辛酸をなめた人もおり、それに影響されて自分も複雑な思いなのかもしれません。
定額給付金如きで浮かれている場合ではありませんね...
さて今日はTeenage Filmstarsが1992年にリリースしたアルバム『Star』です。
Teenage Filmstarsはロンドン出身の鬼才Edward Ballによるサイケ/シューゲイザー・ユニット。
Edward Ballは1970年代後半から活動しており、Teenage Filmstarsも最初は1979年に結成され、シングルもリリースしていたようです。その後、Television Personalities、The Times等様々なバンド・ユニットで活躍していましたが、1990年代に入り再びTeenage Filmstarsとしての活動を再開します。
その第一弾アルバムが本作『Star』(1992年)です。
ネットでディスコグラフィ等を見ると、『Lift Off Mit Der Teenage Filmstars(aka Star)』と表記されているものを多く見かけますが、便宜上『Star』で表記しておきます。
ジャケが只者ではない感じを醸し出していますよね。
60年代後半のサイケ作品がお好きな人は期待していまいますよね。
ただし、内容はサイケ・モードは全開ですが、単なる60年代回帰ではありません。当時流行っていたシューゲイザー(ハッピーヴァレー)を採りれた90年代ならではのサウンドに仕上がっています。
シューゲイザーの代表作My Bloody Valentine『Loveless』がお好きな人であれば、気に入るであろう1枚だと思います。しかも、『Loveless』と同じCreation Recordsからのリリースです。巨額の制作費でCreationを経営難に陥れた『Loveless』とは異なり、低予算で制作されたと思いますが(笑)
『Loveless』同様、滅多に聴かないアルバムですが、一度聴いたら超ヤバな世界にずっぽりハマってしまいます。
超ヤバな世界を聴く?聴かない?
全曲紹介しときやす。
「Kiss Me」
まずはこのオープニングにハマってしまうと、本作の虜になるかもしれません。触れてはいけないとわかっていながら、ついつい触れてしまう....倒錯の世界へようこそ!
http://www.youtube.com/watch?v=OnPrdmgwoYQ
「Loving」
僕の一番のお気に入り曲。サイケなジャケのイメージそのままのアシッドな仕上がりです。案外ダンサブルなところもいいですね。本作をゲットする人は、こういった曲を期待していたのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=bzuMCuEH-HE
「Inner Space」
内面から徐々に毒されてトリップ・モードになってしまう危ない仕上がり。
「Apple」
哀愁シューゲイザーといった仕上がりですね。アシッド・モード全開で脳ミソがユラユラしてきそうです。
「Flashes」
かなりお気に入りの1曲。サイケ・モードながらもキャッチー&ダンサブルな仕上がりがいい感じ。タブラ風のリズムが僕のツボです。妖しげな女性ヴォーカルも雰囲気を盛り上げてくれます。ロックファン以外にもアピール度高い1曲なのでは?
「Kaleidoscope」
ノイジーながらも、ちゃんとロックしています。個人的にはもうひとヒネりが欲しい気も...
「Vibrations」
ここからの4曲はトリップ・モードでかなり来ちゃってます。決してノーマル・モードの時には聴かないでください(笑)プッツンその1の本曲は、ノイジーなサウンド・コラージュといった感じです。
「Soulful」
プッツンその2。タイトルは全然"ソウルフル"ですが後半は全くソウルフルではありません(笑)。前半はスペイシー、後半はサイコといった雰囲気です。
「Hallucinations」
プッツンその3。ロックというよりもテクノの乗りに近いのでは?
「Moon」
プッツンその4。ノイジー・サウンドの中で、不気味に響くキーボードの音色の美しさに背筋が寒くなります。70年代ハードロック/プログレの形式美に似たものを感じるのが面白いですね。僕の趣味ではありませんが...
今日は気分転換に桜のキレイな所でランチorお茶でもしようっと!
第一候補は中目黒かな...