録音年:1967年
ez的ジャンル:CTI系ジャズ・ギター
気分は... :C.ロナウド凄かった!
UEFAチャンピオンズリーグ準々決勝2ndが終了しました。
僕の予想に反して、マンUがポルトのホームで完璧な試合運びで見事勝利し、準決勝に進出しました。C.ロナウドの決勝ゴールは今大会のベストゴールと呼べるのでは?
これで準決勝は「バルセロナ対チェルシー」、「アーセナル対マンチェスターU」という組み合わせになりました。どちらも決勝で見たいようなゴールデンカードですね。
特にベンゲル対ファーガソンの指揮官対決が見ものの、「アーセナル対マンチェスターU」に注目したいですね。
さて、今回はジャズ・ギターの第一人者Wes Montgomeryの3回目の登場です。
Wynton Kellyとの共演作『Smokin' At The Half Note』(1965年)、『Full House』(1962年)に続いて紹介するのは、1967年リリースの『A Day In The Life』です。
本作はCreed Taylorが1967年に立ち上げたCTIからの第1弾アルバムであり、Creed Taylorがプロデュース、Don Sebeskyがアレンジ/オーケストラ指揮を手掛けています。ということで全体的にエレガントなムードが漂っています。
Verve時代から、『Bumpin'』(1965年、Don Sebeskyアレンジ/指揮)、『Goin' Out of My Head』(1965年、Oliver Nelsonアレンジ/指揮)、『Tequila』(1966年、Claus Ogermanアレンジ/指揮)、『California Dreaming』(1966年、Don Sebeskyアレンジ/指揮)とオーケストレーションを従えた作品をリリースしてきたWesですが、その決定版が本作『A Day In The Life』になるのでは?
これらVerve/CTI時代の作品を"イージーリスニング・ジャズ"ということで嫌う方もいますが、"永遠のジャズ初心者"の僕はその親しみやすさに魅力を感じます。それほど軟弱な作品にはなっていないと思いますよ(笑)
レコーディングにはHarbie Hancock(p)、Ron Carter(b)、Grady Tate(ds)らが参加しています。パーカッションにはラテン・グルーヴの帝王Ray Barrettoの名もあります。そのせいかパーカッシヴな仕上がりの曲も多く、パーカッション大好きの僕にはグッときます。
全10曲中9曲が有名曲のカヴァーです。ジャズ・スタンダードのみならず、Beatles、Percy Sledge、Associationなどお馴染みのヒット曲カヴァーもあり、なかなか楽しめます。
Wesがギターを弾きまくるという作品ではありませんが、円熟のギタープレイを十分満喫できるはずです。
"イージーリスニング・ジャズ"では片付けれない魅力を持った作品だと思います。
全曲紹介しときやす。
「A Day in the Life」
オープニングはBeatlesの名曲カヴァー(オリジナルは『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band』収録)。Don Sebeskyのストリングスも含めて、オリジナルの持つストレンジな雰囲気を受け継いでいます。この曲を聴けば、本作が単なるイージーリスニング・アルバムではないことがわかるはず!
http://www.youtube.com/watch?v=_ooeMXnPuIg
「Watch What Happens」
映画『The Umbrellas of Cherbourg(シェルブールの雨傘)』でお馴染みのMichel Legrand作品。当ブログではStanley Turrentine、Elis Reginaのカヴァーをこれまで紹介してきました。Wesヴァージョンは、Don Sebeskyの本領発揮といったCTIらしい仕上がりで、この曲の持つロマンティック・ムードを存分に堪能できます。。
「When a Man Loves a Woman」
Percy Sledge、1966年の全米No.1ヒットをカヴァー。ストリングス・アレンジは見事ですが、僕にはやや仰々しく感じます。
「California Nights」
Lesley Gore、1967年のヒット曲(Marvin Hamlisch/Howard Liebling作品)をカヴァー。同じくDon Sebeskyがアレンジを担当した「California Dreaming」(1966年)に続く、Californiaシリーズといったところでしょうか(笑)。CTIらしいエレガントな出来栄えです。
「Angel」
本作で唯一Wesのオリジナル曲です。有名曲カヴァーの中でこのオリジナルの存在感は抜群です。ゆったり落ち着いたムードが心地好いですね。アルバムの中でもかなりお気に入りの1曲です。Showbiz & A.G.「Next Level」でサンプリングされています。
Showbiz & A.G.「Next Level」
http://www.youtube.com/watch?v=JfqIPjgV-Kc
「Eleanor Rigby」
Beatlesの名曲カヴァー2曲目(オリジナルは『Revolver』収録)。パーカッシヴでグルーヴィーな仕上がりがいいですね。元々ストリングス付の曲なので、ストリングスも全く違和感がありません。
http://www.youtube.com/watch?v=6A6bOGxMSoA
「Willow Weep for Me」
「柳よ泣いておくれ」の邦題で有名なスタンダード(Ann Ronnell作品)。当ブログではDexter Gordon、Wynton Kelly『Kelly Blue』、Red Garland、Clifford Brownのヴァージョンを紹介済みです。Wesヴァージョンは、ストリングスも控えめでスタンダード然とした仕上がりです。
「Windy」
Association、1967年のヒット曲をカヴァー。オリジナルもかなり好きですが、Wesヴァージョンも「Eleanor Rigby」同様パーカッシヴな仕上がりで僕好みです。
http://www.youtube.com/watch?v=poglDnyVhqE
「Trust in Me」
Ned Wever/Milton Ager/Jean Schwartz作のスタンダード。Mildred Bailey、Etta James等がレコーディングしています。Wesヴァージョンは、Harbie Hancockの美しいピアノを従えたロマンティック・ムード満点のバラードに仕上がっています。
「The Joker」
ミュージカル『The Roar of the Greasepaint - The Smell of the Crowd』(1964年)の中の1曲(Leslie Bricusse/Anthony Newley作品)。当ブログではSergio Mendes & Brasil'66のカヴァーを紹介しました(アルバム『Herb Alpert Presents Sergio Mendes & Brasil'66』収録)。Shirley Basseyも1968年にカヴァーしています。Wesヴァージョンは、ラテン・テイストの仕上がりがグッときます!
この後もWesはDon Sebeskyのアレンジによる、『Down Here on the Ground』(1968年)、『Road Song』(1968年)といった作品をCTIに残しています。