2009年05月07日

Kula Shaker『K』

UKアルバム・チャート初登場No.1に輝いたデビュー作☆Kula Shaker『K』
K
発表年:1996年
ez的ジャンル:インド傾倒系ブリットポップ
気分は... :バルサ劇的勝ち上がり!

今朝は昨日に続き、サッカーUEFAチャンピオンズリーグ準決勝2ndレグ「チェルシー対バルセロナ」を観ていましたが、バルサのロスタイムでの劇的な同点劇に朝から大興奮です。

ロスタイムに入るまで敗色ムードが濃厚であっただけに感動的でしたね。二日連続の自棄酒になるところだったのが、勝利の美酒へ早がわりといったところです(笑)

さて、一昨日の夜、BSでブリットポップの特集番組をたまたま観たせいで、ブリットポップのアルバムを紹介したくなりました。

僕自身はブリットポップに熱狂することはなく、横目でシーンを眺めていたといった感じでしたが、それでも代表的なアーティストのアルバムは一応CD棚に揃えてあります。どこまでがブリットポップなのかという解釈の違いはあるでしょうが、当ブログでこれまで紹介したブリットポップ作品はSuedeぐらいかもしれませんね。

一応、OasisBlurも持っているんですよ(笑)
両者共に熱心に聴き込んだわけではありませんが、Oasisはイマイチ、Blurはグッド!という印象ですね。Blurは何だかんだ言って、ほぼ全アルバムを持っています。

という流れで今日はBlur『Parklife』あたりにしようと思い、記事を書き始めたのですが...あまり気乗りでせず、急遽Kula Shaker『K』(1996年)へ変更しました。

Kula Shakerはロンドン出身のロックバンド。

1995年のデビュー時のメンバーはソングライティングを手掛けるCrispian Mills(vo、g)を中心に、Jay Darlington(key)、Alonza Bevan(b)、Paul Winterhart(ds)の4名。

9世紀のインド皇帝の名に由来するグループ名からも想像できるように、Crispian Millsのインド思想への傾倒が歌&サウンドに思い切り反映されています。60年代ラーガ・ロックが90年代半ばに突如復活したという感じでしょうか。シタールやタブラの音が好きな僕にはジャスト・フィットでしたね。

当時のブリットポップの中では異色の存在でしたが、1995年のデビュー・シングル「Grateful when you're dead」発売と同時に注目を集め、1996年のデビューアルバム『K』ではUKアルバム・チャート初登場第1位という快挙を成し遂げました。芸能一家の出身であるCrispian Mills王子のイケメンぶりでも人気を博しましたね。

いきなり大成功を収めた彼らでしたが、その後はCrispian王子の発言が物議を醸したり、アルバム制作が難航するなどのトラブルに見舞われ、1999年に2ndアルバム『Peasants, Pigs & Astronauts』をリリースしたものの、同年に解散を発表。デビューから3年という短命でグループの歴史に幕を閉じました。その後Crispian王子はThe Jeevasを結成しますが、2006年にグループは再結成されています。

多分、今日の僕の気分がBlurではなくKula Shakerだったのは、Kula Shakerの方がダンサブルでアシッドだからかもしれません。そういった意味でKula ShakerってStone Rosesの流れを汲んでいるように思うのですが。

いずれにせよ『K』はかなり流行っていたアルバムでした。
オールドファンは今さらラーガロックなんて...と思う方もいたかもしれませんが、若いブリットポップ・ファンにはこのインド・サウンドが新鮮に聴こえたのでしょうね。

そういったインドからの影響を抜きにしても、骨太なUKロック・サウンドを聴かせてくれるのがKula Shakerの魅力だと思います。

プロデュースはメンバー自身(Crispian、Alonza Bevan)とお馴染みJohn Leckieです。

いきなりUKアルバム・チャート初登場第1位になるのも頷ける内容だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Hey Dude」
UKシングル・チャート第2位となった大ヒット・シングル。タイトルはBeatles「Hey Jude」に引っかけたものです。ダンサブルかつへヴィな展開はマンチェスター・サウンドを彷彿させるものですね。今の僕のテンションにピッタリ!
http://www.youtube.com/watch?v=G5_tdl0_Q64

「Knight on the Town」
かなりカッチョ良い!単なるインド趣味ではない本格派バンドであることが実感できる1曲なのでは?ギターリフがかなりグッときますね。
http://www.youtube.com/watch?v=LS9S2jp00B8

「Temple of Everlasting Light」
タブラが鳴り響くラーガロック!個人的にはタブラが目立つ曲って大好きなんですよね。
http://www.youtube.com/watch?v=WKKfa6BhXwU

「Govinda」
タイトルからしてインドな曲ですね。歌詞はヒンディー、サウンドも思い切りインドでしています。ここまで徹底的にやるのは逆に大したものだと思います。この曲はシングルとしてUKシングル・チャートTop10入りしたという事実が驚きですね。CornershopやTalvin Singhあたりを考えればわからなくもありませんが。
http://www.youtube.com/watch?v=bqncFetwku0

「Smart Dogs」
シングル曲以外で言えば、この曲が一番好きかも?聴いていると60代後半のStonesが聴きたくなってきます。グルーヴ感が似ているのかも?
http://www.youtube.com/watch?v=TId6V5D3usc

「Magic Theatre」
これはRobert Wyattあたりと一緒に聴きたくなる悲しげな仕上がりです。

「Into The Deep」
インドのスパイスが効いているもののポップで聴きやすい仕上がりです。マイルドな辛さのカレーパンといったところでしょうか(笑)

「Sleeping Jiva」
モロにインド音楽しています。ノリ的にはBeatles「Within You Without You」と同じですね。

「Tattva」
「Govinda」に続いてモロにインドなタイトルですね。ただし、「Govinda」と比較すると、インド音楽+サイケデリック・サウンド+ダンス・カルチャーといった感じの仕上がりですが。UKシングル・チャート第4位のヒット曲。
http://www.youtube.com/watch?v=hiw_Q_Nkpig

「Grateful When You're Dead/Jerry Was There」
デビュー・シングル。タイトルからわかるようにGrateful Dead及びJerry Garciaから影響された曲なのでしょうね。インド有り、ダンサブル&アシッド有りで彼らの魅力が凝縮された1曲だと思います。♪パッパッパ〜♪のコーラスも大好き!
http://www.youtube.com/watch?v=0b67pEIrdnQ

「303」
フツーにカッチョ良い骨太ロックに仕上がっていると思います。
http://www.youtube.com/watch?v=I5g8qlIDUVI

「Start All Over」
地に足が着いたサウンドで正統派ロックしてます。このあたりのベースがしっかりしているのもいいですね。

「Hollow Man(Parts 1 & 2)」
約19分30秒の曲ですが後半の2/3は何も音が入っていません。Crispian王子的には瞑想でもしているのでしょうか?Part 1は美しくも儚いインスト、Part 2はフォーキーに迫ります。
http://www.youtube.com/watch?v=tOvDHVrx0Wo

さぁ、GW明けですね。
GW中は大して休めなかったけど、またネジ巻きなおして頑張ります
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2009年05月06日

Ramsey Lewis『Tequila Mockingbird』

リラックス・モードで聴ける心地好いフュージョン・アルバム☆Ramsey Lewis『Tequila Mockingbird』
Tequila Mockingbird
発表年:1977年
ez的ジャンル:イージーリスニング系フュージョン
気分は... :テキーラ!

先程までサッカーUEFAチャンピオンズリーグ準決勝2nd「アーセナル対マンチェスターU」を観ていましたが、アーセナルはホームで完敗し、敗退が決まりました。

「アーセナル対バルセロナ」という大好きな2クラブによる決勝を待ち望んでいたのですが....こうなったら、何としてもバルサに決勝進出してもらい、決勝でマンUを蹴散らして欲しいですね。とは言うもののマンUはかなり強かったなぁ...その前に明日チェルシーに勝利しないといけませんな。

二日連続の自棄酒は飲みたくないので(泣)

さて、Jazz界の大物キーボード奏者、Ramsey Lewisの4回目の登場です。

『Sun Goddess』(1974年)、『The In Crowd』(1965年)、『Love Notes』(1977年)に続いて紹介するのは、『Tequila Mockingbird』(1977年)です。

やはりRamsey Lewisの場合、『Sun Goddess』(1974年)から『Routes』(1980年)あたりまでのフュージョン/クロスオーヴァー作品に惹かれてしまいますね。

勿論、『Love Notes』に続いてリリースされた本作『Tequila Mockingbird』(1977年)もそんな流れの1枚です。

本作は『Sun Goddess』(1974年)、『Salongo』(1976年)、『Routes』(1980年)と同じく、Earth,Wind & Fireメンバーとのコラボ作品ですが、『Sun Goddess』あたりの人気ぶりと比較すると、今日ではかなり地味な位置づけのような気がします。若いリスナーにウケるクラブ向け作品ではないのが大きいのかもしれませんね。逆にリアルタイムで本作を聴いたフュージョン世代の方の支持はかなり高い作品なのでは?

確かに、これまで紹介した『Sun Goddess』『Love Notes』あたりと比較すると、よりイージーリスニング的要素が強いアルバムなのかもしれません。でも、そのように割り切って聴けば、かなり心地好く聴くことができる作品だと思います!(褒め言葉なのでフュージョン・ファンの方はご勘弁を)。

プロデュースはBert DeCoteauxとLarry Dunn。Bert DeCoteauxは前作『Love Notes』に続いての起用になり、全8曲中5曲を手掛けています。Byron Gregory (g)、Ron Harris (b)、Keith Howard (ds)、Derf Reklaw Raheem (per)というメンバーも『Love Notes』からの継続です。

残り3曲はEW&Fのキーボード奏者Larry Dunnが手掛け、Ronnie Laws(ss)、Al McKay(g)、Verdin White(b)、Fred White(ds)、Philip Bailey(per)、Johnny Graham(g)、といったEW&FファミリーがRamseyをバックアップしています。

それ以外にもEddie del Barrio (key)、Victor Feldman(key)、Ndugu Leon Chancler(ds、per)、Ernie Watts(s)等のメンバーがサポートしています。特に、CalderaのメンバーであったEddie del Barrioはアレンジ面でも貢献しているようです。

余計なことを考えず、家でリラックス・モードで聴くと心地好いフュージョン・アルバムだと思います。

全曲紹介しときやす。

「Tequila Mockingbird」
タイトル曲はLarry Dunnプロデュース(曲もLarry Dunn作)。ラテン・テイストのファンキー・チューン。ファンキーなタッチのRamseyのピアノと共にRonnie Lawsのサックスがフィーチャーされています。EW&Fらしいリズムも満喫できるキャッチーな出来栄えです。若いリスナーの方はダンス・クラシックになっているDee Dee Bridgewaterによるカヴァーもオススメです(アルバム『Bad For Me』収録)

Dee Dee Bridgewater「Tequila Mockingbird」
 http://www.youtube.com/watch?v=5bz3c-Gg_yQ

「Wandering Rose」
一番のお気に入り曲。ローズの香りが漂ってきそうな爽快メロウ・フュージョン。RamseyのフェンダーローズとByron Gregoryのギターが心地好く響き渡ります。
http://www.youtube.com/watch?v=MhaOXs8Bt1c

「Skippin'」
Larry Dunnプロデュース2曲目はVictor Feldman作品のカヴァー。Feldman本人がエレピとパーカッションを演奏しています。ちなみにコンガを叩いているのはPhilip Baileyです。リラックス・モードで能天気な気分になれる1曲。

「My Angel's Smile」
ファンキーなフュージョン・チューン。コアなフュージョン・ファンの方はこういった曲がお好きなのかもしれませんが、僕には古臭く聴こえてしまいます。アルバムの中で唯一パスの演奏です。

「Camino el Bueno」
Derf Reklaw Raheem作品。彼は『Love Notes』でも楽曲提供していましたね。パーカッション奏者の楽曲だけあって、実にパーカッシヴな仕上がりで僕好みです。Ramseyのローズも実に心地好いです。

「Caring for You」
胸にグッとくるメロディ、小粋なRamseyのピアノ、Byron Gregoryの爽快なカッティング・ギター等々心に刺さりまくるお気に入り曲です。(良い意味で)まさにイージーリスニング的フュージョンって感じです。

「Intimacy」
Ramseyのドラマティックなソロに続き、ラテン・タッチの哀愁メロウ・グルーヴが展開されます。ラテン大好きの僕は勿論お気に入りです。

「That Ole Bach Magic」
Larry Dunnプロデュース3曲目。Larry DunnとEddie del Barrioの共作曲です。バロック調の出だしはタイトルにあるようにバッハを意識したもの。Ramsey、Larry Dunn、Eddie del Barrioという3人のキーボード奏者の共演を堪能しましょう。

Larry Dunnは、その後『Routes』(1980年)のプロデュースも手掛けることになります。
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2009年05月05日

Eighties Ladies『Ladies of the '80s』

レア・グルーヴ・ファンに人気!Roy Ayersプロデュースのガールズ・グループ☆Eighties Ladies『Ladies of the '80s』
Ladies of the Eighties: Soul Jazz Records Presents
発表年:1980年
ez的ジャンル:レア・グルーヴ系ガールズ・グループ
気分は... :80年代レイディースって?

GW中はあまり重い作品は聴きたくないので軽めの作品で...

今日はレア・グルーヴ/フリーソウル・ファンにはお馴染みの1枚Eighties Ladies『Ladies of the '80s』(1981年)です。

Eighties Ladiesは、Sylvia StriplinMarva Hicks、Susan Beaubian、Vivian Prince、Denie Corbettの5人から成るガールズ・グループ。

Roy Ayersが立ち上げたUno Merodicレーベルから本作『Ladies of the '80s』(1980年)をリリースしています。プロデュースはRoy AyersとEdwin Birdsong。Edwin Birdsongは先日The Baker Brothers『Avid Sounds』の記事でも紹介した「Cola Bottle Baby」でお馴染みですね。

レア・グルーヴ/フリーソウル・ファンは同じくRoy AyersがプロデュースしたSylvia Striplinのソロ作『Give Me Your Love』(1981年)とセットで愛聴されている方も多いのでは?僕もそのパターンです。

フリーソウル・ファンには「Sing Me」「Turned on to You」の2曲が人気ですね。(良い意味での)キュートなB級ダンス・アルバムだと思います。Roy Ayersらしさが反映されていると思うので、そのあたりがお好みの方はグッとくるはずだと思います。

ベタなグループ名も含めてB級モード出まくりですが、逆に気楽に聴くことでできて楽しめると思います。

全曲紹介しときやす。

「Ladies of the Eighties」
オープニングはベースがブンブン唸るファンキー・チューン。グループ名と照らし合わせてもテーマ曲みたいな位置づけなのかもしれませんね。好き嫌いはともかくRoy Ayersらしさが溢れている仕上がりです。

「Tell Him」
個人的にはなかなか気に入っているアップ・チューン。このグループの持つキュート&スマートな魅力がよく出ているのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=GS-9Y8Tzk6Y

「He Is Mine Forever」
ミステリアスな雰囲気のミッド・チューン。Roy Ayersらしい浮遊感がいい感じ!

「Ladies of the Eighties(Instrumental)」
オープニング曲のインスト・ヴァージョン。

「I Knew That Love」
この曲もレア・グルーヴ系のコンピに収録されているのでお馴染みの曲かもしれませんね。あまり濃厚な味付けをせず、さっぱり味の爽快ダンス・チューンに仕上げているのがグッドだと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=r0ehpN1kCSc

「It's Easy to Move」
歯切れの良いアップ・チューン。良く悪くもB級感が溢れています(笑)

「Sing Me」
フリーソウル・ファンには「Turned on to You」以上に人気がある曲なのでは?ラブリーな歌声とキュート&プリティなアレンジはいかにも日本人好みの1曲なのでは?僕もやっぱりこの曲が一番好き!

「Turned on to You」
レア・グルーヴ/フリーソウル・ファンにはお馴染みのダンス・クラシック。イントロのカッチョ良さにグッとくるミッド・グルーヴです。結構ジャズしているホーン隊も含めてクールで幻想的な仕上がりがいいですね。Nova Casperがカヴァーしています。
http://www.youtube.com/watch?v=5FX9lmOJuVA

Nova Casper「Turned on to You」
 http://www.youtube.com/watch?v=6kYPr16-sOc

Sylvia Striplin『Give Me Your Love』(1981年)とセットでどうぞ!
他のメンバーで言えば、Marva Hicksもソロ作をリリースしています。
posted by ez at 03:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年05月04日

Clara Moreno『Miss Balanco』

母Joyceプロデュースによる最新作はバランソ☆Clara Moreno『Miss Balanco』
ミス・バランソ
発表年:2009年
ez的ジャンル:新世代バランソ/ボッサ
気分は... :パッキャオの左フックは衝撃的!

昨日のボクシングのスーパーファイト「パッキャオ対ハットン」を観ましたか?

昨年末には"ゴールデン・ボーイ"オスカー・デ・ラ・ホーヤに勝ち、デ・ラ・ホーヤを引退に追い込んだパッキャオですが、今回のスーパーファイトでも2回TKO勝ちの完勝でした。最後のパッキャオの左フックは衝撃的でしたね。あれだけ完璧なKOパンチは滅多に観ることができないのでは?

次はフロイド・メイウェザーとの対戦を観たいですね!
メイウェザーが7月の復帰戦に勝利すれば、年内にこのスーパーファイトが実現する可能性があるとのこと!期待しちゃいます!

今日は新感覚ブラジリアン・ミュージックの担い手Clara Morenoの最新作『Miss Balanco』です。国内盤が輸入盤に先駆けて発売されました。

Clara Morenoは1973年リオ・デ・ジャネイロ生まれの女性シンガー。母は日本でも大人気のシンガーJoyce、妹は同じくシンガーのAna Martinsです。

1996年インディ・レーベルから1stアルバム『Clara Moreno』をリリース。クラブ・テイストのサウンドでヒットした『Mutante』(1998年)と豪華リミックス陣を迎えた『Remixes Clara Claridade』(1998年)で注目を浴びるようになります。さらに『Morena Bossa Nova』(2004年)ではボサノヴァを新感覚クラブ・サウンドで聴かせ、クラブ・シーンから熱い支持を集めます。続く『Meu Samba Torto』ではCelso Fonsecaがプロデュースを手掛け、一転してアコースティックなサウンドをバックにじっくり歌を聴かせてくれました。

そんなアルバム毎に様々なスタイルを聴かせてくれるClara Morenoですが、この最新作ではタイトルの通り"Balanco(バランソ)"をテーマにした作品のようです。バランソはボサノヴァから派生した音楽スタイルの1つで60年代初めに注目を集めましたラテンやジャズのスウィング感を取り入れた当時の最新ダンス・ミュージックという位置づけだったようです。正直、このあたりのジャンルの違いはよくわかりません。

バランソを代表するアーティスト/楽曲をカヴァーしているので、それらのオリジナルも聴いてみるとバランソについてより理解できるかもしれませんね。

本作で注目すべきは母Joyceがプロデュース&ギターで全面参加している点です。母娘の共同作業でブラジル音楽のルーツを辿っていくというのはなかなか興味深いですね。ナチュラルな味わいながらもクラブ世代にもしっかりアピールするというのがこの母娘のスゴイところですね。

GWにはピッタリのブラジル音楽だと思います!

全曲紹介しときやす。

「Balanco Zona Sul」
オープニングはボサノヴァ創世期の重要ミュージシャンTito Madiの有名曲。この名曲をClaraは実にキュートな歌声でカヴァーしています。聴いているだけで思わずバカンス・モードになれる1曲。超オススメの1曲。

「Vai Devagarinho」
バランソを代表するアーティスト一人Orlandivoの作品。2006年には約30年ぶりの新作『Sambaflex』をリリースしてファンを喜ばせてくれました。ここではピアノを中心にしたエレガントなボッサ・サウンドをバックに、落ち着いた穏やかな歌声を聴かせてくれます。

「Deixa a Nega Gingar」
ボサノヴァ創世期に活躍したLuiz Claudio作の有名曲。Duke Pearson(タイトル「Sandalia Dela」)、Elza Soares、Orlandivo、Wanda Sa等もカヴァーしています。ここでは軽快かつ爽快なサンバ・チューンに仕上がっています。楽しく盛り上がりたい気分にピッタリの1曲です。

Elza Soares「Deixa A Nega Gingar」
 http://www.youtube.com/watch?v=fiIfJzJvyUE

「Brincando de Samba/Miss Balanco」
本作のハイライトとなるのが「Brincando de Samba」と「Miss Balanco」のメドレー。僕の一番のお気に入りもコレ!「Brincando de Samba」はOrlandivo作品、「Miss Balanco」はEd Lincolnのオルガンによる演奏でお馴染みの1曲。オーソドックスな中にも新世代リスナーに訴求するモダンな雰囲気があるのがいいですね。これを機にオリジナルを聴いてみるのも楽しいですよ。

Ed Lincoln「Miss Balanco」
 http://www.youtube.com/watch?v=wUVAwOgHUJY

「Bruxaria」
ホーンによるスウィンギーな雰囲気が印象的です。バランソのスウィング感ってこんな感じなのかもしれませんね。Elza Soares/Pilombeta作品。

「Uala Ualala」
Jorge Ben作品。ロマンティックな仕上がりがグッド!誰もいない静かな海でも眺めながら聴きたいボッサ・チューンです。

「Pour Quoi?」
ご機嫌なサンバ・チューン。ギター&オルガン&パーカッションの生み出すグルーヴ感が最古ーです。Jadir De Castro作品。

「Mestico」
3曲目のOrlandivo作品。エレピ&アコギの音色が実に心地よい1曲。

「Bebete」
2曲目のJorge Ben作品。そのJorge Benのバック・バンドTrio MocotoのメンバーだったSkowaがヴォーカルで参加という嬉しいオマケ付き。僕好みのアコースティック・グルーヴに仕上がっています。クラブ系リスナーの方も気に入るカッチョ良さを持った1曲だと思います。

Jorge Ben「Bebete Vaobora」
 http://www.youtube.com/watch?v=hL-gY9Y6p3A

「Jeito Bom de Sofrer」
ブラジルを代表する大衆サンバ歌手Wilson Simonalの作品。やや哀愁を帯びたメロウネスが魅力です。

「Mais Valia Nao Chorar」
ホーン隊の醸し出す雰囲気と思わせぶりなClaraのヴォーカルが印象的です。

「Que Besteira」
ボサノヴァ界の重鎮ピアニストJoao Donato参加曲(Joao Donato/Gilberto Gil作品)。雰囲気たっぷりのJoao Donatoのピアノがいい味出しています。

「Tamanco No Samba」
4曲目のOrlandivo作品。この曲ではOrlandivo本人がヴォーカルで参加しています。爽やかさと哀愁感が同居するメロウ・チューンに仕上がっています。

Orlandivo「Tamanco No Samba」
 http://www.youtube.com/watch?v=Cgf2soq9xY8

「Samba de Negro」
オルガンのグルーヴ感がカッチョ良いRoberto Correa/Sylvio Sons作品。フルートの爽やかな響きもいい感じ。昭和歌謡を思い出すようなメロディがいいですね。

Joyceのアルバムも長い間紹介していないので、そのうち取り上げますね。
posted by ez at 05:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年05月03日

GW企画『I'll Be Your Friend〜歌ものハウス10選』

GW中はゆっくり過ごしたいので手抜き企画でご勘弁を!

今日は90年代前半を中心にした歌ものハウスを集めてみました。

個人的にはハウスを最も聴いたのが90年代前半でした。
シングルもかなりゲットしていましたし、Strictly Rhythm、III East、nervous、Madhouse、Azuli等レーベル単位のコンピ・アルバムに醍醐味を感じていましたね。

個人的には女性ヴォーカリストならばパワフル&ソウルフルなもの、男性ヴォーカルならば中性的なナヨナヨ・ヴォーカルが好みです。

Robert Owens「I'll Be Your Friend」以外は当ブログで紹介している作品なので詳細は過去記事をご参照下さい。

本当はこの時期のハウス・シングルで一番好きだったのSandy B「Feel Like Singin'」(1992年)を紹介したかったのですがAmazonでの取り扱いがなく、YouTubeにも音源がなかったので断念しました。残念!

Ce Ce Peniston「We Got a Love Thang」(1992年)
Finally
http://www.youtube.com/watch?v=HoOgUuGKac8

Crystal Waters「100% Pure Love」(1994年)
Storyteller
http://www.youtube.com/watch?v=qAT72q5mpeY

Ultra Nate「Rejoiceing」(1991年)
Blue Notes in the Basement
http://www.youtube.com/watch?v=SeRCc-CvQM8

Adeva「Respect」(1989年)
Adeva!
http://www.youtube.com/watch?v=t21dMFdA0NU

Deee-Lite「Power of Love」(1989年)
World Clique
http://www.youtube.com/watch?v=n6KA4oTZ-WQ

Lil' Louis & The World「Club Lonely」(1992年)
Journey with the Lonely
http://www.youtube.com/watch?v=KZ0WCwcZpXY

Mr. Fingers「On A Corner Called Jazz」(1992年)
イントロダクション
http://www.youtube.com/watch?v=UXFDYCw3-38

Alison Limerick「Make It On My Own」(1992年)
And Still I Rise
http://www.youtube.com/watch?v=tq4Oww8522k

Nuyorican Soul「It's Alright, I Feel It!」(1997年)
Nuyorican Soul
http://www.youtube.com/watch?v=JIJBedtT0dk

Robert Owens「I'll Be Your Friend」(1991年)
I'll Be Your Friend
http://www.youtube.com/watch?v=ROaP-wRxjKI

今日は早朝からサッカー・リーガ・エスパニョーラ、大注目のクラシコ「レアル・マドリー対バルセロナ」をTV観戦していました。得点シーン目白押しの乱戦になりましたが最終的にはバルサの圧勝でしたね。

バルサ・ファンの僕としてはかなり上機嫌の朝を迎えていたのですが...そんな矢先に忌野清志郎さんの訃報を知り大ショックです。
RCサクセションは僕のカラオケ十八番だったのですが...
これからもRCサクセションを歌い続けるぜベイビー!
ありがとう清志郎!
posted by ez at 08:28| Comment(2) | TrackBack(1) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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