録音年:1969年
ez的ジャンル:アンサンブル重視ミステリアス・ジャズ
気分は... :I Have a Dream!
いよいよ本格的にGWですね。
僕も昨日までは相当バタバタですが、今日はようやくGWらしい1日を過ごすことができそうです。
こういう時はあまりガチャガチャした音は聴きたくないなぁ...なんて思いながらCD棚から取り出したのが....
今日はスーパー・ピアニストHerbie Hancockの6回目の紹介です。
これまで紹介したHancock作品は以下の5枚(録音年順)。
『Inventions And Dimensions』(1963年)
『Maiden Voyage』(1965年)
『Speak Like A Child』(1968年)
『Thrust』(1974年)
『Sunlight』(1978年)
6枚目に紹介するのはBlue Note最後の作品となった『The Prisoner』(1969年)です。
ジャケのイメージから誤解されやすいHancock作品かもしれませんね。
ジャケから『Head Hunters』(1973年)のようなジャズ・ファンク・アルバムをイメージされやすい作品ですが、実際は『Speak Like A Child』(1968年)の延長線にあるアンサンブル重視のメインストリーム・ジャズ作品に仕上がっています。
ただし、ピュアな子供の世界をロマンチックに表現した『Speak Like A Child』と比較すると、アンサンブル重視のアプローチは同じでもかなり異なる印象を受ける作品であることは確かです。
そのあたりは「I Have a Dream」(キング牧師の演説に因んだタイトル)、「The Prisoner」、「He Who Lives in Fear」という曲タイトルにも反映されています。
レコーディング・メンバーはHerbie Hancock(p、el-p)以下、Buster Williams(b)、Albert "Tootie" Heath(ds)、Joe Henderson(ts、alto-fl)、Garnett Brown(tb)、Johnny Coles(flh)、Hubert Laws(fl)、Jerome Richardson (bass-cl、fl)、Romeo Penque(bass-cl)、Tony Studd(bass-tb)、Jack Jeffers(bass-tb)という編成です。大好きなJoe Hendersonに加えて、Johnny Colesがなかなかいい演奏を聴かせてくれます。
この充実のホーン陣を駆使した重厚なアンサンブルが聴きどころの作品だと思います。
アレンジャー、トータルなミュージック・クリエイターとしてのHancockを堪能しましょう。
ジャケとサウンドのギャップを楽しめますよ(笑)
全曲紹介しときやす。
「I Have a Dream」
前述のようにキング牧師の有名な演説からとったもの。静寂の中で響く美しくも重厚なアンサンブルが魅力です。『Speak Like A Child』の延長線にある素晴らしいハーモニーを聴くことができますが、ロマンティックというよりもミステリアスな印象ですね。聴けばきくほど中毒のようにハマっていく1曲。
http://www.youtube.com/watch?v=6VF6Hs8u6So
「The Prisoner」
タイトルに象徴されるように不穏なムードを醸し出すフリー・ジャズ的な仕上がり。Joe Hendersonの暴走するサックス・ソロが本作の聴きどころでは?
http://www.youtube.com/watch?v=RMk0vCI1BXo
「Firewater」
ベースのBuster Williamsの作品。リラックスしてちょっと一息!といった感じでしょうか。Hancockによる小粋なアレンジが光ります。
「He Who Lives in Fear」
再びダークなムードへ。ピアノ・トリオでの演奏がベースですが、暗黒の中の美しさといった雰囲気が魅力ですね。エレピの音色にも注目です。
「Promise of the Sun」
最後もピアノ・トリオでの演奏がベースです。Hancockのピアノ・プレイを存分に堪能できます。ホーン陣が不思議なムードを醸し出してくれます。
今日は昼から鰻で一杯やる予定。
楽しみ!楽しみ!