発表年:2009年
ez的ジャンル:新世代バランソ/ボッサ
気分は... :パッキャオの左フックは衝撃的!
昨日のボクシングのスーパーファイト「パッキャオ対ハットン」を観ましたか?
昨年末には"ゴールデン・ボーイ"オスカー・デ・ラ・ホーヤに勝ち、デ・ラ・ホーヤを引退に追い込んだパッキャオですが、今回のスーパーファイトでも2回TKO勝ちの完勝でした。最後のパッキャオの左フックは衝撃的でしたね。あれだけ完璧なKOパンチは滅多に観ることができないのでは?
次はフロイド・メイウェザーとの対戦を観たいですね!
メイウェザーが7月の復帰戦に勝利すれば、年内にこのスーパーファイトが実現する可能性があるとのこと!期待しちゃいます!
今日は新感覚ブラジリアン・ミュージックの担い手Clara Morenoの最新作『Miss Balanco』です。国内盤が輸入盤に先駆けて発売されました。
Clara Morenoは1973年リオ・デ・ジャネイロ生まれの女性シンガー。母は日本でも大人気のシンガーJoyce、妹は同じくシンガーのAna Martinsです。
1996年インディ・レーベルから1stアルバム『Clara Moreno』をリリース。クラブ・テイストのサウンドでヒットした『Mutante』(1998年)と豪華リミックス陣を迎えた『Remixes Clara Claridade』(1998年)で注目を浴びるようになります。さらに『Morena Bossa Nova』(2004年)ではボサノヴァを新感覚クラブ・サウンドで聴かせ、クラブ・シーンから熱い支持を集めます。続く『Meu Samba Torto』ではCelso Fonsecaがプロデュースを手掛け、一転してアコースティックなサウンドをバックにじっくり歌を聴かせてくれました。
そんなアルバム毎に様々なスタイルを聴かせてくれるClara Morenoですが、この最新作ではタイトルの通り"Balanco(バランソ)"をテーマにした作品のようです。バランソはボサノヴァから派生した音楽スタイルの1つで60年代初めに注目を集めましたラテンやジャズのスウィング感を取り入れた当時の最新ダンス・ミュージックという位置づけだったようです。正直、このあたりのジャンルの違いはよくわかりません。
バランソを代表するアーティスト/楽曲をカヴァーしているので、それらのオリジナルも聴いてみるとバランソについてより理解できるかもしれませんね。
本作で注目すべきは母Joyceがプロデュース&ギターで全面参加している点です。母娘の共同作業でブラジル音楽のルーツを辿っていくというのはなかなか興味深いですね。ナチュラルな味わいながらもクラブ世代にもしっかりアピールするというのがこの母娘のスゴイところですね。
GWにはピッタリのブラジル音楽だと思います!
全曲紹介しときやす。
「Balanco Zona Sul」
オープニングはボサノヴァ創世期の重要ミュージシャンTito Madiの有名曲。この名曲をClaraは実にキュートな歌声でカヴァーしています。聴いているだけで思わずバカンス・モードになれる1曲。超オススメの1曲。
「Vai Devagarinho」
バランソを代表するアーティスト一人Orlandivoの作品。2006年には約30年ぶりの新作『Sambaflex』をリリースしてファンを喜ばせてくれました。ここではピアノを中心にしたエレガントなボッサ・サウンドをバックに、落ち着いた穏やかな歌声を聴かせてくれます。
「Deixa a Nega Gingar」
ボサノヴァ創世期に活躍したLuiz Claudio作の有名曲。Duke Pearson(タイトル「Sandalia Dela」)、Elza Soares、Orlandivo、Wanda Sa等もカヴァーしています。ここでは軽快かつ爽快なサンバ・チューンに仕上がっています。楽しく盛り上がりたい気分にピッタリの1曲です。
Elza Soares「Deixa A Nega Gingar」
http://www.youtube.com/watch?v=fiIfJzJvyUE
「Brincando de Samba/Miss Balanco」
本作のハイライトとなるのが「Brincando de Samba」と「Miss Balanco」のメドレー。僕の一番のお気に入りもコレ!「Brincando de Samba」はOrlandivo作品、「Miss Balanco」はEd Lincolnのオルガンによる演奏でお馴染みの1曲。オーソドックスな中にも新世代リスナーに訴求するモダンな雰囲気があるのがいいですね。これを機にオリジナルを聴いてみるのも楽しいですよ。
Ed Lincoln「Miss Balanco」
http://www.youtube.com/watch?v=wUVAwOgHUJY
「Bruxaria」
ホーンによるスウィンギーな雰囲気が印象的です。バランソのスウィング感ってこんな感じなのかもしれませんね。Elza Soares/Pilombeta作品。
「Uala Ualala」
Jorge Ben作品。ロマンティックな仕上がりがグッド!誰もいない静かな海でも眺めながら聴きたいボッサ・チューンです。
「Pour Quoi?」
ご機嫌なサンバ・チューン。ギター&オルガン&パーカッションの生み出すグルーヴ感が最古ーです。Jadir De Castro作品。
「Mestico」
3曲目のOrlandivo作品。エレピ&アコギの音色が実に心地よい1曲。
「Bebete」
2曲目のJorge Ben作品。そのJorge Benのバック・バンドTrio MocotoのメンバーだったSkowaがヴォーカルで参加という嬉しいオマケ付き。僕好みのアコースティック・グルーヴに仕上がっています。クラブ系リスナーの方も気に入るカッチョ良さを持った1曲だと思います。
Jorge Ben「Bebete Vaobora」
http://www.youtube.com/watch?v=hL-gY9Y6p3A
「Jeito Bom de Sofrer」
ブラジルを代表する大衆サンバ歌手Wilson Simonalの作品。やや哀愁を帯びたメロウネスが魅力です。
「Mais Valia Nao Chorar」
ホーン隊の醸し出す雰囲気と思わせぶりなClaraのヴォーカルが印象的です。
「Que Besteira」
ボサノヴァ界の重鎮ピアニストJoao Donato参加曲(Joao Donato/Gilberto Gil作品)。雰囲気たっぷりのJoao Donatoのピアノがいい味出しています。
「Tamanco No Samba」
4曲目のOrlandivo作品。この曲ではOrlandivo本人がヴォーカルで参加しています。爽やかさと哀愁感が同居するメロウ・チューンに仕上がっています。
Orlandivo「Tamanco No Samba」
http://www.youtube.com/watch?v=Cgf2soq9xY8
「Samba de Negro」
オルガンのグルーヴ感がカッチョ良いRoberto Correa/Sylvio Sons作品。フルートの爽やかな響きもいい感じ。昭和歌謡を思い出すようなメロディがいいですね。
母Joyceのアルバムも長い間紹介していないので、そのうち取り上げますね。