発表年:2009年
ez的ジャンル:進化系ジャジーHip-Hop/クロスオーヴァー
気分は... :パーフェクト!
今日はジャジーHip-Hopファンにとってはマストな1枚、Kero Oneの新作『Early Believers』です。
カリフォルニア生まれの韓国系アメリカ人MC/プロデューサーKero Oneの紹介は『Kero One Presents:Plug Label』(2007年)に続き2回目になります。
ジャジーHip-Hopファンは待ちに待った1枚ですね。
発売から約1ヶ月が経ちますがアングラHip-Hop作品としては相当売れているのでは?
数日前に行った某大手CDショップのアングラHip-Hop売場でもメジャー作品並みに大プッシュされていました。これまでKero Oneが残してきた極上ジャジーHip-Hop作品の数々を考えれば当然かもしれませんね。
僕も発売直後に購入し、ここ1ヶ月間毎日のように聴いています。
本作『Early Believers』は、Kero One名義としては1st『Windmills of the Soul』に続く2ndアルバムとなります。その間にリリースされた自らのレーベルPlug Labelの編集盤『Kero One Presents:Plug Label』も実質的には彼の作品ですが。
今回、Ben Westbeech、Tuomoという2人の男性シンガーが各2曲でフィーチャーされています。
Ben Westbeechは、Gilles Peterson主宰のBrownswood Recordsに所属する男性シンガーであり、当ブログで紹介した作品の中ではJazzanova『Of All The Things』でフィーチャーされています。一方のTuomo(Tuomo Prattala)は、"北欧のStevie Wonder"と評判のフィンランドのシンガー/キーボード奏者です。
おそらくHip-Hopファンよりクラブジャズ・ファンの間での知名度が高いのであろう二人のシンガーの参加に象徴されるように、本作『Early Believers』はジャジーHip-Hopの枠に軽々超えてしまった作品に仕上がっています。さり気なくエレクトロなテイストを取り入れているのも印象的ですね。
その意味では、クラブジャズ/クロスオーヴァー好きの方が聴いても十分に楽しめる1枚です。特に僕のようなジャジーHip-Hop、クラブジャズ/クロスオーヴァー共に大好き!という方にとっては、かなりパーフェクトな1枚という気がします。
Ben Westbeech、Tuomo以外にOhmega Watts(Lightheaded)、Kat Ouano(Crown City Rockers)といったアングラHip-Hopファンにお馴染みのゲストも参加しています。
捨て曲ナシ、全曲オススメの充実作です!
特に国内盤には人気のCradleによるリミックスという嬉しいオマケ付き!
ちなみに国内盤とUS盤はジャケが異なります。
Kero One『Early Believers』(US盤)
進化し続けるKero Oneに脱帽です!
ぜひ皆さんゲットしましょう。
全曲紹介しときやす。
「Welcome To The Bay」
女性シンガーJacqueline Marieのヴォーカルをフィーチャーした爽快なオープニング!Kero Oneからの素敵なお出迎え!といったところでしょうか。
http://www.youtube.com/watch?v=fY39XNcXFKM
「When The Sunshine Comes」
本作における一番人気の曲はBen Westbeechをフィーチャーした本曲でしょうね。タイトルの通り、黄昏の陽光が語りかけてくるかのような仕上がり!浜辺でくつろいでいる雰囲気を堪能できまるのがいいですねぇー。穏やかな音色のジャズ・ギター、リラックスしたBen WestbeechのヴォーカルおよびKero Oneのラップが三位一体となった極上ヴァイヴを聴けば、誰しもハッピー・モードになれるはず!
http://www.youtube.com/watch?v=3P6D1ETR5sM
「Keep Pushin'」
僕の一番のお気に入りチューン。スパニッシュ・テイストのアコギの響きがサイコーに決まっています!ポジティブ・モードにスイッチを入れたい時にピッタリな1曲ですね。最近の僕は仕事前にこの曲を聴いて気合い入れてます(笑)。プッシュしまくるぜ〜!
http://www.youtube.com/watch?v=bzM1Ee3fo3Y
「Lets Just Be Friends」
Tuomoをフィーチャーした話題の1曲。Kero OneとTuomoというワクワクする組み合わせですが、その期待通りの内容にニンマリしてしまいます。ジャジーHip-HopとクラブジャズとR&Bの幸福な出会いといった感じでサイコー!
「Bossa Soundcheck」
タイトルの通り、極上のボッサ・ヴァイヴ!軽くエレクトロな感じがカッチョ良いですな。中間のメロウなフェンダーローズはKat Ouano。
「Love And Happiness」
再びTuomoをフィーチャー。Al Green、1977年のシングル曲をカヴァーしています。オリジナルをイメージして聴くと相当ギャップがある爽快な仕上がりです。
Al Green「Love and Happiness」
http://www.youtube.com/watch?v=hsU6_eSG4k4
「Stay On The Grind」
Ohmega Wattsをフィーチャー。Kero Oneとのマイクリレーを楽しみましょう!
「A Song For Sabrina」
クロスオーヴァーなインスト・チューン。 ここまで来るとジャジーHip-Hopという枠を完全に飛び越えて、クラブジャズ/クロスオーヴァーといった感じですね。
「This Life Ain't Mine」
この曲もジャジーHip-Hopを聴いているというよりも、ラッパーをフィーチャーしたソウルフルなクラブジャズを聴いている感覚になります。
「I Never Thought That We」
Kat Ouanoのフェンダーローズをフィーチャーしたアーバン・メロウな極上ジャジーHip-Hop。ひたすら気持ちいいですな。
「Goodbye Forever」
再びBen Westbeechのヴォーカルをフィーチャー。別れをテーマにしていますが、ロマンティック&ソウルフルな仕上がりがグッド!ベイエリアの落陽を見つめながら聴きたい1曲ですな。
「On And On」
アルバムの余韻を味わうジャジー&エレクトロなインスト。
「When The Sunshine Comes (Cradle Remix feat. Anan Ryoko) 」
国内盤のボーナス・トラックはCradleによる「When The Sunshine Comes」のリミックス。オリジナルがリラックス・モードとすれば、リミックスはエレガント・モードといった感じですね。
本作でフィーチャーされていたTuomoも今月後半に新作『Reaches Out For You』がリリースされてます。こちらも楽しみですね。人気曲「Don't Take It Too Hard」を含む前作Tuomo『My Thing』(2007年)もオススメです。
Tuomo「Don't Take It Too Hard」
http://www.youtube.com/watch?v=Db07ELQJuDE
Tuomo『My Thing』(2007年)