発表年:1988年
ez的ジャンル:パブロック系大人のロック・アルバム
気分は... :男は黙って...
今日は男臭い大人のロック・アルバムが聴きたい気分...
Graham Parkerは1950年ロンドン生まれの男性ロック・シンガー。
1975年にGraham Parker & Rumourを結成し、『Howlin' Wind』(1976年)、『Heat Treatment』(1976年)、『Stick To Me』(1977年)、『Squeezing Out Sparks』(1979年)といった作品が評判となり、パブロックやパンク・シーンで注目される存在となりました。当時、Grahamの比較対象としてよく引き合いに出されたアーティストがElvis Costello、Joe Jacksonでした。
『The Up Escalator』(1980年)を最後にRumourは解散しますが、その後もソロ・シンガーとして地味ながら着実に活動を続けています。
僕がリアルタイムで聴いたGraham Parkerの最初のアルバムは『The Real Macaw』(1983年)でした。その後も新作の記事を読むたびに気になる存在としてGraham Parkerがいました。Elvis Costello好きの僕としては、Costelloと同じ匂いのするアーティストとしてGraham Parkerに注目していたのだと思います。
そんな僕が最も愛聴しているGraham Parker作品が今日紹介する『The Mona Lisa's Sister』(1988年)です。正直、商業的にはサッパリのアルバムですが、コアなロック・ファンからの評価は高いアルバムなのでは?
僕の中ではLou Reed『New York』(1989年)と並び、当時のベテラン・ロッカーの魅力を再認識したアルバムでした。『The Mona Lisa's Sister』、『New York』共にベテランにしか出せない枯れた円熟味に魅了されましたね。
『The Mona Lisa's Sister』は、Grahamらしい原点回帰のロック・チューンと芳醇な味わいの哀愁メロディのバランスが最高です。
プロデュースはGraham本人とRumour時代の盟友Brinsley Schwarz。
バックにはSchwarz(g)、Andrew Bodnar(b)という元Rumourメンバーに加え、Dire StraitsのTerry Williams(ds)、AttractionsのPete Thomas(ds)等が参加しています。
哀愁のメロディをバックに歌うGrahamのしゃがれ声を聴いていると何故か涙腺が緩くなります。
全曲紹介しときやす。
「Don't Let It Break You Down」
原点回帰といった感じのオープニング。シングルにもなりました。パブロック、Elvis Costelloが好きな人はグッとくるはず!オルガンの音色がたまりません。
http://www.youtube.com/watch?v=Mzi_rsnV2r0
「Under The Mask Of Happiness」
アコースティックながらも小気味の良いが魅力の曲。
http://www.youtube.com/watch?v=g4E4P0HRdLk
「Back In Time」
哀愁メロディその1。哀愁メロディにはGraham Parkerのしゃがれ声がよく似合います。
「I'm Just Your Man」
哀愁メロディその2。この男臭さがたまりません。背中が全てを語っている感じでしょうか...
「OK Hieronymus」
弾けたロック・チューン。抜けの良さが気持ちいいですね!
「Get Started, Start A Fire」
シングル曲。Tom Petty & The Heartbreakersっぽい仕上がりです。Tom Petty好きの僕は勿論O.K.!
http://www.youtube.com/watch?v=YQRnY3PFwHI
「The Girl Isn't Ready」
お得意のレゲエ・チューン。このあたりはUKっぽくていいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=02uO10JVxl8
「Blue Highways」
哀愁メロディその3。超名曲だと思います。当時、ウォークマンでこの曲ばかり繰り返し聴いていました。Grahamの成熟ぶりを実感できる1曲。
http://www.youtube.com/watch?v=sQNdWQEMgdM
「Success」
哀愁メロディその4。「Blue Highways」と並ぶお気に入り曲。「Blue Highways」から本曲へと続く流れがたまりません。
http://www.youtube.com/watch?v=_zzsRVeXcL8
「I Don't Know」
大人のロックンロール。力みのない自然体のロックンロール!みたいな感じが好き!
http://www.youtube.com/watch?v=VTF8mtB54js
「Cupid」
ラストは本作唯一のカヴァー。Sam Cooke、1961年のシングルでばっちりキメてくれます。Grahamならではの味わいが発揮された絶品カヴァーだと思います。
僕もこんな枯れたオヤジになりたかったのですが...
キャラ的に無理だったようです(笑)