2009年05月18日

Severin Browne『Severin Browne』

Jackson Browneの弟、Severinの1st☆Severin Browne『Severin Browne』
セヴェリン・ブラウン
発表年:1973年
ez的ジャンル:マイルド・ヴォイス系男性SSW
気分は... :偉大な兄の陰で...

今日は70年代男性SSWの作品にしようと思い、CD棚から候補として取り出したのがLivingston Taylor『Liv』(1971年)とSeverin Browne『Severin Browne』(1973年)の2枚でした。

LivingstonはJames Taylor、SeverinはJackson Browneと共に偉大なSSWを兄に持つミュージシャンですね。聴き手はどうしても偉大な兄と比較してしてしまいますが、二人とも"そんなの関係ねぇ(古いか...)"って感じで我が道を行ってますよね。

どちらにしようか迷いましたが、今回はSeverin Browne『Severin Browne』(1973年)をセレクト。

Severin Browneは1949年生まれ。ジャズ・ミュージシャンとしても活動していた父の影響で、兄Jackson同様幼い時から音楽に触れていました。ライナーノーツで知りましたが、Severinが兄Jacksonにピアノを教えたのだとか?

1970年代に入り、Motownのスタッフライターとして楽曲提供をしていましたが、そんな流れからMotownでアルバムを制作するチャンスを得ます。こうして制作されたアルバムが今日紹介する『Severin Browne』(1973年)と『New Improved Severin Browne』(1974年)の2枚です。

その後長い沈黙に入りましたが、1996年に久々の新作『From The Edge Of The World』をリリースしました。現在のところ最新作は『This Twisted Road』(2001年)のようです。

Jackson Browne大好き!の僕ですが、弟Severinについては正直長い間、全くノーマークでした。

そのため、90年代にフリーソウルのコンピで人気曲「Stay」を初めて聴いた時の印象は鮮烈でしたね。お兄さんからは考えられない、洗練されたグルーヴ感に即KOって感じでした。きっと本作をゲットする8割以上の方が「Stay」目当てなのでは?

プロデュースはLarry Murray。60年代に活動していたフォーク/カントリー・ロック・バンドHearts & Flowersの中心人物だった人です。ソロ・アルバム『Sweet Country Suite』(1971年)は評価の高い1枚みたいですね。正直、僕の苦手なタイプの作品ですが(笑)

レコーディングには、Flying Burrito Brothersの"Sneaky" Pete Kleinow(pedal steel)、60年代にThe Sunshine Companyで活動していたMaury Manseau(g)、Merle Bregante(ds)などが参加しています。

正直、「Stay」タイプのグルーヴのオンパレードを期待すると肩透かしを食いますが、聴き終わるとホッと安らぐ佳作だと思います。

Jackson Browne好きの僕はどうしても兄と比較して聴いてしまいます...許してくださいね!でも、そのように聴くと、逆に兄にはないSeverinならではの魅力がよくわかる気がします。ちなみに本作がリリースされた1973年、兄は2nd『For Everyman』をリリースしています。

兄の持つ青臭い魅力を受け継ぎつつ、兄には無いマイルドな歌声も堪能できる1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Stay」
前述のように本作のハイライト。お兄さん譲りのSSWらしいヴォーカル&メロディと無いモータウン的リズムが融合したミラクルな名曲ですね。サウンド的にはコンガとオルガンが肝だと思います。Danny Korchmar「For Sentimental Reasons」あたりと一緒に聴くとサイコーですな。
http://www.youtube.com/watch?v=fkGNVOmhzkg

「Darling Christina」
お兄さんの名曲「Doctor My Eyes」に似た軽快な躍動感が魅力ですね。Sneaky Pete Kleinowのペダル・スティールが大きくフィーチャーされています。

「Snow Flakes」
優しいアルペジオの響きとSeverinの歌声に癒される1曲。たまに聴く分にはこういう曲もいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=Ii8Qalte3Dk

「Raggedy Ann & Me」
お兄さんに通じる(良い意味での)青臭さを感じさせながら、お兄さんには無い小粋なテイストを醸し出しているのがいい感じ。

「Skip Tune」
「Sister」
お兄さんの楽曲と一緒に聴きたくなる2曲。共にジワジワと涙腺が緩くなりそうな感じがいいですね。特に「Sister」は相当ウルウルきますな!

「Not Quite Time」
この曲はお兄さんと言うよりJames Taylorといった雰囲気でしょうか。

「There's A Lot To Be Said」
多分、「Stay」に続いて支持が高いのはこの曲なのでは?Severinのソングライティングの素晴らしさを実感できます。「Stay」同様、コンガによるパーカッシヴな仕上がりが僕好みです。

「Just A Matter Of Time」
「Snow Flakes」同様、優しいアルペジオの響きとSeverinの歌声の相性がバッチリ!マイルドな歌声はお兄さんには無い魅力ですね。

「The All-American Boy And His Dog」
オールドタイムな雰囲気が実に小粋!この曲もSeverinのマイルドな歌声とアレンジが実にマッチしています。

2nd『New Improved Severin Browne』(1974年)もじっくり聴いてみたいです。

ニュー・インプルーヴド・セヴリン・ブラウン
posted by ez at 05:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする