2009年05月24日

Pseudo Slang『We'll Keep Looking』

アングラ・ジャジーHip-Hopファン注目の1枚☆Pseudo Slang『We'll Keep Looking』
We'll Keep Looking
発表年:2009年
ez的ジャンル:アングラ・ジャジーHip-Hop
気分は... :!ジャジーよりもジャズ!

今回はアングラ・ジャジーHip-Hopファン注目の新作、Pseudo Slang『We'll Keep Looking』です。

本作をゲットしてから約1ヶ月が経ちますが、Kero One『Early Believers』と並んでアングラHip-Hopのヘビロテになっています。

Pseudo Slangは、MCのEmcee SickとプロデューサーのTone Atlasの2人からなるニューヨーク・バッファロー出身のHip-Hopユニット。

2004年にセルフ・リリースした『Catalogue』は、1994年から2004年かけてレコーディングされた作品ということらしいので、かなり長いキャリアを誇る二人なんですね。

2006年にはミニ・アルバム『Thank God Its Not Another Mixtape』をリリースし、評価を高めていきます。そして2009年、満を持してリリースしたデビュー・アルバムが本作『We'll Keep Looking』です。

Sound ProvidersJazz Liberatorz以来の衝撃!!」

といった類のコピーで説明されることが多い彼らですが、確かにSound ProvidersJazz Liberatorz等のアングラ・ジャジーHip-Hopがお好きな人であれば、間違いなく気に入る内容だと思います。

"ジャジーな雰囲気のHop-Hop"という以上に"ジャズしているHop-Hop"という印象が強いですね。その意味ではアングラ・ジャジーHip-Hopファンに加えて、クラブジャズ好きの方が聴いてもグッとくる内容だと思います。

国内盤には「Venice」「Saku Koivu Rides Again」の2曲がボーナス・トラックとして追加収録されています。

アングラ・ジャジーHip-Hopの魅力と底力を再認識できる充実作!

全曲紹介しときやす。

「Venice」
オススメその1。エレガントなピアノとループが何とも心地よい"ジャズ"Hip-Hop。ギターとサックスによる味付けのシブさにもグッときます。国内盤ボーナス・トラック1曲目。

「Saku Koivu Rides Again」
ブラシ・ドラムのトラックがシブすぎ!真夜中に静かに酒でも飲みながら聴きたくなりますな。国内盤ボーナス・トラック2曲目。前述のミニ・アルバム『Thank God Its Not Another Mixtape』にも収録されていました。

「Myth of Web-Slinger」
オススメその2。ピアノHip-Hop好きには相当グッとくる1曲。50年代〜60年代のジャズ・ピアノ・トリオの魅力を上手にHip-Hopチューンへ昇華させているのがサイコー!

「Walkin'」
オススメその3。ウッドベースがスピーディーにグイグイ牽引するトラックがカッチョ良すぎ!擦り具合もグッド!

「Omelette」
オススメその4。「Walkin'」からのつなぎが実にスリリングなピアノHip-Hop。抑え気味の淡々とした感じが好き!

「K.I.M.」
アブストラクトな仕上がり。気分転換の1曲といった感じでしょうか。

「Myterious Lude」
インタールード的な1曲。

「Perfect Beat」
オススメその5。この曲のグルーヴ感は"ジャズ"より"ジャジー"の表現が似合いますね。ギターのループが心地よく響き渡ります。

「Bedouin」
オススメその6。色に例えれば、モノクロ&セピアな仕上がりの曲が多い中で、本曲はカラフルな仕上がりです。

「Out A Touch」
オススメその7。ジャズの小粋な雰囲気を生かしたトラックがグッド!クラブジャズと一緒に聴きたい曲ですね。
http://www.youtube.com/watch?v=87nxDpbSTYE

「Broke & Copasetic」
オススメその8。2006年にシングルとしてリリースしていた曲。Vinia Mojicaの女声ヴォーカルをフィーチャーした哀愁メロウ・チューン。
http://www.youtube.com/watch?v=D9KFIkCXyVU

「Yes Doubt」
オススメその9。ジャジーHip-Hop好きであれば気に入るであろうグルーヴ感に、思わず体が揺れてしまいます。

「Put It On」
「Chill Out $」
インタールード「Put It On」を挟んで「Chill Out $」へ。ジワジワ盛り上がってくる上モノがいい感じです。

「Good Night」
「Ogallala」
オススメその10。インタールード「Good Night」を挟んで「Ogallala」へ。パーカッシヴ&スペイシーなトラックに、ソウルフルな女声ヴォーカルが加わった僕好みの仕上がり。こういった曲も出来るんですね。

Tone AtlasはNick Zero、DJ Cutlerと結成したPseudo Intellectuals名義でも作品をリリースしています。その中からDiana Ross「I'm Coming Out」ネタのスクラッチが聴ける「No Money, Mo' Problems」を紹介しておきますね。Pseudo Slang同様のジャズ・フィーリング溢れるHip-Hopを聴くことができます。

Pseudo Intellectuals「No Money, Mo' Problems」
 http://www.youtube.com/watch?v=wS7-2jcs4Pw
posted by ez at 06:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする