2009年06月30日

Michael Franks『Burchfield Nines』

N.Y.らしいジャジー&メロウ・サウンドにグッとくる!☆Michael Franks『Burchfield Nines』
Burchfield Nines
発表年:1978年
ez的ジャンル:ジャジー&メロウ系AOR
気分は... :何気なさがいいねぇ!

AORファンに人気の男性シンガーMichael Franksの2回目の登場です。

前回の『Sleeping Gypsy』(1977年)に続いて紹介するのは、3『Burchfield Nines』(1978年)です。邦題『シティ・エレガンス』(笑)

AORの人気作である『Art of Tea』(1976年)、『Sleeping Gypsy』(1977年)と比較すると、取り上げられる機会の少ない作品ですが僕は結構好きです。

『Sleeping Gypsy』の記事でも書いたとおり、僕自身はMichael Franks本人に対して特に思い入れがあるわけではなく、プロダクションやバック・ミュージシャンの好サポートによる彼の作品の完成度の高さに関心があるという感じです。

その意味で本作『Burchfield Nines』は初のN.Y.録音であり、N.Y.らしい洗練された落ち着きのあるジャジー&メロウ・サウンドが僕の嗜好とフィットするのかもしれません。派手さはなく地味と評される作品ですが、Michael Franksのように雰囲気で聴かせるシンガーの場合、この位の落ち着きがあった方がグッドなのでは?

プロデュースは前2作同様Tommy LiPuma。Al Schmittもミックス担当としてクレジットされています。『Art of Tea』ではNick DeCaro、『Sleeping Gypsy』ではClaus Ogermanが起用されたアレンジですが、本作ではEumir Deodatoが起用されています。Deodatoの存在も僕が本作を気に入っている大きな要因かもしれません。

気になるバック陣ですが、基本メンバーはSteve Gadd(ds)、Will Lee(b)、Ralph MacDonald(per)、Leon Pendarvis(key)、John Tropea(g)といった布陣です。それ以外にErnie Watts(s)、Bud Shank(f) 、Oscar Brashear(tp)といったホーン陣もフィーチャーされています。

全曲Michael Franksのオリジナルです。

落ち着きのある何気ないAORサウンドでホッと一息つきたい方はぜひ!

全曲紹介しときやす。

「When the Cookie Jar Is Empty」
N.Y.らしいアーバン・メロウ・チューン。Michael自身のヴォーカルが出過ぎず、バック陣の素晴らしいバッキングを堪能できるのがグッド(笑)。

「A Robinsong」
一番のお気に入り曲。落ち着きの中の軽快なジャジー感がグッときます。Ernie Wattsがサックス・ソロで盛り上げてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=qJ6_h1UoqZ0

「Wrestle a Live Nude Girl」
タイトルのドキッとくる1曲(笑)。サウンド的には少しブルージーな雰囲気がグッド!

「Burchfield Nines」
タイトル曲。ちなみにタイトルにあるBurchfieldとは、米国の水彩風景画家Charles Burchfield(1893-1967年)のことです。落ち着いたバラードですが、この曲あたりが地味な印象を与えてしまうのかもしれませんね。

「Meet Me in the Deerpark」
「A Robinsong」と並ぶお気に入り曲。ライトなメロウ・グルーヴ感は僕のど真ん中です。ブラジル/ラテンなテイストを期待している人にはオススメ!

「Dear Little Nightingale」
優しく包み込むような雰囲気がグッドのバラード。Michaelの線の細いヴォーカルと曲がマッチしていると思います。

「In Search of the Perfect Shampoo」
面白いタイトルですね。男の哀愁感が漂うヴォーカルがさらに笑えます(笑)

「Vivaldi's Song」
シリアスな哀愁ムードのこのエンディング曲のみ、他の収録曲と少し雰囲気が異なります。大物ジャズ・ミュージシャンBud Shankもフルートで参加しています。この曲はJon Mark & Johnny AlmondによるデュオMark-Almondがカヴァーしています。

Mark-Almond「Vivaldi's Song」
 http://www.youtube.com/watch?v=_0cAjNI8Crk

今日で6月も終わりですね。
あっという間に今年も折り返し地点!後半はもっとスパートせねば!
本作のように、ゆったり、落ち着いていたいのですが...
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2009年06月29日

Curtis Mayfield『Something To Believe In』

メロウなCurtisを堪能できる1枚☆Curtis Mayfield『Something To Believe In』
サムシング・トゥ・ビリーヴ・イン+1(紙ジャケット仕様)
発表年:1980年
ez的ジャンル:メロウ・カーティス!
気分は... :やはり、「スペイン対ブラジル」が観たかった!

サッカーのコンフェデ杯決勝は、米国がブラジル相手に2点先取したことで意外に盛り上がりましたね。最後は地力の差が出てしまいましたが...

でも、どうせだったら「スペイン対ブラジル」の決勝を観たかったですね(笑)

日本代表は、まずは米国クラス(欧州・南米以外の出場国)と互角に戦えるようになって欲しいですね。"既にその力はある!"とお考えの方もいるかもしれませんが、個人的にはまだそのレベルには達していないと思います。

さて、今日は大御所Curtis Mayfieldです。
これまで当ブログで紹介したCurtis作品は以下の5枚。

 『Curtis』(1970年)
 『Curtis/Live!』(1971年)
 『Superfly』(1972年)
 『Back To The World』(1973年)
 『Got To Find A Way』(1974年)

6枚目に紹介するCurtis作品『Something To Believe In』(1980年)です。

70年代代後半以降のCurtis作品は、好みが分かれるかもしれませんが、本作はCurtisのメロウな味わいを存分に堪能できるのが魅力だと思います。人気曲「Tripping Out」をはじめ、優しくメロウなCurtisに出会うことができます。

個人的には、少しユルめのミッド・グルーヴ群がツボですね。
余計なことを考えずに、頭の中をリフレッシュできる感じが好きです。

Marvin Gaye『I Want You』でもお馴染みErnie Barnesによるジャケもグッド!

ニューソウルなCurtis作品も勿論好きですが、本作のように気負わずに聴けるCurtis作品もいいですね!

全曲紹介しときやす。

「Love Me, Love Me Now」
シングルにもなったダンサブルなミディアム・チューン。このあたりの曲は好き/嫌いが分かれるみたいですが、僕は大好きです。ノリノリのダンス・チューンではなく、何処か寂しげな感じが逆にグッときます!

「Never Let Me Go」
Impressions時代にも歌っていたJohnny Aceのヒット曲を再びカヴァーしています。この曲と言えば、Luther Vandrossのカヴァーが好きなのですが、Curtis ヴァージョンはオーソドックスな仕上がりですが、Curtisらしさが出ています。

The Impressions「Never Let Me Go」
 http://www.youtube.com/watch?v=oQ-HYaZsYXI
Johnny Ace「Never Let Me Go」
 http://www.youtube.com/watch?v=kO3_gre7kgs
Luther Vandross「Never Let Me Go」
 http://www.youtube.com/watch?v=mwlHExxp5XM

「Tripping Out」
本作のハイライトと言えば、この定番メロウ・グルーヴですね(Bunny Sigler作)。この心地好いグルーヴには世代を問わずグッときますよね!

オールド・ファンには山下達郎「あまく危険な香り」のモチーフ(?)としてお馴染みですし、Hip-Hopファンには当ブログでも紹介したCamp Lo「Black Nostaljack AKA Come On」のサンプリング・ネタとして有名ですね。それ以外にもToshi(久保田利伸)「Breaking Through」、Mya feat. Lil Wayne「Lock U Down(Tripping Mix)」、India Ari「Video (DJ Dodge Remix) 」、Nichole Gilbert(元Brownstone)「Can't Forget」等のネタになっています。

Camp Lo「Black Nostaljack AKA Come On」
 http://www.youtube.com/watch?v=6inG0BmlW6Y
Toshi「Breaking Through」
 http://www.youtube.com/watch?v=SVkLCtPShhk
山下達郎「あまく危険な香り」
 http://www.youtube.com/watch?v=0KCf9rNce8c

「People Never Give Up」
優しく、柔らかいソウル・チューン。少しイナたい雰囲気も含めて大好きです!昔ながらの醤油ラーメンって感じですね!ホッと落ち着く味!

「It's Alright」
Impressions時代の名曲をセルフ・カヴァー。子供のコーラスも入り、リラックスした感じです。

The Impressions「It's All Right」
 http://www.youtube.com/watch?v=rhTjPYxQKMw

「Something to Believe In」
タイトル曲もなかなか心地好いミッド・グルーヴに仕上がっています。感動的なストリングスと気持ちいいパーカッションが僕好みです。

「Never Stop Loving Me」
ラストは「Risin' To The Top」でお馴染みのKeni Burkeとの共同プロデュース&共作。そのせいかライト&メロウなアーバン・チューンに仕上がっています。Keni Burkeヴァージョンは『You're The Best』(1981年)に収録されています。

僕の保有するCDには未収録ですが、最近のCDにはボーナス・トラックとして「This Year」が収録されているようです。
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2009年06月28日

Galliano『A Joyful Noise Unto The Creator』

アシッド・ジャズの人気グループ、Mick Talbotプロデュースの2nd☆Galliano『A Joyful Noise Unto The Creator』
A Joyful Noise Unto the Creator
発表年:1992年
ez的ジャンル:ラップ系アシッド・ジャズ
気分は... :チャーリーズ・エンジェル!

Michael Jacksonの死から2日が経ちました。

MJの死は惜しむべきですが、マスコミもブログもMJネタばかりで少し食傷気味ですね。TVやネットでもMJ関係のものは意識的に避けています。

当ブログではこの騒ぎが落ち着いた頃にでも、MJ関連作品を取り上げたいと思います。僕の場合、『Thriller』以降の作品を取り上げることはありませんが...

MJの記事のせいであまり話題になりませんが、同じ日に女優のファラ・フォーセットが亡くなりました。「チャーリーズ・エンジェル」に夢中だった僕にとっては相当ショックです。謹んでご冥福をお祈り致します。

さて、今日はアシッド・ジャズ期の人気グループGallianoの2ndアルバム『A Joyful Noise Unto The Creator』(1992年)です。

Gallianoは、Rob Gallagherを中心にしたグループ。Rob Gallagherを含めて3名のコア・メンバーがいましたが、レコーディングやライブでは数多くのミュージシャンが加わっていたため、実態としてはRob Gallagherを中心としたプロジェクトと説明した方が良いのかもしれません。

アシッド・ジャズ・ブームの中心人物Gilles Petersonが主宰するAcid Jazzレーベルより、シングル「Frederic Lies Still」(1988年)でデビューします。その後、Gilles Petersonが1990年に新たにTalkin' Loudを設立すると、第一弾契約アーティストとしてサインしました。

そして、1stアルバム『In Pursuit of the 13th Note』(1991年)をリリース。その後2nd『A Joyful Noise unto the Creator』(1992年)、3rd『The Plot Thickens』(1994年) 4th『4 (Four) 』といったアルバムをリリースした後にグループは解散します。

アシッド・ジャズに夢中になった人にとっては、『In Pursuit of the 13th Note』(1991年)、『A Joyful Noise unto the Creator』(1992年)の2枚は印象深い作品ですね。

人気ファッションデザイナーJohn Gallianoが台頭してきたのもこの頃で、それともイメージが重なり、「Galliano=スタイリッシュなクラブ・ミュージック」という印象がありました。

今日紹介する2nd『A Joyful Noise unto the Creator』は、元Style CouncilMick Talbotプロデュースしており、1st以上に歌や生演奏へのこだわりを見せた仕上がりとなっています。UKらしいジャズ・ファンク・サウンドとソウルフルなヴォーカルとラップがいい感じに融合しています。それ以外にレゲエ/ダブ、アフリカ、カリブの要素もあり、それらが混ざったスタイリッシュなハイブリッド感が魅力です。

リアルタイムでアシッド・ジャズを体験していない人がどの程度グッとくるのかはわかりませんが、今日のUKジャズ・ファンクやジャジーHip-Hopがお好きな人は聴いてみると面白いのでは?

全曲紹介しときやす。

「Groundation(Part 1)」
エスニックなプロローグ。

「Jus' Reach」
オススメその1。当ブログでも紹介したArchie Sheppの名曲「Attica Blues」のリメイク。シングルにもなりました。Valerie Etienneによるソウルフルな女性ヴォーカルをフィーチャーしたジャズ・ファンクに仕上がっています。オリジナル「Attica Blues」とセットで聴くのが楽しいと思います。

「Skunk Funk」
オススメその2。この曲もシングルにもなりました。元Young Disciplesの女性ヴォーカリストだったCarleen Anderson をフィーチャーしたアシッド・ジャズらしいファンキー・グルーヴ。ファンキーかつヒップな感覚が何とも言えずカッチョ良いですね!

「Earth Boots」
アシッド・ジャズならではのジャジーHip-Hopチューン。先日紹介したJon Lucien「A Prayer for Peace」をサンプリングしたアコースティックな味わいがグッド!
http://www.youtube.com/watch?v=EstWQQukPLk

「Phantom」
UKらしいダビー&ラガ・テイストの仕上がり。ソウルもジャズもレゲエ/ダブも混在しているのがUKクラブ・ミュージックの魅力ですね。

「Jazz!」
オススメその3。Lonnie Liston Smithばりのコズミックなジャズ・ファンク・サウンドがグッド!

「New World Order」
地球への警鐘を鳴らすメッセージ・ソング。単にスタイリッシュというわけではありません。

「So Much Confusion」
Linda Murielの女性ヴォーカルをフィーチャー。ラップとヴォーカルが程好く融合したGallianoらしいジャジー・グルーヴを聴くことができます。

「Totally Together」
オススメその4。Jackie Mittoo「Totally Together」のリメイク。オリジナルを知らなくても楽しめるカッチョ良いファンキー・グルーヴ。

Jackie Mittoo「Totally Together」
 http://www.youtube.com/watch?v=2LOHMxD_EAw

「Golden Flower」
オススメその5。UKソウル/アシッド・ジャズ・ファンならばお馴染みOmarのヴォーカルをフィーチャー。パーカッシヴなグッド・ヴァイヴに仕上がっています。Gil Scott-Heronあたりがお好きな人も気に入るのでは?Omarもそのうち紹介しますね。
http://www.youtube.com/watch?v=zx0mc5fa15k

「Prince Of Peace」
オススメその6。本作のハイライト曲はPharoah Sandersの名演リメイク。アシッド・ジャズを代表する人気シングルですね。Valerie Etienneの艶やかな女性ボーカルをフィーチャーし、名曲をスタイリッシュに90年代に甦らせました。
http://www.youtube.com/watch?v=9ETJuem-geE

当ブログで既に紹介済みのPharoah SandersのオリジナルはLonnie Liston Smithの幻想的なピアノをバックに、Leon thomasのヨーデル・ボーカルが炸裂します。本カヴァーとセットで聴くと2倍楽しめるはず!

Pharoah Sanders「Prince of Peace」
 http://www.youtube.com/watch?v=_AAELC5Kzno

「Groundation(Part 2)」
アフリカン・テイストのエピローグ。

国内盤には「Skunk Funk」のAndrew WeatherallによるリミックスCabin Fever Mixが収録されています。Weatherallと言えば、当ブログでも紹介したMy Bloody ValentinePrimal Screamのリミックスで有名ですね。ここでもアシッド・ジャズをWeatherallらしく調理してしまう腕前はさすがですね!
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2009年06月27日

Azteca『Azteca』

ハイブリッドなチカーノ・ロックでラテン気分!☆Azteca『Azteca』♪
アステカ
発表年:1972年
ez的ジャンル:ハイブリッド系チカーノ・ロック
気分は... :アミーゴ!

只今、「朝まで生テレビ」を観ています。
今日のテーマは"日本の貧困"

あまり政治ネタのコメントはしたくないのですが、政治家・評論家連中の議論を聞いていると、日本の先行き暗いですな!

話は変わりますが、先日、米国オバマ政権のNo.2ジョー・バイデン副大統領のインタビュー番組を観ました。日本のメディアに登場することは少ないですが、なかなか面白い人物でしたし、オバマ大統領の関係も興味深かったですね。裸の王様になっている某国の首相は羨ましい限りなのでは?

さて、今日はラテン系の音が聴きたい気分!

セレクトしたのは、Aztecaのデビュー・アルバム『Azteca』(1972年)です。

Santanaのサポート・メンバーとしても活躍したパーカッション奏者Coke Escovedoが中心となって結成したグループAztecaは、Carlos Santanaの弟Jorge Santanaが率いたMaloと共に、"Santanaフォロワー"としてチカーノ(メキシコ系アメリカ人)から絶大な人気を誇ったグループです。

Aztecaとしては、『Azteca』(1972年)、『Pyramid Of The Moon』(1973年)という2枚のアルバムをリリースしています。

リーダーCoke Escovedoについては、以前にソロ作品『Coke』(1975年)を紹介しました。

本作『Azteca』のレコーディング・メンバーには、Coke Escovedo(per)をはじめ、Cokeの兄かつ女性パーカッション奏者Sheila E.の父でもあるPete Escovedo(vo)、元Santanaで後にJourneyを結成するNeal Schon(g)、Victor Pantoja(per)、Lenny White(ds)、Paul Jackson(b)、Flip Nunez(org)等総勢16名のミュージシャンの名がクレジットされています。チカーノ・ロックを代表するグループですが、このように見るとさまざまなジャンルからの混成メンバーですね。

サウンドの方も、ラテン、ジャズ、ファンク/ソウル、ロックが融合したハイブリッドなチカーノ・ロックを聴かせてくれます。歌詞も英語とスペイン語のバイリンガルです。

フリーソウル・クラシック「Love Not Then」 、レア・グルーヴ・クラシック「Ain't Got No Special Woman」という2曲の目玉が収録されています。そうしたフリーソウル/レア・グルーヴの文脈でも楽しめますが、上記のような多様な参加ミュージシャンによるハイブリッド・サウンドを堪能するのも楽しいですよ!アステカ文明を意識した神秘的な楽曲もあります!

ラテンの陽気で明るいサウンドが日本を救う!
ラテンを聴くと"幸福ホルモン"セレトロニンの分泌が多くなると思いますよ!

全曲紹介しときやす。

「La Piedra del Sol」
オープニングはグループ名にもなっているアステカ文明に因んだ神秘的・宇宙的なインスト。

「Mamita Linda」
シングルにもなったハイ・スピードのラテン・グルーヴ。Cokeのティンバレスがスパークする、いかにもチカーノが歓喜しながら飛び跳ねそうな仕上がり!ピッコロの音色もいいアクセントになっています。

「Ain't Got No Special Woman」
レア・グルーヴ・ファンの一番人気はこの曲でしょうね。イントロのホーンを聴いただけで相当グッときますね。Rico Reyesのラテン・ソウルなヴォーカル、Flip Nunezのファンキーなオルガン、Neal Schonの白熱のギター・ソロ等々聴きどころ満載です。後半はみんな手拍子で!

「Empty Prophet」
Errol Knowlesのヴォーカルをフィーチャーした哀愁のラテン・ソウル・バラード。

「Can't Take the Funk Out of Me」
Paul Jacksonがソウルフルなリード・ヴォーカルをとる、ミディアム・ファンキー・グルーヴ。ホーン隊もいい感じでTower Of Powerあたりがお好きな方はグッとくるファンキー・チューンなのでは?George DiQuattroのクラビネットもキマっています!

「Peace Everybody」
ブラス・ロック+ラテン・ロックといった格好良さを持っています。Chaseあたりが持つブラック・フィーリング溢れるブラス・ロックに、Aztecaらしいラテンのスパイスが加わった感じですね。。

「Non Pacem」
フュージョン〜ファンク〜ジャズ〜ラテンと目まぐるしく曲の表情が変わります。さまざまなジャンルからの混成グループらしい1曲なのでは?

「Ah! Ah!」
ピッコロが涼しげに響き渡るライト感覚のラテン・チューン。

「Love Not Then」
「Someday We'll Get By」(『Pyramid Of The Moon』収録)と並ぶフリーソウル・クラシック。夕陽を眺めながら聴きたい黄昏メロウ・チューンですね。Wendy Haasの女性ヴォーカルにもグッときます。個人的にはMalo「Suavecito」と一緒に聴くのがお気に入りです。

「Azteca」
グループ名をタイトルに冠した本曲は、アステカ文明の持つ神秘的な世界をサウンドで表現したかのようなラテン・フュージョンに仕上がっています。

「Theme: La Piedra del Sol」
ラストはもミステリアスなインスト・チューン。

2nd『Pyramid Of The Moon』(1973年)には、「Love Not Then」 と並ぶフリーソウル・クラシック「Someday We'll Get By」が収録されています。
Pyramid Of The Moon
Pyramid Of The Moon

Azteca「Someday We'll Get By」
http://www.youtube.com/watch?v=-bjrMjZ-2b8
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2009年06月25日

The Allstars Collective『All About the Music』

元AWBのHamish Stuart、Jocelyn Brownらが参加したUKジャズ・ファンクのオールスターズ☆The Allstars Collective『All About the Music』
All About the Music
発表年:2007年
ez的ジャンル:メロウ&ファンキーUKジャズ・ファンク
気分は... :夏が待ちきれない!

今日はThe Allstars Collective『All About the Music』です。
本国UKでは2007年末にリリースされた作品ですが、今年6月にようやく国内盤がリリースされました。

2004年にUKのサックス奏者Matt Clackettがライブ・イベント用に知り合いのスタジオ・ミュージシャンを集めたのが、The Allstars Collectiveの始まりです。ライブの盛況ぶりに気を良くしたClackettは、パーマネントなグループThe Allstars Collectiveとしてライブ活動を行うようになります。

そして、2006年より元Average White Band(AWB)メンバーHamish Stewartをプロデューサーに据えてアルバムの制作に取り掛かります。そして、2年の歳月をかけて完成させた作品が今日紹介する『All About the Music』です。

ちなみに輸入盤のジャケはこうです。
『All About the Music』(輸入盤)
All About the Music
※輸入盤と国内盤では曲順が違っています。

ライト&メロウな味わいのUKソウル/ジャズ・ファンクといった仕上がりです。
70年代のUKファンク、70〜80年代のAOR/フュージョン、90年代アシッド・ジャズ好きの人はグッとくる作品だと思います。

プロデューサーHamish Stewartは、本ブログでも大絶賛だったUKの人気ジャズ・ファンク・グループThe Baker Brothers『Transition Transmission』(2008年)への参加も記憶に新しく、そのあたりとリンクさせながら聴くと、さらに興味深く聴くことができるのでは?
The Baker Brothers feat.Hamish Stewart「Chance And Fly」
 http://jp.youtube.com/watch?v=X6ymGWBpD7k

Guy Phethean(key)、Mark Mondesir(ds)、Randy Hope-Taylor(b)、 Robert Anderson(per)、 Chris Newland(g)、Matt Clackett(s、f)、David Mian(tp)、Lawrie Bolton(or、clav)、Hamish Stuart(vo、g)、Jim Mullen(g)、Henry Collins(tp、flu)等の腕利きミュージシャンとJocelyn Brown、Angelo Satrr、Klaus White、Mary Pearce、Cuttie Williams、Julie Payne、Roy Hamiltonといったヴォーカル陣が参加しています。"オールスターズ"を名乗るわりには、シブいメンツかもしれませんが(笑)

目を惹くのは、Hamish Stewart、元IncognitoRandy Hope-Taylor、そしてソウル/ハウス好きにはお馴染みのディーヴァJocelyn Brownあたりですかね。

70年代のAWBに代表されるUKファンクの流れが、90年代アシッド・ジャズを経由して、2009年の現在でもしっかり根付いていることを実感できる1枚だと思います。

あるようで、なかなか無いタイプの作品だと思います。
夏の到来が待ちきれなくなりますよ!

全曲紹介しときやす。

「Sometimes」
Mary Pearceの女性ヴォーカルをフィーチャーした爽快なファンク・チューン。この曲をCDショップで試聴して、本作の購入を即決しました。太陽の光を浴びたくなる、サマー・チューンに仕上がっています。フェンダーローズの心地好い音色と豪快なホーン隊をバックに、Mary Pearceがパワフル&ソウルフルなヴォーカルを披露してくれます。Matt Clackettのアルト・サックス・ソロもグッド!

「Beautiful Day」
Stevie WonderばりのKlaus Whiteのヴォーカルをフィーチャーした躍動するグルーヴ。ラテン・フレイヴァーな仕上がりは僕好み!Chris Newlandがギター・ソロを聴かせてくれます。

「Remedy」
Hamish Stuartのヴォーカルをフィーチャーしら爽快ジャズ・ファンク。Average White Bandファンは歓喜の1曲のはず!Brian Auger's Oblivion ExpressKokomoのメンバーでもあったJim Mullenが素敵なギター・ソロを聴かせてくれます。

「All About the Music」
Jocelyn Brownをフィーチャーしたダンサブルなソウル・グルーヴ。彼女のダイナマイト・ヴォーカルを活かすべく演奏もパワフルです。Stevie WonderMarvin GayeAretha Franklin、Ray Charlesの名前が出てくるのも楽しいですよ。
http://www.youtube.com/watch?v=DjVOA3XXJZU
※音が鳴り出すのが20秒後あたりなのでご注意を!

「Star」
Cuttie Williamsによる男性ヴォーカルをフィーチャーした哀愁メロウ。AOR好きの人にはグッとくるのでは?ここでもJim Mullenが哀愁のギター・ソロを聴かせてくれます。後半のMark Mondesir(ds)とRobert Anderson(per)を中心にしたパーカッシヴな展開も盛り上がります。
http://www.youtube.com/watch?v=2u_55Qt-G6c

「Satisfied」
Julie Payneの女性ヴォーカルをフィーチャーしたUKジャズ・ファンクらしい心地好いグルーヴ感を堪能できる1曲。90年代アシッド・ジャズ好きの人は気に入る1曲だと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=ogkC1h6-iFY

「Hey, Listen Up」
「Sometimes」と並ぶ僕のお気に入り曲。僕の今夏のヘビロテになりそうなサマー・グルーヴ。多分、70年代メロウ・グルーヴがお好きな人には相当ハマるはずです!Roy Hamiltonの男性ヴォーカルをフィーチャー。Jim Mullenのギターもサイコー!
http://www.youtube.com/watch?v=tmGn6XOd38E

「Treading Water」
Mary Pearceのヴォーカルをフィーチャーしたサマー・グルーヴ。この曲も今夏は僕のiPodで大忙しとなることでしょう!Matt Clackettがここでは爽快なフルート・ソロを聴かせてくれます。

「On My Mind」
Klaus Whiteのヴォーカルをフィーチャーしたレゲエ・チューン。このあたりはUKらしいですね。

「Time Will Tell」
ラストはAngelo Satrrの男性ヴォーカルをフィーチャーしたフォーキー・ソウル。なかなか感動的な仕上がりです。浜辺で夕陽を眺めながら聴きたくなります。

国内盤には「All About the Music」のハウス仕様リミックス 「All About the Music(The Bassmonkeys mix) 」が収録されています。Jocelyn Brownのヴォーカルをハウス・サウンドで聴きたい方はどうぞ!

UKジャズ・ファンクのオールズターズと言えば、The Sound Stylisticsの新作『Greasin' The Wheels』も超オススメです。こちらも近々に紹介しますね。
posted by ez at 04:40| Comment(2) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする