2009年06月19日

Creedence Clearwater Revival『Green River』

カントリー・ロック色を強めた3rd☆Creedence Clearwater Revival『Green River』
Green River
発表年:1969年
ez的ジャンル:ルーツ探求系ロックンロール
気分は... :ビミョー!

Creedence Clearwater Revival(CCR)の2回目の登場です。

2ndアルバム『Bayou Country』(1969年)に続いて紹介するのは、3rdアルバム『Green River』(1969年)です。

CCR初の全米アルバムチャート第1位に輝いたアルバムであり、「Green River」「Bad Moon Rising」という2曲の大ヒット・シングルが生まれました。メンバーは、John Fogerty(vo、g)、Tom Fogerty(g)、Stu Cook(b)、Doug Clifford(ds)の4人。

CCRの歴史の中では、カントリー・ロック色の強くなったアルバムと位置づけられる作品です。その意味では、そうしたカントリー・フレイヴァーを堪能するのが、本作の正しい聴き方かもしれませんね。

僕の場合、カントリー調の曲にはビミョーな境界線があって、好きなタイプと苦手なタイプがはっきり分かれてしまいます。上手く説明できませんが、曲・演奏が共にイモ臭い感じのものが苦手です。

本作で言えば、カントリー・バラード「Wrote a Song for Everyone」は好きだけど、軽快なロカビリー調の「Cross Tie Walker」あたりは苦手だったりします。同じロカビリー調でも「Bad Moon Rising」は大好きなのですが...

そんな僕でも『Green River』は魅力的なアルバムだと思います。
全く説得力がありませんが(笑)

カントリー・ロック色の濃厚なアルバムと言われていますが、アーシーなスワンプ・チューン、ハイスピードの2ビート・ロックンロール、ブルース・ロックと、なかなかバラエティに富んだ内容になっていると思います。

毎日聴きたい音ではありませんが、時にはこうした土臭い音楽を聴いて、たくましくならないといけませんな。

全曲紹介しときやす。

「Green River」
タイトル曲は全米チャート第2位の大ヒット・シングル。よく言われるように、2ndシングル「Suzie Q」(Dale Hawkinsのカヴァー)のリメイクといった出来栄えの、100%CCR印のスワンプ・ロックンロール。
http://www.youtube.com/watch?v=JacHyPaEwDc

「Commotion」
本作で一番のお気に入り。小気味良い2ビート・ロックンロールに仕上がっています。今時のロック・バンドが少しハードにカヴァーするとモロにハマるような曲だと思います。サイコー!
http://www.youtube.com/watch?v=uijpFKPvhMI

「Tombstone Shadow」
「墓石の影」という邦題のように、殆ど語られることがない地味な1曲ですが(笑)、僕にとってはど真ん中のスワンプ・ロックです。
http://www.youtube.com/watch?v=1d14ZYVvTRs

「Wrote a Song for Everyone」
John Fogertyのアーシーなヴォーカルが冴え渡るカントリー・バラード。これぞ僕の好きなタイプのカントリーです!
http://www.youtube.com/watch?v=QDR_WO0qYWs

「Bad Moon Rising」
全米チャート第2位となったヒット・シングル。CCRらしいロカビリー調の雰囲気がグッド!多くのアーティストがカヴァーしていますが、Emmylou Harrisヴァージョンあたりを聴くと、曲自体よりもCCRの演奏が好きなんだと実感してしまいます。
http://www.youtube.com/watch?v=5BmEGm-mraE

Emmylou Harris「Bad Moon Rising」
 http://www.youtube.com/watch?v=gg-s4ycrKE0

「Lodi」
シングル「Bad Moon Rising」のB面ですが、ファンに人気の1曲ですね。本作らしいカントリー・ロックに仕上がっています。曲的には僕が苦手なイモ臭いカントリーですが、John Fogertyのヴォーカルとロックしている演奏のおかげで大丈夫です(笑)。
http://www.youtube.com/watch?v=yA7iGxV6rt4

「Cross Tie Walker」
軽快なロカビリーなのですが、僕の苦手なイモ臭さがプンプンするビミョーな仕上がりです(笑)
http://www.youtube.com/watch?v=aFiMJerLB0E

「Sinister Purpose」
隠れた名曲だと思っているブルース・ロック。「黒い陰謀」という邦題もグッド!個人的にはカントリー色が強いものよりも本曲のようにブルース色が強いものが好きですね。様々なアーティストがカヴァーしていますが、YouTubeで見つけたPavementのカヴァーが良かったので紹介しておきます。

Pavement「Sinister Purpose〜Folk Jam Later」
 http://www.youtube.com/watch?v=6DtEMopVFS4

「Night Time Is the Right Time」
ラストはブルース・スタンダードのカヴァー。Ray Charlesのカヴァー・ヒット(1959年)でお馴染みですね。アーシーな雰囲気たっぷりの絶品カヴァーに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=SinNvC5t7ks

今日の記事はイマイチ調子がのりません。
なのでおしまい!
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2009年06月18日

音楽の園〜番外編『たまにはJ-POPも聴くんです!』

当ブログは洋楽作品を紹介するものですが、普段はJ-POPも少しは聴きます。
そこで今日は音楽の園〜番外編として、僕の好きなJ-POPを思いつくままに10曲セレクトしました。

もしかしたら、普段のセレクト以上に僕の音楽嗜好が反映された10曲かもしれません。
昔で言う"渋谷系"が好きなんだなぁ、と自覚しています(笑)

キリンジ「スウィートソウル」(2003年)
https://www.youtube.com/watch?v=hNcSIYfKweY
スウィートソウル ep
J-POPで一番好きなシングルかもしれません。
まさに永遠のスウィートソウル!

Cosa Nostra「Marmalade」(1998年)
https://www.youtube.com/watch?v=5KguFlsX0Xo
OUR THING
J-POPで一番好きだったアーティストがCosa Nostraでした。
Al Kooper「Jolie」のカヴァーはオリジナルよりも好きです。

ICE「C'est La Vie」(2003年)
https://www.youtube.com/watch?v=XD565IE2yzc
Formula21
国岡真由美のクールなヴォーカルがたまらないICE。
本シングルではSpandau Ballet「True」をサンプリング。
ありがとう宮内さん!

古内東子「宝物」(1997年)
https://www.youtube.com/watch?v=wgXbdJnNsMA
恋
女性に人気の彼女ですが、切ない女心に野郎の僕もグッときます(笑)

Boo feat. Muro「Smile In Your Face」(2002年)
https://www.youtube.com/watch?v=lt9sZrDHXnw
smile in your face
山下達郎の名曲「SPARKLE」をサンプリング。名前はブーでも中身はグー(笑)

Char「Black Shoes」(1989年)
https://www.youtube.com/watch?v=HEMZgmqy3oo
DAYS WENT BY 1988-1993
いつ聴いてもCharはシブいですね。これぞ大人のロック!

ROSSO「アウトサイダー」(2005年)
http://www.youtube.com/watch?v=kgeSP3RbG44
DIRTY KARAT(初回)(DVD付)
この10年間、この曲より格好良いロックを聴いたことがありません。

United Future Organization「Loud Minority」(1991年)
http://www.youtube.com/watch?v=wx0H1VsTbJw
United Future Organization.jpg
ジャズの格好良さを教えてくれたU.F.O.
本曲を含むアルバム『Jazzin'』はクラブジャズのバイブル!

Fantastic Plastic Machine「Reaching For The Star」(2003年)
http://www.youtube.com/watch?v=Z0Em-FPAUuI
too (CCCD)
田中 知之のソロプロジェクトFPM。
星まで届きそうな素敵なダンス・チューン。

Immigrant's Bossa Band「MESSAGE」(2007年)
http://www.youtube.com/watch?v=z7bB4OIA4z4
Message
センス抜群のジャパニーズ・ボッサ。

サッカーW杯のアジア最終予選「オーストラリア対日本」は日本が敗れ、A組2位での予選通過となりました。オーストラリアに力負けしたことは、日本の課題を浮き彫りにしましたね。何より、日本は"ベスト4入り"ではなく、"グループリーグ突破"を目指すべき国であることを、国民やマスコミが認識するいい機会だったのでは?
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2009年06月17日

Tina Turner『Private Dancer』

UKシンセ・ポップとの素敵な出会い!見事なカムバック作☆Tina Turner『Private Dancer』
Private Dancer
発表年:1984年
ez的ジャンル:ダイナマイト系ソウル/ロック・シンガー
気分は... :奇跡のカムバック!

たまにはベタなヒット・アルバムを!ということでTina Turner『Private Dancer』(1984年)です。

Tina Turner(本名:Anna Mae Bullock)は1939年テネシー生まれ。1959年にIke & Tina Turnerを結成し、1976年に解散するまで夫婦デュオとして活躍しました。その後、今日紹介する『Private Dancer』(1984年)で大ブレイクし、ソロ・シンガーとして今日まで活躍しています。

以前にIke & Tina Turnerの記事でも書きましたが、Ikeの麻薬問題や家庭内暴力に悩まされ続けたTinaは、1978年にIkeと正式に離婚します。しかし、Ike & Tina Turner時代の権利は全てIkeが保有するというTinaにはあまりに辛い結末でした。

Ike & Tina Turner時代の曲を全く歌えないという不遇時代を過ごしたTinaですが、彼女を勇気づけたのはRolling Stonesのメンバーはじめとする彼女を慕うUKのミュージシャン達でした。

そんな中、1982年にUKのシンセポップ・ユニットB.E.F.がTinaをフィーチャーしたシングル「Ball of Confusion」(Temptations、1970年のヒット曲カヴァー)をリリースします。

B.E.F.は元Human LeagueのメンバーだったMartyn WareとIan Craig Marshによるユニットであり(Heaven 17の別プロジェクト的な位置づけでしたね)、ソウルの名曲を次々とシンセ・ポップで調理し、一部ファンから高い支持を得ていました。

B.E.F. Feat.Tina Turner「Ball of Confusion」
 http://www.youtube.com/watch?v=lLEH15xb4G0

このコラボをきっかけにMartyn Wareは、Tina復活の第一歩となったシングル「Let's Stay Together」をプロデュースします。さらにUKロック界のプロデューサー、ミュージシャンが中心となり、ロンドンで復活アルバム『Private Dancer』が制作されました。

1984年にリリースされた『Private Dancer』は、皆さんご存知の通り、多数のシングルヒットを生み、アルバムもビッグ・セールスを記録します。さらに1985年のグラミーでは4部門を受賞し、Tinaは奇跡のカムバックを成し遂げたのでした。

僕もリアルタイムでLPを購入し、Tinaのダイナマイト・ヴォーカルに歓喜していた一人です。特に購入当初は「Let's Stay Together」を毎日のように聴いていた記憶があります。

Tina=ソウル・シンガーのイメージが強く、当時はソウル・アルバムを聴いているという感覚だったのですが、基本はソウル・シンガーが歌うポップ/ロック・アルバムですね。特にRupert Hine、Rupert Hine、Terry Britten、John Carter等のUkプロデュース陣によるシンセ・ポップ・サウンドが本作を大きく特徴づけています。Tina自身もソウル・クイーンではなく、ロック・クイーンになることを望んでいたのでしょうね。

今聴くと、このシンセ・ポップ・サウンドが好き/嫌いの別れるところかもしれませんが...
UKロックとTinaが化学反応している作品として聴くと、かなり楽しめると思いますよ!

Tinaのダイナマイト・ヴォーカルはいつ聴いてもサイコー!

全曲紹介しときやす。

「I Might Have Been Queen」
Rupert Hineプロデュースによるドライブ感の効いたオープニング。ロック色の強いこの曲をオープニングに配することで"ロック・クイーン"として第一線に戻ってきたことをアピールしたかったのかもしれませんね。
http://www.youtube.com/watch?v=dxfJ5frqKFc

「What's Love Got to Do With It」
シングルとして全米ポップ・チャート第1位、同R&Bチャート第2位となったキャリア最大のヒット曲。そして、グラミーのBest Female Pop Vocal Performance、Record of the Year、 Song of the Yearに輝いた名曲です。「Let's Stay Together」同様、Tinaの魅力を見事に引き出したシンセ・ポップですね。いつ聴いてもグッとくるものがありますね。
http://www.youtube.com/watch?v=oGpFcHTxjZs

「Show Some Respect」
シンセ・サウンドを効かせたロック・チューン。いかにも80年代の音ですね。Terry Brittenプロデュース。

「I Can't Stand the Rain」
Ann Peebles、お馴染みのヒット曲をカヴァー。当ブログでこの曲のカヴァーを紹介するのは、Ron WoodCassandra WilsonGraham Central Stationに続き4度目になります。Tinaのダイナマイト・ヴォーカルを爆発させるにはいい曲かもしれませんが、この曲に限ってはプロダクションはイマイチかも?Terry Brittenプロデュース。

「Private Dancer」
タイトル曲はMark Knopfler(Dire Straits)の作品です。シングルとして全米ポップ・チャート第7位、同R&Bチャート第3位のヒットとなりました。大人の落ち着きを持ったエレガントなロック・チューンといった仕上がりがグッド!John Carterがプロデュースし、Jeff Beckが見事なギター・ソロを聴かせてくれます。Mel Collinsのサックスもなかなかです。
http://www.youtube.com/watch?v=d4QnalIHlVc

「Let's Stay Together」
Al Green、1972年の大ヒット曲カヴァー。Tina復活の第一歩となったシングルでもあります。前述のようにB.E.F. 、Heaven 17のメンバーMartyn WareがGreg Walshと共にプロデュースしています。またHeaven 17のリードシンガーGlenn Gregoryもバックコーラスで参加しています。

UKシンセ・ポップとダイナマイト・ソウル・シンガーの素敵なコラボは名曲に新たな命を吹き込んでくれました。正直、Al GreenのオリジナルよりもTinaのカヴァーの方が断然好きです。今聴いても全く古さを感じないのはMartyn Wareの手腕でしょうね。B.E.F.も含めてMartyn Wareのセンスの良さは抜群だと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=OQwOS9QE-Ow

「Better Be Good to Me」
シングルとして全米ポップ・チャート第5位、同R&Bチャート第6位のヒットとなりました。オリジナルはSpiderというグループが1981年にリリースしています。ソングライティングはMike Chapman & Nicky Chinnの売れっ子コンビと、Spiderのメンバーであり、売れっ子ソングライターでもあるHolly Knightの共作です。

ここではRupert Hineがプロデュースし、そのRupertのプロデュースでブレイクしたThe FixxのCy Curninがバックコーラスで参加しています。良くも悪くもRupertらしいシンセ・ポップに仕上がっています。また本曲でTinaはグラミーのBest Female Rock Vocal Performanceを受賞しました。
http://www.youtube.com/watch?v=9Rvxb-J-fJs

「Steel Claw」
ハイスピードで突っ走るロック・チューン。ベタな感じですがTinaのキャラに良くマッチした仕上がりでかなり好きです。John Carterがプロデュースし、Jeff Beckが「Private Dancer」に続き、カッチョ良いギターソロを聴かせてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=wGnPrlqGPlk

「Help!」
ご存知Beatlesの大ヒット曲をカヴァー。シングルにもなりました。プロデュースはJoe Sample & Wilton Felder & Ndugu Chancler。ギターでDavid T. Walkerも参加しています。このメンツからも想像できるように、アルバムの中でも異質のソウルフルな仕上がりになっています。

「1984」
エンディングはDavid Bowieのカヴァー。1984年に「1984」をカヴァーという安直なセレクトという気もしますが(笑)。Martyn Ware & Greg Walshプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=7G7miUs83Yo

僕が持っているのはUK盤ですが、US盤は「Help」が未収録で曲順やジャケ写真も異なります。また、最近のCD(Centenary Edition)にはボーナス・トラックが7曲追加されています。

本作のようなシンセ・ポップとソウルの融合にグッとくる方は前述のB.E.F.あたりもオススメです。『Music Of Quality And Distinction Vol.1』(1982年)、『Music Of Quality And Distinction Vol.2』(1991年)という2枚のアルバムをリリースしています。個人的には今でもVol.2を愛聴しています。

ちなみにVol.2でTinaは「A Change Is Gonna Come」を歌っています。それ以外にVol.2はChaka KhanLalah Hathaway、Tashan、Mavis Staples、Billy Presyon、Green Gartside(Scritti Politti)、Terence Trent D'Arbyらがヴォーカルでフィーチャーされています。

ただし、現在は入手困難なようですが(泣)
posted by ez at 03:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年06月16日

Thelonious Monk『Monk's Music』

Monk作品の中でも異色の人気作☆Thelonious Monk『Monk's Music』
モンクス・ミュージック
録音年:1957年
ez的ジャンル:ハプニング系ハードバップ・ジャズ
気分は... :完璧ではない楽しさ!

個性派ジャズ・ピアニストThelonious Monkの4回目の登場です。

当ブログでこれまで紹介したMonk作品は以下の3枚。

 『Brilliant Corners』(1956年)
 『Thelonious Himself』(1957年)
 『Mulligan Meets Monk』(1957年) ※Gerry Mulliganの共演

4枚目に紹介するのはThelonious Monk『Monk's Music』(1957年)です。

Monk作品の中でも異色の傑作(?)ですね。
演奏中にハプニングが生じた迷演をそのままリリースした作品であり、"最高の失敗作"なんて形容もされる作品ですね。

"永遠のジャズ初心者"である僕は、演奏の細かなことは正直よくわかりません。そんな僕でも十分に楽しめる作品であり、演奏の内容云々に関わらす愛着が湧く作品です。そういったハプニングをそのままリリースしてしまうというセンスがさすがMonk!と拍手を送りたくなりますね。

レコーディング・メンバーは、Thelonious Monk(p)以下、Ray Copeland(tp)、Coleman Hawkins(ts)、John Coltrane(ts)、Gigi Gryce(as)、Wilbur Ware(b)、Art Blakey(ds)という顔ぶれです。大先輩Coleman HawkinsやJohn ColtraneArt Blakeyあたりに目がいきますね。特にHawkinsとBlakeyはいろんな意味で大活躍しています(笑)

クラブ・ジャズ世代の若いリスナーの方が聴いても、サウンド自体にはあまりグッとくる作品ではないかもしれません。でも、完璧ではない楽しさも含めてジャズやMonkの魅力が詰まっている作品という気がします。

いろんな意味でMonkの個性が堪能できる作品なのでは?
この独特の変テコ感がクセになります!

ジャケを観て、グッときた人は聴くべし(笑)

全曲紹介しときやす。

「Abide with Me」
Ray Copeland、Coleman Hawkins、John Coltrane、Gigi Gryceというホーン隊4人による賛美歌の演奏でアルバムは幕を開けます。偶然かもしれませんが、この曲の作者もMonk(W. H. Monk)です。

「Well, You Needn't」
本作のハイライトと言えば、この演奏ですね。曲自体はMonkが1942年に作曲したスタンダードですが、演奏開始から2分21秒前後にMonkがColtraneに対して「Coltrane! Coltrane!」と叫ぶ...という名曲の迷演ですね。 "Monkが自分のソロの小節数を間違えて2小節短く終えてしまった"という説明が長らくなされてきましたが、どうやら睡魔に襲われたColtraneを起こすためにMonkが叫んだというのが真実のようですね。

結果として、Coltrane自体は正しいタイミングでソロを開始しますが、驚いたArt Blakeyのドラムが遅れてしまい、そのBlakeyのドラムにさらに驚いたWilbur Wareが戸惑ってしまい...と歴史的な迷演が生まれたようです。

ハプニングも含めて、興味の尽きないモンクならではの演奏になっているのでは?特に序盤のミスをリカバリーしようとするBlakeyのドラム・ソロが好きですね(笑)

「Ruby, My Dear」
ここではMonk、Coleman Hawkins、Wilbur Ware、Art Blakeyというワン・ホーンで演奏されています。Hawkinsのテナーを中心にしたバラードは、あまりMonk作品らしくありません(笑)。異端児Monkも大先輩Hawkinsに大きな敬意を払っているようです。

関連して1969年の演奏の映像を紹介しておきます。
Thelonious Monk「Ruby, My Dear」(Paris, 1969)
http://www.youtube.com/watch?v=aFNGppc9pJ8

「Off Minor(Take 5)」
Monk独特の変テコ感を堪能できる1曲。この何処か収まりが悪い感じこそがMonkですよね!さまにMonk's Musicって感じが好きです。

「Epistrophy」
このMonk1942年作のスタンダードも「Well, You Needn't」に続く迷演です。ここでの迷演の主役はHawkins。二箇所で演奏のタイミングを間違えてしまいます。聴いている方がハプニングの前後は緊張してしまいますね(笑)

曲自体もMonkらしくて好きです。YouTubeに1966年の演奏の映像があったので紹介しておきます。
Thelonious Monk「Epistrophy」(Paris, 1966)
http://www.youtube.com/watch?v=F2s6LZUdYaU

「Crepuscule with Nellie(Take 6)」
ラストはMonkの愛妻Nellieの名が入ったタイトル。アドリブが許されず、ソロパートが全くない珍しい演奏になっています。Take6となっているように、演奏になかなか満足できなかったMonkの様子が窺えます。

僕の保有するCDには「Off Minor(Take 4)」「Crepuscule with Nellie(Takes 4 & 5)」の2曲がボーナス・トラックとして追加されています。

NBAファイナルは、やはりレイカーズが一気に行きましたね。
第5戦の一方的な展開はマジックにとっては残酷でしたね。
やはり、第4戦終了間際のフィッシャーの3点シュートが全てだったと思います。

NBAが終了すると、僕の興味はNFLへ...
我がマイアミ・ドルフィンズの新シーズンに向けたトレーニングが気になります。新シーズンではワイルド・キャットの進化形を観たいですね!
posted by ez at 03:57| Comment(2) | TrackBack(0) | 1950年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年06月15日

The Jon Spencer Blues Explosion『Now I Got Worry』

最初から最後までハイテンションで突っ走ります!☆The Jon Spencer Blues Explosion『Now I Got Worry』
Now I Got Worry
発表年:1996年
ez的ジャンル:ブルース系ハードコア・パンク
気分は... :44年前のDylanの映像を観ながら...

昨日、Bob Dylanの1963〜1965年のニューポート・フォーク・フェスティバルの映像を観ました。やはり、1965年のステージの映像は何度観てもインパクトがありますね。悲しげに「It's All Over Now, Baby Blue」を歌うDylanの姿は忘れられません。

フォークを進化させるためのロックを採り入れた新しいサウンドを提示してみせたBob Dylanと、昔ながらのフォークを求めてDylanに容赦ないブーイングを浴びせる聴衆...新しい音楽が生まれた歴史的瞬間でした。

70年代のパンク/ニューウェイヴ、80年代後半のHip-Hopやハウス等を振り返っても、新しい音楽が生まれる時には新旧の価値観がぶつかるものです。音楽の嗜好なんて十人十色なので、何が良くて、何が悪いなんて野暮なことを言うつもりはありません。しかしながら、好き嫌いは別として、これらの音楽が一定以上の人に受け入れられ、1つの音楽ジャンルとして認知されたことは紛れもない事実だと思います。

新旧の音楽に対して扉を開けている、"音楽年齢不詳"の柔軟な感性を持っていたい!

44年前のDylanの映像を観ながら、改めてそんな思いを強くした次第です。
やはり、Dylanは偉大ですな。

さて、今日は僕のロック観に進歩をもたらしてくれたアーティスト、Jon Spencer(vo、g)、Judah Bauer(vo、g)、Russell Simins(ds)の3人によるハードコア・パンク・トリオThe Jon Spencer Blues Explosion(JSBX、現Blues Explosion)の3回目の紹介です。

『Extra Width』(1993年)、『Orange』(1994年)に続いて紹介するのは、4thアルバム『Now I Got Worry』(1996年)です。

ロック離れ傾向の強い僕ですが、カッチョ良い90年代アメリカン・ロックを聴きたい気分の時、ファースト・チョイスとして選ぶのがJSBXです。

当初、今回は実験的なブルース・サウンドが特徴の『Acme』(1998年)を紹介しようと思っていたのですが、聴き直してみて今の気分にフィットしなかったので、急遽『Now I Got Worry』(1996年)へ変更しました。今の気分は、よりハードなサウンドを求めているようです。

『Now I Got Worry』はブレイクした『Orange』(1994年)に続いてリリースされた作品であり、前作でのハードコア・パンクがブルースと化学反応して大爆発したハイテンション・サウンドに加え、Hip-Hop的アプローチのサウンドも聴かれる意欲作でした。

Beastie Boys作品等でお馴染みのプロデューサー/キーボード奏者Money Markや伝説のブルース/ソウル・シンガーRufus Thomas等がゲスト参加しています。

Hip-Hop的アプローチのオルタナ・ロックという点で、当時はG. Love & Special Sauceあたりと一緒に語られることが多い作品であったと記憶しています。今聴くと、Hip-Hop的アプローチの部分は一部であり、全体としては荒々しくハイテンションながらよく練られたアルバムという印象を受けます。また、ジャケのように全体を貫くダークなトーンも印象的です。

最初から最後までハイテンションで突っ走ります!

全曲紹介しときやす。

「Skunk」
ア〜ッ、アッ、アッ!の絶叫と共にアルバムを幕を開けます。全体としてはダークな雰囲気が支配しています。とにかくインパクト十分!

「Identity」
ハイ・スピードのハードコア・パンク!狂ったようなテンションの高さがJSBXらしいですね。

「Wail」
本作ならではの完成度の高さが窺えるよく練られた1曲。キャッチーなギターリフがいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=YSsE65z5W0o

「Fuck Shit Up」
かつてはBeck等も在籍していたK Recordsを率いるCalvin JohnsonのグループDub Narcotic(D.N.S.S.:Dub Narcotic Sound System)のカヴァー。D.N.S.SとJSBXは後に共演作品もリリースしています。ブレイクビーツ的なアプローチによる意欲作に仕上がっています。

「2 Kindsa Love」
シングルにもなった曲。ハードかつノイジーなサウンドがいいですね。PVではテルミンを駆使するジョン・スペの姿も観ることができます。
http://www.youtube.com/watch?v=cbwxLGohUM0

「Love All of Me」
ストレートなパンク・チューン。ワイルドで荒々しいサウンドがたまりません。

「Chicken Dog」
Rufus Thomas、Money Mark参加の話題曲。チキンの雄叫びが響き渡るハードなブルース・チューンに仕上がっています。この曲に限らずJSBXってリフの創り方がサイコーにカッコ良いですね。

「Rocketship」
当時の僕のヘビロテだったお気に入り曲。ハイテンションの曲が多い中で、この曲だけは力の抜けたユルさが魅力になっています。

「Dynamite Lover」
ストレートなカッチョ良さが目立つロック・チューン。ハードながらもコンパクトかつキャッチーに仕上げるあたりがJSBXですね。

「Hot Shot」
90年代ロック持つカッチョ良さが2分強の中に凝縮された1曲。3人のみでこのサウンドを出してしまうのが凄いですな。

「Can't Stop」
Money Markがピアノで参加。Hip-Hop的なリズムが本作らしいのでは?

「Firefly Child」
この曲ではMoney Markがオルガンを弾いています。また、Justin Berryがサックスで参加しています。ダークな雰囲気のブルース・チューンに仕上がっています。

「Eyeballin」
淡々としたダークな展開が一転し、ブレイクビーツ的な展開が聴かれるのがサプライズ!

「B.L. Got Soul」
人力デジタル・ロックといった仕上がりの本作らしい1曲。あちこちへ電波が飛び交っている感じです(笑)

「Get over Here」
ハードさで言えば、アルバム随一なのでは?アドレナリン出まくりのハイテンション!

「Sticky」
ラストはかなり変てこな仕上がりです。訳のわからないまま終了!って感じ(笑)

今、MLB「ヤンキース対メッツ」のサブウェイ・シリーズで観ていますが、松井がメッツのエース、サンタナからHRを打ちましたね!今季イマイチ地味な松井でしたが、サンタナから完璧なHRを放ったことは大きな自信につながるのでは?
posted by ez at 03:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする