2009年06月14日

Gil Scott-Heron & Brian Jackson『Bridges』

よりファンク色を強めた77年作。「We Almost Lost Detroit」収録☆Gil Scott-Heron & Brian Jackson『Bridges』
Bridges
発表年:1977年
ez的ジャンル:硬派系ジャズ・ファンク
気分は... :やはり横浜はいいですな!

昨日は久々に横浜みなとみらいへ...
横浜育ちの僕ですが、最近は年に数えるほどしか行けません(泣)

ロイヤルパークホテル68Fの中華料理店でランチをとったのですが、空が少し曇っていて絶景の眺め!とは行かなかったのが少し残念でしたね。それでも横浜の街を見下ろしながら、ゆっくり心地好いランチタイムを過ごすことができました。昼から紹興酒を飲みすぎてしまいましたが(笑)

都内に暮らすようになって20年以上が過ぎますが、いつかは横浜に戻ってきたいですねぇ。

今日はGil Scott-Heron & Brian Jacksonが聴きたい気分で、『Bridges』(1977年)と『Secrets』(1978年)のどちらにするか迷ったのですが、結局『Bridges』(1977年)をセレクト!

Gil Scott-Heron関連作品の紹介は、『Pieces Of A Man』(1971年)、『It's Your World』(1976年)に続き3回目になります。

『Bridges』(1977年)は、Gil Scott-Heronにとっての8作目、Gil Scott-Heron & Brian Jackson名義としては5作目となるアルバムです。

長らく未入手の作品でしたが、今年の再発によりめでたくゲットできました!

Gil Scott-Heron & Brian Jacksonの最高傑作の呼び声が高い『It's Your World』(1976年)の次の作品ですが、それまでと比較して本作ではジャズ・ファンク色がより強まり、ラテン色が薄れたという印象ですね。レア・グルーヴ好きの人は間違いなく、相当グッとくるアルバムだと思います。

Gil Scott-Heron(vo、p)、Brian Jackson(key、vo)以下、Barnet Williams(per)、Marlo Henderson(g)、Josef Blocker(ds)、Reggie Brisbane(ds)、Danny Bowens(b)、Bilal Sunni -Ali(ts、bcl)、Delbert Taylor(tp)、Tony Duncanson(per)、Fred Payne(g)がMignight Bandのメンバーとしてバックを務めています。

プロデュースはGil Scott-Heron & Brian Jackson、共同プロデューサーとしてLarry Fallon、Tom Wilsonの名もクレジットされています。

僕的にはかなりど真ん中のアルバムです。Gil Scott-Heronはどの作品も魅力的ですが、その中でもかなり上位にくる作品なのでは?

硬派なジャズ・ファンクに酔いしれましょう!

全曲紹介しときやす。

「Hello Sunday! Hello Road!」
オープニングは軽快かつグルーヴィーなジャズ・ファンク。適度にユルい感じが大好きです!

「Song Of The Wind」
哀愁メロディにグッとくるミッド・グルーヴ。ゆったり感のあるグルーヴとGilの噛み締めるようなヴォーカルが実にマッチしています。
http://www.youtube.com/watch?v=Y_uOCd8_p8Y

「Racetrack In France」
本作の人気曲の1つである、スペーシーな香り漂うグッド・ヴァイヴ。特にJamiroquai好きやハウス・ファンは注目の1曲ですね。
http://www.youtube.com/watch?v=xi4iBDPojKI

「Vildgolia(Deaf, Dumb & Blind)」
不穏な空気感が漂うジャズ・ファンク。Bilal Sunni -Aliによるバス・クラリネットがいいアクセントになっています。後半になってテンション上がっていく感じがグッド!
http://www.youtube.com/watch?v=WgvuAhNj7ok

「Under The Hammer」
僕の一番のお気に入り。メンバーの一体化した躍動するグルーヴ感がたまりません。特にMarlo Hendersonのギターがカッチョ良いですね。

「We Almost Lost Detroit」
Hip-Hopファンにとってはこの曲がハイライトかもしれませんね。イントロの儚いエレピが印象的な哀愁メロウ・ソウルに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=-ovKv4-YxYM

当ブログで紹介したCommon「The People」をはじめ、Black Star「Brown Skin Lady」、MF Doom「Camphor」等でサンプリングされています。

Common「The People」
 http://www.youtube.com/watch?v=Vqn5f2ISnvo
Black Star「Brown Skin Lady」
 http://www.youtube.com/watch?v=vKvl-tmE7ig
MF Doom「Camphor」
 http://www.youtube.com/watch?v=KWLZmCeaEqU

「Tuskeegee #626」
約30秒強のアカペラ曲。

「Delta Man(Where I'm Comin' From)」
ゆったりと重いグルーヴがダークな世界を連想させるメッセージ・ソング。ブラック・フィーリング溢れる仕上がりがクセになります。
http://www.youtube.com/watch?v=E8GGMpfkEhc

「95 South(All Of The Places We've Been)」
ラストはアコースティックなメロウ・チューンで優しく締めてくれます。安息感にホッとするピースフルな1曲。「Under The Hammer」と並ぶ僕のお気に入り曲です。

今回惜しくもセレクト出来なかった『Secrets』(1978年)も近々紹介したいと思います。
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2009年06月13日

Luciana Souza『Tide』

大人のための極上ジャズ・ヴォーカル作品☆Luciana Souza『Tide』
Tide
発表年:2009年
ez的ジャンル:ブラジリアン女性ジャズ・ヴォーカル
気分は... :落ち着いた週末を...

今日はしっとりとした大人のジャズ・ヴォーカル新作Luciana Souza『Tide』です。

Luciana Souzaは1966年ブラジル、サンパウロ生まれの女性ジャズ・シンガー/コンポーザー。

Lucianaの父親は昨年惜しくも亡くなったシンガー/ギタリスト/コンポーザーWalter Santos、母親は詩人Tereza Souzaです。Walter SantosはJoao Gilbertoと同郷で、Joaoにギターの手ほどきをした人物であり、ボサノヴァの歴史に大きな足跡を残した人物の一人のようですね。

そんな血統を持つLucianaは、バークレー音楽院ジャズ作曲学士号およびニュー・イングランド音楽院ジャズ修士号を取得し、マンハッタン音楽院で教鞭もとっていた音楽エリート。現在は夫のプロデューサー/べーシストLarry Kleinと共にL.A.を拠点に活動しています。ちなみに旦那のLarry KleinはJoni Mitchellの元夫/プロデューサーとして知られていますね。

Luciana Souza自身は、これまで 『An Answer to Your Silenc』 (1998年)、 『The Poems of Elizabeth Bishop and Other Songs』 (2000年)、 『Brazilian Duos』 (2002年)、 『North and South』 (2003年)、 『Neruda』 (2004年)、 『Duos II』 (2005年)、 『The New Bossa Nova』 (2007年)といったリーダー作をリリースしています。日本で注目されるようになったのはグラミー賞にノミネートされた 『Duos II』あたりのようです。

また、 Till BronnerWalter BeckerHerbie HancockStephen Bishop等数多くの作品にヴォーカリストとして参加しています。

新作 『Tide』は、Verve移籍第二弾アルバムであり、前作 『The New Bossa Nova』と同じく夫のLarry Kleinがプロデュースしています。

ジャズ・ヴォーカルらしい楽曲とブラジリアン・フレイヴァーの楽曲が半々といった構成です。全体的にはしっとりした大人のヴォーカル作品に仕上がっています。ブラジリアン・フレイヴァーの作品は、ジャズ・エリートらしい洗練された仕上がりがいいですね。

大人のための極上ジャズ・ヴォーカルを堪能あれ!

全曲紹介しときやす。

「Adeus America & Eu Quero Um Samba」
Joao Gilbertoでお馴染みの曲ですね(Geraldo Jaques/Haroldo Barbosa/Janet De Almeida作品)。シンプルなJoaoヴァージョンの印象が強い曲ですが、Lucianaヴァージョンは軽快&爽快な仕上がりです。Lucianaのヴォーカルの抑えたヴォーカルもグッドですが、Romero Lubamboのギターに相当グッときます。

「Fire and Wood」
不思議な大人のポップ感を持った1曲。Larry Goldingsのオルガン&フェンダーがいい味出しています。

「Our Gilded Home」
美しく厳かなメロウ・チューン。ジャズとブラジル音楽が程よくバランスしている感じがたまりません。こういう曲がLucianaに一番合っている気がします。最近の僕のiPodヘビロテです。

「Love - Poem 65」
有名な詩人E. E. Cummingsの詩を引用した作品。ラベンダーのアロマ・オイルのように心と体が鎮まります。

「Circus Life」
ブラジリアン・フレイヴァーの小粋な仕上がり。オシャレな楽曲を期待する人にはオススメ!あくまでもライトな感じがグッド!

「Once Again」
ジャズ・シンガーらしい哀愁バラード。まさに大人のための極上ジャズ・ヴォーカルという言葉がピッタリ!

「Tide」
タイトル曲は翳りのあるバラード。美しく切ない雰囲気にグッときます。抑えたバックも実にいいですね。

「Sorriu Para Mim」
Joao Gilbertoも歌っていたブラジル大衆歌(Garoto/Luiz Claudio作品)。Lucianaのスキャットがいいですね。ブラジル音楽好きの人は素直に楽しめます。

「Chuva」
Paulo Leminskiの詩を引用したブラジリアン・テイストのミステリアスな1曲。幻想的なヴォーカル&サウンドが都会での忙しない日常を忘れさせてくれます。

「Amulet」
ラストはなんとPaul Simon作品。Simon & Garfunkelファンの方はご存知の通り、今年の2月に一夜限りの再結成を果たしたSimon & Garfunkelですが、その時にもLuciana本人と共に本曲が披露されました。曲自体は地味な感じですが(笑)

NBAファイナルは第4戦も勝利して3勝1敗とし、レイカーズがマジックに王手をかけましたね。

4Q終了直前まで絶対マジック勝利と思いましたが、残り4.6秒でのフィッシャーの同点3点シュートは凄かったですね。オーバータイムの3点シュートも含めて、この日の主役は間違いなくフィッシャーでした。

この1勝はファイナル全体の流れを決定づけたような気がします。このままレイカーズがファイナルを制したならば、M.V.P.はコービーでもガソールでもオドムでもなくフィッシャーなのでは?
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2009年06月12日

Everything But The Girl『Idlewild』

明るいヒンヤリ感がたまらない!EBTGのポップ・ワールド☆Everything But The Girl『Idlewild』
アイドルワイルド(紙ジャケット仕様)
発表年:1988年
ez的ジャンル:ネオアコ系UKポップ
気分は... :脳内スッキリ!

ここ数日モヤッとした気分
脳をスッキリさせるサプリメントのようなアルバムが聴きたいです。

そこでCD棚から手にした1枚がEverything But The Girl(EBTG)『Idlewild』(1988年)です。

Ben WattTracey ThornによるユニットEverything But The Girl(EBTG)について、これまで当ブログでは以下の作品を紹介しています。

 『Eden』(1984年)
 『Love Not Money』(1985年)
 『Walking Wounded』(1996年)

4枚目に紹介するのは『Idlewild』(1988年)です。

本作『Idlewild』はEBTGの4thアルバム。ネオアコなEBTGが好きだったファンにとって、オーケストラを大胆に導入した前作となる3rd『Baby the Stars Shine Bright』(1986年)はかなりビミョーな作品ではなかったかと思います。そのため、EBTGが次にどのような方向に進むのか本作の内容にかなり注目していたファンも多かったのでは?

そんな中でリリースされた『Idlewild』でしたが、前作でのポップ路線を継承しつつも、サウンドは従来のアコースティックでシンプルな方向に戻りました。一方で、いくつの曲ではドラム・プログラミングを導入するという新たな試みにも挑戦しています。

アコースティック路線の復活を支持する人と、打ち込みサウンドを嫌がる人で賛否が分かれるアルバムかもしれませんね。確かにドラム・プログラミングよりも生音ドラムが相応しい曲もありますが、それ程打ち込みサウンドが突出しているわけではないので、僕はあまり気になりません。昔は少しポップすぎる印象もあったのですが、今回久々に聴いてみてそんな印象も払拭されました。

プロデュースはBen Watt。4作目にして初めてBen単独のプロデュースとなりました。この頃になると、男女シンガーのデュオと言うよりも、プロデューサーBen WattとシンガーTracey Thornのデュオという色彩が強くなっています。ドラム・プログラミング導入はこのあたりも影響しているのでは?

ジャケに写る二人のように、優しさと柔らかさが魅力の作品だと思います。
明るくポップな中にもEBTGらしいひんやり感は健在なのでご安心を!

全曲紹介しときやす。

「I Don't Want to Talk About It」
本作唯一のカヴァー作品。オリジナルはDanny Whittenが自身のグループCrazy Horseのために書いたもの。Rod Stewartのカヴァーが最も有名ですね(アルバム『Atlantic Crossing』収録)。Rita Coolidge等もカヴァーしています。EBTGヴァージョンは、美しいアコギの音色とTracey Thornのひんやりヴォーカルが実にマッチした味わい深い仕上がりです。当初シングルのみのリリースでしたがUKシングル・チャート第3位の大ヒットとなり、アルバムにも追加収録されました。
http://www.youtube.com/watch?v=UujO_YwaB_I

「Love Is Here Where I Live」
オススメその1。EBTGらしい少し翳りのある仕上がりに安堵したファンも多かったのでは?翳りがあると言っても、落ち着いた大人のムードに満ちているのは本作らしいでは?
http://www.youtube.com/watch?v=V9Kim5Y99ho

「These Early Days」
本作の特徴の1つである打ち込みサウンドを用いた、明るく軽快なポップ・チューン。前述のように打ち込みと言っても、控えめな使い方なのでさほど気になりません。
http://www.youtube.com/watch?v=bcorE7Bi3II

「I Always Was Your Girl」
淡々とした中にもジワジワと染み渡ってくる哀愁ポップ・チューン。
http://www.youtube.com/watch?v=bMivHwYV03Y

「Oxford Street」
オススメその2。ひんやりとした爽快感が実に心地好いですね。適度にパーカッシヴな感じも僕好み。

「The Night I Heard Caruso Sing」
この曲ではBen Wattがリード・ヴォーカルです。ピアノのみのバックのシンプルさが実にグッド!後半のTraceyのコーラスもグッときます。

「Goodbye Sunday」
オススメその3。サウンド的には新たなアプローチが最もハマった曲なのでは?軽快な仕上がりの中にもEBTGらしい翳りが感じられるのがいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=sv-EkFNeiCU

「Shadow on a Harvest Moon」
オススメその4。アコースティックなEBTGを望む方はグッとくる1曲なのでは?Traceyのひんやりヴォーカルに優しく包み込まれるような感じがたまりません!ミュート・トランペットが雰囲気を盛り上げてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=fJxAK-mWgUU

「Blue Moon Rose」
オススメその5。このあたりのドラム・プログラミングは好みが分かれるところかもしれませんが、全体的には爽快なアコースティック・チューンに仕上がっており、僕は全く気になりません。
http://www.youtube.com/watch?v=pBABUMUCtTA

「Tears All Over Town」
オススメその6。Ben & Tracey二人のヴォーカルが聴けるのが嬉しいですね。ジワジワ感動してくるのがグッド!EBTGならではのマッタリ感もたまりません。
http://www.youtube.com/watch?v=chiIOKtg6DQ

「Lonesome for a Place I Know」
オススメその7。アコギ&オルガン&パーカッションによるサウンドがサイコー!この手の曲があと1、2曲聴きたかったなぁ。

「Apron Strings」
本人たちのお気に入りであると同時にファンの支持も高く、今では本作の人気No.1ソングかもしれませんね。本作のジャケのように優しさに溢れたアコースティック・チューンに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=GE0pHVizWJY

昨日の記事でも触れたC.ロナウドのレアル・マドリー入りが確実のようですね。
新銀河系軍団が着々と形成されつつありますが、この流れでいけばビジャまで獲得するのでは?

攻撃の選手ばかり補強している場合なのかなぁ?
ラウール、イグアイン、ロッペンらはどうなっちゃうの?
カンナバーロの抜けたDF陣は大丈夫なの?

と心配するバルサ・ファンの僕でした...
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2009年06月11日

Michel Fugain Et Le Big Bazar『Fais Comme L'Oiseau』

フランス人SSWとヒッピー系音楽集団によるピースフルな1枚☆Michel Fugain Et Le Big Bazar『Fais Comme L'Oiseau』
Fais Comme l'Oiseau
発表年:1972年
ez的ジャンル:ラブ&ピース系フレンチ・ポップ
気分は... :得体の知れない面白さ!

今回はフランス人男性シンガー・ソングライターMichel Fugainが音楽集団Le Big Bazarを従えてリリースした作品『Fais Comme L'Oiseau』(1972年)です。

Michel Fugainは1942年フランス、グルノーブル生まれ。まずは作曲家として活動するようになり、1965年にシンガーとしてデビューします。1967年に「Prends Ta Guitare」「Je N'aurai Pas Le Temps」 の2曲がヒットし、一躍人気歌手となりました。

1972年には音楽集団Le Big Bazarを従えて、今日紹介する『Fais Comme L'Oiseau』をリリースし、「Une Belle Histoire」が大ヒットしました。「Une Belle Histoire」は日本のコーラス・グループ、サーカスの1978年の大ヒット曲「Mr.サマータイム」の原曲です。

その後も紆余曲折ありながらも今日までコンスタントに音楽活動を続けているようです。

本作へ辿り着くパターンとして、「Mr.サマータイム」の原曲「Une Belle Histoire」に思い入れのある人と、「Attention Mesdames et Messieurs」「Fais Comme L'Oiseau」あたりに興味を持ったサバービア好きの人に分かれるのでは?

僕の場合、「Mr.サマータイム」をリアルタイムで聴いていたのは、中学生になったばかりの頃だったと思います。その当時から外国曲がオリジナルということは知っていました。記憶が定かではありませんが、ラジオで何度かオリジナルを聴いたような気もします。しかし、さすがにアーティスト名、曲名まではインプットされませんでした。

そして、長い年月が流れ、サバービア関連で「Attention Mesdames et Messieurs」から本作に辿り着き、さらに久々に「Mr.サマータイム」の原曲に再会し、大感激といった具合です。

さて、本作『Fais Comme L'Oiseau』(1972年)ですが、ジャケだけ観ると60年代のヒッピー/フラワームーヴメントといった雰囲気ですよね。実際、Michel Fugainと共に本作を支える音楽集団Le Big Bazarはフラワーチルドレン的なラブ&ピース・モードの男女混声コーラスを聴かせてくれます。

あとはフレンチ・ポップと言いながらフレンチ色はそれ程強くなく、ブラジル/ラテンやソフト・ロックの要素を上手に取り入れたフォーキー・グルーヴ/ロックといった印象を受けます。

ノスタルジックに「Une Belle Histoire」を聴くも良し、時代を越えた「Attention Mesdames et Messieurs」あたりのグルーヴを聴くも良し!いろんな楽しみ方ができると思います。

得体の知れない面白さを楽しみましょう!

全曲紹介しときやす。

「Attention Mesdames et Messieurs」
オススメその1。サバービア好きの人はこの曲がハイライトですね。かなりガツンと来るファンキーなフレンチ・ラテン・グルーヴといった仕上がりです。訳わかんないけど、でも聴いているとパワーが漲ってくる不思議な魅力を持った曲です。
http://www.youtube.com/watch?v=XXnp1AQaZdc

「Fais Comme L'Oiseau」
オススメその2。ブラジルの男性SSWデュオAntonio Carlos & Jocafiによるメロウ・サンバの名曲「Voce Abusou」(1971年)のカヴァー。邦題「鳥のように」。ここではロック調の哀愁メロウに仕上がっています。Le Big Bazarのピースフルな男女混声コーラスがいい感じです。
http://www.youtube.com/watch?v=1DdshemKBFU

「Notre Societe」
パーカッシヴなフォーキー・グルーヴ。オルガンも絡みなかなかカッコ良い仕上がりです。

「Les Gens Irremplacables」
ラブ&ピースな大合唱といった仕上がり。ジャケの雰囲気をそのまま音にすると、こんな感じなのでは?

「Une Belle Histoire」
オススメその3。邦題「愛の歴史」。前述のようにサーカス「Mr. サマータイム」の原曲です。フラワーチルドレン・フレイヴァーの哀愁フォーキー・チューンといった感じです。
http://www.youtube.com/watch?v=m3rM3-3NB24

サーカス「Mr. サマータイム」
http://www.youtube.com/watch?v=N3Hxup-ztHA

「Leda, Leda」
オススメその4。哀愁のストリングスが印象的な1曲。一度聴いたら、♪レダ、レダ、レ〜ダ、レダンダン♪の部分が忘れられず、脳内ループしているはず!

「L'Arche de Noe」
オススメその5。エヴァーグリーンな魅力を持ったソフト・ロック調の仕上がり。ソフト・ロック好きの人はグッとくるはず。無邪気なコーラスがたまりませ〜ん。

「Les Cerises de Monsieur Clement」
アコーディオンの伴奏とMichel Fugainの歌のみで、アルバムの中で一番"フレンチ"を感じさせる仕上がり。

「Nous Sommes」
オススメその6。かなりハイテンションのアップ・チューン。70年代の作品なのに60年代に逆戻りといった感じのピースフル感が逆に好きです。

「L'Oiseau」
Le Big Bazarのコーラスを前面に打ち出しています。ソフト・ロック好きの人は気に入るのでは?

「Allez Bouge-Toi」
ラストはロック調のファンキー・チューン。ナチュラルな高揚感がいいですね。

カカがミランからレアル・マドリーへ移籍しましたね。
おそらくビジャ、C.ロナウドもマドリーへ移るのでは?

バルサ・ファンの僕としては、マドリーが新銀河系軍団になってくれた方が逆に楽しみですね。バルサと言えば、エトーの去就が気になります。インテルのイブラヒモビッチとの交換なんて噂もありますが、個人的には残って欲しいですね。
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2009年06月10日

Marlena Shaw『The Spice Of Life』

レア・グルーヴ・ファンに人気!初期の代表作☆Marlena Shaw『The Spice Of Life』
The Spice Of Life
発表年:1969年
ez的ジャンル:強い女性系ソウル/ジャズ
気分は... :この迫力にKOされてしまう!

当ブログで作品をセレクトしたり、記事を書くに際して、いくつか自分自身の中でルール化していることがあります。例えば、特定ジャンル・年代に偏らない、CD化されている作品しか取り上げない、(マニアではなく)単まる音楽好きのスタンスで書く等々です。

そんなルールの1つに「適度に女性アーティストを取り上げる」というのがあります。これは気を抜くと男性アーティストばかり続いていることがあるので、そういった事態を回避するためのルールです。男性アーティストばかり続くのではなく適度に女性アーティストに出会えると、ブログ全体が華やかな雰囲気になりますよね。

と言うことで、今日は女性アーティストが聴きたい気分です。
セレクトしたのはMarlena Shaw『The Spice Of Life』(1969年)。"華のある女性"と言うよりも、"迫力のある女性"というイメージが強いですが(笑)

Marlena Shawの紹介は、『Who Is This Bitch, Anyway?』(1975年)、『Sweet Beginnings』(1977年)に続いて3回目になります。

本作『The Spice Of Life』(1969年)は『Out of Different Bags』(1967年)に続くMarlenaの2ndアルバムであり、初期の代表作としてレア・グルーヴ/フリーソウル・ファンを中心に支持の高い作品です。2006年に国内初CD化が実現し、入手しやすくなりました。

いつ、どの作品を聴いても、堂々とした歌いっぷりに惚れ惚れするシンガーですよね。
この迫力にKOされてしまうドM男性ファンも多いのでは?
僕もそうかもしれません(笑)

僕の場合、どうしても最初に聴いた『Who Is This Bitch, Anyway?』に代表される70年代作品に思いが行ってしまうのですが、Hip-Hop世代の若いリスナーの方は、本作あたりから入った方がスンナリ聴けるかもしれませんね。サンプリング定番ネタも含まれますし...

Marlena Shawの最大の魅力は、ジャズとソウルの世界を自由に行き来するヴォーカルだと思いますが、本作はその振幅幅が特に大きいかもしれません。無理矢理ジャンル分けすればジャズ・シンガーに属する人だと思いますが、本作に関してはソウル・シンガーといった方が相応しい気がします。

改めて聴いてみると、とんでもないパワーを持ったアルバムであることを再認識しています。ソウル、ファンク、ジャズ、ブルース、ゴスペル、ポップス等を呑み込んだブラック・ミュージック/ニューソウル作品という印象です。サウンド面についてはプロデューサーRichard Evans/Charles Stepneyの貢献がかなり大きいのでしょうね。

ジャケはレトロな寺島しのぶ(?)といった感じですが(笑)、歌とサウンドは今から40年前の作品というのが信じられないほどフレッシュかつパワフルですよ!

全曲紹介しときやす。

「Woman of the Ghetto」
オススメその1。レアグルーヴ/フリーソウル・クラシックとしてもお馴染みのハイライト曲。ゲットーで生きる女性の叫びを題材にした強烈なメッセージ・ソング。力強いMarlenaの歌声に圧倒されます!70年代に入り本格化するニューソウルの動きを先取りしている名曲ですね。サウンド的にもブラック・フィーリング全開のへヴィーなグルーヴ感がたまりません。カリンバの音色もいい感じ!

本作のオリジナル・ヴァージョンと共に『Live at Montreux』(1973年)のライブ・ヴァージョンも有名ですね。両者合わせて、サンプリング等の定番ネタになっています。主なところを以下に挙げておきます。

9Th Wonder & Buckshot「The Ghetto」
 http://www.youtube.com/watch?v=5LibqfGsnF0
Jeff Brown & 33 1/3「747 Party In The Sky」
 http://www.youtube.com/watch?v=08oAy6MPCFc
No I.D.「The Real Weight」
 http://www.youtube.com/watch?v=OH9I6c9IHZQ
People Under The Stairs「The Next Step II」
 http://www.youtube.com/watch?v=J3dWOY0qM10
St. Germain「Rose Rouge」
 http://www.youtube.com/watch?v=IkegKN-VZBg
Lyrics Born & Dan The Automator「Always Fine Tuning」
 http://www.youtube.com/watch?v=_F_9NpeNkKs

「Call It Stormy Monday」
モダンブルース・ギターの父T. Bone Walkerのカヴァー。ブルージーなサウンドをバックに堂々と歌い上げます。

「Where Can I Go?」
オススメその2。哀愁の昭和歌謡?といった雰囲気です。新宿ゴールデン街あたりで聴くとハマりすぎって感じでしょうか(笑)ある意味Marlenaの雰囲気に一番マッチしている曲かも?パーカッシヴな仕上がりが僕好み!

「I'm Satisfied」
オススメその3。ブルース・ギタリストMorris Dollison の作品。希望に満ちた雰囲気で高らかに歌い上げるのがいいですね!聴いているだけで元気が湧いてきます。

「I Wish I Knew (How It Would Feel to Be Free) 」
オススメその4。様々なアーティストが取り上げているBilly Taylor & Dick Dallas作によるメッセージ・ソング(オリジナルはNina Simone)。僕はよく知りませんが、オリンピックのテーマソングやコカ・コーラのCMソングにも使われた曲らしいですね。Marlenaヴァージョンは躍動感溢れるアップ・チューンに仕上がっています。みんなコカ・コーラ片手にはしゃいでいる映像が似合うかも?

「Liberation Conversation」
オススメその5。♪ゲン・ゲン・ゲゲン〜♪というMarlenaの絶好調スキャットが印象的なファンキーなオルガン・グルーヴ。Blueboy「Remember Me」等でネタとして使われています。もっと長尺で聴きたいすね。

Blueboy「Remember Me」
 http://www.youtube.com/watch?v=VGK_61omGYs

「California Soul」
オススメその6。「Woman of the Ghetto」と並ぶ本作のハイライト。 The 5th DimensionMarvin Gaye & Tammi Terrellヴァージョンでもお馴染みのAshford & Simpson作品。この曲を聴いてBob Dylan「Like a Rolling Stone」を思い浮かべるのは僕だけでしょうか(笑)

The 5th DimensionやMarvin Gaye & Tammi Terrellヴァージョンも悪くありませんが、ストリングスも加わりスケール感の大きなソウル・グルーヴに仕上がっているMarlenaヴァージョンが一番好きですね。
http://www.youtube.com/watch?v=tmk30mvVz3Y

The 5th Dimension「California Soul」
 http://www.youtube.com/watch?v=97eAUXyfIck
Marvin Gaye & Tammi Terrell「California Soul」
 http://www.youtube.com/watch?v=sUVTnYwGqxI

Gang Starr、DJ Shadowをはじめ、サンプリング・ネタとしてお馴染みですね。

Gang Starr「Check The Technique」
 http://www.youtube.com/watch?v=ft8x_dvSCL0
DJ Shadow「Midnight in a Perfect World」
 http://www.youtube.com/watch?v=nmzHRGoKca0

「Go Away, Little Boy」
オススメその7。Carole King/Gerry Goffin作品のカヴァー。70年代中期のMarlenaに通じる小粋なスタイリッシュ感がいいですね。以前に紹介したように『Sweet Beginnings』「Yu-Ma 〜 Go Away Little Boy」として再録し、シングル・ヒットさせています。

「Looking for Through the Eyes of Love」
Gene PitneyやPartridge Familyのヒットでも知られるBarry Mann/Cynthia Weil作品。曲自体が名曲ですが、Marlenaの歌が加わることでさらに輝きが増していると思います。
http://www.youtube.com/watch?v=6vIzOb99HGA

「Anyone Can Move a Mountain」
子供用ミュージカル・アニメのために書かれたJohnny Marks作品。Marlenaは子供向けの歌ではなく、大人の歌としてソウルフルに歌い上げます。

前述の「Woman of the Ghetto」 のライブ・ヴァージョンをお聴きになりたい方は『Live at Montreux』(1974年)もセットでどうぞ!

『Live at Montreux』(1974年)
ライヴ・アット・モントルー

「Woman of the Ghetto(Live)」
http://www.youtube.com/watch?v=DeYJxXBPtRU
posted by ez at 10:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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