2009年06月09日

De La Soul『Buhloone Mindstate』

高木完、スチャダラパーも参加している3rd☆De La Soul『Buhloone Mindstate』
Buhloone Mindstate
発表年:1993年
ez的ジャンル:Native Tongues系Hop-Hop
気分は... :幻想は抱かずに!

サッカー日本代表のW杯出場が決まり、マスコミは早くも"本大会ベスト4入り目指して!"みたいな記事が目立ちますね。

岡田監督が指揮官としてベスト4を目標に掲げるのは悪くはないと思いますが、マスコミはもっと客観的に日本代表を見るべきなのでは?

今の日本の実力を考えれば、グループリーグ突破が現実的な目標となるはず!
どのような組み合わせになろうとも、おそらく日本がグループ最弱国と位置づけられるはずでしょうから...マスコミにはグループリーグ突破が当たり前のような幻想を抱かせないようにして欲しいですね。

Trugoy、Pos、Maseoの3人組Hip-HopユニットDe La Soulの4回目の登場っす。
De La Soul大好き!の僕ですが、これまで当ブログで紹介してきた作品は以下の3枚。

 『3 Feet High And Rising』(1989年)
 『De La Soul Is Dead』(1991年)
 『Stakes Is High』(1996年)

4枚目に紹介するのは3rdアルバム『Buhloone Mindstate』(1993年)です。

1st『3 Feet High And Rising』や2nd『De La Soul Is Dead』あたりと比較すると、今一つ評価が良くない作品ですね。地味な印象を受けるんでしょうかね。

僕の場合、De La SoulJungle BrothersA Tribe Called QuestというNative Tongues御三家は無条件でウエルカムなのですが....

プロデュースはメンバー自身とPrince Paul。デビュー作以来ずっとタッグを組んできたPrince Paulでしたが、本作でその蜜月関係に終止符が打たれることになります。

今後の方向を模索している過渡期のアルバムであることには間違いありませんが、「Ego Trippin' (Pt. 2) 」「Breakadawn」というクラシック2曲をはじめ、聴きどころ満載です。

また、日本人には高木完とスチャダラパーをフィーチャー「Long Island Wildin'」収録という嬉しいオマケ付きです。リアルタイムで聴いた時にはかなりテンション上がった記憶がありますね。

いつ聴いてもNative Tongueはサイコー!

全曲紹介しときやす。

「Intro」
The Outlaw Blues Band「Deep Gully」をバックに気だるいムードでアルバムはスタート。

「Eye Patch」
彼ららしいユルくて明るい仕上がりです。この楽しさこそがDe La Soulですな。
http://www.youtube.com/watch?v=PzZIRg-RHnQ

「En Focus」
Native Tonguesの仲間、女性ラッパーShortie No MassとBlack SheepのDresをフィーチャー。Grand Funk Railroad「Nothing is The Same」ネタの太いベースのリズムにKleeer「Intimate Connection」ネタの上モノがのるトラックが印象的です。
http://www.youtube.com/watch?v=UOM6OTXXZXs

「Patti Dooke」
Gang StarrGuruとMaceo Parker、Fred Wesley、Pee Wee Ellis等の伝説のホーン隊をフィーチャー。Gang StarrJazzmatazzとは異なる雰囲気のGuruを楽しめます。全体的にソウルな味わいでビシッとキメてくれます。Milt Jackson「People Make the World Go Round」ネタ。
http://www.youtube.com/watch?v=Kix1GaIm3Uk

「I Be Blowin'」
2曲続けてMaceo Parkerをフィーチャーしたインスト。いきなりMaceoがカッコ良いソロを聴かせてくれます。そのソロに続きLou Rawls「You've Made Me So Very Happy」ネタのダークなトラックが登場します。
http://www.youtube.com/watch?v=jteqyzoNp6s

「Long Island Wildin'」
前述の通り、高木完とスチャダラパーをフィーチャーした日本人には嬉しい1曲。歌詞もかなり楽しめます。ジャパニーズHip-Hopここに有り!Duke Pearson「Ground Hog」、Public Enemy「Rebel Without A Pause」ネタ。
http://www.youtube.com/watch?v=76Wd9RA3YFo

「Ego Trippin' (Pt. 2) 」
シングルにもなった人気曲。J-POPの人気ユニット、エゴ・ラッピン(EGO-WRAPPIN')のグループ名の由来にもなっている曲です。De La Soulらしさ全開のユルユルの明るさ全開で僕も大好きな1曲です。Al Hirt「Harlem Hendoo」、Heatwave「Ain't No Half Steppin'」ネタ。
http://www.youtube.com/watch?v=FXLJph6W7JY

「Paul's Revenge」
短いインタールード。

「3 Days Later」
Johnnie Taylor「Love In The Streets」、Lou Donaldson「Hot Dog」ネタのサザン・ソウル風の仕上がりがグッド! 土の香りがするDe La Soulを聴けます。
http://www.youtube.com/watch?v=5uAHPXctybI

「Area」
この曲De La Soulらしい脱力感を堪能できます。Spoonie Gee & The Treacherous Three「The New Rap Language」、Parliament「I Call My Baby Pussycat」ネタ。
http://www.youtube.com/watch?v=dKu9o2wSn9E

「I Am I Be」
Maceo Parker、Fred Wesley、Pee Wee Ellisをフィーチャーした「I Be Blowin'」の続編といったインスト。Lou Rawls「You've Made Me So Very Happy」、Eddie Harris「The Next Band」、Snooky Pryor「Keep Your Fat Mouth Out Of My Business」、Jefferson Starship「Miracles」ネタ。

「In the Woods」
Shortie No Massをフィーチャー。不穏な空気が漂うトラックをバックにShortie No Massがキュートなラップを聴かせてくれます!Maceo Parker「Track #13」ネタ。
http://www.youtube.com/watch?v=UMiHZVgFd5s

「Breakadawn」
本作のハイライトと言えば、シングルにもなったこのクラシックになるのでは?元ネタMichael Jackson「I Can't Help It」自体が良い曲という要因も大きいですが、いつ聴いてもラブリーな気分になれる1曲です。Smokey Robinson「Quiet Storm」、Bar-Kays「Song and Dance」、The Pointer Sisters「Yes We Can Can」ネタ。
http://www.youtube.com/watch?v=kN761MgGoaI

「Dave Has a Problem... Seriously」
インタールード。ハロー、ハロー、ハロー、ハロー...
http://www.youtube.com/watch?v=QTG1IWKz2-g

「Stone Age」
ラストはBiz Markieをフィーチャー。Gregory Isaacs「Lonely Days」ネタを使ったラガ調の仕上がり。Melvin Bliss「Synthetic Substitution」、Les DeMerle「Moondial」ネタ。
http://www.youtube.com/watch?v=wuvN0nG5jBQ

毎回そうなのですが、Hip-Hop作品の記事書くのって結構時間かかります。
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2009年06月08日

Tom Petty & The Heartbreakers『You're Gonna Get It!』

ブレイク前夜!彼らの個性を確立した2nd☆Tom Petty & The Heartbreakers『You're Gonna Get It!』
You're Gonna Get It!
発表年:1978年
ez的ジャンル:哀愁リリシズム系ロックンロール
気分は... :翳りが魅力!

Tom Petty & The Heartbreakersの4回目の登場です。

これまで当ブログで紹介してきたTom Petty作品は以下の3枚。

 『Damn The Torpedoes』(1979年)
 『Hard Promises』(1981年)
 『Long After Dark』(1982年)

4枚目に紹介するのは2ndアルバム『You're Gonna Get It!』(1978年)です。

僕がリアルタイムでTom Pettyを聴いたのは、ブレイクした次作『Damn The Torpedoes』(1979年)からでした。そして熱狂的に上記3枚のアルバムを聴き、『Southern Accents』(1985年)からはその熱狂も収まり、客観的に聴くようになりました。その後CD時代になり、デビュー作『Tom Petty & The Heartbreakers』(1976年)、2nd『You're Gonna Get It!』もコレクションに加えたという流れですね。

彼らの作品の中でも圧倒的に地味な扱いの本作『You're Gonna Get It!』ですが、『Damn The Torpedoes』以降にブレイクする彼らの土台が築かれたアルバムとして聴き逃せない作品だと思います。

正直、デビュー作『Tom Petty & The Heartbreakers』(1976年)はイモ臭い田舎のロックンロールの一歩手前といった印象が強く、彼ら本来の魅力がレコードに反映されていなかった印象を受けます。まだまだレコーディングに慣れていなかったせいかもしれませんが。

それと比較すると、『You're Gonna Get It!』では彼ら独特の哀愁感漂うリリシズムやドライブ感を感じ取ることができます。その意味で彼らの個性を確立した重要作という気がしますが...

Tom Petty(vo、g)、Mike Campbell(g)、Ron Blair(b)、Benmont Tench(key)、Stan Lynch(ds)というメンバーの一体感もグッと増しています。

本作のジャケに象徴されるように、彼らには翳りのあるロックンロールがよく似合うと思います。僕が『Southern Accents』以降Tom Pettyから離れていったのも、その翳りがどんどん薄れていったためかもしれません。僕の中では「Tom Petty=不健康そうなロックンローラー」なので(笑)。

過小評価されている作品ですが、『Damn The Torpedoes』『Hard Promises』『Long After Dark』の彼らがお好きな方ならば、本作も気に入るはずだと思います。

この翳りのあるロックンロールを堪能しましょう!

全曲紹介しときやす。

「When the Time Comes」
翳りのある疾走感溢れるカッコ良いオープニング。Tom Pettyお得意の展開パターンですね。大好き!

「You're Gonna Get It」
タイトル曲もTom Petty節炸裂のロック・チューン。独特の哀愁感とほんのりニューウェイヴの香りも漂うのがいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=f6d9YtGjxCw

「Hurt」
前作からの進歩を感じる1曲。前作だとイモ臭い田舎のロックンロールの一歩手前になりなそうな曲を、上手くスリリングなロック・チューンに仕上げています。

「Magnolia」
個人的にはアルバムで一番好き!この哀愁漂うリリシズムはTom Petty & The Heartbreakersにしか表現できないのでは?この曲名だとTom PettyというよりもTom Cruiseを思い浮かべてしまいますが...話が逸れますが映画『Magnolia』は傑作なのか退屈な作品なのか、何度観てもよくわかりません(笑)

「Too Much Ain't Enough」
ブルージーなロック・チューン。このあたりのドライブ感が前作から格段に良くなりましたね。
http://www.youtube.com/watch?v=rg5mmTp1pI4

「I Need to Know」
アルバムからの1stシングル。Bob Dylan調のTomのヴォーカルが冴え渡るシンプルなロックンロール。
http://www.youtube.com/watch?v=Yys9Z0CCfC0

Stevie Nicksのライブ・レパートリーとしてもお馴染みの曲ですね。YouTubeに2006年のライブで共演している映像がありました。すっかりオバちゃんになってしまったStevie Nicksにショック!...仕方ないですよね。
http://www.youtube.com/watch?v=_mEWuf056dM

「Listen to Her Heart」
アルバムからの2ndシングルであり、長年ライブ・レパートリーとして演奏されている曲ですね。Tomらしいメロディにグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=Qp_YM6mzefM

「No Second Thoughts」
アルバムの中でも異色の1曲。小粋な感じがたまりません。YouTubeにこの曲をラテン風にカヴァーしている映像がありましたが、そうしたくなるのがわかりますね。

「Restless」
切れ味鋭いロック・チューン。

「Baby's a Rock 'N' Roller」
ラストはライブ風の仕上がりのロック・チューン。

いよいよNBAファイナルが始まりましたね。
只今、第2戦をTV観戦中!第1戦を落としたマジックの巻き返しなるかが見物です。
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2009年06月07日

Diane Birch『Bible Belt』

シンガー・ソングライターの未来像!期待の女性SSWのデビュー作☆Diane Birch『Bible Belt』
Bible Belt
発表年:2009年
ez的ジャンル:米国女性SSWの星
気分は... :祝!W杯出場!

サッカー日本代表は何とかW杯出場を勝ち取りましたね!

グランド状態が悪く日本の持ち味を出せず、審判の笛にも泣かされっぱなしの不利な展開でしたが、何はともあれ結果を出した点で日本代表のたくましさを感じました。ただし、W杯で世界と戦うには課題山積みという気がしますが...

今日は米国期待の女性シンガー・ソングライターDiane Birchのデビュー・アルバム『Bible Belt』です。

"50年分のアメリカン・ミュージックが生まれ変わる"
"シンガー・ソングライターの未来像"

といったキャッチコピー、賛辞が並べられている彼女のデビュー作『Bible Belt』

こういった大袈裟な宣伝文句で売り出す作品って、大抵は期待外れな出来栄えと相場が決まっているものですが、本作は違います!みんなが待ち望んでいた才能ある女性シンガー・ソングライターの登場です!

Diane Birchはミシガン州生まれの26歳。
父親が伝道師であったため、幼少期をジンバブエ、南アフリカ、オーストラリアなどで過ごし、10代前半に米国に戻ります。クラシック・ピアノを学んでいたDianeでしたが、様々なポピュラー・ミュージックとの出会いを契機に作曲を開始します。

そして、本格的な音楽活動を開始すべくL.A.へ進出。地道な活動を続けながら、徐々に評価を高めていきます。そして、Joss Stone等を発掘したN.Y.のS-Curve Recordsとの契約に成功し、今日紹介するデビュー・アルバム『Bible Belt』をリリースしました。

一度聴いただけで心に刺さるエヴァーグリーンなメロディに、個人的には"21世紀のCarole KingLaura Nyro"といった印象を受けますね。70年代に活躍した女性SSWの雰囲気を上手に取り入れた21世紀ポップスを創り上げています。

プロデュースはS-Curve Recordsの総帥であるSteve Greenberg、マイアミ・ソウルの女王Betty Wright、ドラマーのMike Manginiという、Joss Stone『The Soul Sessions』を手掛けたメンバーと同じ布陣です。

レコーディングはN.Y.とニューオリンズで行われ、、Patti Smith Groupでお馴染みのLenny Kaye(g)、Joss Stone『The Soul Sessions』The Roots作品等でお馴染みのAdam Blackstone(b)、The MetersのGeorge Porter(b)、ニューオリンズのファンク・バンドGalacticのドラマーStanton Moore(ds)、1950年代後半よりドゥーワップ・グループJive Fiveのリード・ヴォーカルとして活動してきたEugene Pitt(vo)等の多彩なメンバーがレコーディングに参加しています。

こうしたプロデューサー、参加ミュージシャンからも想像できるように、ハスキーなDianeのヴォーカルを生かしたサウンドはかなりソウルフルであり、その意味では単にSSWのアルバムという以上に間口の広い作品だと思います。

新たな才能の誕生をみんなで祝福しましょう!

全曲紹介しときやす。

「Fire Escape」
ソウルフルな味わいのオープニング。心に刺さるヴォーカル&メロディ...この1曲でDiane Birchの才能とスケールの大きさがわかるのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=DnoUhtygXQ4

「Valentino」
明るく雰囲気がリズムがいい感じ。N.Y.というよりもL.A.やニューオリンズって雰囲気ですね。Betty Wrightのバック・ヴォーカルもいい感じ。
http://www.youtube.com/watch?v=PQ29k0ysfEU

「Fools」
多くの人がグッとくる名曲だと思います。このエヴァーグリーンなヴォーカル&メロディを聴けば、彼女を"21世紀のCarole King"と呼びたくなる気持ちをご理解頂けると思います。
http://www.youtube.com/watch?v=RRZC4G1oIag

「Nothing But A Miracle」
彼女の持つソウルフルな味わいが堪能できる1曲。しっかりとした根を持ったシンガー・ソングライターであることが認識できます。
http://www.youtube.com/watch?v=MO51LVGTcKA

「Rewind」
この曲も一度聴いただけで心に刺さるエヴァーグリーンな魅力を持った曲ですね。
http://www.youtube.com/watch?v=vwQqTB6_QRk

「Rise Up」
小粋なピアノとホーン隊をバックにしたファンキーな仕上がり。この曲はきっとニューオリンズ録音でしょうね。
http://www.youtube.com/watch?v=3feCi-eRV4Y

「Photograph」
Carole Kingに通じるポップ・センスに溢れた1曲。後半のゴスペル・テイスト展開も感動的です。
http://www.youtube.com/watch?v=_ELC3EH84kY

「Don't Wait Up」
ブルージーなドライヴ感が実にカッチョ良い!Betty Wright、Eugene Pittらのバック・コーラスも盛り上げてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=6kJCioYV1Dw

「Mirror Mirror」
「Ariel」
彼女の確かな曲作りの才能を感じる2曲。「Mirror Mirror」はフレッシュ感に溢れています。「Ariel」ではほんのりアーシーな味わいが香ります。

「Choo Choo」
60年代ポップスの楽しさと南部のファンキーな味わいを融合させた仕上がり。この雰囲気大好き!
http://www.youtube.com/watch?v=ojUUCZfTux4

「Forgiveness」
サザン・ソウル風のアーシーな仕上がり。ハスキーなDianeのヴォーカルもかなりソウルフル!
http://www.youtube.com/watch?v=_zBG4sl7MyM

「Magic View」
素敵なピアノの弾き語り...感動的にアルバムはフィナーレを迎えます。
http://www.youtube.com/watch?v=p0FIzG6O2Jc

みんなDianeを応援してね!
(完全にミーハー・ファンになりつつある僕です!)
posted by ez at 02:25| Comment(6) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年06月06日

Bar-Kays『Nightcruising』

土曜の夜に似合うナイト・クルージングなファンク・アルバム!☆Bar-Kays『Nightcruising』
Nightcruising
発表年:1981年
ez的ジャンル:夜遊びモード系ファンク
気分は... :日本代表、W杯切符ゲットなるか!

ぐったりモードです。
昨日までの疲れがドッと出て、今日は一日中寝ていました(泣)
でも2日連続で更新をサボりたくなかったので、ギリギリ今日の更新です(笑)

今日はBar-Kays『Nightcruising』(1981年)をセレクト。

Bar-Kaysはテネシー州メンフィスで結成されたソウル/ファンク・バンド。

1967年に「Soul Finger」でデビューし、いきなり全米チャート17位、全米R&Bチャート第3位のヒットとなります。このヒットで注目された彼らは同年夏にはOtis Reddingの専属バック・バンドとなりました。

しかし1967年12月9日、Otis ReddingとBar-Kaysのメンバーを乗せた飛行機が墜落。ソウルの帝王Otis Reddingの最期として知られているこの事故で、Bar-Kaysも6人中4人のメンバーを失うことになります。

しかし、飛行機に搭乗していながら奇跡的に生き残ったメンバーJames Alexanderがバンドを再編し、Isaac Hayesのバック・バンドとして活動を再開します。

1970年代に入るとヴォーカル&インスト・グループとしてファンク路線を突き進み、特に1976年にMercuryと契約して以降、ファンク・バンドとして成功を収めるようになります。

70年代後半から80年代前半にかけてMercuryから、『Too Hot to Stop』(1976年)、『Flying High on Your Love』(1977年)、『Money Talks 』(1978年)、『Light of Life』(1978年)、『Injoy』(1979年)、『As One』(1980年)、『Nightcruising』(1981年)、『Propositions』(1982年)、『Dangerous』(1984年)等の作品をコンスタントにリリースし、人気ファンク・グループの地位を不動のものとしていた彼らでしたが、1988年のアルバム『Animal』を最後にMercuryとの契約を打ち切られ、バンドの歴史に終止符を打ちます。その後、1991年に再結成されて今日まで活動を続けています。

僕の場合、The Bar-Kaysは名前はよく聞くものの、実際の曲を聴く機会になかなか恵まれないグループであり、保有するCDもごく限られたものでした。ですから昨年『Nightcruising』をゲットできたのは嬉しかったですね。

『Nightcruising』(1981年)は、『As One』(1980年)、『Propositions』(1982年)と並ぶ80年代前半の人気作です。

Rick Jamesから影響を受けている作品のようですね。確かRick James風の曲がいくつかあります。本作がリリースされた1981年といえば、Rick James『Street Songs』をリリースし、「Super Freak」をヒットさせていた時期でした。

個人的に80年代前半のファンク・アルバムに関しては、土曜の夜遊びモードの雰囲気がプンプン漂う作品が好きですが、本作はまさにそんな作品に仕上がっていると思います。

ぐったりお疲れモードの僕ですが、夜遊びモードのアルバムでも聴いて目を覚ましたいと思います!

全曲紹介しときやす。

「Nightcruising」
土曜の夜に聴くには持ってこい!の夜遊びモードのダンス・チューン。みんなで大いに盛り上がりましょ!
http://www.youtube.com/watch?v=AKbtXyAtZow

「Hit and Run」
シングルとして全米R&Bチャートとなったファンク・チューン。粘りのある感じがいいですな。

「Feels Like I'm Falling in Love」
個人的には一番のお気に入り曲。ロマンティックなスロウ・チューンです。このメロディは何処かで聴いたことがあるような...なんて野暮なことは考えず、ロマンティック・ワールドを堪能しましょう。
http://www.youtube.com/watch?v=Ht5Rv4OMyyc

「Freaky Behavior」
シングルにもなったファンク・チューン。この曲はモロにRick Jamesって感じですね。
http://www.youtube.com/watch?v=DoPwooqUUlU

「Touch Tone」
軽快なスピード感が印象的な1曲。能天気な感じがいいですね(笑)
http://www.youtube.com/watch?v=R9fCEChFFWw

「Unforgettable Dream」
味わい深いバラード。個人的にはCommodores「Easy」あたりと一緒に聴きたくなります。

「Traffic Jammer」
個人的には、ファンク・チューンの中ではこの曲が一番カッチョ良いと思います。腰にグイグイくる感じがたまりませんな。
http://www.youtube.com/watch?v=zTXPinVS9v0

「Backseart Driver」
ラストもインストながらも相当腰にくるファンク・チューン。
http://www.youtube.com/watch?v=lUDLluQMSWM

Bar-Kaysについては他の作品もゲットしたいですね。まずは『Injoy』(1979年)、『As One』(1980年)、『Propositions』(1982年)あたりかな。

さぁ、今夜はもうすぐサッカーW杯アジア最終予選「ウズベキスタン対日本」戦ですね。
アウェーですが、しっかり勝利してW杯予選突破国第1号になって欲しいですね。
個人的には長谷部、遠藤、中村憲あたりの出来が勝敗を決すると思います。

みんなでしっかり応援しましょう!
posted by ez at 22:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年06月04日

Luiz Bonfa & Maria Toledo『Braziliana』

ボサノヴァを代表するギタリスト/作曲家による夫婦アルバム☆Luiz Bonfa & Maria Toledo『Braziliana』
ブラジリアーナ
発表年:1965年
ez的ジャンル:イージー・リスニング系夫婦ボサノヴァ
気分は... :ボサノヴァで一息...

かなりバタバタ状態です。明日は更新サボるかも?

こんな時にはイージー・リスニングなボサノヴァが聴きたい気分!
ということで今日はボサノヴァ・ファン必聴の名作Luiz Bonfa & Maria Toledo『Braziliana』(1965年)です。

Luiz Bonfa(1922-2001年)はリオデジャネイロ出身のギタリスト/作曲家。1940年代半ばより活躍し、ボサノヴァ世代のギタリスト/ミュージシャン達からもリスペクトされた偉大なギターの魔術師でした。何より映画『Orfeu Negro(黒いオルフェ)』(1959年)の挿入歌「Manha de Carnaval(カーニヴァルの朝)」「Samba de Orfeu(オルフェのサンバ)」の作曲者として有名ですね。

本作Luiz Bonfa & Maria Toledo『Braziliana』は、Bonfaが当時の奥方Maria Toledoとレコーディングした作品です。BonfaのギターとMaria Toledoのスキャットが絡むブラジリアン・スキャットの傑作として若い世代からの支持も高い作品です。

全曲Luiz Bonfaのオリジナルです。また、「A Taste of Honey」の作者として知られているBobby Scottがストリングス・アレンジを担当しています。ドラマーとしてTamba TrioのHelico Militoや後にSergio Mendes & Brasil '66でも活動したDom Um Romaoの二人が参加しています。

全体としては、Maria Toledo参加のヴォーカル曲とBonfaのギターを中心としたインスト曲がバランス良く配置されています。1枚で2度美味しい!お得感があります。捨て曲が全くなく、スキャットあり、口笛あり、夫婦デュエットあり、魔法のギターあり、エレガントなストリングスあり、とあの手この手でロマンティックなボッサ・ワールドへ誘ってくれます。

今聴いても鮮度抜群のエヴァー・グリーンなアルバムです。
世代に関わらず、多くの人に聴いて欲しい作品ですね。

全曲紹介しときやす。

「Whistle Samba」
いきなりハイライト曲!サバービア好きの人には外せない1曲ですね。軽やかなボッサ・ギターをバックにスキャットと口笛が心地よく響き渡る究極のイージー・リスニングです。

「Tanto Amor」
エレガントなストリングスとMaria Toledoが憂いのあるヴォーカルの相性が抜群。

「Samba de Orfeu」
前述の通り、映画『Orfeu Negro(黒いオルフェ)』収録の名曲。当ブログではこれまでDaniela Und AnnWanda Sa(Wanda De Sah)によるカヴァーを紹介してきました(個人的にはキュートなDaniela Und Annヴァージョンがたまらなく好きです)。(再演ですが)本家Bonfaのヴァージョンということでグッときますね。曲の良さは勿論のことですが、Bonfaのギターも存分に堪能できるのがいいですね。

「Pierrot」
ノスタルジック・ムード漂うMaria Toledoのヴォーカルが印象的です。

「Boticario」
ロマンティックなBonfaのギターにうっとりしてしまうインスト。彼が"ギターの魔術師"と呼ばれるのがよくわかる1曲ですね。

「Cavaquinho」
個人的にはかなりグッとくる小粋なボッサ・チューン。Maria Toledoのヴォーカル&スキャットとBonfaのギターが相俟って至極のボッサ・ワールドへ誘ってくれます。

「Improviso」
ただただ美しいBonfaのギターに酔いしれるインスト。

「Promessa」
イントロとエンディングの口笛が何とも素敵!ここではMaria Toledoのロマンティックな英語ヴォーカルを聴くことができます。

「Sugar Loaf」
Bonfaのギター、ピアノ、パーカッションがシンプルながらも味わい深い演奏を聴かせてくれます。

「Saudade」
Maria Toledoのヴォーカル、Bonfaのギター、ストリングス、全てがひたすらロマンティックな仕上がり。メロメロになりそうです(笑)

「Guanabara」
息の合った夫婦デュエットは「Whistle Samba」と並ぶ人気曲なのでは?パーカッシヴな展開も僕好み!

「Pequeno Olhar」
Maria Toledoのリード・ヴォーカルに絡むBonfaのコーラスにグッときます。

「Baroco」
さり気なさがサイコーですね。ギターの魔術に魅了されてしまいます。

「Sambura」
ラストは小粋な夫婦デュエット。ラブリーな仕上がりに聴いているだけでハッピー・モードになります。

正直、 Luiz Bonfa作品の全体像をきちんと把握できていません。とりあえず、Stan Getzとの共演盤『Jazz Samba Encore!』(1963年)(The Pharcyde「Runnin'」の元ネタ「Saudade Vem Correndo」収録)や"歌う通訳"Caterina Valenteとの共演盤『Caterina Valente e Luiz Bonfa』(1963年)あたりが有名なのでは?

『Jazz Samba Encore!』(1963年)
Jazz Samba Encore!
Jazz Samba Encore!

『Caterina Valente e Luiz Bonfa』(1963年)
Caterina Valente E Luiz B
Caterina Valente E Luiz B
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