発表年:2009年
ez的ジャンル:スウェディッシュSSW
気分は... :心に微風を!
今回はスウェーデンの新鋭シンガー・ソングライターMarina Martenssonのデビュー作『Fences』です。以前にも少し触れた最近のお気に入り新作の1枚です。
今月に入って、ブラジル人SSWのSuely Mesquita『Microswing』、アメリカ人SSWのDiane Birch『Bible Belt』、そしてスウェーデン人SSWのMarina Martensson『Fences』と3枚の女性SSWの新作アルバムを紹介していますが、三者三様の魅力があります。
本当に今年は女性SSWの当たり年だと思います。
Marina Martenssonはスウェーデン出身の女性シンガー・ソングライター。2003年、16歳の時にスウェーデン最大の音楽コンテストで優勝し、注目を集めるようになったようです。
このデビュー作ではPatrik Boman、Max Schultzといったストックホルムの実力派ジャズ・ミュージシャンが、若き才能をサポートしています。プロデュースを手掛けたPatrik Bomanは、ダブルベース奏者、作曲・編曲家として活躍すると同時に、ジャズ・レーベルArietta Discsを主宰しています。Max Schultzもジャズ・ファンにはお馴染みの人気ギタリストですね。
そんな制作陣の関係もあり、SSWの作品と言いながら、非常にジャジーな仕上がりです。僕もCDショップのジャズ売場で本作に出会いました。なので、購入者もジャズ系リスナーが多いのでは?
"スウェーデンのNorah Jones"と形容されることが多いMarina ですが、少しハスキーなMarinaのなナチュラル・ヴォーカルとジャジーなバックのサウンドはNorah Jonesを彷彿させるものがあります。
あとはジャケ写真そのままのピュアな感じがヴォーカル&サウンドにも反映されています。聴いているだけで心が浄化されていきますね。
梅雨のジメジメ感を吹き飛ばす爽やかな1枚です。
心に微風が欲しい方はぜひお試しあれ!
全曲紹介しときやす。
「Coffee Everyday」
このオープニングを聴けば、何故彼女が"スウェーデンのNorah Jones"と形容されるのか、一発でわかると思います。Norah Jones「Don't Know Why」と一緒に聴きたくなる、安らぎを与えてくれる名曲。
http://www.youtube.com/watch?v=D-2L32GweUQ
http://www.myspace.com/marinamartensson
「One Hit」
この曲はMax Schultz作。70年代SSWの雰囲気を上手く受け継いだキャッチーな仕上がり。Max Schultzはギターでも大活躍です。
「Ticket To Ride」
ご存知Beatlesの名曲カヴァー。アーシーな味わいの絶品カヴァーに仕上がっています。アコギのみのシンプルな演奏がグッド!
「Falling in Love」
Tommy Berndtssonのピアノが光る、ジャズ寄りの仕上がり。落ち着いた雰囲気にジャズ・ファンにはグッとくるのでは?
「To Let You Go」
Marinaのピュアな魅力が全開の1曲。胸にグッとくるものがあります。
http://www.myspace.com/marinamartensson
「Sing A Lullaby」
「It Ain´t Much」
共にPatrik Boman作。「Sing A Lullaby」はジャジーに、「It Ain´t Much」はブルージーに...Bomanのノスタルジック・ムードのアレンジ・センスが光ります。
「Fences」
タイトル曲はSSWらしいアコギによる弾き語り。透明感溢れるピュアな仕上がりに心が浄化されます。
http://www.myspace.com/marinamartensson
「Show Me Who You Are」
「Coffee Everyday」と並ぶ僕のお気に入り。ポスト・ノラ・ジョーンズらしい仕上がりの1曲。聴いていると、胸が締めつけられるような思いになるのは何故?
「You Little Deceitful You」
トラディショナルな雰囲気の1曲。デモ・テープのような仕上がりがグッド!
「I Do Care」
ラストはジャジーな雰囲気でしっとりと締めくくります。Tommy Berndtssonのピアノが実にロマンティック! Patrik Boman作。
The Quiet Nights Orchestra『Chapter One』、Ingela『All These Choices』、そして本作とスウェーデン人アーティストの新作はいいですね。北欧アーティストの持つジャジー感覚は、僕の嗜好のど真ん中なのかもしれません。