発表年:1992年
ez的ジャンル:ラップ系アシッド・ジャズ
気分は... :チャーリーズ・エンジェル!
Michael Jacksonの死から2日が経ちました。
MJの死は惜しむべきですが、マスコミもブログもMJネタばかりで少し食傷気味ですね。TVやネットでもMJ関係のものは意識的に避けています。
当ブログではこの騒ぎが落ち着いた頃にでも、MJ関連作品を取り上げたいと思います。僕の場合、『Thriller』以降の作品を取り上げることはありませんが...
MJの記事のせいであまり話題になりませんが、同じ日に女優のファラ・フォーセットが亡くなりました。「チャーリーズ・エンジェル」に夢中だった僕にとっては相当ショックです。謹んでご冥福をお祈り致します。
さて、今日はアシッド・ジャズ期の人気グループGallianoの2ndアルバム『A Joyful Noise Unto The Creator』(1992年)です。
Gallianoは、Rob Gallagherを中心にしたグループ。Rob Gallagherを含めて3名のコア・メンバーがいましたが、レコーディングやライブでは数多くのミュージシャンが加わっていたため、実態としてはRob Gallagherを中心としたプロジェクトと説明した方が良いのかもしれません。
アシッド・ジャズ・ブームの中心人物Gilles Petersonが主宰するAcid Jazzレーベルより、シングル「Frederic Lies Still」(1988年)でデビューします。その後、Gilles Petersonが1990年に新たにTalkin' Loudを設立すると、第一弾契約アーティストとしてサインしました。
そして、1stアルバム『In Pursuit of the 13th Note』(1991年)をリリース。その後2nd『A Joyful Noise unto the Creator』(1992年)、3rd『The Plot Thickens』(1994年) 4th『4 (Four) 』といったアルバムをリリースした後にグループは解散します。
アシッド・ジャズに夢中になった人にとっては、『In Pursuit of the 13th Note』(1991年)、『A Joyful Noise unto the Creator』(1992年)の2枚は印象深い作品ですね。
人気ファッションデザイナーJohn Gallianoが台頭してきたのもこの頃で、それともイメージが重なり、「Galliano=スタイリッシュなクラブ・ミュージック」という印象がありました。
今日紹介する2nd『A Joyful Noise unto the Creator』は、元Style CouncilのMick Talbotプロデュースしており、1st以上に歌や生演奏へのこだわりを見せた仕上がりとなっています。UKらしいジャズ・ファンク・サウンドとソウルフルなヴォーカルとラップがいい感じに融合しています。それ以外にレゲエ/ダブ、アフリカ、カリブの要素もあり、それらが混ざったスタイリッシュなハイブリッド感が魅力です。
リアルタイムでアシッド・ジャズを体験していない人がどの程度グッとくるのかはわかりませんが、今日のUKジャズ・ファンクやジャジーHip-Hopがお好きな人は聴いてみると面白いのでは?
全曲紹介しときやす。
「Groundation(Part 1)」
エスニックなプロローグ。
「Jus' Reach」
オススメその1。当ブログでも紹介したArchie Sheppの名曲「Attica Blues」のリメイク。シングルにもなりました。Valerie Etienneによるソウルフルな女性ヴォーカルをフィーチャーしたジャズ・ファンクに仕上がっています。オリジナル「Attica Blues」とセットで聴くのが楽しいと思います。
「Skunk Funk」
オススメその2。この曲もシングルにもなりました。元Young Disciplesの女性ヴォーカリストだったCarleen Anderson をフィーチャーしたアシッド・ジャズらしいファンキー・グルーヴ。ファンキーかつヒップな感覚が何とも言えずカッチョ良いですね!
「Earth Boots」
アシッド・ジャズならではのジャジーHip-Hopチューン。先日紹介したJon Lucien「A Prayer for Peace」をサンプリングしたアコースティックな味わいがグッド!
http://www.youtube.com/watch?v=EstWQQukPLk
「Phantom」
UKらしいダビー&ラガ・テイストの仕上がり。ソウルもジャズもレゲエ/ダブも混在しているのがUKクラブ・ミュージックの魅力ですね。
「Jazz!」
オススメその3。Lonnie Liston Smithばりのコズミックなジャズ・ファンク・サウンドがグッド!
「New World Order」
地球への警鐘を鳴らすメッセージ・ソング。単にスタイリッシュというわけではありません。
「So Much Confusion」
Linda Murielの女性ヴォーカルをフィーチャー。ラップとヴォーカルが程好く融合したGallianoらしいジャジー・グルーヴを聴くことができます。
「Totally Together」
オススメその4。Jackie Mittoo「Totally Together」のリメイク。オリジナルを知らなくても楽しめるカッチョ良いファンキー・グルーヴ。
Jackie Mittoo「Totally Together」
http://www.youtube.com/watch?v=2LOHMxD_EAw
「Golden Flower」
オススメその5。UKソウル/アシッド・ジャズ・ファンならばお馴染みOmarのヴォーカルをフィーチャー。パーカッシヴなグッド・ヴァイヴに仕上がっています。Gil Scott-Heronあたりがお好きな人も気に入るのでは?Omarもそのうち紹介しますね。
http://www.youtube.com/watch?v=zx0mc5fa15k
「Prince Of Peace」
オススメその6。本作のハイライト曲はPharoah Sandersの名演リメイク。アシッド・ジャズを代表する人気シングルですね。Valerie Etienneの艶やかな女性ボーカルをフィーチャーし、名曲をスタイリッシュに90年代に甦らせました。
http://www.youtube.com/watch?v=9ETJuem-geE
当ブログで既に紹介済みのPharoah SandersのオリジナルはLonnie Liston Smithの幻想的なピアノをバックに、Leon thomasのヨーデル・ボーカルが炸裂します。本カヴァーとセットで聴くと2倍楽しめるはず!
Pharoah Sanders「Prince of Peace」
http://www.youtube.com/watch?v=_AAELC5Kzno
「Groundation(Part 2)」
アフリカン・テイストのエピローグ。
国内盤には「Skunk Funk」のAndrew WeatherallによるリミックスCabin Fever Mixが収録されています。Weatherallと言えば、当ブログでも紹介したMy Bloody ValentineやPrimal Screamのリミックスで有名ですね。ここでもアシッド・ジャズをWeatherallらしく調理してしまう腕前はさすがですね!