録音年:1964年
ez的ジャンル:ハードボイルド系男気ジャズ
気分は... :存在感ありますな!
久々に男気溢れるテナー・サックス奏者Dexter Gordonです。
これまで当ブログで紹介したDexter Gordon(Dex)作品は以下の4枚。
『Dexter Calling...』(1961年)
『Go』(1962年)
『Our Man In Paris』(1963年)
『Gettin' Around』(1965年)
5枚目に紹介するのは『One Flight Up』(1964年)です。
『Our Man In Paris』(1963年)に続く、パリ録音第2弾アルバムです。
メンバーは、Dexter Gordon(ts)、Donald Byrd(tp)、Kenny Drew(p)、Niels-Henning Orsted Pedersen(b)、Art Taylor(ds)というクインテット編成です。名立たるメンバーに混じって、当時18歳だったデンマークの神童Pedersenの参加が目立ちますね。
前作『Our Man In Paris』が人気作であることと比較すると、本作『One Flight Up』は地味なアルバムかもしれません。でも、好きな人は"かなり好き!"という作品かもしれませんね。
豪快なワンホーンというイメージが強いDexter Gordonですが、本作ではDonald Byrdを従えて、モーダル&スマートな演奏を聴かせてくれます。特に「Tanya」、「Coppin' the Haven」のハードボイルドな仕上がりには相当グッときます。
ジャケは古めかしく野暮ったい感じですが、中身はかなり粋ですよ!
全曲紹介しときやす。
「Tanya」
本作のハイライトとなるモーダル&ブルージーな18分超の大作(Donald Byrd作)。男臭いハードボイルド的な格好良さに相当グッときます。Dexのモーダルな演奏が印象的ですし、作者であるByrdのプレイもDex同様にキマっています。この二人のカッチョ良さを引き出しているのが、Drew、Pedersen、Taylorのバッキング!ブルージーな雰囲気を醸し出すDrewのピアノ、一音一音がビンビン伝わってくるPedersenのベース、メリハリの利いたTaylorのドラム、全てが噛み合っている気がします。
「Coppin' the Haven」
Kenny Drew作のブルース。「Tanya」同様、ハードボイルド的な格好良さを堪能できます。ここでもDexらしからぬ(?)スマートな演奏かもしれませんが、これだけキマってくれれば大満足です。続くByrdのクールな演奏にもグッときます。Drewの小粋なピアノ・ソロもいいですね!
「Darn That Dream」
ミュージカル『Swing That Music』の挿入歌だったスタンダード(Eddie DeLange作詞、Jimmy Van Heusen作曲)。当ブログでは以前にBill Evans & Jim Hallの演奏を紹介しています。ここではByrd抜きのワンホーン編成で演奏されています。ムーディーなDexのプレイにただただウットリするバラードに仕上がっています。
「Kong Neptune」
CDに収録されているボーナス・トラック(Dexter Gordon作)。アップテンポの小気味良い演奏が印象的です。演奏そのものは悪くはないと思いますが、他の3曲とのバランスを考えるとビミョーですね(笑)
ジャケのDexはなぜこんなに大股開きなんでしょ!
よく見ると不自然ですよね(笑)
それにしても195cmの巨漢は小さく写っていてもデカさを感じます。