発表年:1969年
ez的ジャンル:反戦・反体制社会派ロック
気分は... :時代を動かそう!
シスコ・ロックを代表するグループJefferson Airplane(JA)の3回目の登場です。
『Bless It's Pointed Little Head』(1969年)、『Surrealistic Pillow』(1967年)に続いて紹介するのは『Volunteers』(1969年)です。
『After Bathing at Baxter's』(1967年)と並んでJA最高傑作の呼び声の高い作品ですね。個人的にも一番好きなJA作品が本作『Volunteers』です。
ジャケの雰囲気からして、反戦、反体制といった雰囲気が漂っていますよね。
本作におけるメンバーは、Marty Balin(vo)、Grace Slick(vo、p、recorder)、Paul Kantner(vo、g) 、Jorma Kaukonen(g)、Jack Casady(b)、Spencer Dryden(ds)という6名。このJA最強布陣6名が揃った最後のアルバムとなりました。
ベトナム戦争の泥沼化で混迷を深めていた社会状況下で、最強メンバー6名が最後に結束してクリエイトした渾身のメッセージ・アルバムなのでは?
サウンドは良くも悪くも60年代後半の音そのものですが、60年代の空気を感じ取るという意味では楽しめると思います。
さらに本作では、Nicky Hopkins(p)、Stephen Stills(org)、Jerry Garcia(g)、David Crosby(music、sailboat)等がゲスト参加しています。David Crosbyの"music、sailboat"というクレジットがよくわかりませんが(笑)
本作の持つメッセージは、政治が機能せず、ワーキング・プアが増え、貧困が切迫した社会問題となっている、どこかの島国の人々にもグッとくるのでは?
全曲紹介しときやす。
「We Can Be Together」
Paul Kantner作のオープニング。タイトルからもわかるように、愛と平和を訴えるメッセージ・ソングです。実は僕が一番好きなJAソングが本曲です。ヒッピー、フラワー・ムーヴメント、反戦、反体制...彼らの持つ様々な要素が本曲のメッセージ&サウンドに凝縮されている気がします。Nicky Hopkinsがピアノで参加しています。
http://www.youtube.com/watch?v=bWhWMYqDNtk
「Good Shepherd」
トラディショナル・ソングをJorma Kaukonenがアレンジしたもの。ブルージー&フォーキーな独特の雰囲気がたまりません。密かに好きな1曲。
http://www.youtube.com/watch?v=lOWX2-l788A
「The Farm」
Paul Kantner/Gary Blackman作。Jerry Garciaがペダル・スティールで参加。正直、僕の苦手なイモ臭いカントリー調の仕上がりなのでパス(笑)
http://www.youtube.com/watch?v=VI-h51hAsEA
「Hey Frederick」
Grace Slick作。Nicky Hopkinsがゲスト参加しています。8分超のドラマティックな展開の大作です。へヴィな前半から一気に弾けるスリリングな中盤、ブルージーな後半と様々な表情のサウンドを楽しめます。
http://www.youtube.com/watch?v=w25xghugIdg
「Turn My Life Down」
Jorma Kaukonen作。Stephen Stillsがハモンド・オルガンで参加。コンガも加わわり、なかなかグルーヴィーで格好良い演奏を聴かせてくれます。Stephen Stills絡みで言えば、Manassasが好きな人は気に入ると思います。
http://www.youtube.com/watch?v=13Di9Uld7jw
「Wooden Ships」
David Crosby/Paul Kantner/Stephen Stills作の話題曲。Crosby, Stills & Nashのヴァージョンでもお馴染みの曲ですね。Crosby所有のヨットが本作を生むきっかけとなったことから、Crosbyのクレジットにsailboatとあるのでしょうね。CS&Nヴァージョンと比較するとJAヴァージョンの方がサラっとした仕上がりですが、それでも味わい深いことには変わりありません。
http://www.youtube.com/watch?v=hIccZsURyLc
Crosby, Stills & Nash
http://www.youtube.com/watch?v=SqLy-Ks8viw
「Eskimo Blue Day」
Grace Slick/Paul Kantner作。ドラマティックな演奏はJA流プログレといったところでしょうか。
http://www.youtube.com/watch?v=d7epbdQ4YYI
「A Song For All Seasons」
Spencer Dryden作。「The Farm」同様、イモ臭いカントリー調の仕上がりなのでパス(笑)
http://www.youtube.com/watch?v=sjaL_zU7buY
「Meadowlands」
ロシア民謡「Polyushko Pole」をGraceがオルガン・ソロで弾きます。続く「Volunteers」への流れを考えると意味深な構成ですな。
http://www.youtube.com/watch?v=vuG2Itxjl6U
「Volunteers」
タイトル曲は痛烈な反戦、反体制のメッセージ・ソング。シングルにもなりました。なかなかパンチの効いた仕上がりです。Nicky Hopkinsのピアノも冴えています。
http://www.youtube.com/watch?v=SboRijhWFDU
本当は今日はGrateful Deadの作品を取り上げようと思ったのですが、どうもDead作品って書きづらいんですよね。ということでJAへ変更してしまいました。CD所有枚数や聴く回数で言えば、Deadの方が多いのですが....Dead作品には近々再チャレンジしてみます、