2009年07月10日

Deodato『Love Island』

心はラブ・アイランドへ...夏らしいフュージョン作品☆Deodato『Love Island』
Love Island
発表年:1978年
ez的ジャンル:軽快&メロウ系ブラジリアン・フュージョン
気分は... :心はラブ・アイランドへ...

昨日は暑かったですね。
思わず夏全開の作品を紹介したくなります。

今回は人気ブラジル人ミュージシャンEumir Deodatoです。

Eumir Deodatoは1943年、リオデジャネイロ生まれのアレンジャー/プロデューサー/コンポーザー/キーボード奏者。10代の頃からブラジル音楽シーンでキャリアをスタートさせ、Marcos Valle、Quarteto Em Cy、Robert Menescal等の作品に参加しています。

1967年、当ブログでも紹介した偉大なブラジル人ギタリストLuiz Bonfaに呼ばれてDeodatoは渡米し、Creed TaylorのCTIとの契約に成功します。アレンジャー/コンダクターとして参加したWes MontgomeryAntonio Carlos Jobim、Milton Nascimento等の作品でCreed Taylorにその才能を認めさせたDeodatoは、自身のリーダー作録音のチャンスを得ます。

こうしてCTIから『Prelude』(1972年)、『Deodato 2』(1973年)等の作品をリリースしています。その後もソロ作品をリリースする傍ら、Earth,Wind & FireKool & the Gang等の作品でアレンジャー/プロデューサーとして活躍しました。90年代にはBjork作品なども手掛けていましたね。昨年(2008年)には来日公演も果たし、健在ぶりを見せてくれました。

当ブログでもプロデューサー、アレンジャー、サンプリング元ネタとしてEumir Deodatoの名を紹介することが多々ありましたが、何故かDeodato自身の作品を紹介する機会を逸していました。

今回、『Deodato 2』『Love Island』(1978年)のどちらにしようか迷いましたが、夏らしい軽快なブラジリアン・フュージョンが聴ける『Love Island』をセレクト!

本作『Love Island』はTommy LiPumaを共同プロデューサーに迎えたワーナー移籍第一弾アルバムです。

レコーディングには、Eumir Deodato(key, vo, perc)以下、Larry Carlton(g)、John Tropea(g)、Ray Gomez(g)、Pops Popwell(b)、Gordon Edwards(b)、Harvey Mason(ds)、Rick Marotta(ds)、Joe Correro(ds)、Jimmy Maelen(per)、Ray Armando(per)、Victor Feldman(per)、Charlie Conrad(per)、Randy Brecker(tp)等が参加しています。また、「Tahitti Hut」 ではAl McKay(g)、Verdine White(b)、Freddie White(ds)、Philip Bailey(per)といったEW&F勢が参加しています。

このメンバーから想像がつくように、夏にピッタリ!軽快&メロウなフュージョン・サウンドを存分に聴かせてくれます。

さぁ、夏らしいフュージョン作品で心はラブ・アイランドへ...

全曲紹介しときやす。

「Area Code 808」
オープニングは灼熱のフュージョン。本作で一番熱く、照り返しが眩しい仕上がりなのでは?聴いているだけで汗ばんできます!

「Whistle Bump」
「San Juan Sunset」と並ぶハイライト曲。本作らしい軽快なジャズ・ファンク・チューンに仕上がっています。Larry Carltonの軽快なギターが真夏へと誘ってくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=mKtAsMFOkIg
(音質悪いです!)

ダンス・クラシックであると同時にMoodymann「Forevernevermore」、Rick Wade「Whistle Bump Track」等のネタにもなっています。
Rick Wade「Whistle Bump Track」
 http://www.youtube.com/watch?v=Uh5fRrhDrY8

「Tahitti Hut」
EW&FのMaurice Whiteとの共作です。前述のように多くのEW&F勢がレコーディングに参加しています。いかにもMaurice White、EW&FらしいメロディとDeodatoらしいアレンジが融合した素晴らしいメロウ・グルーヴに仕上がっています。EW&F好きの人は間違いなく気に入ると思います。出来れば、ヴォーカルはDeodato本人ではなく、Philip Baileyが担当した方がベターだったと思いますが(笑)
http://www.youtube.com/watch?v=6aXayCXvBO4

「San Juan Sunset」
「Whistle Bump」と並ぶハイライト曲。正にサンセットなメロウ・チューンに仕上がっています。都会の喧騒を忘れさせてくれる、バカンス気分を満喫するのにピッタリな1曲。
http://www.youtube.com/watch?v=IoNg6hk_Z8k
(音質悪いです!)

Lord Finesse「Game Plan」、Pudgee「On The Regular」等のサンプリング・ネタにもなっています。
Lord Finesse「Game Plan」
 http://www.youtube.com/watch?v=WQacbtNuPpU

「Love Island」
タイトル曲もバカンス・モードのメロウ・フュージョン。波の効果音も含めてギター、フェンダー・ローズ、パーカッション、ホーン隊と全てが相当ベタなサマー・フュージョンですが、そこに相当グッときます。気分は既に南の島へ...
http://www.youtube.com/watch?v=2Jv6pw9pttU

「Chariot of the Gods」
軽快なフュージョン・チューン。個人的には以前に紹介した新生Full Moon(Larsen-Feiten Band)「The Visitor」と一緒に聴きたくなる1曲です。

「Pina Colada」
邦題「パインのコーラ」は"そんなアホな!"とツッコミ入れたくなりますね(笑)。Pina Colada(ピナコラーダ)は、以前にRupert Holmes「Escape(The Pina Colada Song)」 でも紹介した通り、パイナップル&ココナッツ&ラム酒のカクテルのことです。この邦題は...担当者がダジャレ好きだと思いましょう(笑)。肝心のサウンドの方は、ファンキーなジャズ・ファンクに仕上がっています。

「Take the "A" Train」
お馴染みのスタンダード「A列車で行こう」のカヴァー。それにしてもこの有名曲をこんなに大胆なアレンジで素敵なメロウ・チューンにしてしまうとは脱帽です。ある意味、Deodatoの才能を最も実感できる1曲なのでは?

今晩は遅まきながら、北野武監督の映画『アキレスと亀』を観ながら記事を書いています。久々にグッとくる北野作品ですね。
人生は険しく、辛い...それでも人は楽しく生きることができる...
posted by ez at 02:00| Comment(4) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする