2009年07月21日

Chris Rea『On The Beach』

これぞ大人のダンディズム☆Chris Rea『On The Beach』
オン・ザ・ビーチ
発表年:1986年
ez的ジャンル:激シブ系UKロック
気分は... :美しき敗者...

昨日のエントリーでも触れましたが、ゴルフの全英オープン最終日、プレーオフで敗れた59歳のトム・ワトソンの健闘はとても印象的でした。

敗れ去ったトム・ワトソンの姿をTVで観ていたら、僕の頭の中で何故かChris Rea「On The Beach」が流れきました。海岸に面したターンベリー・コースの光景や敗者のダンディズムが、「On The Beach」とリンクしたのかもしれません。

ということで、今日はChris Rea『On The Beach』(1986年)です。

Chris Reaは1951年、イギリス、ミドルスブラの生まれのシンガー・ソングライター/ギタリスト。
僕の場合、"ミドルスブラ"と聞くと、真っ先に思い浮かぶのはサッカー・チームなのですが(元ブラジル代表のジュニーニョも在籍)...

元Deep PurpleのDavid Coverdaleと組んだMagdareneというバンドで注目されるようになり、1978年にはデビュー・アルバム『Whatever Happened to Benny Santini?』をリリースしています。

日本でもChris Reaの名前を広く知らしめることとなった『On The Beach』(1986年)あたりから商業的な成功を収めるようになり、『The Road to Hell』(1989年)、『Auberge』(1991年)の2枚はUKアルバム・チャートのNo.1に輝いています。その後も今日までコンスタントにアルバムをリリースし続けています。

僕は『On The Beach』以外のアルバムをきちんと聴いたことがないのですが、いぶし銀のシンガー/ソングライターというイメージですね。浮き沈みの激しい音楽業界で、Chris Reaのような地味なタイプの人がコンスタントに作品をリリースしているということは少し驚きですね。

数あるChris Rea作品の中でもダントツの知名度を誇る作品が本作『On The Beach』(1986年)ですね。タイトル曲は、マツダのCMにも使われていたのでお聴きの方も多いと思います。夏向けのメロディアスで洗練されたサウンドと、彼独特の低音ハスキー・ヴォーカルの組み合わせは、AORアルバムを思わせる内容でした。

参加ミュージシャンの中には、Jeff Beck関連作品でお馴染みのMax Middleton(key)といった名前も見られます。

どちらかと言えば、晩夏をイメージさせるアルバムですが、大人のサマー・アルバムとして僕のようなオヤジ世代にはグッとくる作品だと思います。若いリスナーの方にはピンと来ない作品かもしれませんが...

僕の中ではGraham Parker『The Mona Lisa's Sister』あたりと一緒に聴きたくなる、大人のダンディズムを感じる作品です。

全曲紹介しときやす。

「On the Beach」
Chris Reaの代名詞と言えるタイトル曲。誰もいない海で一人たたずみながら物思いに耽る、といった雰囲気の曲ですね。いぶし銀のヴォーカルとクリアなバッキングのバランスが絶妙だと思います。

YouTubeでは再レコーディングしたヴァージョンのビュー回数が多くなっていますが、アレンジが全く違うのでオリジナル・ヴァージョンで聴きましょう!下記のYouTubeでオリジナル・ヴァージョンを聴くことができます。
http://www.youtube.com/watch?v=FU6sTWXiHRg

「Little Blonde Plaits」
波の音を介して、「On the Beach」から続く流れがいいですね。「On the Beach」以上に哀愁モードが漂います。
http://www.youtube.com/watch?v=PgAxXp4ZG4M

「Giverny」
Chris Reaの低音ハスキー・ヴォーカルの魅力を堪能できる1曲。キャッチーな哀愁メロディは日本人向けなのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=DETjHupVnkE

「Lucky Day」
トロピカルなテイストの仕上がり。Lucky Dayと言っても大吉ではなく末吉くらいな気がします(笑)

「Bless Them All」
サマー・チューンらしいインスト。Chris Reaのギター・プレイを堪能しましょう。

「Just Passing Through」
僕のイチオシ!激シブ、これぞ大人のダンディズムが漂うバラード。枯れた感じがかなりグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=ezvSeWe3JgU

「It's All Gone」
この曲は80年代UKポップしています。今聴いてもそれ程古臭い感じはしません。
http://www.youtube.com/watch?v=dqNZ8au29o0

「Hello Friend」
この曲もイチオシ!美しいメロディとChris Reaの歌声が心にグッとくる感動的なバラード。サウンド的には(実際は違いますが)バハマのコンパス・ポイント・スタジオ録音みたいな音ですね。
http://www.youtube.com/watch?v=_0l76al3Nd8

「Two Roads」
AOEアルバムを思わせるフュージョン/クロスーヴァー的なバックが印象的なレゲエ調の1曲。
http://www.youtube.com/watch?v=Gm7bNSy6Sh4

「Light of Hope」
耳を澄ましてただただ美しいアコースティックな音色を堪能しましょう。さぁ、希望の光を灯そう!
http://www.youtube.com/watch?v=rWVk5pl68tc

「Auf Immer und Ewig」
エンディングは、ドイツ映画『Auf Immer und Ewig(邦題:永遠の想い)』のサントラ用に書かれた曲です。
http://www.youtube.com/watch?v=v0SxuCmQs_U

CDにはオリジナルLP未収録の「Freeway」「Bless Them All」「Crack That Mould」が追加収録されています。

正直、Chris Reaの作品ってアルバム単位で殆ど聴いていないのですが、シングル単位ではなかなかグッとくる曲もあるので、いくつか紹介しておきます。

Chris Rea「Josephine」(1985年)
http://www.youtube.com/watch?v=AbCmMaqG8_Q

Chris Rea「Blue Cafe」(1997年)
http://www.youtube.com/watch?v=0pKeiRFg7lc

Chris Rea「All Summer Long」(2000年)
http://www.youtube.com/watch?v=Mp357-zggaE
posted by ez at 02:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする