発表年:1978年
ez的ジャンル:個性派女性SSW
気分は... :藍チャン、おめでとう!
祝!宮里藍チャン優勝☆
先ほどまで全米女子ゴルフツアー、エビアン・マスターズ最終日のTV中継を観ていました。事前に結果がわかっていたものの、優勝決定の瞬間はやはりウルウルでしたね。彼女の爽やかな涙を観たら、一気に涙ボロボロになってしまいました...
今回は艶っぽさが魅力の女性シンガーソングライターCarly Simonの2回目の紹介です。
『Torch』(1981年)に続いて紹介するのは、1978年リリースの『Boys In The Trees(邦題:男の子のように)』です。
Michael McDonaldとの共作によるヒット曲「You Belong to Me」収録のアルバムという印象が強いかもしれませんね。おそらくMichaelとの共作は、前作『Another Passenger』(1976年)のプロデューサーを務めていたTed Templemanつながりでの話だと思います。
しかしながら、本作のプロデュースはTed Templemanに代わって、Arif Mardinが起用されています。
参加ミュージシャンは、当時の旦那James Taylor(g、vo)のバックアップをはじめ、Hamish Stuart(g、vo)、John Hall(g)、Hugh McCracken(g)、Cornell Dupree(g)、Eric Gale(g)、Richard Tee(key)、Don Grolnick(key)、Will Lee(b)、Tony Levin(b)、Gordon Edwards(b)、Steve Gadd(ds)、Luther Vandross(vo)、Joanna Simon(vo)、Lucy Simon(vo)、Cissy Houston(vo)、David Sanborn(as)、Michael Brecker(ts)、Randy Brecker(tp)、Joe Farrell(fl)等の豪華メンバーです。N.Y.系のスタジオ・ミュージシャンの参加が多いのが特徴ですね。
本作『Boys In The Trees』は、Carly Simonのキャリアの中では過渡期の作品かもしれません。それが逆に彼女のさまざまな側面を聴くことができ、楽しめると思います。
AORあり、フォーキーあり、スタンダード風あり、R&B調ありといろんな料理を少しずつ堪能できる懐石弁当のような楽しさのある作品だと思います。
全曲紹介しときやす。
「You Belong to Me」
前述のようにMichael McDonaldとの共作。全米シングル・チャート第6位となったヒット・シングルです。Carlyヴァージョンは、大人の艶やかさで迫るCarlyのヴォーカルにグッときます。Carly姉さんに"You Belong to Me"なんて言われたイチコロですね(笑)。David Sanbornもサックス・ソロで盛り上げてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=fQep8jZJC2o
僕の場合、以前に紹介したThe Doobie Brothersヴァージョン(アルバム『Livin' On The Fault Line』収録)の方を聴き慣れているので、Michaelのヴォーカルが入っていないと少し物足りない気もするのですが(笑)
若いリスナーの方はJennifer Lopezのカヴァーでお聴きかもしれませんね。Jennifer Lopezの妖艶さはCarly Simonと相通ずるところがあるかもしれませんね。
Jennifer Lopez「You belong to me」
http://www.youtube.com/watch?v=_jlf6QUuEDw
「Boys in the Trees」
タイトル曲は、シンプルなアコースティック・チューンです。旦那様James Taylorのバック・コーラスが、温かくサポートしている感じでいいですね。
「Back Down to Earth」
ポップなアコースティック・チューン。Carly姉さんらしいメロディ・ラインにグッときますね。聴けば聴くほど好きになる1曲。Jeff Mironovのギターが盛り上げてくれます。
「Devoted to You」
Everly Brothersのヒットで知られる曲ですね(Boudleaux Bryant作品)。Beach Boysもカヴァーしていました。ここでは旦那様James Taylorとデュエットしています。シングルにもなりました。ほのぼのとした仕上がりが好感持てます。
「De Bat(Fly in My Face)」
邦題「気まぐれコウモリ」。アフリカン・テイストのリズミックな仕上がりは、アルバムの中でも異色です。楽しげな雰囲気がいいですね。バック・コーラス陣の中にはLuther Vandrossの名もあります。
「Haunting」
邦題「愛のとりこ」。 後の『Torch』を予感させるスタンダード風のバラード。Joanna、Lucyといった姉妹もバック・コーラスで盛り上げてくれます。
「Tranquillo(Melt My Heart)」
邦題「燃えるハート」。僕の一番のお気に入り曲。R&Bテイストのミッド・チューンに仕上がっています。Tony LevinとSteve Gaddによるリズム隊のカッチョ良さがたまりません!
「You're the One」
感動的なバラード。N.Y.らしい洗練されたサウンドのバックがいいですね。Hamish Stuartのバック・コーラスが効いています。
「In a Small Moment」
さり気ない曲なんですが、いつも気になる1曲。落ち着いたバックのサウンドが僕好みなんでしょうね。
「One Man Woman」
R&B調の小粋なファンキー・チューン。Michael Breckerのテナー・サックスが盛り上げます。
「For Old Times Sake」
邦題「想い出を抱きしめて」。ラストはアコースティック・チューンでしっとり聴かせます。
Arif Mardinとのコンビとは次作『Spy』(1979年)まで続きます。