2009年08月19日

Dave Mackay & Vicky Hamilton『Dave Mackay & Vicky Hamilton』

奇跡のブラジリアン・フレイヴァー男女ジャズ・ヴォーカル☆Dave Mackay & Vicky Hamilton『Dave Mackay & Vicky Hamilton』
Dave Mackay & Vicky Hamilton
発表年:1969年
ez的ジャンル:ブラジリアン・フレイヴァー男女ジャズ・ヴォーカル
気分は... :寄り添う二人...

今日は奇跡の男女デュオ、Dave Mackay & Vicky Hamiltonの1stアルバム『Dave Mackay & Vicky Hamilton』(1969年)です。

Dave Mackayは1932年ニューヨーク、シラキュース生まれの盲目のピアニスト。1968年に自己名義の初レコーディングを経験した後、本作のもう一人の主役である女性ジャズ・ヴォーカリストVicky Hamiltonと出会います。

Dave Mackay & Vicky Hamiltonとして、『Dave Mackay & Vicky Hamilton』(1969年)、『Rainbow』(1970年)の2枚をアルバムをレコーディングを行いました。しかし、Vicky Hamiltonが1971年に白血病に倒れ、そのまま帰らぬ人となってしまい、わずか2年でデュオの歴史は幕を閉じました。

失意のせいか、その後目立った活動が聞かれなかったDave Mackayですが、1970年代後半から活動を再開し、90年代までに何枚かのアルバムをリリースしています。

サバービア系リスナーの方にはお馴染みのアルバムですね。
森の中で、柔らかな木もれ陽を浴びながら寄り添う二人の姿が写るジャケは、見るからに幸福感に満ちていますね。

そんな幸福感がサウンドにも反映されています。
一言で言えば、ブラジリアン・フレイヴァーの男女ジャズ・ヴォーカル・アルバムという印象ですね。VickyのキュートなヴォーカルとDaveのジェントルなヴォーカルとブラジリアン・フレイヴァーのジャズ・サウンドの組み合わせが絶妙です!

演奏面ではDaveのピアノを中心としたジャズ・サンバ的なサウンドが実にスタイリッシュです。サックス、フルート等で活躍するIra Schulmanの貢献も大きいようですね。

サバービア好きにはお馴染みの「Samba for Vicky」「Now」をはじめ、「See You Later」「Blues for Hari」あたりも人気ですね。他の曲も充実しており、捨て曲が全くないパーフェクトな構成です。僕的には100点満点のアルバムですね。

エヴァーグリーンな魅力に満ちていながら、今聴いても全く古さを感じないスタイリッシュなサウンドは、正にミラクルという気がします。

サバービア好き、ブラジル音楽好き、ソフト・ロック好き、クラブ・ジャズ好きの人はぜひお試しあれ!

全曲紹介しときやす。

「Now」
オススメその1。「Samba for Vicky」と並ぶハイライト。ラブリー&ハッピー・モードの軽快な変拍子サンバ・チューン。VickyとDaveの伸びやかなヴォーカルが実に爽快です。Ira Schulmanのテナー・ソロやDaveの小粋なピアノ・プレイにも注目です。
http://www.youtube.com/watch?v=Yu6nAci4Bhc

「See You Later」
オススメその2。Joseph "Flip" Nunez作品のカヴァー。クラブ・ジャズ・ファンには美人ピアニストJoanne GrauerやKellee Pattersonのヴァージョンも人気がありますね。ここでは少し憂いを帯びたしっとりとした仕上がりになっています。

「Jacque the Junkman」
オススメその3。「Now」と同タイプの軽快な変拍子サンバ・チューン。VickyとDaveの息の合ったユニゾン・ヴォーカルがたまりません。Ira Schulmanのフルートが涼しげです。

「Jersey Bounce」
オススメその4。Benny GoodmanやGlenn Miller等の演奏で知られるスタンダード(Edward Johnson/Tiny Bradshaw/Bobby Plater/BuddyFeyne/Robert Bruce作)。そうしたスタンダードのイメージとはギャップのあるパーカッシヴな仕上がりがグッド!Daveのピアノにななかなグッときます。

「Like Me」
オススメその5。ロマンティック&エレガントなスロウ。VickyとDaveのユニゾン・ヴォーカルの品の良さと実にマッチしています。

「Samba for Vicky」
オススメその6。本作のハイライトと言えばこの曲でしょうね。VickyのスキャットをDaveのフェンダー・ローズとIra Schulmanのフルートが織り成す至極のブラジリアン・グルーヴ。1969年にこんなスタイリッシュなサウンドを聴かせてくれるなんて驚きですね!
http://www.youtube.com/watch?v=E0awfl4k1UQ

「Blues for Hari」
オススメその7。センスの良さが光るキュートに弾けまくった演奏が魅力です。Bill Plummerのシタールが実にいいアクセントになっています。以前に紹介したDaniela Und Ann「Somebody Somebody」あたりとセットで聴きたいですね。ちなみに本曲のオリジナルはTom Scottです(アルバム『Honeysuckle Breeze』)。

「Elephant Song」
オススメその8。小粋で軽快なスウィング・チューン。単にキュートなだけではないVickyのジャズ・ヴォーカリストとしての実力を堪能できる1曲。

「Moon Rider」
オススメその9。ミステリアス&スピリチュアルな雰囲気に包まれたスリリングな演奏です。ジャズという点ではこの曲が一番面白いかも?

「Here」
オススメその10。美しくロマンティックなボッサ・バラード。このエヴァーグリーンなアルバムに相応しいエンディングなのでは?

結局、全曲オススメですね(笑)

『Rainbow』(1970年)は未聴なので、ぜひ聴いてみたいですね。
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2009年08月18日

Wilco『Summerteeth』

Wilco史上、最もカラフルでポップなアルバム☆Wilco『Summerteeth』
Summerteeth
発表年:1999年
ez的ジャンル:オルタナ・カントリー系ダーク・ポップ
気分は... :オルタナ・カントリーのアルバムと思ったら大間違い!

シカゴ出身のオルタナ・ロック・グループWilcoの2回目の登場です。

2ndアルバム『Being There』(1996年)に続いて紹介するのは、3rdアルバム『Summerteeth』(1999年)です。

元々オルタナ・カントリーの雄として注目されていたWilcoですが、本作ではオルタナ・カントリー色は薄まり、ギター・ポップ/音響ポップ的なポップ・ワールドが展開されています。もはやオルタナ・カントリーのアルバムとは呼べない作品ですね。

Jim O'Rourkeをエンジニア&ミキサーに迎えてオルタナ・ロック・グループへと脱皮し、商業的にも成功を収めた次作『Yankee Hotel Foxtrot』(2002年)の陰に隠れて、イマイチ地味な存在のアルバムですが、サウンド的にはグループ史上最もポップでカラフルな仕上がりの作品だと思います。

本作におけるメンバーは、Jeff TweedyJay BennettJohn StirrattKen Coomerの4名。どうしてもJeff Tweedyのグループという印象が強いですが、本作におけるカラフルな音作りにおいてはマルチ・プレイヤーJay Bennettの貢献が大きいと思います。

多くの人が抱くWilcoのイメージを一度リセットして聴くと、かなり楽しめるポップ/ロック・アルバムだと思います。

全曲紹介しときやす。

「Can't Stand It」
本作を象徴するダークなポップ・チューン。パワーポップ好きの人も気に入るオープニング・チューンだと思います。メロディアスだけど決して明るくなり過ぎないのがWilcoらしいのでは?

「She's a Jar」
曲調は味わい深いオルタナ・カントリーですが、音の質感はオルタナ・カントリーっぽくないですね。多分、キーボードの使い方にそんな印象を受けるのかも?

「A Shot in the Arm」
本作ならではのポップ・センス全開の1曲。シンセ・サウンドが響き渡る本曲は、オルタナ・カントリーと言うよりも音響ポップですね。次作でのJim O'Rourke参加を予感させる仕上がりです。

「We're Just Friends」
味わい深いバラード。90年代オルタナ・ロックならではのダークな感覚がグッド!

「I'm Always in Love」
ドライヴ感の格好良さにグッとくるロック・チューン。70年代風のチープなスペーシー感で盛り上げるところにグッときます(笑)

「Nothing'severgonnastandinmyway (Again)」
ハンド・クラップ入りの青春ネオアコっぽいギターポップに仕上がっています。それでも少しヒネリが効いているのがWilcoらしい気がします。

「Pieholden Suite」
バラード調の前半、爽やかなに疾走するロック調の中盤、トランペットも入ったポップ・ワールド全開な終盤と1曲で3倍楽しめます。

「How to Fight Loneliness」
正にロンリーな仕上がり。アルバム中一番オルタナ・カントリー・フレイヴァーの曲かも?

「Via Chicago」
♪I dreamed about killing you again last night♪という物騒な歌詞で始まるバラード。個人的にはオルタナ・カントリーと音響ポップが融合したようなサウンド・プロダクションがかなり興味深いです。

「ELT」
キャッチーなギター・ポップ。Wilcoファンというよりもギター・ポップ好きの人がグッとくる仕上がりかもしれませんね。

「My Darling」
僕の一番のお気に入り曲。オールド・タイミーなノスタルジック感と90年代オルタナ・ロックならではの空虚な空気感が上手く融合した1曲だと思います。『OK Computer』の頃のRadioheadに通じる魅力を持った曲だと思います。

「When You Wake up Feeling Old」
この曲はモロにBeach Boys『Pet Sound』的風です。High Llamasにも負けないポップ・ワールドが全開です。

「Summer Teeth」
タイトル曲は、川のせせらぎや鳥のさえずりも聞こえてくるメロディアスな青春ギター・ポップに仕上がっています。

「In a Future Age」
ラストは淡々としたバラードでダークに締め括ります。

さらに僕の持っているCDには「Candyfloss」「In a Future Age(Alternate Version)」がボーナス・トラックとして収録されています。
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2009年08月17日

War『All Day Music』

グループのターニング・ポイントとなった作品☆War『All Day Music』
All Day Music
発表年:1971年
ez的ジャンル:元祖フュージョン系ファンク
気分は... :一日中、音楽三昧!

やはり、世界陸上男子100M決勝は迫力ありましたね。
ボルトの世界新での圧勝を予想はしていましたが、9秒58は凄すぎですね。

ストレートなメッセージ性と、ラテン、ロック、ジャズ、ブルースなどを取り入れた独自のファンク・サウンドで70年代に人気を博したWarの2回目の登場です。

『Why Can't We Be Friends?』(1975年)に続いて紹介するのは、『All Day Music』(1971年)です。

『All Day Music』は、元The Animalsのリード・ヴォーカルEric Burdonと別れ、War単独となってからの2作目であり、グループのターニング・ポイントとなったアルバムです。

前作『War』が商業的に失敗し、本作『All Day Music』で起死回生を図ることとなりました。結果としてグループの持つ個性をプロデューサーJerry Goldsteinが上手くまとあげ、商業的な成功と共に独自サウンドを生み出す基盤を作ったアルバムと言えます。

メンバーは、Howard Scott(g、per、vo)、B.B. Dickerson(b、per、vo)、Lonnie Jordan(org、p、per、vo)、Harold Brown(ds、per、vo)、Papa Dee Allen(conga、bongo、per、vo)、Charles Miller(fl、as、ts、bs、per、vo)、Lee Oskar(hca、per、vo)の7名。

大ヒットした次作『The World Is A Ghetto』のような完成度はありませんが、Warサウンドの進化プロセスを知るには楽しいアルバムです。

特にタイトル曲「All Day Music」は今の時期にピッタリだと思います!
また、代表曲「Slippin' into Darkness」 はソウル・ファンのみならず、レゲエ・ファン、Hip-Hopファンも必聴ですね。

全曲紹介しときやす。

「All Day Music」
アルバムからの先行シングル。ラテン・テイストのメロウ&リラックスしたグルーヴ感が魅力です。真夏の昼間にのんびり聴きたい1曲ですね。Lee Oskarのハーモニカがたまりません。昔、雑誌で"Young Rascals「Groovin'」に似たフィーリングを持った楽曲"というレビューを読んだことがありますが、確かにそうですね。
http://www.youtube.com/watch?v=xeShTnRgsdc

「Get Down」
Warらしいメッセージ・ソング。鋭いファンク・サウンドにのせて政治家や警察の権力に立ち向かう強烈なメッセージを放ちます。

「That's What Love Will Do」
Warの前身であるThe Creatorsの楽曲。壮大なソウル・バラードに仕上がっています。

「There Must Be a Reason」
ニューソウルの雰囲気が漂うゴスペル・タッチの仕上がり。後半はスピリチュアル・ジャズ的なエッセンスも聴くことができます。

「Nappy Head(Theme from Ghetto Man)」
幻の映画『Ghetto Man』の主題歌になるはずだった曲。「All Day Music」と並ぶ僕のお気に入り。ブラック・ムーヴィーのサントラがお好きな人ならば気に入ると思います。Warらしいラテン・テイストに仕上がっているのが僕好み!

「Slippin' into Darkness」
本作のハイライト。シングルとして全米ポップ・チャート第16位、同R&Bチャート第12位のヒットとなったWarの代表曲の1つ。♪闇の中へ滑り込んでいきそうだ...♪と歌う歌詞、重くうねるグルーヴとWarらしさを存分に堪能できる1曲ですね。ジャム・セッションのテープをJerry Goldsteinが編集したものであり、彼の手腕があったからこそ名曲が生まれたと言えるでしょう。
http://www.youtube.com/watch?v=vKFOjfwlprM

Bob Marleyファンにとって、名曲「Get Up, Stand Up」は本曲がモチーフになっているという説がありますね。確かに、「Get Up, Stand Up」を思わせるフレーズが聴こえてきます。

また、Hip-Hopファンの方にとっては、Eazy-E「Sippin On A 40」、Poor Righteous Teachers「Rock Dis Funky Joint」、415「Life Style as a Gangsta」、The Jaz「A Groove」、Mantronix「Join Me Please」等のサンプリング・ネタとしてもお馴染みですね。

Poor Righteous Teachers「Rock Dis Funky Joint」
 http://www.youtube.com/watch?v=cRFUrpCdiDg
Eazy-E「Sippin On A 40」
 http://www.youtube.com/watch?v=HpzzUgYCgNA
415「Life Style as a Gangsta」
 http://www.youtube.com/watch?v=9YuA7wJqhEU
The Jaz「A Groove」
 http://www.youtube.com/watch?v=6CGmFy02MM4
Mantronix「Join Me Please」
 http://www.youtube.com/watch?v=VrRoLs4uIxw

「Baby Brother」
ラストは1971年6月Hollywood Bowlで行われたライヴからの1曲。ブルース・フィーリング溢れる熱いパフォーマンスを堪能しましょう。

ボルトの次は、ゴルフの全米プロのタイガーですね!
メジャー通算15勝目なるか!
posted by ez at 04:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年08月16日

Sade『Promise』

US、UK共にNo.1に輝いた大ヒット2nd☆Sade『Promise』
プロミス
発表年:1985年
ez的ジャンル:ジャジーUKソウル
気分は... :プレミアリーグ開幕!

世界陸上が開幕し、ゴルフの全米プロも決勝ラウンドに入るなど深夜のスポーツ中継が盛り上がっていますね。

僕の場合、昨日開幕したサッカーのイングランド・プレミアリーグで盛り上がっています。昨晩から「チェルシー対ハルシティ」、「ブラックバーン対マンチェスター・シティ」、「エバートン対アーセナル」という3試合の生中継をハシゴ観戦していました。

今季は大物選手の移籍が多く、有力チームのスタートが気になるところです。ガナーズ(アーセナル)ファンの僕としては、FWアデバイヨール等が抜け、目立った大物補強が無かったアーセナルのスタートが気になっていました。マンチェスター・シティへ移籍したアデバイヨールが試合開始数分で今季初ゴールを決めたシーンを複雑な思いで観ていたのですが...エバートン相手にアウェーで6対1と快勝し、ホッと一安心です。

そんな流れで今日はUKのアーティストが聴きたい気分です。
セレクトしたのはSadeの2ndアルバム『Promise』(1985年)です。

Sadeの紹介は、『Stronger Than Pride』(1988年)、『Love Deluxe』(1992年)に続き3回目になります。

1984年のデビュー作『Diamond Life』は今では好きな作品と言えますが、リアルタイムで聴いていた頃は"上っ面のお洒落UKポップなのでは?"という疑念を持って聴いていた記憶があります。そんな思いを払拭してくれたのが2nd『Promise』でした。

『Diamond Life』の頃は、ヴォーカルのSade Aduとそのバックグループといった印象がありました。しかし、本作『Promise』では、Sade Adu(vo)、Andrew Hale(key)、Stuart Matthewman(g、s)、Paul S. Denman(b)の4人グループの作品として魅力的なものに仕上がっていると思います。

本作は前作『Diamond Life』の成功をうけて、よりUSマーケットを意識して制作したアルバムです。結果として、US、UK共にアルバム・チャートNo.1に輝き、Sadeの人気を不動のものにしました。そんなアルバムにも関わらず、USソウルにはないUkソウルならではのジャジー感が強調されているのが興味深いですね。

ジャジーなSadeを聴きたいならば、本作が一番だと思います!
クールなジャジー・ソウルを堪能あれ!

全曲紹介しときやす。

「Is It a Crime」
3rdシングルにもなったオープニング。憂いを帯びたジャジー感は本作を象徴していると思います。グループの一体感を実感できます。MF Doom「All Spice」でサンプリングされています。
http://www.youtube.com/watch?v=TSeVldnAUa4

「The Sweetest Taboo」
アルバムからの1stシングルであり、全米シングル・チャート第5位、同R&Bシングル・チャート第3位の大ヒットとなりました。僕のSadeに対する態度を一変させた1曲でもあります。タイトルからしてグッとくる大人のジャジー・ソウルに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=2KVgZVH0kmQ

Angie Stone「Everyday(Remix)」、Lil' Kim「Single Black Female」、K DUB SHINE「禁じられた遊び(Sweet Taboo Remix)」、A.D.「Taboo」等でサンプリングされています。

「War of the Hearts」
夏にピッタリのジャジー・サウンド。打ち込みのピコピコ・リズムも違和感なくサマー・モードへと誘ってくれます。Stuart Matthewmaのギターがグッド!
http://www.youtube.com/watch?v=vnIofibgBus

「You're Not the Man」
オリジナルLP未収録でCDになり追加された曲です。Sade Aduのヴォーカルをじっくり堪能できる美しいバラード。この音の少なさこどがSadeの魅力だと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=go7OvifwMLg

「Jezebel」
シングル曲ではありませんが、ベスト盤にも収録されていた人気曲。「Is It a Crime」と同じく憂いを帯びたジャジー感がたまりません。ヴォーカル のSade Aduに注目が集まるグループですが、グループとしてのSadeの魅力を実感できる演奏なのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=lLWAgHDS7J8

「Mr. Wrong」
個人的にはど真ん中な1曲。クールな雰囲気がたまらないミッド・グルーヴ。適度にパーカッシヴなところが僕好みです。
http://www.youtube.com/watch?v=yUgHgiMoNOw

「Punch Drunk」
「You're Not the Man」と同じくオリジナルLP未収録でCDになり追加された曲。インスト曲であり、プレSweetbackといったところでしょうか(笑)

「Never as Good as the First Time」
アルバムからの2ndシングルとして、全米シングル・チャート第20位、同R&Bシングル・チャート第8位となりました。Loose Endsあたりとも共通するUKソウルならではのサウンドが印象的です。
http://www.youtube.com/watch?v=NCihQPnma64

「Fear」
スパニッシュ・ギターが印象的なドラマティックな哀愁バラード。Mobb Deep「Where Ya Heart At」でサンプリングされています。
http://www.youtube.com/watch?v=quvbrdjfToo

Mobb Deep「Where Ya Heart At」
 http://www.youtube.com/watch?v=-KpUPo3dKII

「Tar Baby」
この曲も哀愁モードのミディアム・スロウ。Sade Aduのヴォーカルには哀愁サウンドがよく似合います。
http://www.youtube.com/watch?v=uw63W7HBpgM

「Maureen」
意外かもしれませんが、実はアルバムで一番好きな曲です。僕がSadeのベスト盤を作るならば、必ずセレクトします。クールかつ爽快なグルーヴ感に相当グッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=VX7GzPs7i8M

ちなみにタイトルは、ガンと闘病するSade Aduの父との約束に因んだものです。その意味では単に"オシャレなアルバム"では済まされない作品なのかもしれません。
posted by ez at 05:09| Comment(8) | TrackBack(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年08月15日

Orfeo Novo『Sambahia Canta』

この夏イチオシのサマー・アイテム!☆Orfeo Novo『Sambahia Canta』
サンバイーア・カンタ
発表年:2009年
ez的ジャンル:ドイツ産21世紀ブラジリアン・スキャット
気分は... :今年の夏はコレ!

お盆ですね。僕もこの週末はのんびり過ごすつもりです。

今日は、この夏イチオシのアルバムOrfeo Novo『Sambahia Canta』です。

Orfeo Novoは、80年代前半に活動していたドイツのグループOrfeoのリーダー/ギタリストDetlev Kraazが、マルチ・プレイヤーFontaine Brunett、女性シンガーのAndrea Cantaと共に結成したグループ。

Orfeoは、イタリア出身の女性シンガーIsabella Celentanoを擁し、幻のジャーマン・ボッサ・レーベルSoftwareから、アルバム『Agua Do Mar』をリリースし、その後忽然とシーンから姿を消した伝説のグループです。

Orfeo Novoは、グループ名からして21世紀に復活した"新生Orfeo"という位置づけのユニットだと思います。

一言で言えば、クラブ感覚の21世紀ブラジリアン・グルーヴですかね。
Andrea Cantaの多彩なスキャットを全面フィーチャーし、Detlev Kraaz(全曲彼のオリジナル)が書いたボッサ・チューンを、プロデューサーも務めるマルチ奏者Fontaine Brunettが21世紀ならではのクラブ感覚で仕上げたアルバムといった内容になっています。

ブラジリアン・テイストのクラブ・ミュージックがお好きな方には鉄板の1枚です。

試聴できる音源がないのが残念ですが、『Agua Do Mar』同様、後に幻の傑作として語り継がれるアルバムになると思いますよ!

この夏にピッタリな新作を挙げるのであれば、僕は迷いなく本作を推します!

全曲紹介しときやす。

「Blue Note Samba 4U」
本作を象徴するクラブ感覚のクロスオーヴァーなブラジリアン・グルーヴ。メンバーの3人の個性が上手く融合していると思います。

「Sambahia Canta」
タイトル曲も絶品。これぞ21世紀のフューチャー・ボッサ!ですな。Andrea Cantaの艶やかなスキャットとDetlev Kraazのギターの絡みがいい感じです。

「Let's Scat」
洗練されたジャジー&メランコリック感にグッときます!様々な表情を見せるAndrea Cantaのスキャットにウットリです。

「Do Do Do It Again」
Fontaine Brunettのセンスの良さを実感できる1曲。以前に紹介した映画音楽の巨匠Armando Trovaioliあたりのラウンジ・ボッサな感覚を21世紀に蘇らせた感じがたまりません。

「Majas Choro」
この曲はスキャットの代わりにフルートをフィーチャーした哀愁ボッサ・チューンに仕上がっています。

「Ja Samba」
Detlev Kraazのギターが冴え渡るダンサブルなサンバ・チューン。ライブ風の作りになっています。

「J.S.B.Melody」
タイトルの通り、J.S.Bachの曲にインスパイアされた曲。ドイツの作品らしい余興ということで...

「Breezil」
クラブ仕様の仕上がり。みんなハッピー・モードで盛り上がりましょう。

「Cool Bluez」
ブルージーな雰囲気のボッサ・チューン。レイジーなAndrea Cantaのスキャットが絶品です。

「Choro No.One」
Detlev Kraazの美しいギターが印象的なショーロ風の仕上がり。こういった曲をクラブ感覚で聴かせてしまうのが本作の楽しいところです。

「Conga Song」
ラストは、アフロ・ブラジリアンな仕上がり。Jorge Benあたりがお好きな人は気に入るのでは?

輸入盤はなく、国内盤(Creole Stream Music)のみの発売です。
今時珍しいお粗末な作りの国内盤ですが、中身があまりに素晴らしいので許してあげましょう(笑)
posted by ez at 04:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする