2009年08月14日

Kalapana『Kalapana』

夏だ!ハワイだ!カラパナだ!☆Kalapana『Kalapana』
カラパナI(K2HD/紙ジャケット仕様)
発表年:1975年
ez的ジャンル:ハワイアンAOR
気分は... :ワイキキの青い空!

今日は夏らしい元祖サーフロック・グループKalapanaのデビュー作『Kalapana』(1975年)です。

Cecilio & Kaponoと並ぶコンテンポラリー・ハワイアン・ミュージックのパイオニアですね。

Kalapanaは、ハワイ出身のロック・グループ。Cecilio & Kaponoが大手レコード会社との契約に成功したことで、それに続くロック・グループとしてメンバーを集めたのがKalapanaだったようです。

結成時のメンバーは、Macky Feary(g、vo)、Malani Bilyeu(g、vo)、David John Pratt(g)、Kirk Thompson(key)の4名。Mackey FearyMalani Bilyeuのツイン・リード・ヴォーカルが看板でした。

元祖サーフロック・グループとして『Kalapana』(1975年)、『Kalapana II』(1976年)、『Kalapana III』(1977年)といったアルバムをリリースし、人気を博しました。

Macky Feary『Kalapana II』を最後にグループを脱退し、自身のグループMacky Feary Bandを結成しています。また、Kirk Thompsonも1978年にグループを脱退し、当ブログでも紹介したLemuriaを結成しています。Lemuriaもフリーソウル等で再評価が高まったグループでしたね。

Kalapana自体は、80年代以降も新メンバーを迎えて活動を継続しているようです。

Macky Feary Band「A Million Stars」(1978年)
 http://www.youtube.com/watch?v=yaCUccnSa78

Lemuria「Moonlight Affair」(1978年)
 http://www.youtube.com/watch?v=UEeHJVllsuU

僕よりも上の年代の方にはサーフロック・ブームの火付け役として、Kalapanaの人気は絶大なのでしょうね。先日も僕の仕事の師匠から、"急に「Black Sand」が聴きたくなったから、収録されているCD貸してくれ!"と頼まれ、しばらくの間『Kalapana II』を貸していました。

思い返すと、僕とKalapanaの出会いは、まだ洋楽とは縁のない生活を送っていた小学生の時でした。当時20代だった親類の叔母さんの家に、KalapanaのLPがあり、音は聴くことができませんでしたが、ジャケを眺めながら"カラパナという外人のグループがあるんだ"と認識した記憶があります。

実際にKalapanaの音をアルバム単位で聴いたのは、20代になってからでしたね。僕の場合、『Mackey Feary & Nite Life』(1983年)をリアルタイムで聴いたのが入り口で、そこからMacky Feary BandKalapanaへ遡っていきました。

元祖サーフロックという形容詞で説明されることが多いKalapanaですが、僕の場合、Macky Fearyが入り口だったせいか、メロウなハワイアンAORというイメージで聴いてしまいます。

Kalapanaのアルバムと言えば、『Kalapana(ワイキキの青い空)』又は『Kalapana II(ワイキキの熱い砂)』というMacky Feary在籍時の2枚の支持が高いのではと思います。

リアルタイムで聴いていた方は、「Black Sand」「Juliette」収録の『Kalapana II』(1976年)を支持するのかもしれませんが、僕が今聴いて一番フィットするのはデビュー作『Kalapana』ですね。

特に2曲目から「The Hurt」から5曲目「To Be True」までの流れは、Macky Feary好きにとってはヨダレものの出来栄えだと思います。

若いリスナーの方も、ボッサ系の音とセットで聴くとなかなかグッとくると思いますよ。

全曲紹介しときやす。

「Going, Going, Gone」
コンテンポラリー・ハワイアン・ミュージックの幕開けといった雰囲気が漂う爽快なロック・チューン。

「The Hurt」
フリーソウル好きの人は要チェックの1曲です。個人的にもアルバムのハイライト。Macky Feary好きの方は、彼の魅力を堪能できる鉄板な仕上がりだと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=YpwFoaBB25w
ライブ・ヴァージョンのコチラもどうぞ!
http://www.youtube.com/watch?v=Y49a_DBSsM4

「Nightbird」
Macky Feary節が炸裂するメロウなアコースティック・チューン。当時はシングルヒットしたようですね。フルートの音色が涼しげでグッド!
http://www.youtube.com/watch?v=JBqPkXcHu68

「What Do I Do」
あまり注目されない曲ですが、個人的にはかなり好きな1曲。アコースティックな疾走感にグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=b1J8-8HTI3w

「To Be True」
シンプルなアコースティック・チューンですが、Macky Fearyの持つメロウな魅力が強調されるのがたまりません。
http://www.youtube.com/watch?v=_NPFvfM7Jbk

「When the Morning Comes」
Daryl Hall & John Oatesの名曲カヴァー(オリジナルはアルバム『Abandoned Luncheonette』収録)。フォーキーなブルーアイド・ソウルだったオリジナルと比較すると、こちらは海の香りがする爽快な仕上がりですね。オリジナルが大好きなので、本カヴァーも大好きです。
http://www.youtube.com/watch?v=eSDRItgCBhk

「Naturally」
リアルタイム派の方はグッとくるであろうシングルヒット曲。人気のない大自然の中で聴くと、自由に羽ばたけるような気分になれそうな仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=jKzZIYAgQ2I

「All I Want」
メロディアスな中に漂うミステリアスな雰囲気が印象的です。

「Kona Daze」
Malani Bilyeu作&リード・ヴォーカル。MalaniのメロディやヴォーカルってMackyのような華はありませんが、ジワジワきますね!
http://www.youtube.com/watch?v=IWpLTi8ZBmg

「You Make It Hard」
ストリングスを配したロマンティックなバラードに仕上がっています。

「Everything Is Love」
ノリの良さで言えば、アルバム随一かもしれませんね。初期Doobiesがサーフロックしたら、こんな感じになるのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=xzPkgcrtqms

Cecilio & Kaponoも近々紹介したいですね。
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2009年08月13日

Elis Regina『Elis, Como e Porque』

"麦わらElis"の愛称でお馴染みの人気作☆Elis Regina『Elis, Como e Porque』
コモ・イ・ポルケ+4
発表年:1969年
ez的ジャンル:エネルギッシュ&キュートMPB
気分は... :いつ聴いても元気をもらえます♪

MPBの女王Elis Reginaの3回目の紹介です。

『Elis Regina in London』(1969年)、『Em Pleno Verao』(1970年)に続いて紹介するのは、『Elis, Como e Porque(Como & Porque)』です。

本作『Elis, Como e Porque』は、麦わら帽子姿で満面の笑みを浮かべるElisが写るジャケ写真が印象的であり、"麦わらElis"の愛称で親しまれている作品です。

1969年のElis Reginaは、ロンドン録音の『Elis Regina in London』、Toots Thielemans との共演作『Aquarela Do Brasil』、そして本作『Elis, Como e Porque』という3枚のアルバムをリリースしており、絶好調の1年だったようです。

そんな充実ぶりが本作『Elis, Como e Porque』でも堪能できます。

本作では、アレンジも務めるRoberto Menescal(g)率いるElis 5がサポートしています。メンバーはMenescal以下、Antonio Adolfo(p)、Jose Roberto(b)、Wilson Das Neves(ds)、Hermes Contesini(per)の5名。さらにストリングスについてはErlon Chavesが指揮しています。このバック陣とElisの相性が抜群であり、それが本作を魅力を高めていると思います。

Elisのエネルギッシュかつキュートな歌声は、いつ聴いても元気をもらえます。
やはり、これだけの"歌力"を持つシンガーはなかなか居ないですよねぇ。

夏バテなど無縁な栄養ドリンク剤のような1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Aquarela Do Brasil/Nega Do Cabelo Duro」
オープニングはサンバ・メドレー。「Aquarela Do Brasil(邦題:ブラジルの水彩画)」はディズニー映画『三人の騎士(The Three Caballeros)』にも用いられたAry Barroso作品。ElisとToots Thielemans との共演作『Aquarela Do Brasil』のタイトル曲にもなっています。「Nega Do Cabelo Duro」はRubens Soares作。Astrud GilbertoWalter Wanderleyの共演盤『A Certain Smile A Certain Sadness』(1966年)でも演奏されています。

前半「Aquarela Do Brasil」ではエレガントはストリングスを配し、後半「Nega Do Cabelo Duro」ではElis 5の小粋な演奏がElisの歌を盛り上げてくれます。

「O Sonho」
本作と同じく1969年にデビュー作『Incluindo O Sonho』をリリースしたEgberto Gismontiの作品。才能あるコンポーザーの眼力に優れたElisらしい選曲ですね。Elisらしい情熱的なヴォーカルとスピード感のあるスリリングな演奏がキマっています。

「Vera Cruz」
Milton Nascimento作品。緩急のコントラストが見事な1曲。パーカッシヴなリズム隊がいいですね。

「Casa Forte」
Edu Loboの人気曲。Sergio Mendes & Brasil '66も取り上げていますね(アルバム『Fool On The Hill』収録)。リズム隊の見事なサポートに支えられElisのスキャットも絶好調です。

「Canto De Ossanha」
Baden Powell作品のカヴァー。当ブログでは以前にTamba 4のヴァージョンを紹介しています。クールな中にもElisの生き生きとしたヴォーカルを存分に堪能できます。
http://www.youtube.com/watch?v=Z5xHmklZM_4

「Giro」
Elis 5のメンバーAntonio Adolfoの作品。『Elis Regina in London』でも取り上げられているので、聴き比べるのも楽しいです。個人的には小粋に仕上がった本作ヴァージョンの方が断然好きですが...
http://www.youtube.com/watch?v=WTjQaUxSSnE

「O Barquinho」
邦題「小舟」。本作のアレンジを手掛けるRoberto Menescalと当時のElisの旦那様Ronaldo Boscoliによる名曲。この曲も『Elis Regina in London』で取り上げられています。ブラス・セクションも加わったダイナミックな仕上がりが印象的です。
http://www.youtube.com/watch?v=vpFsSLFs78A

「Andanca」
Edmundo Souto/Danilo Caymmi/Paulinho Tapajos作品。少し抑えたヴォーカルによるエレガントな仕上がりです。

「Recit De Cassard」
フランス映画『シェルブールの雨傘(Les Parapluies de Cherbourg)』で用いられたMichel Legrandの有名曲をカヴァー。流暢なフランス語で小粋にキメてくれます。

「Samba Da Pergunta」
Marcos Vasconcellos/Pingarilho作。ロマンティックなバラードをしっとりと聴かせてくれます。

「Memorias De Marta Sare」
ラストはEdu Lobo作品。弾けんばかりのElisのパワー漲ったヴォーカルを堪能できます。Menescalのギター、Adolfoのピアノはじめ、バックもノリノリの雰囲気がサイコーです!

僕の持っているCDにはボーナス・トラックとして、「Deixa」「A Noite Do Meu Bem(Le Nuit De Mon Amour)」「Noite Dos Mascarados」「Tristeza」の4曲が追加収録されています。

この4曲は1968年にパリで録音したものであり、Eumir Deodatoがアレンジを担当し、Amilson Godoy(p)、Jurandyr Meirelles(b)、Jose Roberto Sarsano(ds)というBossa Jazz Trioがバックを務めています。

Baden Powell作の「Deixa」Pierre Barouhとのデュエット「Noite Dos Mascarados」、ラテン調のアレンジが印象的なHaroldo Lobo /Niltinho作の名曲「Tristeza」と、かなりお得感のある4曲です。
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2009年08月12日

『今日の気分は...2009年8月12日編』

今のスタイルで記事をエントリーしていると、どうしてもこれから記事にする作品を聴く機会が多くなり、紹介済の作品を聴く機会が減ってしまいます。

それも偏った音楽ライフのような気がするので、過去記事から曲をセレクトして、紹介済の作品を聴き直す機会をつくってもいいかなぁ、と思い、こんなエントリーにしてみました。

今回は主に2003年〜2006年リリースの作品から10曲セレクトしてみました。
R&B、クラブジャズ、ハウス、Hip-hopとバラバラですし、あえてベタなヒット曲も含めてセレクトしています。

全て過去記事で紹介済なので、気に入った曲があれば過去記事もご参照下さい。

Teedra Moses「Be Your Girl」(2004年)
Complex Simplicity
http://www.youtube.com/watch?v=1DlXyONrkjc

Jeff Hendrick「Old School Party」(2005年)
Soul Celebration
http://www.youtube.com/watch?v=3jRm0VGwGxE

Mario Biondi「This Is What You Are」(2006年)
Handful Of Soul
http://www.youtube.com/watch?v=5IzccDy94Zg

Anane「Nos Vida」(2006年)
ルイ・ヴェガ・プレゼンツ・アナネ’セレクションズ’
http://www.youtube.com/watch?v=ZntttUDxo9w

Floetry feat. Common「Superstar」(2005年)
Flo'Ology
http://www.youtube.com/watch?v=e9n-JoA1A1E

Time Machine「Personal Ads」(2004年)
Slow Your Roll
http://www.youtube.com/watch?v=jTglS3RUSgA

Strange Fruit Project「In The Sun」(2004年)
SOUL TRAVELIN’
http://www.youtube.com/watch?v=nvkNrkmcjbY

R. Kelly「Step In The Name Of Love」(2003年)
Chocolate Factory
http://www.youtube.com/watch?v=gtWV0Zfpsc0

Musiq「Whoknows」(2003年)
Soulstar
http://www.youtube.com/watch?v=-aLkRn5dCPE

Joss Stone「For The Love Of You(Part 1 & 2)」(2003年)
The Soul Sessions
http://www.youtube.com/watch?v=2IYUJcI5dgQ

できれば、定期的にこういったエントリーを投稿したいと思っています。

そう言えば、今日(12日)の午前2時よりSeesaaブログのメンテがあるようなのでご留意下さい。
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2009年08月11日

Arto Lindsay『Noon Chill』

真夏のヒンヤリ・サウンド!☆Arto Lindsay『Noon Chill』
Noon Chill
発表年:1997年
ez的ジャンル:ブラジル音楽+アヴァンギャルド・サウンド
気分は... :夏休みの海水浴デス...

早朝の地震には驚きましたね。
大きな被害が出ていないことを祈るばかりです。

僕は徹夜で仕事をしていましたが、TVで緊急地震速報が流れ、一瞬でしたが頭上に物が落ちてこない場所へ移動した直後に揺れが来ました。都内なので大したことはありませんでしたが、緊急地震速報の有用性を改めて実感した次第です。

さて、今回はArto Lindsay『Noon Chill』(1997年)です。

Arto Lindsayの紹介は、『Prize』(1999年)に続いて2回目になります。また、Arto LindsayPeter Schererの双頭ユニットAmbitious Loversの作品については、『Greed』(1988年)、『Lust』(1991年)の2枚を紹介しています。

本作『Noon Chill』は、『The Subtle Body (O Corpo Sutil)』(1995年)、『Mundo Civilizado』(1996年)に続くソロ作品です。

先日紹介したMarcos Valle『Previsao Do Tempo』と同じくらい、イケてないマリン・ジャケですよね(笑)。特に無惨な頭髪部に目が行ってしまいます...

でも、中身はArto Lindsayらしいアヴァンギャルド・サウンドとブラジル音楽の融合が聴かれます。特に本作は贅肉を削ぎ落としたサウンドのため、結果的にプログラミング+パーカッションによるリズムが強調されている気がします。

Artoと共同プロデュースを務めるAndres Levin(g、key)、Melvin Gibbs(b、g、key)の3人を中心に、Arto作品ではお馴染みのDavi Moraes(g)、Ambitious Loversの盟友Peter Scherer、そしてArtoと親交の深いの坂本龍一(p、key)、Nana Vasconcelos(per)等がレコーディングに参加しています。

こんなに気持ちの良い"陰"モードの音楽はないと思います(笑)

全曲紹介しときやす。 ※国内盤

「Noon Chill」
まさにヒンヤリ・モードのタイトル曲。この空虚で"陰"な雰囲気のサウンドこそがArto Lindsayだと思います。サスペンス映画の不穏なオープニング曲にピッタリなのでは?

「Whirlwind」
サンバのリズムとArtoの線細いヴォーカルとアヴァンギャルド・サウンドが織り成す美しく儚い雰囲気の音空間がたまりません。

「Simply Are」
MPBの歌姫Marisa Monte、Davi Moraesも曲作りに参加。エッジの効いたMPBとして聴くと楽しめます。

「Blue Eye Shadow」
哀愁モードのサマー・チューンに仕上がっています。アルバムの中では一番聴きやすい曲かもしれませんね。
http://www.youtube.com/watch?v=cKSSWZrT4lE

「Mulata Fuzarqueira」
本作唯一のカヴァーは1930年代に活躍したサンバ詩人Noel Rosa作品。この曲はフツーにブラジル音楽しています。

「Anything」
この曲では何とドラムン・ベースしています。ノイジーなギターあり、Nana Vasconcelosのパーカッションあり、エスニックな女性コーラスありと個人的には一番楽しめました。

「Gods Are Weak」
やるせないムードに包まれます。哀愁漂うホーンがいいアクセントになっていますね。

「Take My Place」
Artoらしい格好良いアヴァンギャルド・サウンドを堪能できる1曲。

「Daily Life」
1分半足らずの哀愁アコギ・チューン。

「Light Moves Away」
この曲も僕のお気に入り。アヴァンギャルド・サンバ・チューンといった仕上がりです。贅肉を削ぎ落としたサウンドの中で繰り返されるサンバのリズムには中毒性があります。

「Why Compare」
なぜ比べる?とArtoが歌うと何故か説得力があります(笑)

「Auguri」
エンディングは優しくエレガントに締めてくれます。微かに希望の光が差し込んでくるような仕上がりにグッときます。Art/Marisa Monte/Davi Moraesの共作。

輸入盤には、さらに「Ridiculously Deep」「Reentry」の2曲が収録されています。
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2009年08月10日

Big Daddy Kane『It's A Big Daddy Thing』

色男に魅了されるHip-Hop黄金期の1枚☆Big Daddy Kane『It's A Big Daddy Thing』
It's a Big Daddy Thing
発表年:1989年
ez的ジャンル:色男系Hip-Hop
気分は... :いよっ!色男!

昨日は日曜でしたが終日仕事...
1日中ペンを走らせる仕事で久々にペンだこが出来ました。

夜は焼肉で一杯...誰かが「今日は焼肉の日だから...」とつぶやいたので行ったのですが、焼肉の日は8月29日みたいですね???

さて、今日は80〜90年代に活躍したHip-HopアーティストBig Daddy Kane(BDK)です。

先日、たまたまMTVで放映していた『The 100 Greatest Hip Hop Songs』という番組を観ていたら、Big Daddy Kane「I Get The Job Done」が第57位にランクインしており、久々にBDKの映像を観たら格好良かったので取り上げたくなりました。

Big Daddy Kane(本名:Antonio Hardy )は1968年N.Y.ブルックリン地区出身のラッパー。Marley Marl、Biz Markie、Roxanne Shante、MC Shan、Kool G Rapらが在籍した伝説のクルーJuice Crewに参加していました。

Hip-Hopシーンを代表する色男として人気を博し、『Long Live the Kane』(1988年)、『It's a Big Daddy Kane Thing』(1989年)、『Taste of Chocolate』(1990年)、『Prince of Darkness』(1991年)、『Looks Like a Job For...』(1993年)、『Daddy's Home』(1994年)、『Veteranz Day』(1998年)といったアルバムをリリースしています。

美女に囲まれご満悦のBDKが写るジャケが印象的な『Long Live the Kane』(1988年)、『It's a Big Daddy Kane Thing』(1989年)あたりのイメージが強いですね。

ということで、今回は2nd『It's a Big Daddy Kane Thing』(1989年)をセレクト。

デビュー作『Long Live the Kane』(1988年)はMarley Marlが全面プロデュースしていましたが、本作『It's a Big Daddy Kane Thing』では、BDK自身やMarley Marlに加え、Prince Paul、Mister Cee、Easy Mo Bee、Teddy Rileyと多彩な顔ぶれがプロデューサーに起用されています。その分、バラエティに富んだ内容で楽しめると思います。

「I Get The Job Done」「Smooth Operator」「Ain't No Stoppin' Us Now」等今聴いてもグッとくる曲が揃っています。

Hip-Hop黄金期の勢いを感じる1枚です。

全曲紹介しときやす。

「It's A Big Daddy Thing」
オープニングはPrince Paulプロデュース。いかにもPrince Paulらしい楽しげなトラックがいいですね。トラック同様BDKのフロウも実に軽快です。同じくPrince PaulがプロデュースしたDe La Soul「The Magic Number」あたりと一緒に聴きたくなりますね!Tom Jones「Looking Out My Window」ネタ。

「Another Victory」
Easy Mo Beeプロデュース。Booker T. & The MG's「Melting Pot」ネタのトラックにのったBDKの巧みなフロウを堪能しましょう。

「Mortal Combat」
BDKのフロウがトラックと一体化しているのが実感できます。George McCrae「I Get Lifted」、James Brown「Funky Drummer」、「It's a Mans World」ネタ。
http://www.youtube.com/watch?v=Mfo65B_e1cU

「Children R The Future」
ここでは少しテンポを落とした仕上がり。リリックをきちんと聴かせたかったのかもしれませんね。後半に George Benson、 Whitney Houstonのヴァージョンでお馴染みの「The Greatest Love of All」のフレーズが聴こえてくるのが嬉しいです。

「Young, Gifted And Black」
ようやくMarley Marlプロデュース曲。Albert King「I'll Play The Blues For You」ネタのシブいトラックが印象的です。

「Smooth Operator」
この曲はトラックがサイコーですね!Mary Jane Girls「All Night Long」を中心にMohawks「The Champ」、Marvin Gaye「Sexual Healing 」Isaac Hayes「Do Your Thing」、The Honey Drippers「Impeach the President」といったネタが使われています。
http://www.youtube.com/watch?v=8g5bjSUysQA

「Calling Mr. Welfare」
Easy Mo Beeプロデュース。ファンキーな仕上がりがグッド!James Brown「The Chicken」ネタ。

「Wrath Of Kane (Live) 」
この曲はライヴ・ヴァージョンです。ライブの熱気と盛り上がりが伝わってきます。
YouTubeに本ヴァージョンが無かったので、スタジオ・ヴァージョンで紹介しておきます。
http://www.youtube.com/watch?v=vBNe5LsRpDs

「I Get The Job Done」
Teddy Rileyプロデュースのクラシック。MTVで放映していた『The 100 Greatest Hip Hop Songs』の中にも本曲が入っていました。いかにもTeddy Rileyらしい1曲に仕上がっています。映像を観ればわかりますが、こういった曲で格好良くフロウをキメることできるのが、さすがはBDKという気がします。
http://www.youtube.com/watch?v=_FsS7l0EM0A

「Ain't No Stoppin' Us Now」
本作のハイライトはコレ!Prince Paulプロデュースによるクラシック。McFadden & Whitehead「Aint no Stoppin us Now」ネタのトラックとBDKの巧みなフロウの組み合わせがサイコー!
http://www.youtube.com/watch?v=CzCgRKyanZo

McFadden & Whitehead「Aint no Stoppin us Now」
 http://www.youtube.com/watch?v=zLCER-FzgS8

「Pimpin' Ain't Easy」
Ant Live、Scoob Lover、Nice & Smoothをフィーチャー。Rufus Thomas「Do The Funky Penguin」ネタのトラックも含めて、Hip-Hop黄金期の魅力に溢れていると思います。

「Big Daddy's Theme」
タイトルの通り、これぞBig Daddy Kaneなのでしょう。
http://www.youtube.com/watch?v=65FSihfYSVM

「To Be Your Man」
Blue Magic、Chuck Stanleyをフィーチャー。フィリーソウルとHip-Hopの素敵な出会い!といったところでしょうか。
http://www.youtube.com/watch?v=AaqjXMmffLM

「The House That Cee Built」
Mister Ceeプロデュース。80年代後半らしいヒップ・ハウスな仕上がり。モロに僕の好みです!Aretha Franklin「The House That Jack Built」、Roy Ayers「Running Away」、Sister Sledge「He's The Greatest Dancer」James Brown「It's a New Day」ネタ。

「On The Move」
Scoob Lover、Scrap Loverをフィーチャー。全体的にユルい感じがいいですな。Foster Sylvers「Misdemeanor」、Kool & The Gang「N.T.」ネタ。

「Warm It Up, Kane」
わかりやすさが魅力の1曲。Kaneのフロウを堪能しましょう。

「Rap Summary (Lean On Me) (Remix) 」
Marley Marlプロデュース。少し前に紹介したBill Withersの名曲「Lean On Me」ネタのトラックが印象的な「Rap Summary (Lean On Me)」のリミックス。
http://www.youtube.com/watch?v=82nK99v5hU0

1st『Long Live the Kane』(1988年)も本作同様、Hip-Hopファン必聴の1枚ですね!
posted by ez at 00:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする