2009年08月09日

Ray Barretto『The Message』

N.Y.サルサ全盛期の熱さを伝える音のメッセージ!☆Ray Barretto『The Message』
The Message
発表年:1972年
ez的ジャンル:N.Y.サルサ全盛期
気分は... :自分らしく...

人生において大切なものは何か?
当たり前ですがそんな事は十人十色なはずですよね...

他人が楽しいことが自分も楽しいとは限らない...
そういう事に鈍感な生き方ができると楽しいのかもしれませんが...
オレって面倒臭い人間なのかもしれません(泣)

さて、ラテン・グルーヴの帝王"ハード・ハンズ"Ray Barrettoの3回目の登場です。

Ray Barrettoのアルバムは、これまでブーガルーの名盤『Acid』、クロスオーヴァー系作品『La Cuna』の2枚を紹介してきました。

今回紹介するのは1972年リリースの『The Message』です。

1972年にRay Barrettoは本作『The Message』『Barretto Power』をはじめ、数多くのアルバムをリリースしています。まぁ、N.Y.サルサの全盛期とも重なるし、この時期のアルバム・リリースが多かったのは当然かもしれませんが...

正直、Ray Barrettoについてはまだまだ未聴作品も多く、彼のキャリアの全体像が把握できていませんが、1972年はRay Barrettoが最も輝いていた時期なのでは?

本作『The Message』はそんな絶頂期のRay Barretto楽団の魅力が凝縮された1枚だと思います。

レコーディングにはRay Barretto(congas)以下、Rene Lopez(tp)、"Papy" Roman(tp)、Orestes Vilato(timbales)、Johnny "Dandy" Rodriguez(bongos)、Louis Cruz(p)、Andy Gonzalez(b)、Adalberto Santiago(vo)といったミュージシャンが参加しています。後にTipica '73を結成するメンバーも多数含まれています。

ジャケ写真に写ったメンバーの演奏シーンを観ただけでグッときます。
この雰囲気そのままの熱いN.Y.サルサを堪能できます。

全曲紹介しときやす。

「Se Traba」
オススメその1。ど派手なホーン、歯切れの良いピアノ、乱舞するパーカッション...サルサ全盛期の魅力を堪能できるドライブ感がたまりません。Roberto Rodriguez作。
http://www.youtube.com/watch?v=_suBQF65qbE

「Con el Cimarron」
ラテン音楽らしいエレガントな雰囲気がいいですね。Adalberto Santiagoのヴォーカルを堪能できます。Rafael Lopez Gonzales作。

「Alma Con Alma」
ロマンティックなボレロに仕上がっています。トロピカル・カクテルでも飲みながら聴きたいですね。Juanito Marquez作。

「Flor de Los Lindos Campos」
オススメその2。サルサらしい哀愁モードの疾走感がいいですね。C. Curet Alonso作。
http://www.youtube.com/watch?v=gf-ck-uzLgY

「Arrepientete」
オススメその3。本作のハイライト曲はコレだと思います。N.Y.サルサらしいファンキーな疾走感がたまりません。特に後半フルスロットルで各プレイヤーのテンション上がっていく感じがたまりません。♪ア・レェ〜ピエン・テッ・テ♪のフレーズが何かの呪文のように聴こえてきます(笑)。Hugo Gonzalez作。
http://www.youtube.com/watch?v=Z4NdUb_9EQA

「Te Traigo Mi Son」
トロピカル気分の陽気な演奏がいいですね。Barrettoのコンガを堪能するにはいい曲かも?Ray Barretto作。

「O Elefante」
オススメその4。ダークかつフリーキーな雰囲気はアルバム中でも異質な雰囲気を持っています。Ray Barretto/Roberto Rodriguez作。

「Seguire Sin Sonar」
オススメその5。この曲も哀愁モードの疾走感が魅力です。ワンパターンかもしれませんが、この手のタイプの曲にグッときてしまいます。Felo Bergaza作。
http://www.youtube.com/watch?v=i8S3jXJNSRs

次は『Barretto Power』あたりを紹介したいですね。

『Barretto Power』
Barretto Power

毎回思うのですが、サルサ・アルバムって曲ごとにコメントするのが難しいですね(泣)僕の中ではドラムンベースと並ぶ難関です(笑)
posted by ez at 00:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年08月08日

Joe『Signature』

100%Joe印!昔からのファンも大満足の新作☆Joe『Signature』
Signature
発表年:2009年
ez的ジャンル:セクシー男性R&B
気分は... :これぞJoeのシグネチャー!

実力派男性R&BシンガーJoeの新作『Signature』です。

当ブログでこれまで紹介したJoe作品は以下の3枚。

 『All That I Am』(1997年)、
 『Ain't Nothin' Like Me』(2007年)
 『Joe Thomas, New Man』(2008年)

前作『Joe Thomas, New Man』のリリース時点で、2009年2月リリースと予告されていた『Signature』でしたが、結局5ヶ月遅れの7月リリースとなりました。

前作『Joe Thomas, New Man』は、長年所属してきたJiveを離れ、デビュー当時から彼をマネジメントしてきた敏腕マネージャー/プロデューサーKedar Massenburgが設立したKedar Entertainmentへの移籍第1弾アルバムでした。そのタイトルの通り、様々なプロデューサイーを起用し、最新R&Bサウンドに目配りした作品に仕上がっていました。新たなJoeファン獲得を意図したアルバムだったのかもしれませんね。

それに対して、本作『Signature』は、全曲Joe自身がプロデュース(共同プロデュース曲も含む)を手掛けた、従来からのJoeファンを意識したアルバムです。オーソドックスなスロウを中心に、これまで支持されてきたJoeスタイルを署名(シグネチャー)入りで提示した内容になっています。

従って、『Joe Thomas, New Man』『Signature』は、当初からそのコントラストを意識して制作されたミックス・ツイン(異性双生児)のような2作品です。

僕の場合、Joeに望むものは"変化"よりも"らしさ"なので、当然『Signature』を支持するのですが、正直、『Joe Thomas, New Man』に収録されていた5曲ほどSnippet(1分半程度の抜粋)を聴いた時には、せいぜい「最低品質をクリアしてくれればO.K.」程度の思いで、多くのことを期待していませんでした。

しかしながら、正式にリリースされた本作『Signature』を聴いてサプライズ!Joeのアルバムにこれ程胸ときめいたのは、多分3rd『My Name Is Joe 』(2000年)以来かもしれません。

70年代ソウルへのリスペクトを感じ取れるオーソソックスな仕上がりの楽曲が多いですが、決して野暮ったい印象は受けないと思います。

久々に多くのJoeファンが納得する作品をリリースしてくれた気がします。

全曲紹介しときやす。

「Majic」
オープニングはアルバムからの第1弾シングル。Joeのシグネチャーとも言うべき、セクシーな大人のスロウに仕上がっています。『Joe Thomas, New Man』に収録されていたSnippetでは「Magic」の表記でしたが、ここではgがjとなり「Majic」となっています。これじJoeのシグネチャーなのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=Wf3SOyW_85k

「Sex Girl」
本作の中では最も今時R&B寄りの仕上がりかもしれませんね。タイトルそのままにセクシー・モード全開の仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=aS1dU4qBQXA

「Very Special Friend」
僕のオススメその1。この曲を聴いて本作の成功を確信しました。アコースティックなサウンドをバックにした美メロ・チューンに仕上がっています。多くのファンは流行に左右されない、こうした曲を待ち望んでいたのでは?5年、10年後聴いても色褪せない名曲だと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=NC1CuVZnmcw

「Friends Don't Let Friends」
僕のオススメその2。直球勝負の王道スロウ。オールド・スタイルだけど野暮ったさがないのはさすがJoe!Joeに変化球は不要!こういう直球ど真ん中、3球勝負でOKと思うの僕だけしょうか?
http://www.youtube.com/watch?v=hXLEXStWxHI

「Worst Case Scenario」
僕のオススメその3。この曲も美メロにウットリ!コーラスも含めたヴォーカル・パートの創りが僕好みですね。アコギとエレピの織り成すナチュラルな仕上がりもグッド!ストリングスがドリーミーな雰囲気を盛り上げてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=9Tiy3p4AGaU

「Wanna Be Your Lover」
僕のオススメその4。ストリングスによるエレガント・ムードが印象的です。70年代モードのメロディ&サウンドにグッときますねぇ。でも決して古臭く感じないのミソ!
http://www.youtube.com/watch?v=q4zwDCCZr6o

「Miss My Baby」
僕のオススメその5。この曲は90年代モードのHip-Hop Soulに仕上がっています。Hip-Hop Soulと言っても大人向けの洗練されたサウンドに仕上がっているのでご安心を!意外と新鮮に聴くことができました。
http://www.youtube.com/watch?v=TWxAt5Zhlv4

「Come Get to This」
僕のオススメその6。Marvin Gayeの名盤『Let's Get It On』からのヒット曲(全米R&Bチャート第3位)をカヴァー。JoeがいかにMarvinをリスペクトしていたか実感できる1曲。特別なことをしていないまんまのカヴァーですが、それが大正解!
http://www.youtube.com/watch?v=tQ5qVxryH4g

Marvin Gaye「Come Get To This」
 http://www.youtube.com/watch?v=Qhv_o8z7frw

「Metaphor」
スパニッシュ・ギターによるメランコリック・モードの仕上がり。哀愁ソウルがお好きな方向けです。
http://www.youtube.com/watch?v=XrkJDgnYbhU

「Love's Greatest Episode」
大げさなタイトルがいいですね(笑)。タイトルの通り、仰々しい仕上がりになっています??? Joeファンというよりもオールド・ソウル・ファン向けの1曲かもしれませんね。
http://www.youtube.com/watch?v=tqQayhArt-8

「Sensitive Lover」
僕のオススメその7。シカゴ・ステッパーズがお好きな方はグッとくる1曲なのでは?R. Kelly「Step In The Name Of Love」あたりと一緒に聴きたいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=gIEYCeaRZLA

輸入盤にはボーナス・トラック「Change」が収録されています。国内盤には更に「All That I Am(Live)」「 No One Else Comes Close (Live)」の2曲がボーナス・トラックとして収録されています。

「Change」
http://www.youtube.com/watch?v=BZloYyW7ETE
posted by ez at 00:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年08月07日

Lee Morgan『Cornbread』

Morgan、McLean、Mobleyの三菅、Hancockも参加した充実作☆Lee Morgan『Cornbread』
Cornbread
録音年:1965年
ez的ジャンル:天才ジャズ・トランペッター
気分は... :メンツを見ただけでグッときます!

欧州サッカーの新シーズンが各国で続々と開幕を迎えますね。
特に今シーズンは来年の南アフリカW杯を意識しながら観戦すると楽しめそうですね。

日本代表で言えば、スペイン1年目の中村俊輔(エスパニュール)に関するニュースが多いですが、個人的にはオランダ・エールディヴィジの本田圭佑(VVVフェンロ)、イタリア・セリエAの森本貴幸(カターニャ)に注目しています。特に、開幕戦で大活躍した本田圭佑は、オランダの強豪PSVへの移籍が現実味を帯びてきましたね。

正直、最終予選を戦った日本代表のメンバーではW杯本選でのグループリーグ突破は難しいと思います。特に攻撃面で物足りなさを感じますねぇ。その意味でも得点感覚に優れた森本、本田には期待をしてしまいます。二人がそれぞれのリーグで大活躍し、自信と勢いをそのまま代表に持ち込む...なんてシナリオになれば最高なんですけどねぇ!

あとは今週末に開幕するフランス・リーグアンのレンヌに移籍した稲本の復活にも期待しています。指揮官が元ガンバ大阪監督のアントネッティであり、彼に追い風が吹くと良いのですが...

天才ジャズ・トランペッターLee Morgan(1938-1972年)の5回目の登場です。

本ブログでは、これまで以下の4枚のリーダー作を紹介してきました(録音順)。

 『Lee Morgan Vol.3』(1957年)
 『Candy』(1958年)
 『The Rumproller』(1965年)
 『Charisma』(1966年)

5枚目に紹介するのは『Cornbread』(1965年)です。

メンバーはLee Morgan(tp)以下、Hank Mobley(ts)、Jackie McLean(as)、Herbie Hancock(p)、Larry Ridley(b)、Billy Higgins(ds)というセクステット編成です。

Morgan、McLean、Mobleyの三菅、Hancockのピアノの存在感、RidleyとHigginsによる強力リズム隊...メンバーを眺めただけでもワクワクしてくる編成ですよね。

さて、内容の方ですが、ジャズ・ロック、ボサノヴァ調、バラード、ハードバップとバラエティに富んだ内容でいろいろな楽しみ方ができるのでは?

個人的にはボッサな「Ceora」、格好良くキメてくれるハードバップ「Most Like Lee」に相当グッときます。

タイトルとなっているCornbreadとは、小麦で作ったパンを食べられなかった貧しい黒人奴隷が、飼料のとうもろこしの粉を利用して作ったパンのことです。当時のアメリカの状況も踏まえて深読みすると興味深いですね。

「Ill Wind」以外はMorganのオリジナルです。

全曲紹介しときやす。

「Cornbread」
ヒット曲「The Sidewinder」と同タイプのジャズ・ロック。ファンの中には"「The Sidewinder」よりコチラが好き"という方もいるのでは?「The Sidewinder」のMorgan、「Watermelon Man」のHancock、その両方でドラムを叩いていたHigginsがこの手の8ビートをプレイすれば悪いはずがありませんよね!ベースのLarry Ridleもいい仕事しています!
http://www.youtube.com/watch?v=jGz_Z5KDsKc
※音源がスタートするまで約57〜58秒要するのでご注意下さい。

「Our Man Higgins」
Higginsの名を冠したタイトルの通り、リズミックな演奏が魅力です。主役はHigginsと言いたいところですが、本演奏に関してはMcLeanでしょうね。先発McLean、2番手Morgan、三番手Mobleyとソロをとる三菅ですが、McLeanの圧倒的なプレイに負けじと、Morgan、Mobleyも続きます。ここでも地味ながらLarry Ridleのウォーキングベースによる好サポートが光ります。
http://www.youtube.com/watch?v=O9oNYcq5iuQ

「Ceora」
個人的には本作のハイライト。今の時期に本作を取り上げたのもこの演奏が聴きたかったからです。エレガントなボッサ・チューンに仕上がっています。僕の妄想で言えば、白金マダムが優雅にイタリアン・レストランでランチといったイメージでしょうか(笑)。リリカルなMorgan & Mobleyもグッドですが、インテリジェンス溢れるHancockのピアノがサイコー!です。
http://www.youtube.com/watch?v=5V3PXsHqw7M

「Ill Wind」
Ted Koehler作詞、Harold Arlen作曲のスタンダード(1934年作)。Horace Silver、Ella Fitzgerald等もカヴァーしています。ブルージーかつスタンダード感たっぷりの演奏がいいですね。特にMorganの小粋なミュートに相当グッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=eCmbA6wX1QU

「Most Like Lee」
「Ceora」と並ぶ僕のお気に入り。迷いなく突き抜けた感じがいいですね。ここでは三菅の先頭をきるMobleyのプレイに注目したいですね!MobleyとMorganの相性の良さを実感できる演奏なのでは?勿論、Morganのキマり過ぎのプレイもグッド!

こういったアルバムがさほど話題にならないのがMorganのスゴイところかもしれませんね。
posted by ez at 00:33| Comment(6) | TrackBack(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年08月06日

Marcos Valle『Previsao Do Tempo』

Marcosにしか生み出せないポップ・ワールド☆Marcos Valle『Previsao Do Tempo』
Previsao Do Tempo
発表年:1973年
ez的ジャンル:ポスト・ボサノヴァ系MPB
気分は... :実に面白い!

今日はブラジルを代表するシンガーソングライターMarcos Valleの2回目の登場です。

『Vontade De Rever Voce』(1981年)に続いて紹介するのは『Previsao Do Tempo』(1973年)です。数多あるMarcos Valle作品の中でも、かなり人気の高い1枚なのでは?

"天気予報"を意味するタイトルの本作『Previsao Do Tempo』は、Marcosにとって10枚目のオリジナル・アルバムとなります。

本作の話題はAzymuthとの共演です。後に人気グループとなるAzymuthですが、当時はMarcosのバック・バンドだったんですね。

Azymuthはブラジル、リオ・デ・ジャネイロで結成されたクロスオーヴァー/フュージョン・グループです。メンバーはメンバーはJose Roberto Bertrami(key)、Alex Malheiros(b)、Ivan Conti(ds)の3人。

当初はAzimuthというスペルでしたが、1977年よりAzymuthと表記するようになりました。グループ名は、本作の主役Marcos ValleがNovelliと共作したインスト曲「Azimuth」に由来しています。

そんなAzymuthをバックに、Marcos Valleにしか生み出せない独自ポップを存分に聴かせてくれます。60年代の終わりからポスト・ボサノヴァ的なアプローチを続けてきたMarcosですが、本作を聴けばその完成度の高さにビックリしてしまいます。

国内盤には、"サンバとエクスペリメンタル・ポップが完璧に溶け合う、未来派ブラジリアン・グラフィティ"という説明があります。エクスペリメンタル・ポップという形容が本作に相応しいかは別として、StereolabHigh Llamasあたりがお好きな人にもグッとくるアルバムだと思います。

ボサノヴァだけではない、ブラジル音楽の魅力を存分に堪能できる1枚だと思います。
こういったサウンドが真のクロスオーヴァーなのでは?

全曲紹介しときやす。

「Flamengo Ate Morrer」
邦題「死ぬまでフラメンゴ」。この曲はAzymuth不参加のようですが、サンバとポップが融合した独自サウンドを聴かせてくれます。途中の哀愁メロディにもグッときます。兄Paulo Sergio Valleによる詞はジーコも在籍したリオの人気サッカー・チーム、フラメンゴへの愛情を歌ったものであり、サッカー・ファンには楽しい内容ですね。でも、同じリオを本拠地とするライバル・チームであるフルミネンセ、ヴァスコ・ダ・ガマ、ボタフォゴ等のファンは聴きたくない曲なんでしょうね(笑)
http://www.youtube.com/watch?v=OpJGBzz9B8g

「Nem Paleto, Nem Gravata」
邦題「背広もネクタイもなしに」。サウンドも歌詞も軽快でいいですね。モヤモヤ気分の時にこんな曲を聴くと、スカッとしそうです!

「Tira a Mao」
邦題「手をどけろ」。シンセの音色が印象的ですね。Marcosのポップ感覚とAzymuthによるクロスオーヴァー・サウンドが上手く結びついていますね。

「Mentira」
邦題「うそ」。クラブ系リスナーにとってのキラー・チューン。ファンキー&メロウな仕上がりは今聴いても新鮮ですね。軽くエロい雰囲気が漂っているのもグッド(笑)
http://www.youtube.com/watch?v=zTx-M3JCfEQ

「Previsao Do Tempo」
邦題「天気予報」。タイトル曲は哀愁モードのインスト・チューン。前半はイージーリスニング風ですが、後半は近未来的な雰囲気で相当グッときます。

「Mais Do Que Valsa」
邦題「ワルツ以上に」。僕の一番のお気に入り曲。メロウ&レイジー&エクスペリメンタルな雰囲気がサイコー!High Llamas好きの人は歓喜するのでは!これが1973年の作品とは信じられません。20年先を行っている仕上がりだと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=VgJT2c8-1tU

「Os Ossos Do Barao」
邦題「男爵の骨」。「Nem Paleto, Nem Gravata」同様、軽妙な感じがいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=-VSSbeiRAyw

「Nao Tem Nada Nao」
邦題「なんにもないよ」。Marcos Valle、Joao Donato、Eumir Deodatoの3人による共作。この曲も人気曲ですね。ブラジル音楽好きの人ならば鉄板な仕上がりだと思います。約1分半のインスト・ヴァージョンも続けて収録されています。
http://www.youtube.com/watch?v=WUAqZVknghQ

「Samba Fatal」
邦題「運命のサンバ」。哀愁のサンバ・チューンに仕上がっています。いい曲ですが、本作の中では異質の雰囲気かも?

「Tiu-Ba-La-Quieba」
この曲も僕のお気に入り。夏のリゾート気分を楽しむにはいいのでは?サマーモードのAORとセットで聴きたいですね!
http://www.youtube.com/watch?v=kGwdaCYrc4M

「De Repente, Moca Flor」
邦題「唐突な花」。ラストはロマンティックにキメてくれます。ひと夏の思い出...って趣の仕上がりです。夏の夕暮れ時にどうぞ!

ジャケについては賛否両論あるかもしれませんが、肝試しっぽくていいのでは?(笑)
posted by ez at 00:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年08月05日

Gloria Estefan『Mi Tierra』

全編スペイン語アルバム!祖国への熱い想いを胸に...☆Gloria Estefan『Mi Tierra』
Mi Tierra
発表年:1993年
ez的ジャンル:望郷系キューバ音楽
気分は... :遥かなる情熱...

今日はGloria Estefanの全編スペイン語アルバム『Mi Tierra』(1993年)です。

Gloria Estefanの紹介は、Gloria Estefan & Miami Sound Machine『Let It Loose』(1987年)に続き2回目になります。

2日前に投稿したRy Cooderの記事の中で『Buena Vista Social Club』について書いていたら、キューバ音楽が聴きたくなりました。

その中で紹介したAfro-Cuban All Stars『A Toda Cuba Le Gusta』(1997年)、『Distinto Diferente』(1999年)、Ibrahim Ferrer『Buena Vista Social Club Presents Ibrahim Ferrer 』(1999年)あたりを取り上げようとも思ったのですが、キューバ音楽を聴いたことがない人でもスンナリ聴けるGloria Estefan『Mi Tierra』にしました。

Miami Sound Machine時代もスペイン語アルバムを発表していましたが、ソロになってからは初のスペイン語アルバムです。

"私の祖国"を意味するタイトルのように、約30年前に離れた祖国キューバへの想いを伝統的なキューバ音楽のスタイルで歌い上げたアルバムです。その意味では亡命キューバ人、ラテン人として自身のアイデンティティを確認しているアルバムという印象を受けます。

ソン、ボレロといった伝統的なキューバ音楽やチャランガ・スタイル(フルート&ヴァイオリンを特徴とした楽団編成)を取り入れた作品ですが、とっつきの悪さや古臭さはなく、洗練されたノスタルジーに満ちた内容に仕上がっています。

レコーディングには、旦那様のEmilio EstefanをはじめとするMiami Sound Machine関連メンバー、アレンジも担当するJuanito Marquez(g)、パーカッションで参加の人気サルサ歌手Luis Enrique、サルサ・ファンにはお馴染みのNelson Gonzalez(per、b)、NYラテンの帝王Tito Puente(timbales、conga)、Sheila E.(per)、アフロ・キューバン音楽の大物Israel "Cachao" Lopez(b)等が参加しています。 僕の場合、Juanito(Juan) Marquezと聞くとメキシコのボクサー、Luis Enriqueと聞くと元スペイン代表のサッカー選手を思い浮かべてしまいますが(笑)

僕自身は、ソロ時代のGloria Estefanに特別思い入れがあるわけではありませんが、本作だけは例外的によく聴いています。キューバ音楽の魅力を、これだけ多くの人に親しみやすく伝えた作品は無いからかもしれませんね。

前述のように本作はキューバ人、ラテン人としてのアイデンティティを強く意識した作品であり、その意味では先週紹介したRuben Blades『Buscando America』に通じる壮大なスケール感を持っている気がします。そのあたりもボクを惹きつけるのでしょう。

ブラジル音楽、サルサ、レゲエもいいですが、夏のキューバン・ミュージックもグッド!

全曲紹介しときやす。

「Con Los Anos Que Me Quedan」
英語タイトル「With the Years That I Have Left」。オープニングは、ロマンティックなギターやストリングスをバックに、Gloriaの甘く熱い歌声を堪能できるボレロ。キューバ音楽ならではのロマンティックな雰囲気にうっとりする一方で、英語タイトルから想像できるように、祖国に想いを馳せるGloriaの歌に胸が締め付けられます。
この1曲のためだけでも本作をゲットする価値があると思います。
http://www.youtube.com/watch?v=g6jSXz3NINs

「Mi Tierra」
英語タイトル「My Homeland」。このタイトル曲ではさらに祖国キューバへの熱い想いが爆発します。ソンの伝統を踏まえつつも、90年代を意識したパーカッシヴな仕上がりがいいですね。N.Y.サルサあたりとも異なる独特の雰囲気がありますね。PVの中で生き生きと歌うGloriaの姿を観ていると、これが彼女本来の姿なのかもしれない!と思ってしまいます。
http://www.youtube.com/watch?v=otvIkvUNpwE

「Ayer」
英語タイトル「Yesterday」。この曲も望郷の思いが伝わってきますね。キューバ音楽ならではの哀愁感にグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=CTImAgVy27g

「Mi Buen Amor」
英語タイトル「My True Love」。エレガントなストリングスが印象的です。ノスタルジックな雰囲気にグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=8pv38hf6vNU

「Tus Ojos」
英語タイトル「Your Eyes」。歯切れの良いリズムと哀愁のメロディがいいですね。密かなお気に入り曲です。
http://www.youtube.com/watch?v=mskbBSLmtO4

「No Hay Mal Que por Bien No Venga」
英語タイトル「Out of All Bad, Some Good Things Come」。チャランガ・スタイルでのエレガントな演奏がいいですね。バックの男性コーラスはJon Secada。
http://www.youtube.com/watch?v=7yFtZkcY-2E

「Si Senor!...」
英語タイトル「Yes Sir, It's My "S-O-N"」。明るく楽しい雰囲気のソンに仕上がっています。ライブで聴いたら盛り上がりそうですね。Juan Marquezのギターも聴きものです。

「Volveras」
英語タイトル「You'll Be Back」。メランコリックな雰囲気にグッとくるボレロです。
http://www.youtube.com/watch?v=xZ3De1zMjC4

「Montuno」
親しみやすいソンに仕上がっています。昔の歌謡ショーのような映像もピッタリ!(笑)
http://www.youtube.com/watch?v=wCmtQBpG0Nc

「Hablemos el Mismo Idioma」
英語タイトル「Let's Speak the Same Language」。この曲もチャランガ・スタイルで演奏されています。フルートが入ることでエレガントな雰囲気が出てきますね。ラテンの結束を呼びかける、彼女のアイデンティティを強く感じる1曲に仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=G5QacBVeDak

「Hablas De Mi」
英語タイトル「You're Talking About Me」。「Con Los Anos Que Me Quedan」と同タイプのロマンティックなボレロに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=IYD0cgGN7lE

「Tradicion」
英語タイトル「Traditional」。ラストはTito Puenteらのパーカッション隊や、Arturo Sandoval(tp)、Paquito D'rivera(s)といった亡命キューバ人ミュージシャンを含むホーン隊が派手に鳴り響きます。

Gloria Estefanは、本作以降も『Abriendo Puertas』(1995年)、『Alma Caribena』(2000年)といったスペイン語アルバムをリリースしています。
posted by ez at 00:23| Comment(0) | TrackBack(1) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする