発表年:2003年
ez的ジャンル:優しく繊細!大人のボッサ
気分は... :打ち水のように...
いよいよ8月ですね。
8月一発目に相応しい1枚としてセレクトしたのがCelso Fonseca『Natural』(2003年)です。
Celso Fonsecaの紹介は、5月に紹介したCelso Fonseca & Ronaldo Bastos名義のアルバム『Paradiso』(1997年)に続き2回目になります。
Ziriguiboonレーベルからリリースされた本作『Natural』は、初のワールド・ワイド・リリース作品ということらしいです。
プロデュースはCelso Fonseca自身に加え、Beco Dranoffが共同プロデューサーとして名を連ねています。
Celso Fonseca(vo、g、per、programming)以下、Cibelle(vo)、Jesse Sadock(flh)、Daniel Jobim(Antonio Carlos Jobimの孫)(p)、Sacha Amback(key)、Jorge Heider(b)、Robertino Silva(ds、per)、Jorginho Gomes(ds)、Ramiro Musotto(per)というメンバーがレコーディングに参加しています。
タイトルの通り、Celso Fonsecaらしいナチュラルで優しいヴォーカル&ギターは健在です。以前に紹介した『Paradiso』の内省的なイメージと比較すると、より親しみやすい仕上がりになっているのでは?
Celso Fonsecaの人気を高めた「Slow Motion Bossa Nova」の再演も収録されています!
猛暑の日に聴くと、打ち水のように涼風を呼び込むことができる1枚だと思います。
全曲紹介しときやす。
「Bom Sinal」
このオープニングが僕の一番のお気に入り。出だしのピアノとパーカッションを聴いた途端にドキっとし、さらにFonsecaのギター、ヴォーカルが重なるたびにググッときてしまいます。真夏の暑さを忘れさせてくれるヒンヤリ感がたまりませんね。酸いも甘いも噛み分ける大人のボッサ・チューンといったところでしょうか。。
http://www.youtube.com/watch?v=od2adoLzfRc
「Sem Resposta」
Fonsecaの軽快なギターと優しく繊細なヴォーカルにグッときます。ヴォーカル&ギターだけで惹きつけてしまうFonsecaの魅力を存分に堪能できます。バカンス・モードでのんびり過ごすのにピッタリな1曲。
「A Origem Da Felicidade」
シンプルな1、2曲目とは異なり、この曲はなかなかカラフルな印象です。軽快なサンバのリズムにのって、豊かな色彩のギターの音色が聴こえてきます。
「The Night We Called It a Day」
Tom Adair/Matt Dennis作のスタンダード。スタンダードらしいエレガントな仕上がりがいいですね。
「Meu Samba Torto」
この曲ではFonseca自身がプログラミングしたリズムが用いられています。こうしたアプローチを嫌がる方もいるかもしれませんが、僕は進化し続けるFonsecaを支持したいですね。クラブ系ボッサ・チューンがお好き方は気に入るのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=DjQq1y4tsfg
「Febre」
哀愁のボッサ・チューン。思わずしみじみしてしまいます。イントロのフリューゲル・ホーンが印象的です。
「Consolacao」
Baden Powell作品の名曲カヴァー。本曲については、当ブログではこれまでTamba 4、Tenorio Jr.、Lennie Dale & Sambalanco Trioのカヴァーを紹介してきました。Fonsecaヴァージョンでは、21世紀のカヴァーらしいモダンなアレンジでスタイリッシュに聴かせてくれます。Fonsecaの素晴らしいギターとそれをサポートするRobertino Silvaのドラムを堪能しましょう。
「Ela Carioca(She's a Carioca)」
Antonio Carlos Jobimの名曲カヴァー。当ブログでは以前にAstrud GilbertoとWalter Wanderleyのカヴァーを紹介しています。ここでは女性シンガーCibelleとデュエットしています。そのせいか華やかさが増してグッドです。
「Teu Sorriso」
ビリンバウ(ブラジルの伝統的な打弦楽器)の音色が印象的な1曲。アルバム全体のアクセントとして、こういう曲も悪くはないのでは?
「Slow Motion Bossa Nova」
Celso Fonsecaの名を一躍知らしめた名曲の再演。オリジナルのようなストリングスは入っておらず、よりナチュラルな仕上がりになっています。ブラジル音楽がお好きな人であれば、本作ヴァージョンを好む方が多いのでは?
YouTubeには本作ヴァージョンが無かったので、オリジナル・ヴァージョンを紹介しておきます。
「Slow Motion Bossa Nova」(オリジナル・ヴァージョン)
http://www.youtube.com/watch?v=WjqJnzkeGZU
「Minha Dalva De Oliveira」
波の音と共に始まるライト・タッチのサンバ・チューン。パーカッシヴな仕上がりが僕好み。
「Buteco 2」
ラストはインスト・チューン。伝統と新しさとは上手く融合した仕上がりになっています。
急に冷やし中華が食べたくなってきた...