発表年:2009年
ez的ジャンル:ドイツ産21世紀ブラジリアン・スキャット
気分は... :今年の夏はコレ!
お盆ですね。僕もこの週末はのんびり過ごすつもりです。
今日は、この夏イチオシのアルバムOrfeo Novo『Sambahia Canta』です。
Orfeo Novoは、80年代前半に活動していたドイツのグループOrfeoのリーダー/ギタリストDetlev Kraazが、マルチ・プレイヤーFontaine Brunett、女性シンガーのAndrea Cantaと共に結成したグループ。
Orfeoは、イタリア出身の女性シンガーIsabella Celentanoを擁し、幻のジャーマン・ボッサ・レーベルSoftwareから、アルバム『Agua Do Mar』をリリースし、その後忽然とシーンから姿を消した伝説のグループです。
Orfeo Novoは、グループ名からして21世紀に復活した"新生Orfeo"という位置づけのユニットだと思います。
一言で言えば、クラブ感覚の21世紀ブラジリアン・グルーヴですかね。
Andrea Cantaの多彩なスキャットを全面フィーチャーし、Detlev Kraaz(全曲彼のオリジナル)が書いたボッサ・チューンを、プロデューサーも務めるマルチ奏者Fontaine Brunettが21世紀ならではのクラブ感覚で仕上げたアルバムといった内容になっています。
ブラジリアン・テイストのクラブ・ミュージックがお好きな方には鉄板の1枚です。
試聴できる音源がないのが残念ですが、『Agua Do Mar』同様、後に幻の傑作として語り継がれるアルバムになると思いますよ!
この夏にピッタリな新作を挙げるのであれば、僕は迷いなく本作を推します!
全曲紹介しときやす。
「Blue Note Samba 4U」
本作を象徴するクラブ感覚のクロスオーヴァーなブラジリアン・グルーヴ。メンバーの3人の個性が上手く融合していると思います。
「Sambahia Canta」
タイトル曲も絶品。これぞ21世紀のフューチャー・ボッサ!ですな。Andrea Cantaの艶やかなスキャットとDetlev Kraazのギターの絡みがいい感じです。
「Let's Scat」
洗練されたジャジー&メランコリック感にグッときます!様々な表情を見せるAndrea Cantaのスキャットにウットリです。
「Do Do Do It Again」
Fontaine Brunettのセンスの良さを実感できる1曲。以前に紹介した映画音楽の巨匠Armando Trovaioliあたりのラウンジ・ボッサな感覚を21世紀に蘇らせた感じがたまりません。
「Majas Choro」
この曲はスキャットの代わりにフルートをフィーチャーした哀愁ボッサ・チューンに仕上がっています。
「Ja Samba」
Detlev Kraazのギターが冴え渡るダンサブルなサンバ・チューン。ライブ風の作りになっています。
「J.S.B.Melody」
タイトルの通り、J.S.Bachの曲にインスパイアされた曲。ドイツの作品らしい余興ということで...
「Breezil」
クラブ仕様の仕上がり。みんなハッピー・モードで盛り上がりましょう。
「Cool Bluez」
ブルージーな雰囲気のボッサ・チューン。レイジーなAndrea Cantaのスキャットが絶品です。
「Choro No.One」
Detlev Kraazの美しいギターが印象的なショーロ風の仕上がり。こういった曲をクラブ感覚で聴かせてしまうのが本作の楽しいところです。
「Conga Song」
ラストは、アフロ・ブラジリアンな仕上がり。Jorge Benあたりがお好きな人は気に入るのでは?
輸入盤はなく、国内盤(Creole Stream Music)のみの発売です。
今時珍しいお粗末な作りの国内盤ですが、中身があまりに素晴らしいので許してあげましょう(笑)