発表年:1996年
ez的ジャンル:オーガニック系Hip-Hop
気分は... :フリーダム!
いよいよイタリア・サッカーのセリアAが開幕!
ついに日本代表に召集された森本貴幸の開幕戦「カターニア対サンプドリア」をTV観戦。いきなりサンプドリアに先制点を与えてしまったホームのカターニアでしたが、前半終了前に森本のゴールで同点!最終的には1対2で敗れてしまいましたが...
おそらく欧州主要プロリーグで、エースFWとして開幕スタメンを任され、重圧の中で同点ゴールを決めてしまうところに、森本の才能と運の強さを感じます。
オランダで4戦連続ゴールを決めた本田圭佑と共に、日本代表の救世主として期待してしまいます。
さて、今日はArrested DevelopmentのリーダーSpeechの1stソロ・アルバム『Speech』(1998年)です。
Speechのソロ作の紹介は、『1998 Hoopla』(1998年)に続き2回目となります。
日本ではそこそこ売れたものの、本国アメリカではArrested Development時代のような商業的成功を収めることのないSpeechのソロ活動ですが、逆に自分の伝えたい音楽をマイ・ペースで作っている感じで好きです。
Hip-Hopアルバムと呼ぶより、オーガニック・ソウルあるいは黒人SSWのアルバムと呼んだ方がしっくりくるSpeechのソロ・アルバムですが、ソロ第1作の本作はかろうじてHip-Hopアルバムになっていますかね(笑)
Speechのソロ作って、彼の等身大の生き方を反映した自由かつポジティヴな雰囲気が魅力ですね。くよくよ悩んでいる時なんかに聴くと楽観的な気分になれるし、近視眼的に物事を考えて自分の視野が狭くなっている時なんかに聴くと視界が開けてきます。
メイン・ストリームの音楽からはどんどん離れていくSpeechのソロ活動ですが、自由で前向きなメッセージはいつ聴いても心に響くと思いますよ!
フリーダム!
全曲紹介しときやす。
「Can U Hear Me?」
マクロフォン、チェック、聞こえるかい!小粋なオープニングじゃありませんか。Pappa Johnをフィーチャー。
http://www.youtube.com/watch?v=YCRo_QjMSCE
「Ask Somebody Who Ain't (If U Think the System's Workin'...) 」
Arrested Development時代からのファンはグッとくる土の臭いのするHip-Hopチューン。前述のフリーダムな魅力に溢れた1曲だと思います。サイコー!
http://www.youtube.com/watch?v=X8-U82l4RHA
「Filled with Real」
シンプルな問い掛けにグッときます。黒人と白人の違いはあれどサウンド的にはG. Love & Special Sauceあたりとの共通点も感じてしまうのは僕だけでしょうか?
「Why U Gotta Be Feelin Like Dat」
Hip-Hopという点で考えれば、一番フツーにHip-Hopしている仕上がりなのでは?Pappa Johnをフィーチャー。
「If U Was Me」
Fugeesあたりにも通じる汎アメリカ的な魅力がある仕上がりです。このタイプの曲の僕のツボです。
http://www.youtube.com/watch?v=MqfBgQxSo2Q
「Impregnated Tid Bits of Dope Hits」
本作ではラッパーと言うよりもシンガーのイメージが強いSpeechですが、本曲では巧みなフロウを聴かせてくれます。
「Let's Be Hippies」
そのメッセージに魅了されるフォーキー・チューン。本作がHip-Hopアルバムと枠を飛び越えて、SSW的な要素を持ったアルバムであることを実感できる1曲なのでは?
「Freestyle #8 from Speech's Vault」
ラッパーのSpeechのスキルを楽しみましょう。
「Like Marvin Gaye Said (What's Going On) 」
本作のハイライト。Marvin Gayeのトリビュート・アルバム『Inner City Blues』にも収録されていた名曲「What's Going On」をモチーフにした楽曲です。他のアーティストがこのような曲を演ったならば抵抗感を感じてしまうかもしれませんが、Arrested Development時代の活動も含めて、Speechならば許せてしまいますね。
http://www.youtube.com/watch?v=xIG6Qgntm44
「Hopelessly」
Speechらしい浮遊感のあるフロウがいい感じのライト・タッチな仕上がり。
「Insomnia Song」
Speechらしくはありませんが、ジャジーな疾走感が何ともカッチョ良いっす!
「Poor Little Music Boy」
SpeechならではのアーシーなフォーキーHip-Hop。皆に生きるパワーを与えてくる曲ですね。落ち込んだ時に聴くと、優しくあなたを慰めてくれる曲だと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=W9QAcuF7G40
「Ghetto Sex」
こういった曲は一般的なHip-Hopリスナーにも受けいられるのでは?
「Tell Me Something (Let Me Know)」
このあたりのスマートさは、Arrested Development時代には聴かれなかった、ソロならではの仕上がりでは?
http://www.youtube.com/watch?v=3PlbvsEeHuc
「Running Wild」
Laurneaの女性ヴォーカルをフィーチャーしたSpeecらしいフリーダムな仕上がり!Laurneaの参加でソウルフルな魅力がアップしています。
http://www.youtube.com/watch?v=CKEf66jQ234
「Another Day At The Podium」
多分、この曲はボーナス・トラックだと思います。アングラ・ジャジーHip-Hopファンが歓喜するインスト・チューン。
『1998 Hoopla』のimeem音源もアップしましたので、興味がある方はご参照下さい。