2009年09月06日

Black Star『Mos Def & Talib Kweli are Black Star』

Hip-Hopシーンを再生すべく立ち上がった二つのブラック・スター☆Black Star『Mos Def & Talib Kweli are Black Star』
Black Star
発表年:1998年
ez的ジャンル:ブルックリン系コンシャスHip-Hop
気分は... :立ち上がった二つのブラック・スター☆

今回はBlack StarによるHip-Hop史上に輝く名盤『Mos Def & Talib Kweli are Black Star』(1998年)です。

Black StarMos DefTalib Kweliというブルックリン出身の二人のラッパーによるユニット。二人ともBlack Starのメンバーという肩書き抜きでも、ソロ作や他アーティストとの共演でお馴染みの二人ですね。

Mos Def(1973年生まれ)は、『Black on Both Sides』(1999年)、『The New Danger 』(2004年)、『True Magic』(2006年)、『The Ecstatic 』(2009年)といったソロ・アルバムでもお馴染みですね。今年リリースしたばかりの『The Ecstatic 』は賛否両論分かれていますが、僕はなかなかいいアルバムだと思います。

Mos Def『The Ecstatic』(2009年)
The Ecstatic

Mos Def「Casa Bey」
 http://www.youtube.com/watch?v=95YNQrEVmYg

一方のTalib Kweli(1975年生まれ)も、『Quality』(2002年)、『The Beautiful Struggle』(2004年)、『Eardrum』(2007年)といったソロ・アルバムをリリースしています。当ブログではMadlibとの共演アルバム『Liberation』(2007年)を紹介しています。

Talib Kweli & Madlib「Soul Music」
 http://www.youtube.com/watch?v=W8B7PJSP8eI

そんな二人が組んだBlack Starのデビュー・シングル「Definition」1998年)は、ビーフ(中傷合戦)が横行し、襲撃、発砲事件などにも発展するなど暴力的なイメージが増大していったHip-Hopシーンに対して、Stop The Violence !を強く呼びかけたものであり、シーン再生への強力なメッセージとして多くの関係者、リスナーから賞賛されました。

そんな「Definition」を含むデビュー・アルバム『Mos Def & Talib Kweli are Black Star』も、沈滞ムードのHip-Hopシーンに渇を入れた傑作アルバムに仕上がっています。

プロデュースはHi-Tekを中心にTalib Kweli、Da Beatminerz、J. Rawls、Ge-ology、88-Keysが起用されています。特にHi-Tekの素晴らしい仕事ぶりが光ります。

本作のヒットはBlack Starのみならず、Hip-HopレーベルRawkus Recordsの名も一躍有名にしました。

骨のあるHip-Hopを聴きたい方はぜひお試しを!

全曲紹介しときやす。

「Intro」
傑作アルバムはジャジー&ダークに幕を開けます。

「Astronomy (8th Light) 」
ミステリアスなキーボード・サウンドを聴かせてくれるのはレア・グルーヴ・ファンにはお馴染みのキーボード奏者Weldon Irvineです。そんな浮遊感のあるトラックをバックにTalib Kweli、Mos Defがスムースなフロウを聴かせてくれます。Da Beatminerzプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=4-hVkorqicw

「Definition」
前述ように本作のハイライト。Boogie Down Productions「The P Is Free」のビートと「Stop The Violence」のメッセージを用いて、当時のHip-Hopシーンへ警鐘を鳴らしたこのヒット・シングルであり、Hip-Hop史に残るクラシック。サウンド的にはラガ・テイストのトラックがクセになります。Hi-Tekプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=Rx5aVI2zsFE

本曲を気に入った方は元ネタのBoogie Down Productions「The P Is Free」、さらに「The P Is Free」の元ネタYellowman「Zungguzungguguzungguzeng」もチェックすると3倍楽しめると思います。

Boogie Down Productions「Remix For P Is Free」
 http://www.youtube.com/watch?v=GoJeThDfdzk
Yellowman「Zungguzungguguzungguzeng」
 http://www.youtube.com/watch?v=tUjIl4_DYiU

「RE: DEFinition」
「Definition」からの流れにグッときます。彼らがHip-Hopシーン再生の救世主であったことを実感できる力強い1曲ですね。Hi-Tekプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=fr6SrRQnZv4

「Children's Story」
タイトルの通り、当ブログでも紹介したSlick RickのHip-Hop史に残るクラシック「Children's Story」へのリスペクトを感じる1曲です。Shawn J. Periodプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=ivzGnHtN8Mk

Slick Rick「Children's Story」
 http://www.youtube.com/watch?v=eRC4ziQpb5I

「Brown Skin Lady」
Common「The People」と同じくGil Scott-Heron & Brian Jackson「We Almost Lost Detroit」ネタのソウルフルなトラックがリリックを際立たせます。J. Rawlsプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=qTR-9VuwVjo

「B Boys Will B Boys」
B boysへのメッセージ!Ge-ologyによるリズミックなトラックにグッときます。

「K. O. S. (Determination) 」
De La Soulのクラシック「A Roller Skating Jam Named "Saturdays"」等でお馴染みの女性シンガーVinia Mojicaをフィーチャー。Minnie Riperton「Baby, This Love I Have」ネタのメロウ・チューンに仕上がっています。Hi-Tekプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=gwTHVE_wrco

「Hater Players」
Shawn J. Periodプロデュース。チープ&エレクトリックなトラックが印象的です。

「Yo Yeah」
1分強の短い曲ながらも、J. Rawlsプロデュースのトラックにグッとくきます。Scientifik「Downlo Ho」ネタ。

Scientifik「Downlo Ho」
 http://www.youtube.com/watch?v=0rhGjLCp36M

「Respiration」
「Definition」と並ぶクラシック。Commonをフィーチャーしています。 Mos Def & Talib KweliにCommonが加わるなんて、まさに最強トリオの共演という気がします。言霊のように三人のリリックが突き刺さってきます。Hi-Tekプロデュース。Don Randi「The Fox」ネタ。
http://www.youtube.com/watch?v=a468KFhbhXQ

オリジナル・ヴァージョンと並んで要チェックなのが、Black Star、Commonに加えてThe RootsBlack Thoughtが参加し、Pete RocKがプロデュースを務めたFlying High Remixです。メンツを見ただけで鼻血ブーですね(笑)
Black Star, Common & Black Thought「Respiration (Flying High Remix) 」
 http://www.youtube.com/watch?v=bJ8sz1KLJP4

「Thieves in the Night」
88-Keysプロデュース。ジャジーなトラックをバックを二人の力強いフロウを聴くことができます。
http://www.youtube.com/watch?v=_LQiuQ1xIBM

「Twice Inna Lifetime」
Hip-HopクルーeMCのWordsworth、 Punchlineらをフィーチャー。ダークな雰囲気が漂うトラックが不気味です。Hi-Tekプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=uukITnI9Dq8

wikiを見ると来年12年ぶりとなるBlack Starの2ndアルバムがリリースされる予定のようですね。本当かなぁ???
posted by ez at 00:02| Comment(2) | TrackBack(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする