発表年:1970年
ez的ジャンル:元クリムゾン系ユニット
気分は... :案外フォーキーな味わいが魅力かも?
McDonald & Giles唯一のアルバム『McDonald & Giles』(1970年)です。
McDonald & Gilesは、King Crimsonを脱退したIan McDonaldとMichael Gilesの二人が結成したユニット。
デビュー作『In The Court Of The Crimson King』(1969年)が大成功を収め、2nd『In The Wake Of Poseidon』のレコーディング終了後、Ian McDonald、Michael Gilesの二人はRobert Frippと袂を分かちました。実際には『In The Wake Of Poseidon』のレコーディング前に脱退の意思を伝えていたようですが...
レコーディングにはIan McDonald(g、key、sax、fl、vo)、Michael Giles(ds、per、vo)以外に、Michaelの弟Peter Giles(b)、Trafficを再編したSteve Winwood(p、org)等が参加しています。
特にGiles, Giles And Fripp(Michael Giles、Peter Giles、Robert Frippによるユニット)のメンバーであったPeter Gilesの参加はファンにとって嬉しいかもしれませんね。その意味で本作はGiles, Giles And FrippならぬGiles, Giles & McDonaldの名称でも良かったのでは?
熱心なKing Crimsonファン、プログレ愛好者ではない僕ですが、昔から本作は名盤であるというイメージが強いですね。
Ian McDonaldに関して言えば、King Crimsonのメンバーと言うよりも、リアルタイムで聴いていたForeignerのメンバーという印象が強かったですね。正直、『4』(1981年)以降のForeignerには興味がありませんが、『Double Vision』(1978年)、『Head Games』(1979年)の頃は好きだったもので...
プログレ・アルバムと言う印象で聴かない方が楽しめると思います。
意外とフォーキーな味わいが魅力かもしれませんので...
全5曲のうち、4曲がIan McDonald作品、残り1曲がMichael Giles作品です。
Ian McDonaldの才能とGiles兄弟の演奏力を堪能できるアルバムです。
全曲紹介しときやす。
「Suite in C」
邦題「組曲ハ長調」。「Turnham Green」、「Here I Am」等から構成される11分を超える組曲。牧歌的なフォーキー・チューンから、King Crimsonファンが喜ぶインプロと壮大なメロディが交錯し、終盤はスワンピーな演奏も飛び出し...と目まぐるしい展開です。ギター、サックス、フルートをはじめとするIan McDonaldのマルチ・プレイヤーぶりと多様な音楽性を堪能できます。ゲストのSteve Winwoodがピアノ・ソロを聴かせてくれます。
「Flight of the Ibis」
邦題「アイビスの飛行」。King Crimson「Cadence And Cascade」(アルバム『In The Wake Of Poseidon』収録)の原曲です。詞の改作はBP Fallonによるものです。メロディアスなアコースティック・チューン。今回、本作を紹介したのも秋のイメージにピッタリな本曲を聴きたくなったからかもしれません。King Crimson「Cadence And Cascade」と聴き比べるのも楽しいのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=BvvsK_V-5rw
King Crimson「Cadence And Cascade」
http://www.youtube.com/watch?v=b1tOP5lO24M
「Is She Waiting?」
哀愁ムードのフォーキー・チューン。この翳りがブリティッシュ・フォークらしいのでは?
「Tomorrow's People - The Children of Today」
邦題「明日への脈動」。この曲のみMichael Giles作です。そのせいかアルバムの中でも少し異質の雰囲気があります。R&Bテイストのリズムやサックスの雰囲気はTrafficをイメージしますね。ゲストのSteve Winwoodの影響かもしれませんね。Michael Gilesのドラムを堪能したい方は楽しめると思います。
http://www.youtube.com/watch?v=1R-LQmxZSUg
「Birdman」
オリジナルLPのB面を占める21分を超える大作。作詞はInfiniti〜King CrimsonでIan McDonaldと一緒であったPeter Sinfield。本曲自体もInfiniti時代に書かれたものらしいです。
「The Inventor's Dream (O.U.A.T.)」、「The Workshop」、「Wishbone Ascension」、「Birdman Flies!」、「Wings in the Sunset」、「Birdman - The Reflection」の6曲から構成されています。フォーク、ジャズ、クラシック、ロック、ポップスと様々な音楽のエッセンスを聴くことができます。その意味では意気込んで大作を聴くというよりも、6曲のメドレーを聴くというスタンスの方が楽しめるのでは?最後はプログレらしい感動的なフィナーレを迎えるのもグッド!
このジャケの色合いがUKらしくていいですね。
それにしても、アンタ、そんなに彼女とのツーショットをジャケにしたいんかい(笑)
(実際はカップル2組のフォーショットですが)