2009年09月27日

Don Beto『Nossa Imaginacao』

ブラジリアン・ソウル/AORの隠れた名盤☆Don Beto『Nossa Imaginacao』
Nossa Imaginacao
発表年:1978年
ez的ジャンル:ブラジリアン・ソウル/AOR
気分は... :ジャケは不気味ですが中身はメロウです。

今日はブラジリアン・ソウル/AORの隠れた名盤、Don Beto『Nossa Imaginacao』(1978年)です。

Don Betoは、ウルグアイ出身のギタリスト/シンガー。彼のプロフィールについては情報源が少なく、ブラジル・ロック界のスターRaul Seixasのバンドのギタリストとして活躍した経歴も持っていることくらいしか知りません。

それでも本作『Nossa Imaginacao』(1978年)は、ブラジリアン・ソウル/AORの隠れた名盤として気になる1枚でした。今回、ブラジル音楽傑作選〜Som Livre編〜として国内盤CD(紙ジャケ&リマスター)がリリースされました。ファン垂涎の1枚であっただけに、入手しやすい状況になったのは嬉しい限りです。

プロデュースはGuto Graca Mello。TVや映画音楽のプロデューサー/コンポーザーとしての活躍が有名であり、当ブログで紹介したCaetano Veloso『Caetano』(1987年)のプロデュースなども手掛けています。

アレンジはLincoln Olivetti。ブラジル音楽ファンにはお馴染みのファンク/ソウルの名手ですね。本作と同じくSom LivreからリリースされたRobson Jorgeとの共演作『Robson Jorge E Lincoln Olivetti』(1982年)もブラジル音楽ファンには人気の高い1枚ですね。

ブラジル音楽のアルバムというよりも、AOR/メロウ・ソウルのアルバムとして聴いた方が楽しめると思います。

ジャケは不気味ですが(笑)、メロディの良さとアレンジの良さが相俟って極上のAOR/メロウ・ソウルに仕上がっています。Betoのヴォーカルも想像以上にグッドでした!

捨て曲ナシ、奇跡のブラジリアン・ソウル/AORアルバムだと思います。

全曲紹介しときやす。

「Nao Quero Mais」
オープニング曲はよく言われるように、The Doobie Brothers「Long Train Runnin'」のブラジリアン・グルーヴ版といった趣のファンキー・チューン。イントロのギター・カッティングを聴いただけで思わずニヤリとなるはずです。

「Num Paraiso」
エレガントなストリングス&ホーン、エレピが絡むメロウ・チューン。目立ちませんがファンキーなベースもグッド!AORファンにはグッとくる仕上がりなのでは?Bobby Caldwellあたりと一緒に聴きたくなります。
http://www.youtube.com/watch?v=V_AOGZgEZTU

「Curtindo O Silencio」
ギターとエレピによるメロウ・チューン。これが英語だと少し暑苦しく聴こえるかもしれませんが...これがブラジル音楽のいいところ(笑)
http://www.youtube.com/watch?v=1xMHeiIFklM

「Nossa Imaginacao」
タイトル曲はフリーソウル・ファン歓喜のブラジリアン・ソウル。メロディ良し、コーラス良し、アレンジ良しの三拍子揃ったミラクルな仕上がり!僕も本曲が一番好きですね!
http://www.youtube.com/watch?v=OuyMtFTcZzk

「Menina Mulher」
ブラジル音楽らしいロマンティック・ムードに溢れています。美しいストリングス、エレピ、ギターの絡みが絶妙です。
http://www.youtube.com/watch?v=msvNg0UjQHA

「Amor Informal」
夏に逆戻りしたくなるバカンス・モードのメロウ・チューン。メロディでいけばアルバム随一かもしれませんね。

「Todos Os Caminhos」
疾走するファンキー&フォーキー・ロック。思わず一緒にハンド・クラップしたくなります。

「Tudo Novamente」
フィリーソウル・テイストのブラジリアン・ディスコ。ゴージャスなストリングスとセクシーな女性コーラスが盛り上げてくれます。Lincoln Olivettiの本領発揮の1曲なのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=ucR3snLWg7M

「Brenda」
「Nossa Imaginacao」と並ぶハイライト曲なのでは?切ないメロウネスがたまらないミディアム・ソウル。Betoのヴォーカル&スキャットを堪能できます。

「Saber Viver」
アコースティックな味わいにグッとくるメロウ・チューン。ブラジルならではの大らかさが漂うのもいいですね。

「Renascendo Em Mim」
爽快メロウ・グルーヴ好きにはたまらないブラジリアン・アーバン・ソウル。多くの方にとってど真ん中の仕上がりなのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=PsbJyMumF4A

「Pensando Nela」
ラストはロマンティックなAORモードのバラード。エレピの心地よい音色とBetoの素敵なヴォーカルに酔いしれましょう。
http://www.youtube.com/watch?v=kpikcQkVoFI

本作以外にもブラジルを代表する優良MPBレーベルSom Livreから70〜80年代にリリースされた作品は注目ですね。興味がある方はそちらもどうぞ!

Osmar Milito『E DeIxa O Relogio Andar』(1971年)
E DeIxa O Relogio Andar
posted by ez at 00:19| Comment(2) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする