発表年:1999年
ez的ジャンル:シカゴ系ポスト・ロック
気分は... :こういう音楽も...あると思いマス
今日は音数の少ない静かな作品が聴きたい気分です。
そんな中でCD棚から手にした作品がBrokeback『Field Recording From The Cook County Water Table』(1999年)です。
Brokebackはシカゴ音響派の中心グループTortoiseのベーシストDoug McCombsによるプロジェクト。本作『Field Recording From The Cook County Water Table』(1999年)以外に、『Morse Code In The Modern Age: Across The Americas』(2000年)、『Looks At The Bird』(2002年)といったアルバムをリリースしています。
『Morse Code In The Modern Age: Across The Americas』(2000年)
『Looks At The Bird』(2002年)
僕はDoug McCombsのソロ・プロジェクトとして認識していたのですが、あるサイトにBrokebackのメンバーとして、Doug McCombsに加えて、本作にも参加しているChicago Underground QuartetのベーシストNoel Kupersmithの名がありました。もしかしたら、途中から二人プロジェクトになったのかもしれませんね。それとも僕の認識の誤りでしたらゴメンナサイ。
Doug McCombs自体は、Tortoise、Brokeback以外にEleventh Dream Day等の活動でも知られていますね。当ブログでは約半年前にエントリーしたThe Aluminum Group『Pedals』の中で紹介しています。
Tortoise自体、音楽というより音像を聴いている感覚にさせてくれるグループですが、本作『Field Recording From The Cook County Water Table』はその部分がさらに強調されている印象を受けます。その意味ではTortoise以上にポスト・ロック気分を満喫できるアルバムかもしれませんね。
Doug McCombs、Noel Kupersmith以外には、Tortoiseの盟友、John McEntireとhJohn Herndonh、Kupersmithと同じくChicago Underground QuartetののメンバーであるRob Mazurekh、 Town And CountryのhJosh Abramsh、今は亡きStereolabのhMary Hansenが参加しています。
曲を楽しむというよりも、音世界を楽しむ作品だと思います。
こういう音楽もアリなんだと気付かされます。
曲単位の紹介はあまり意味がないのですが、
お決まりのパターンなので一応曲単位でコメントしておきます。
全曲紹介しときやす。
「After the Internationals」
Josh AbramsとNoel Kupersmithによるダブル・ベース×2にMcCombsの6弦ベースが絡む、腹に響くベース・オンパレードなオープニング。Rob Mazurekhのコルネットが彩りを添えてくれます。
「Returns to the Orange Grove」
1997年に3曲入り7"としてリリースされていた曲です。機関車が牽引する音に続き、聴こえてくるMcCombsの6弦ベースの音に釘付けです。
「The Field Code」
McCombsとJohn McEntireのデュオによるシカゴ音響派らしい1曲。淡々とした中にも音の表情の変化を楽しむことができます。
「This Is Where We Sleep」
まさに音像を満喫できる1曲。McCombsの6弦ベースの弦の揺れの細部まで伝わってきます。
「Another Routine Day Breaks」
7"シングルとして1997年にリリースされていた曲です。ワルツ調ののどかなムードがたまりません。
「We Let the "S" Hang in the Air」
音像を楽しむ曲。目を閉じて聴いていると音は波形となって見えてきます???
「The Wilson Ave. Bridge at the Chicago River, 1953」
人の気配がない密林ムードが漂います。途中からJohn McEntireのシェイカーが加わり、本作中最もリズミックな曲かもしれません(笑)
「The Flat Curving」
Noel Kupersmithのダブル・ベースとMcCombsの6弦ベースによるベース・デュオ。独特のまったり感がたまりません。
「A Blueprint」
シンプルな編成だけに一音ごとの輪郭がはっきり聴こえてくるのがいいですね。John McEntireのトライアングルの響きがヤケに鮮明に聴こえます(笑)
「Seiche 2」
本作で唯一、ロック的な要素を感じる1曲。エラくフツーに聴こえます(笑)
「Great Banks」
StereolabのhMary Hansen参加による本作唯一のヴォーカル曲。とは言っても、決してポップになることはありません(笑)
「Sometimes a Cold Rain Can Push Down on the Back of Your Head」
ラストも本作を貫く、素晴らしい音像をまったり満喫できる仕上がりです。
国内盤にはボーナス・トラックとして12分超の大作「Flat Handed And On The Wing」 が収録されています。
何故だかわかりませんが、本作収録の数曲を聴いていると石坂浩二主演の金田一耕介シリーズの映像が思い浮かんできます。不思議だなぁ???