2009年10月03日

The Oscar Peterson Trio + The Singers Unlimited『In Tune』

小粋で美しいピアノ・トリオとジャズ・コーラスの共演☆The Oscar Peterson Trio + The Singers Unlimited『In Tune』
In Tune
発表年:1971年
ez的ジャンル:小粋ピアノ・トリオ+ビューティフル・コーラス
気分は... :限界ギリギリなのですっ...

ここ数日は仕事の納品でバタバタ状態...ブログどころではありませんでした(泣)
殆ど寝ていないので目はウトウト、体はボロボロで限界ギリギリといったところです。

それでもヤマ場は乗り切ったので少しホッとしています。

今回はThe Oscar Peterson Trio + The Singers Unlimited『In Tune』(1971年)です。ここ数日たまらなく本作が聴きたくなり、仕事を小休止している間はずっと聴いていました。

親しみやすく、落ち着いた開放感とウットリする美しさが同居している構成が、今週の僕のマインドにマッチしていたのかもしれません。

本作は一昨年に亡くなったジャズ界の大物ピアニストOscar Petersonのトリオと、1970年代に活躍したジャズ・コーラス・グループThe Singers Unlimitedの共演作です。というかSingers Unlimitedは本作がデビュー作なんですね。

Oscar Peterson(1925〜2007年)は、Bud PowellThelonious MonkHorace SilverBill Evansらと並ぶ大物ジャズ・ピアニストですが、何故か僕とはあまり縁のない人でした。別に嫌いとかではなく、あまり聴く機会がないまま今日を迎えてしまったといったところでしょうか。

多分、Oscar Petersonの作品群や代表作というのが僕の頭の中にあまりインプットされておらず、CDショップ等でもスルーしてしまうことが多いからだと思います。

もう一方の主役、Singers Unlimitedに関しても本作しか持っていません。
Gene Puerling、Don Shelton、Len Dresslerという男性3人と紅一点のBonnie Hermanの4人で結成されたシカゴ出身のコーラス・グループ。ア・カペラ・コーラスを代表するグループですよね。『A Capella』(1971年)、『Christmas』(1972年)、『A Capella II』(1975年)等が人気作でしょうか。

Singers Unlimitedは、学生時代に知人がよく聴いており、その影響で多少は聴いていたのですが、お行儀の良いア・カペラばかりで飽きてくる印象がありましたね。

そんな僕とはあまり縁がないアーティスト同士の共演盤『In Tune』ですが、お互いの魅力を高め合っている好盤に仕上がっています。

通常の両者の作品に対して、少し単調な印象を持っていた僕ですが、そんなマイナスの印象を本作では全く感じません。むしろ、Singers Unlimitedの美しいコーラスワークが、小粋なOscar Peterson Trioの演奏で魅力倍増になっている気がします。

本作はドイツの名門ジャズ・レーベルMPSからのリリースです。本作に関して僕が一番スッキリするのがこの点なのですが(笑)

Petersonのトリオは、Oscar Peterson(p)、George Mraz(b)、Louis Hayes(ds)という布陣です。

ジャズ・ファンでない方にも親しみやすい、秋らしいジャズ・アルバムだと思います。

全曲紹介しときやす。

「Sesame Street」
僕が今回本作を取り上げたのは、この演奏が聴きたかったから。ご存知「セサミストリート」の主題歌です。。この1曲のみでも本作を購入する価値があるのでは?Singers Unlimitedの美しいコーラスとOscar Peterson Trioの小粋な演奏が相乗効果でお互いの魅力を高めています。

「It Never Entered My Mind」
1940年のミュージカル『Higher and Higher 』のために書かれた Lorenz Hart/Richard Rodgers作によるスタンダード。Singers Unlimitedの魅力全開のスタンダードらしい仕上がり。

「Children's Game」
Antonio Carlos Jobimのカヴァー。このボッサな名曲をここではワルツで聴かせてくれます。これが実にお洒落なんですっ!オリジナルとは異なる魅力で輝きを放っています。「Sesame Street」同様、Singers UnlimitedとOscar Peterson Trioの相性の良さを実感できる1曲。

Antonio Carlos Jobim「Children's Game」
http://www.youtube.com/watch?v=Ty9mQSGnqe8

「The Gentle Rain」
Jobimに続き、Luiz Bonfa作品Lとブラジル音楽の巨匠カヴァーが続きます。本曲が少し前にDiana Krallのカヴァーを紹介しましたね。本ヴァージョンはPetersonらの抑えた演奏とSingers Unlimitedの哀愁コーラスが秋に聴くジャズとしてはハマりすぎです!

「A Child Is Born」
Thad Jones作品のカヴァー。Singers Unlimitedの優しいコーラスにウットリですね。子守唄に最高ですな。

「The Shadow of Your Smile」
アカデミー賞歌曲賞も受賞した映画「いそしぎ」の主題歌のカヴァー(Johnny Mandel作品)。当ブログでの本曲のジャズ・カヴァーを紹介するのは、John PattonLou DonaldsonJohnny Lytleに続き4回目となります。「The Gentle Rain」と同じく、Singers Unlimitedにハマりすぎですね。ある意味オリジナル以上に曲の魅力を引き出しているのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=9R_riOcfWpU

「Catherine」
Patrick Williams作品。密かに気に入っているのがこの曲。Oscar Petersonのピアノタッチに引き込まれてしまいます。この曲ってTV番組のBGMで使われていたはずなんですが思い出せません...

「Once Upon a Summertime」
Michel Legrandらによるスタンダード。正統派スタンダード・ヴォーカル・チューンに仕上がっています。

「Here's That Rainy Day」
ラストはミュージカル『Carnival in Flanders』のために書かれたスタンダード(Jimmy Van Heusen作品)。この曲と言えば、Bill Evans『Alone』収録の演奏がダントツで好きなのですが....ついつい比べてしまいます。

ようやくまともに数時間寝ることができます。
とは言っても、数時間後には残りの仕事をやっつけなくては...
まぁ、あと数日の辛抱ということで気合いで乗り切ります!
posted by ez at 04:41| Comment(2) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする