発表年:2009年
ez的ジャンル:インディー男性R&B
気分は... :かなりグッときますよ!
今日はインディー男性R&Bの新作より、Darien『If These Walls Could Talk』です。
以前より輸入盤がR&Bファンの間で評判になっていましたが、今月初めに国内盤もリリースされ再プッシュといったところですね。
Darienはニューヨーク州マウント・バーノン生まれの男性R&Bシンガー。
独学で歌や音楽制作を学び、大学卒業後は働きながらシンガーとしての活動を続けていました。そして、ローカル・レーベルから『The Last Demo』と題したCDをリリースしています。(本人曰く、これがデビュー作とのこと)。
2005年にはサウンドトラック『25 Strong』に参加(本人曰く、これがインターナショナル・デビューとのこと)。このサントラにはDJ Spinna、Jigmastasや当ブログでも紹介したTortured Soul、Cooly's Hot Box、Peven Everettといったアーティストも参加しており、要チェックかもしれません。
『25 Strong』(2005年)
話をDarienに戻すと、2007年にはウエスト・ロンドンのクラブ・シーンで活躍するUKのユニットReel Peopleのアルバム『Seven Ways To Wonder』に参加し、「Alibi」、「Upside」の2曲でフィーチャーされています。
Reel People『Seven Ways To Wonder』(2007年)
Reel People feat. Darien「Alibi」
http://www.youtube.com/watch?v=3joMq0awZ8g
そんなキャリアを経てきたDarienが、インターナショナル・デビュー盤として制作したのが本作『If These Walls Could Talk』です。
インターナショナル・デビューとは言っても、インディーR&Bなのでサウンド・プロダクションの弱さが目立つのも事実ですが、その分気の合うプロデューサー、ミュージシャン達と自分の作りたい音楽を創った、Darien本来の姿を反映した作品になっている気がします。
全体としては、Donny Hathaway、Stevie Wonderといった70年代ニューソウルの影響を受ける一方で、Hip-HopやUKクラブミュージックも通過してきた2000年代ならではのソウル・ミュージックに仕上がっています。
Musiq Soulchildあたりがお好きな人ならば気に入るインディーR&Bだと思います。
全曲紹介しときやす。
「Just Can't Wait」
ハンドクラップ調のビートが印象的なアーバン・ダンサーなミッド・チューン。個人的には、CDショップで本曲を聴いて"このアルバムはイケる!"と確信しました。Rahsaan Pattersonあたりがお好きな人も気に入るはず!
http://www.youtube.com/watch?v=aFOJKtyxLGQ
「The Road」
前述のサントラ『25 Strong』に収録されていたのが本曲。Darienのメロディ・センスとソウルフルなヴォーカルを堪能できます。何気ないけど実にいい味わいの仕上がりです。
「Nowhere」
ナチュラルなアーバン・テイストが実にいい雰囲気のミッド・チューン。ソウルフルなバックもキマっています。
「Sail Thru」
歌、メロディ、サウンド共に三部作の頃のStevieモードな仕上がり。純粋にStevieフォロワーな雰囲気ですが、こういう曲大好きです(笑)
http://www.youtube.com/watch?v=zHqul6ZsnXE
「Composure」
軽くStevieモードのアーバン・チューン。Darienの持つ天性のセンスを感じる1曲ですね。Musiq Soulchildあたりと一緒に聴きたいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=wxBmsTqkkFM
「My Door」
哀愁のメロディ&サウンドが今の季節にピッタリですね。ヴォーカル・プロダクションがいい感じです。
http://www.youtube.com/watch?v=oGQyoP9o61E
「Where It's At」
オールド・ソウルとネオ・ソウルがいい感じで融合しています。こういう曲を創れるのはインディーならではかもしれませんね。
「Love Revolution」
Darien本人がプロデュースしているミッド・チューン。後半にはラップもフィーチャーされています。Darienは普段Hip-Hopクラシックをよく聴いているとのこと。
「WSRD 33.3 FM」
インタールード。
「Gone」
躍動するトラックにグッときます。前述のように普段Hip-Hopクラシックをよく聴いているのが納得できる仕上がりですね。
「Showya」
UKのアーティストSoulpersonaがプロデュースしており、UKらしいエレクトリック・サウンドが聴かれます。
「Saturday」
最も今時R&Bらしい仕上がりかもしれませんね。「Gone」と本曲はNoel Zancanellaがプロデュースを手掛けており、なかなか魅力的で重厚なトラックを聴かせてくれます。要注目の人かもしれません。
「All Kinds Of Things」
オーガニック・ソウルしているグルーヴ・チューン。Musiq Soulchild好きの人ならば気に入るはず!
「If These Walls Could Talk」
シンプルなギターのバックにグッとくるタイトル曲。こういうシブめの曲をタイトル曲に持ってくるあたりが心憎いですな。
http://www.youtube.com/watch?v=krgpHQqI0AY
「Seasons」
ラストはJohn Legend調のピアノ・バラード。
国内盤は「Can't Hide」、「Magic」の2曲がボーナス・トラックで収録されています。
前者は「Showya」と同じくSoulpersonaとのコラボであり、UKソウル・テイストの仕上がりになっています。後者は何とReel PeopleのMike Pattoがプロデュースし、カッチョ良いUKクラブ・ミュージックに仕上がっています。
フツーのR&Bファンは輸入盤で構わないかもしれませんが、DarienとUKミュージックとの繋がりに興味がある方は国内盤をゲットした方がいいかもしれません。
ちなみに本エントリーのジャケは輸入盤のものです。
国内盤はジャケが異なるのでご注意を!
(Amazonに国内盤ジャケの画像ないので掲載できません。ゴメンナサイ!)