発表年:1963年
ez的ジャンル:小粋なジャズ・サンバ/ボサノヴァ
気分は... :ロマーリオ、デニウソン、ロベカル!
今日はTamba Trioの2ndアルバム『Avanco』(1963年)です。
Tamba Trio(Tamba 4)の紹介は、Tamba 4としての1st『We And The Sea』に続き2回目となります。
当ブログではTamba 4を先に紹介してしまいましたが、このジャズ・サンバ/ボサノヴァの最高峰コンボを堪能するには、Luiz Eca(p)、Bebeto(b)、Helcio Milito(ds)というオリジナル・メンバーによるTamba Trio時代の作品を最初に聴くべきかもしれませんね。
まずは、デビュー作『Tamba Trio』(1962年)、2nd『Avanco』(1963年)、3rd『Tempo』(1964年)という初期三作を堪能し、続いて70年代にオリジナル・メンバー三人が再結集した『Tamba Trio』(1974年)(通称「ブラック・タンバ」Luis Eca-Bebeto-Helcio Milito名義)、『Tamba Trio』(1975年)(通称「ブルー・タンバ」)あたりを楽しむといったところでしょうか。
ということで今回は2nd『Avanco』(1963年)をセレクトしました。
Jorge Ben作の名曲「Mas Que Nada」が収録されていることで知られている作品です。Tamba Trio(Tamba 4)入門編として最適な1枚だと思います。
「Garota de Ipanema(The Girl from Ipanema)(イパネマの娘)」、「So Danco Samba(Jazz 'N' Samba)」といった他アーティストのヴァージョンでお馴染みの楽曲も収録されており、それらと比較しながら聴くことでTamba Trioの魅力を実感できるのではと思います。
メンバー三人にギターのDurval Ferreiraを加わえた4人でレコーディングは行われました。Luiz Ecaのアレンジによる小粋な演奏が素晴らしいのは勿論ですが、Bebetoと中心とするヴォーカル&コーラスもなかなかグッとくるものがあります。
全曲紹介しときやす。
「Garota de Ipanema」
オープニングは名曲「イパネマの娘」(Antonio Carlos Jobim/Vinicius de Moraes作)。Astrud Gilbertoが歌う大ヒットした『Getz/Gilberto』ヴァージョンよりもコチラの方が断然好きです。ライトで軽快な雰囲気が実も気持ちいいですね。Bebetoのフルートも涼しげ!
http://www.youtube.com/watch?v=u9FCtH6J8zs
「Mas Que Nada」
本作のハイライトと言えば、本曲「マシュ・ケ・ナダ」でしょう。Jorge Ben作のこの名曲に関しては、以前に紹介したSergio Mendes & Brasil'66のヴァージョンが有名ですが、Tamba Trioヴァージョンも以前ナイキのCM曲に使われておりお馴染みですね。どちらのヴァージョンもサイコー!♪Oaria raio〜♪Oba Oba Oba〜♪
http://www.youtube.com/watch?v=v1XXL1Onq20
Tamba Trioヴァージョンを聴いていると、CMで流れていた当時のサッカー・ブラジル代表の姿が浮かんできます。特にデニウソンが懐かしいですね。
Nike CM
http://www.youtube.com/watch?v=munMGzeqCQE
「Negro」
Roberto Menescal/Ronaldo Boscoli作品。冒頭の少しミステリアスなコーラスに続き、フルートが涼しげなジャズ・サンバをリードします。
「Mania de Maria」
邦題「マリアに夢中」。当ブログでもお馴染みのLuiz Bonfa & Maria Toledo作品です。粋なタイトルに負けじと、サウンドも実に小粋で洗練されています!
「Vento Do Mar」
邦題「海からの風」。Durval Ferreira/Luis Fernando Freire作。Bebetoを中心としたヴォーカル&コーラスワークも絶好調です。
「Sonho de Maria」
邦題「マリアの夢」。Marcos Valle/Paulo Sergio Valle作品です。貧しい生活を送るマリアの儚い夢を歌った曲ですが、本ヴァージョンはヴォーカル&演奏共に実に素晴らしい出来栄えだと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=xOGFdvGb8sg
※音質悪いですが、彼らの演奏シーンを観ることができます。
「So Danco Samba」
「Jazz 'N' Samba」のタイトルでもお馴染みのAntonio Carlos Jobim/Vinicius de Moraes作品。当ブログではこれまでWanda Sa(Wanda De Sah)、Sergio Mendes & Brasil '66のヴァージョンを紹介しています。セルメンのヴァージョンもお洒落で大好きですが、セルメンとは異なる洗練がある本ヴァージョンも相当グッときます。
「O Samba da Minha Terra」
Dorival Caymmi作品。クラブ世代リスナーにはグッとくるノリの良さなのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=xOGFdvGb8sg
「Moca Flor」
Durval Ferreira/Luis Fernando Freire作品。愁いを帯びたBebetoのヴォーカルとエレガントなバックが実にマッチしています。
http://www.youtube.com/watch?v=dW9LscxQb80
「Rio」
Roberto Menescal/Ronaldo Boscoli作品。Tamba Trioならではのコーラスワークを堪能できます。
「Tristeza de Nos Dois」
Durval Ferreira/Mauricio Einhorn/Bebeto作品。Luiz Ecaのアレンジ・センスが光るインスト。様々な表情のサウンドを楽しむことができます。
「Esperanca」
Durval Ferreira/Luis Fernando Freire/Mauricio Einhorn作品。ストリングスも加わったエレガントなエンディング。
現在では『マシュ・ケ・ナーダ』(国内盤)のタイトルで2nd『Avanco』(1963年)と3rd『Tempo』(1964年)の2in1CDがリリースされているので、そちらをゲットするのがお得だと思います。
『マシュ・ケ・ナーダ(2in1CD)』(国内盤)
※ジャケは『Tempo』のもの
「Mas Que Nada」を聴くと、W杯サッカーを思い出してしまう僕ですが、いよいよ各大陸の南アW杯予選も大詰めですね。
アルゼンチンは残り一戦を残してようやく出場圏内を確保し、ポルトガルも何とかプレーオフ進出は確保できそうですね。
僕が一番気になるのはアフリカ最終予選。
既に出場を決めているコートジボワールとガーナ以外に、出来ればカメルーンとナイジェリアは本大会で観たいですね。でもナイジェリアは現在チュニジアに次ぐグループ2位であり、最終戦でチュニジアが敗れない限り、出場は無理という絶体絶命の状況です。
最後に波乱は起きるのか?