
発表年:1991年
ez的ジャンル:ポップ・オタク系UKガールズ・ポップ/ダンス・ミュージック
気分は... :秋の曇り空の下で...
今日は秋らしい90年代UKポップが聴きたい気分...
ということでセレクトしたのはSaint Etienne!
紅一点のヴォーカルSarah Cracknellと2人のポップ・オタクBob Stanley、Pete Wiggsから成るロンドン出身の3人組Saint Etienneは2回目の登場となります。
『Good Humor』(1998年)に続いて紹介するのは、デビュー・アルバム『Foxbase Alpha』(1991年)です。
『Good Humor』のエントリーを読み返してみたら、"秋の曇り空の下でふと聴きたくなったアルバム"と書いてありました。きっと僕の中でSaint EtienneのメランコリックなUKポップと秋の郷愁感が繋がっているのでしょうね。
そんなメランコリックなUKポップを展開するSaint Etienneのオリジナル・アルバムの中でも最もダンス・ミュージック色が強いのが、今日紹介するビュー・アルバム『Foxbase Alpha』(1991年)だと思います。
セカンド・サマー・オブ・ラヴ/アシッドハウス等のダンス・カルチャーを通過してきたUKポップ/ダンス・ミュージックというのが当時の印象でしたね。僕の中で(当時の)最新型UKポップ/ダンス・ミュージックって感覚で聴いていました。
特に、「Only Love Can Break Your Heart」、「Kiss and Make Up」、「Nothing Can Stop Us」というシングル3枚は、それぞれインパクトがありましたね。「Only Love Can Break Your Heart」と「Nothing Can Stop Us」はUSダンス・チャートNo.1になっています。
※本作収録の「Kiss and Make Up」はシングルとは別ヴァージョン
個人的には、60年代ガールズ・ポップと90年代ダンス・ミュージックを上手く融合しているところが魅力だと思います。
オリジナル・アルバム以上に編集アルバムが多く、ディスコグラフィがわかりづらいグループですが、1st『Foxbase Alpha』(1991年)、2nd『So Tough』(1993年)といった初期作品は、オリジナルで聴いた方が楽しめると思います。
今日紹介するのは、僕が保有しているUS盤CDです。UK盤CDには「Kiss and Make Up」、「People Get Real」の2曲が未収録です。
全曲紹介しときやす。※US盤
「This Is Radio Etienne」
(多分)グループ名の由来になっているフランスのサッカー・チーム、サンテチエンヌの試合入場の様子だと思います
「Only Love Can Break Your Heart」
記念すべきデビュー・シングル。Neil Youngのカヴァーです(オリジナルはアルバム『After the Gold Rush』収録)。オリジナルをご存知の方は、アノ曲がこんなポップ&スタイリッシュなグラウンド・ビート調のダンス・チューンに生まれ変わるなんて驚きだったのでは?それだけでも大きなインパクトを持ったデビュー・シングルだと思います。本曲のリード・ヴォーカルはFaith Over ReasonのMoira Lambertが起用されています。録音時点でSarahがパーマネント・メンバーになっていなかったようです。
http://www.youtube.com/watch?v=OVdS6pPVCMU
Neil Young「Only Love Can Break Your Heart」
http://www.youtube.com/watch?v=n4IDexjh-QE
「Wilson」
インタールド的な小曲。でも雰囲気もバッチリ!
「Carnt Sleep」
メランコリックなメロディ&ヴォーカルとダビーなリズムが印象的な哀愁ポップ。
「Girl VII」
この曲は思い切りハウスしています。スパニッシュなテイストがイビザっぽくていい感じです。
「Spring」
実はアルバムで一番好きな曲はコレ。Saint Etienneらしい60年代感覚のポップ・センス溢れるダンサブルな1曲です。タイトルからすると春っぽいですが、僕には紅葉が似合うポップ・チューンって気がします。
「She's the One」
この曲も60年代ポップと90年代ダンス・カルチャーが上手く調和した仕上がりです。
「People Get Real」
ヒンヤリ&キラキラなシンセ・サウンドとキュートなSarahのヴォーカルがグッとくるダンサブルなポップ・チューン。
「Stoned to Say the Least」
The Orbあたりが好きな人向けのアンビエント・ハウス調の仕上がりです。
「Nothing Can Stop Us」
3rdシングル。Sarah Cracknellがリード・ヴォーカルを務めた最初のシングルです。当ブログでも紹介したDusty Springfield「I Can't Wait Until I See My Baby's Face」をサンプリングした、彼らの60年代ポップへの深い愛着を感じる仕上がりになっています。彼らによるDusty Springfieldのサンプリングは妙に納得してしまいます。
僕は未聴ですが、Masters At Workがリミックスしたヴァージョンもあるみたいですね。また、Kylie Minogueがオリジナルに忠実なカヴァーをリリースしています。
Kylie Minogue「Nothing Can Stop Us」
http://www.youtube.com/watch?v=Xa64fdz2pAU
「Etienne Gonna Die」
「Wilson」同様、雰囲気のあるインタールド的な小曲。
「London Belongs to Me」
癒し系ポップ・チューン。このキラキラしたポップ感覚はポップ・オタクの本領発揮といったとことでしょうか(笑)
「Kiss and Make Up」
彼らの2ndシングル。UKのバンドField Miceのカヴァー(オリジナル・タイトルは「Let's Kiss and Make Up」)。「Only Love Can Break Your Heart」同様、リード・ヴォーカルはSarahではなく、本曲では Donna Savageが起用されています。オリジナル・シングルはレゲエ調のダンス・チューンですが、僕が保有するUS盤CDにはバレアリックな仕上がりなヴァージョンが収録されています。どちらも
「Kiss and Make Up(Single Version)」※CD未収録
http://www.youtube.com/watch?v=4UZyfEl4fF4
Field Mice「Let's Kiss and Make Up」
http://www.youtube.com/watch?v=R5CUQQees94
「Like the Swallow」
アンビエントな前半から中盤以降は重厚かつメランコリックな流れへ展開していきます。
「Dilworth's Theme」
アルバムの余韻を感じる小曲。
本作を聴いたら、その流れで2nd『So Tough』(1993年)もどうぞ!
次回Saint Etienneを紹介する時には『So Tough』にしたいと思います。
『So Tough』
