2009年10月19日

Grant Green『Visions』

嬉しい国内盤再発!お値打ち価格で入手可能となりました!☆Grant Green『Visions』
ヴィジョンズ
録音年:1971年
ez的ジャンル:ソウルフル&グルーヴィー系Jazzギター
気分は... :1,100円はお得ですな!

ジャズ・ギタリストGrant Greenの3回目の紹介です。

『Live at the Lighthouse』(1972年)、『Carryin' On』(1969年)に続いて紹介するのは、『Visions』(1971年)です。

僕の愛聴盤で言えば、『Green Is Beautiful』(1970年)、『Alive』(1970年)あたりを紹介したいところなのですが、最近のGrant Green作品の話題と言えば、何を差し置いても本作『Visions』(1971年)の再発ということになりますよね。

長らく入手困難、高値取引であった『Visions』でしたが、今回国内盤CDが1,100円というお値打ち価格で再発されました。熱狂的なGreenファンならずともゲットしない手はありませんよね。僕も即ゲットしました。

本作をゲットした同じ日に、某中古ショップで本作の中古CDが5千円以上の価格で売られているのを発見し、今回の再発の有難さを再認識した次第です。

個人的には60年代後半から70年代前半のソウルフル&グルーヴィーなGreen作品がお気に入りなのですが、『Visions』もそんな魅力に溢れた作品です。

本作ではChicago、Jackson 5、The Moments、Carpenters、さらにはMozartまでソウル、ロック、ポップス、クラシックと幅広い作品をカヴァーしています。演奏も分かりやすくキャッチーなものが多く、ジャズ・ファン以外でも親しみやすい内容になっています。

メンバーはGrant Green(g)以下、Emanuel Riggins(el-p)、Billy Wooten(vib)、Chuck Rainey(b)、Idris Muhammad(ds)、Ray Armando(conga)、Harold Cardwell(ds、per)という布陣です。

なかなか充実のメンバーですが、個人的には本作の翌年にThe Wooden Glassとして『Live』をリリースした、Billy WootenEmanuel RigginsHarold Cardwellの参加が興味深いですね。

当ブログで既に紹介済みのThe Wooden Glass featuring Billy Wooten『Live』(1972年)は、レア・グルーヴ・ファンの間では大人気の1枚であり、当ブログでも検索数の多い作品の1つです。その意味でThe Wooden Glassの源流として本作を聴くのも楽しいかもしれませんね。

ジャケに写る"光る眼"のGreenは少し不気味ですね(笑)
よく見ると、サングラスの中には青空が写っているのですが...

全曲紹介しときやす。

「Does Anybody Really Know What Time It Is?」
邦題「いったい現実を把握している者はいるだろうか? 」。Chicagoのカヴァー(Robert Lamm作品)。オリジナルは彼らのデビュー・アルバム『The Chicago Transit Authority』(1969年)に収録されています。本作がリリースされた1971年に全米シングル・チャート第7位のヒットを記録しています。その意味ではタイミングの良いカヴァーだったのかもしれません。軽やかさの中のブルージーな味わいがいいですね。

「Maybe Tomorrow」
ご存知Jackson 5、1971年のシングル・ヒットのカヴァー(Quincy Jones/Alan & Marilyn Bergman作品)。哀愁モードたっぷりのバラードで聴かせてくれます。Dr. Dre feat. Snoop Dogg「Still Dre」のサンプリング・ネタにもなっています。
http://www.youtube.com/watch?v=AiGmLDhJ8TY

Jackson 5「Maybe Tomorrow」
 http://www.youtube.com/watch?v=atINVA6my08
Dr. Dre feat. Snoop Dogg「Still Dre」
 http://www.youtube.com/watch?v=erbraZmuwmI

「Mozart Symphony #40 in G Minor, K550, 1st Movement」
モーツァルトの交響曲第40番ト短調(第1楽章)。クラシックには疎い僕でも知っている有名曲ですが、こういう曲のカヴァーってどうなんでしょうかね?所々グッとくる箇所はありますが、僕にはよくわかりません(笑)
http://www.youtube.com/watch?v=waeN-keNRUU

「Love On A Two Way Street」
ソウル・グループThe Moments、1970年の全米シングル・チャート第3位、同R&Bチャート第1位の大ヒット曲をカヴァー。個人的にはオリジナルを忠実にカヴァーしたFull Forceヴァージョンを通じて、愛着があるソウル・クラシックです。そんな名曲をソウルフルなテイストでカヴァーしています。やはりGrant Greenにはモーツァルトよりもソウルの方が似合いますよね(笑)Greenのギターに絡むWootenのヴァイヴもグッド!
http://www.youtube.com/watch?v=MUsrh-1_EUo

The Moments「Love On A Two Way Street」
http://www.youtube.com/watch?v=Ol0ZyaGG5H4

「Cantaloupe Woman」
Grant Greenとも共演しているジャズ・ドラマーBen Dixon作品。グルーヴィーな仕上がりで、ある意味最もGrant Greenらしい演奏かも?個人的には一番お気に入りです。パーカッシヴなリズムをバックにGreenが存分に弾きまくるのがたまりません。
http://www.youtube.com/watch?v=5lshjbJ-gh0

「We've Only Just Begun」
Carpentersの大ヒットでお馴染みのPaul Williams/Roger Nichols作品(邦題「愛のプレリュード」)。このポップスの名曲をGreenらしいソウルフルな味わいでカヴァーしています。

路線としては、当ブログで紹介したCurtis Mayfieldのカヴァー(『Curtis/Live!』収録)に近いと思います。また、前述のThe Wooden Glass『Live』(1972年)でも本曲を演奏しており、当然ながら本ヴァージョンの流れを汲んだ演奏となっています。本ヴァージョン、Curtisヴァージョン、Billy Wootenヴァージョンを聴き比べると楽しいと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=cWFYIwj1kXE

The Wooden Glass featuring Billy Wooten「We've Only Just Begun」
http://www.youtube.com/watch?v=LyqVEosZUKs

「Never Can Say Goodbye」
「Maybe Tomorrow」に続くJackson 5のカヴァー(Clifton Davi作品)。全米シングル・チャート第2位、同R&Bチャート第1位の大ヒット曲は説明不要ですね。1974年にGloria Gaynorカヴァーでもヒットしています。そんな大ヒット曲をGreenらしいソウルフルな味わいかつ分かりやすい演奏でカヴァーしています。
http://www.youtube.com/watch?v=zOBIrI2ZVN4

Gloria Gaynor「Never Can Say Goodbye」
 http://www.youtube.com/watch?v=9yWevcMkgdU

「Blues For Abraham」
Eloise Riggins作品(紛らわしいですが多分Emanuel Rigginsと別人だと思います)。「Cantaloupe Woman」同様、グルーヴィーな演奏を堪能できる軽快なブルースですが、終わり方が唐突なのが残念です。何でこんなに間抜けな終わり方にしたのですかね?

今、NFL「ペイトリオッツ対タイタンズ」戦の生中継を観ていますが、大雪の中での試合になっています。昨日のMLBの「ヤンキース対エンゼルス」戦も防寒した選手が目立ちましたが、アメリカ北東部は既にそんな気候なんですね。
posted by ez at 06:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする