
発表年:1992年
ez的ジャンル:コンテンポラリーUKソウル
気分は... :Gotaサイコー!
今日は90年代のUKソウル作品からVivienne McKone『Vivienne McKone』(1992年)です。
リアルタイムで聴いていた人以外には全く引っ掛からない女性シンガーだと思いますが、当時僕のヘビロテだった1枚です。
Vivienne McKoneは、ロンドン出身の女性シンガー。
彼女のプロフィールについては詳しくありませんが、幼少からダンスを習い、タップ、ジャズダンス、バレエ等のスクールに通っていたようです。また、子役としてAlan Parker監督、Jodie Foster出演の映画『Bugsy Malone』に出演した経歴も持っています。
今日紹介する『Vivienne McKone』(1992年)は彼女のデビュー・アルバムです。きちんと確認していませんが、彼女の唯一のアルバムだと思います。
ジャケで(イナバウアー?)ポーズをとるVivianの姿からは、長年ダンスを学んできた自負のようなものが窺えますね。
プロデュースはCrusaders、Randy Crawford、Simply Red等のプロデュースで知られるStuart Levineが担当しています。
レコーディングにはGota Yashiki、Quincy Jones、Ronny Jordan、Larry Williams(Seawind)、Chuck Finley、 Dave Clayton(元ABC)等多彩な顔ぶれが参加しています。
記憶が定かではありませんが、僕が本作に興味を持ったきっかけはGota Yashiki(屋敷豪太)氏が参加していたアルバムだったからだと思います。
Soul II Soul、Simply Red等を通じて、UK音楽シーンで存在感を示していたGota氏でしたが、本作でも約半数の曲に関与しています。本作がきっかけとなりVivienneは後にGota氏のアルバム『It's So Different Here』(1997年)に参加しています。
全体的にはコンテンポラリーな大人のUKソウルに仕上がっています。(UK版)クワイエット・ストームな楽曲とUKらしいグラウンド・ビート、ジャズ・ファンク等を取り入れた楽曲がバランス良く配分されています。クセがないVivienneの伸びやかなヴォーカルとサウンドがよくマッチしていますね。
再評価の気配も全くなく、殆ど忘れ去られたアルバムですが、僕の中では今でも良質なUKソウル・アルバムです。
UKソウルやGota氏に興味がある方はぜひ!
全曲紹介しときやす。
「Sing」
このオープニング曲はシングルにもなりました。ただし、シングルになったのは別バージョン(多分、アルバムに収録されているRemixヴァージョンのEdit)です。健康的で小気味良いアコースティック・ソウルに仕上がっているシングルに対して、アルバム・ヴァージョンはアコギ部分がなく、もう少しリズムが強調された雰囲気です。
「Sing(Remix)」
http://www.youtube.com/watch?v=fBGF-GqpUGA
「Beware」
クワイエット・ストームなミディアム・スロウ。クセのないVivienneの伸びやかなヴォーカルを堪能しましょう。
http://www.youtube.com/watch?v=wng9gJTQOHg
「He's Not Here Anymore」
哀愁チューンですが、あまりジメジメしていないのがVivienneらしいのでは?
「Move On」
しっとりと落ち着きのあるバラード。秋空とマッチしそうな雰囲気がグッド!
「Heading Right Back to You」
Gota氏の本領発揮といった感じのグラウンド・ビート。本作を聴くと、この曲が一番好き!という人も多いのでは?Larry Williamsアレンジによるホーン隊も盛り上げてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=WCO9W9DciCU
「A Little Self Control」
UKジャズ・ファンク・テイストの仕上がり。当時はアシッド・ジャズ全盛でしたからね。
http://www.youtube.com/watch?v=HpMa7EBmehc
「Don't Push Me to My Limit」
軽くラテン・フレイヴァーの効いたミッド・グルーヴ。なかなかキャッチーな仕上がりでグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=v7pkl3UGj9I
「There Is No Turning Back」
Gota氏のプログラミングをはじめとするバック陣の妙で楽曲の魅力を高めています。
http://www.youtube.com/watch?v=eBwOYBg7ltI
「Why」
クワイエット・ストームなバラード。面白みには欠けますが、彼女の素直なヴォーカルはこういう正統派バラードにハマりますね。
「Fly」
ダントツで好きな1曲。僕が本作を今でも聴くのは本曲が収録されているからと言っても過言ではありません。Vivienneの持つナチュラルな魅力とGota氏のセンスが見事にハマった名曲だと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=utIYDn0q9dY
本曲とGota & The Heart of Gold「Someday」(ヴォーカルはCarroll Thompson)をセットで聴くのが、僕のお気に入りパターンです。
「Reaching Your Goals」
エレピの音色をバックに、問い掛けるように歌うVivienneのヴォーカルが感動的なバラード。
「I Wanna Get to Know You」
クワイエット・ストームな雰囲気ですが、Gota氏のビートでプラスαの魅力を引き出しています。
さらにアルバムには前述の「Sing(Remix)」、「Zero」がボーナス・トラックとして収録されています。