発表年:2009年
ez的ジャンル:レトロ・ソウル系白人シンガー
気分は... :徹底的に楽しむべし!
今日は各方面で話題の白人シンガーMayer Hawthorneによるレトロ・ソウルなデビュー・アルバム『A Strange Arrangement』です。
Curtis Mayfield、Smokey Robinson 、Holland-Dozier-Holland、Gamble & Huff等60年代、70年代ソウルからの影響がモロに反映されたスウィート&グルーヴィーなブルーアイド・ソウル作品は、音楽好きの間で既にかなりの支持を得ていますね。
アングラHip-Hop好きにはお馴染みのL.A.のHip-HopレーベルStones Throw Recordsからリリースされ、Gilles Peterson等の人気DJがプレイしているということで、R&B/Soulファンに止まらず、Hip-Hop、クラブジャズ方面からも注目されています。
Mayer Hawthorneは1978年(あるいは1979年)ミシガン州アナーバー出身の白人シンガー/マルチ・ミュージシャン。
Stones Throw Recordsの総帥Peanut Butter Wolfに見出され、Stones Throwより2008年に可愛いハート型シングル「Just Ain't Gonna Work Out/When I Said Goodbye」でデビュー。同年、さらにシングル「Maybe So, Maybe No/I Wish It Would Rain」をリリースします。
Mayer Hawthorne「When I Said Goodbye」 ※本作には未収録です。
http://www.youtube.com/watch?v=TBbX9Hy3vDc
この2枚のシングルをリリースした時点で、一部ファンの間ではかなり話題になっていましたが、今回のデビュー・アルバムのリリースでその盛り上がりが一気に急拡大しそうですね。
いかにも音楽愛好家が作ったアルバム!って感じが好きですね。
正直、Mayerのファルセット・ヴォーカルはソウル・シンガーと呼ぶには笑っちゃうほど下手くそだし、サウンドにもオリジナリティを追求しようとする姿勢は微塵も感じられません。
でも、本作を60年代、70年代ソウルと比較して、ヴォーカルが下手とか!単なるソウルの焼き直し!みたいな批判をするは、あまり意味のないことでしょう。アーティスト本人やレーベルもそんなことは百も承知でやっているのでしょうから。
自分の好きな音楽をそのまま音にしました!って感じの徹底ぶりをニヤニヤしながら聴くというのが本作の楽しみ方でしょう。
全曲紹介しときやす。
「Prelude」
ア・カペラによるスウィートなプロローグ。
「A Strange Arrangement」
タイトル曲はスウィート・ソウルなスロウ・チューン。とろけるような甘さがたまりません!この1曲でつかみはO.K!といったところでしょうか。
「Just Ain't Gonna Work Out」
デビュー・シングルにもなった人気曲。この曲はStones ThrowらしくHip-Hop調のビートに、メロウなヴォーカル&ハーモニーが絡んできます。繰り返し聴いていると、下手くそファルセットが逆に心地よかったりします。
http://www.youtube.com/watch?v=pBKx8PyE5qQ
「Maybe So, Maybe No」
2ndシングルになった曲。60年代ソウル・グループThe New Holidaysによるグルーヴィー・ソウルのカヴァー。めくるめくエレガントなイントロもそのまま再現しています。
http://www.youtube.com/watch?v=mpfcydeSGeo
New Holidays「Maybe So, Maybe No」
http://www.youtube.com/watch?v=3srBuOokag8
「Your Easy Lovin' Ain't Pleasin' Nothin'」
この曲はH-D-Hしていますね。(Supremesではなく)Phil Collinsヴァージョンの「You Can't Hurry Love」あたりと一緒に聴くとハマる感じです。
http://www.youtube.com/watch?v=pm1_A8eZ6rc
「I Wish It Would Rain」
シングル「Maybe So, Maybe No」のB面曲としてお馴染みのスウィート・ソウル。切ないムードにグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=gfpJmbF1NSc
「Make Her Mine」
少しイナたい雰囲気がたまらないグルーヴィー・ソウル。
「One Track Mind」
「Your Easy Lovin' Ain't Pleasin' Nothin'」同様、モータウン、H-D-Hしています。Supremes「Baby Love」あたりと一緒に聴きたくなりますね。
「The Ills」
Curtis Mayfield好きにはたまらないノーザン・ダンサー。何故かBeck>「Sexx Laws」と一緒に聴きたくなるのは僕だけでしょうか?
http://www.youtube.com/watch?v=EFHSHOwEEcQ
「Shiny & New」
ソウル・マナーの哀愁スロウ。上手くはないけど、実に雰囲気のあるヴォーカルですな。
「Let Me Know」
ノスタルジックな男の哀愁感にグッときます。
「Green Eyed Love」
この曲が一番ソウルっぽくないかも?少しヒネった哀愁ポップに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=0Ijx-YtbYLg
気難しく写ったジャケとのギャップも笑えます。
この人きっとお馬鹿なこと大好きだと思います(笑)