2009年11月30日

Sloan『Navy Blues』

Beatles風ポップ・ワールドが全開の4th☆Sloan『Navy Blues』
Navy Blues
発表年:1998年
ez的ジャンル:カナディアン・パワー・ポップ
気分は... :ペップお見事!

サッカー伝統のクラシコ「バルセロナ対レアル・マドリー」は、ホームのバルサが1対0で逃げ切り、リーガ首位再奪取となりました。

交代出場のイブラヒモビッチのゴールで先制したバルサでしたが、ブスケスが退場になりヒヤヒヤものでしたね。それでも数的不利を感じさせないバルサのボール回しはさすがでした。

攻撃立て直しのために後半イブラヒモビッチを投入し、退場したブスケスのポジションにトゥーレ・ヤヤを入れたグアルディオラ監督の采配もドンピシャでした。ペップお見事!

メッシ、イブラヒモビッチ、イニエスタ、シャビ、ロナウド、カカというバロンドール(年間最優秀選手)の最終候補10人のうち6人が出場するという豪華メンバーの激突は、時間があっという間に過ぎてしまう夢の90分でした。出場が危ぶまれたメッシのフル出場が嬉しかったですね。

今日はプレミアリーグの「アーセナル対チェルシー」の強豪対決も楽しみにしていたのですが、こちらはホームのアーセナルが0対3の完敗でした。ガナーズ(アーセナル)・ファンの僕としては残念な結果でした。チェルシーはドログバの2得点が見事でしたね。

バルサのイブラヒモビッチ、チェルシーのドログバと理想のFW2人の活躍が印象に残る2試合でした。

さて、今回はカナダ出身のパワー・ポップ・バンドSloanの2回目の紹介です。

3rdアルバム『One Chord To Another』(1996年)に続いて紹介するのは、4thアルバム『Navy Blues』(1998年)です。

日本でもコアなファンから根強い人気を誇るSloanですが、本作でもChris Murphy(vo、b)、Patrick Pentland(vo、g)、Jay Ferguson(vo、g)、Andrew Scott(vo、ds)という不動のメンバー4人が素晴らしいポップ/ロック・サウンドを聴かせてくれます。

前作『One Chord To Another』では、ガレージ・ロック風のハード・ドライビングな演奏が印象的でしたが、本作ではBeatlesモードのポップ・ワールドに磨きがかかった感じですね。

特にSloanの場合、メンバー4人がそれぞれ曲を書き、リード・ヴォーカルもとるというあたりもBeatles的でいいですよね。曲によって、コレはJohn風、コレはPaul風といった楽しみ方ができます。

Beatles好きに限らず、60年代、70年代ロックが好きな人が聴くと、相当グッとくるアルバムだと思います。

根底に曲作りの上手さがあるので、飽きずに長く聴くことができる作品ですよ!

全曲紹介しときやす。

「She Says What She Means」
キャッチーなギターリフがたまらないパワーポップ・チューン。アルバムからの2ndシングルにもなりました。コーラスワークもたまりません。僕の一番のお気に入り曲。キャッチーなメロディ、適度にハードなサウンド、爽快なコーラスがBeatlesテイストに仕上がっているのがたまりません。
http://www.youtube.com/watch?v=BTtIxkP77yQ

「C'mon C'mon(We're Gonna Get It Started)」
マジカルなポップ・チューン。洗練されたポップ感覚に相当グッときます。この曲が一番好き!という方も多いのでは?彼らがポップ好きのツボをよく心得ていることを実感できる名曲。
http://www.youtube.com/watch?v=zVVmXEpR4IQ

「Iggy & Angus」
歯切れの良いパワーポップ・チューン。適度にハード、適度にポップという塩梅が絶妙です。
http://www.youtube.com/watch?v=qNo7oM8dK8s

「Sinking Ships」
後期Beatlesの匂いがプンプンする仕上がり。Beatles好きの人ならばニンマリすること間違いナシ!

「Keep on Thinkin'」
アルバムからの3rdシングル。キャッチーな70年代ロックが好きな人がグッとくる仕上がりなのでは?

「Money City Maniacs」
アルバムからの1stシングル。「She Says What She Means」と並ぶ僕のお気に入り。Beatles的な側面に注目が集まりがちな彼らですが、こういったドライブ感溢れる格好良さもSloanの魅力だと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=M3tLtF8kyOQ

「Seems So Heavy」
中期〜後期Beatles風の仕上がり。Johnのヴォーカルで『Abbey Road』あたりに入っていそうですね。

「Chester the Molester」
前曲がJohn風ならば、本曲はモロにPaul風の仕上がりです。Paulがピアノを弾きながら歌う姿をイメージできてしまいます。

「Stand by Me, Yeah」
70年代テイストのポップなフォーキー・チューン。親しみやすいメロディがグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=dobajfs-_l0

「Suppose They Close the Door」
Johnのヴォーカルでホワイトアルバムに入っていそうなパートと、爽快な青春ポップのパートが交錯する面白い構成の仕上がり。

「On the Horizon」
パワーポップ・グループらしいロック・チューン。Beatlesワールドへ行きそうで行かないところが面白いです。

「I Wanna Thank You」
チェロが入った60年代風ポップ・チューン。ホント、ポップ好きのツボを押さえるのが上手すぎ!

「I'm Not Through with You Yet」
ラストはのんびりモードのカントリー・ロック風の仕上がり。

国内盤には「Work Cut Out」「Out To Lunch」という2曲のボーナス・トラックが収録されています。
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2009年11月29日

『今の気分は...2009年11月29日編』

今日は日曜日にも関わらず記事を書く時間が無いので、過去記事から10曲セレクトするシリーズです。

女性ヴォーカルが入った60年代ものが聴きたい気分なので、そんな曲を集めてみました。

全て過去記事で紹介済なので、気に入った曲があれば過去記事もご参照下さい。

Daniela Und Ann「A Man And His Girlfriend」(1969年)
Samba Soul Beat in Black and White
http://www.youtube.com/watch?v=Af5_dMriSL0

Triste Janero「Rene de Marie」(1969年)
ミート・トリステ・ジャネロ
http://www.youtube.com/watch?v=eOz1gOU4FNE

Dave Mackay & Vicky Hamilton「Samba for Vicky」(1969年)
Dave Mackay & Vicky Hamilton
http://www.youtube.com/watch?v=E0awfl4k1UQ

Los Brasilios「Brasilian Beat」(1967年)
ブラジリアン・ビート67
http://www.youtube.com/watch?v=KRdMZ4OGLSs

Sergio Mendes & Brasil'66「One Note Samba」(1966年)
マシュ・ケ・ナーダ
http://www.youtube.com/watch?v=J13w4fQYGf0

Mario Castro-Neves & Samba S.A.「E Nada Mais」(1967年)
マリオ・カストロ・ネヴィス&サンバ・SA(紙ジャケット仕様)
http://www.youtube.com/watch?v=_UPrTt101Mg

Elis Regina「O Barquinho」(1969年)
コモ・イ・ポルケ+4
http://www.youtube.com/watch?v=vpFsSLFs78A

Laura Nyro「Once It Was Alright Now (Farmer Joe) 」(1968年)
Eli & The 13th Confession (Exp)
http://www.youtube.com/watch?v=S-3N7TBrfOA

The Flirtations「Nothing But A Heartache」(1968年)
Sounds Like the Flirtations
http://jp.youtube.com/watch?v=39SjyMvBbk4

Martha Reeves & The Vandellas「I Can't Dance To That Music Your Playin' 」(1968年)
Ultimate Collection
http://www.youtube.com/watch?v=4VBmn7iATDw

今日から明日にかけて楽しみなスポーツ・イベントが続きますね。
一番の注目はやはり「バルサ対マドリー」のクラシコですが。
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2009年11月28日

Real Thing『4 From 8』

心温まるUKメロウ・ソウル☆Real Thing『4 From 8』
4 フロム 8(4 FROM 8)(直輸入盤・帯・ライナー付き)
発表年:1977年
ez的ジャンル:UKメロウ・ソウル
気分は... :まぁ、くよくよしないで!

ここ数日、思いきり下げモードになるような出来事がいくつかありました。
いつもならば、そんなモードの時にはとことん落ち込むのですが、今回は何故か気分が穏やかです。どこか開き直っているのかも?

もしそうだとすれば、ここ数日聴いているReal Thing『4 From 8』のおかげかもしれません。彼らのメロウ・ソウルが僕の心をポジティヴな方向へ導いているのかも?

ということで、今日はUKが誇る人気ソウル・グループReal Thingの2nd『4 From 8』(1977年)です。

リヴァプール出身のソウル・グループReal Thingの紹介は『Step Into Our World』(1978年)に続き2回目になります。

UKチャートNo.1となったヒット・シングル「You To Me Are Everything」を含む1stアルバム『The Real Thing』、フリーソウル・クラシック「Rainin' Through My Sunshine」収録の3rdアルバム『Step Into Our World』(1978年)の間に挟まれて、地味な存在のアルバムかもしれませんが、フリーソウル人気曲「Lovin' You Is Like A Dream」や名バラード「Children Of The Ghetto」を含む、なかなかの充実作です。

僕の場合、彼らのベスト盤『Children Of The Ghetto』を所有しており、その中に本作の全11曲(ボーナス・トラック含む)中9曲が収録されています。いつもならばそれで十分なのですが、オリジナルがどうしても欲しくて今回のCD化を機にゲットしました。

前作『The Real Thing』では「You to me are Everything」「Can't Get By Without You」という2曲のヒットに関して、Ken Goldの 手腕が目立っていました。しかしながら、本作ではメンバーであるEddietoとChrisのAmoo兄弟が全てのソングライティング&プロデュースを手掛けています。

程よくファンキー、程よくメロウな味わいがグッときます!

全曲紹介しときやす。

「Love's Such A Wonderful Thing」
シングルにもなったオープニング。僕の一番のお気に入り曲です。エレガントなストリングスが盛り上げてくれる軽快な美メロ・ソウル。UKチャートNo.1となったヒット・シングル「You To Me Are Everything」と同じ路線ですね。聴いているだけでポジティヴ・モードになってきます。
http://www.youtube.com/watch?v=fuCAdywp1Bo

「Lovin' You Is Like A Dream」
フリーソウル・ファンにはお馴染みの人気曲ですね。心温まるジェントルなこみ上げソウルに仕上がっています。まさに夢心地の1曲です。
http://www.youtube.com/watch?v=bKkTesCtZmY

「Kathy」
今回初めて聴いた1曲。甘酸っぱい香りのバラード。哀愁のギター・ソロが小粋ですね。

「Down To The Way We Feel」
黄昏系のソウル・チューン。遠いあの日の懐かしい思い出が甦ってきそうな気分にさせてくれる1曲です。

「Plastic Man」
パンチの効いたファンキー・グルーヴ。曲、歌、演奏全てが調和していますね。このあたりのバランスの良さがReal Thingの魅力かもしれませんね。

「Lightning Strikes Again」
トロピカルなムード漂うライト・グルーヴ。シングルにもなりました。サラッとした中にも味わい深さが残るのがReal Thingらしいですね。

「I Wish You Well」
この曲も今回初めて聴いた1曲。親しみやすいバラードに仕上がっています。

「Liverpool 8」
ラスト3曲は"Liverpool Medley"としたメドレーになっています。1曲目の「Liverpool 8」はファンク色の強い濃いめの仕上がりです。

「Children Of The Ghetto」
「Love's Such A Wonderful Thing」、「Lovin' You Is Like A Dream」と並ぶハイライト曲。シブめのバラードですが重くないのがいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=cQjdlwz1xrQ

Phillip BaileyCourtney Pine(feat. Susaye Greene)、Mary J. Blige、Paul Hardcastle等がカヴァーしています。このあたりからも名曲と呼べるのでは?

Phillip Bailey「Children Of The Ghetto」
 http://www.youtube.com/watch?v=MGRZMz9ueb8
Courtney Pine feat. Susaye Greene「Children Of The Ghetto」
 http://www.youtube.com/watch?v=lZGN9ZndX9c
Mary J. Blige「Children Of The Ghetto(Live)」
 http://www.youtube.com/watch?v=BvPcixxAmBM
Paul Hardcastle「Children Of The Ghetto」
 http://www.youtube.com/watch?v=GBj7Sm162y0

「Stanhope Street」
ラストはご機嫌なディスコ・ファンク。ノリの良さで言えば、アルバム随一でしょう。派手めのギターソロもいい感じです。

「Dance With Me」
CDのボーナス・トラックです。元々はシングル「Lightning Strikes Again」のB面に収録されていた曲です。なかなか気の効いたソウル・グルーヴを堪能できます。

いよいよ明後日はサッカー・リーガ・エスパニョーラ、バルサ対レアルの“伝統の一戦”クラシコですね。バルサ・ファンの僕としてはレアルに快勝して、首位を再奪取して欲しいですね。今から楽しみです。
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2009年11月27日

Public Enemy『Yo! Bum Rush The Show』

Hip-Hop史に大きな足跡を残したデビュー作☆Public Enemy『Yo! Bum Rush The Show』
Yo! Bum Rush the Show
発表年:1987年
ez的ジャンル:反体制Hip-Hop
気分は... :Public Enemy No.1!

社会派Hip-HopユニットPublic Enemyの2回目の登場です。

『Fear of a Black Planet』(1990年)に続いて紹介するのは、デビュー・アルバム『Yo! Bum Rush The Show』(1987年)です。

『Fear of a Black Planet』の記事でも書きましたが、僕の中でPublic Enemy(PE)は好きなHip-Hopユニットと言うよりも、シーンを牽引する最重要Hip-Hopアーティストとして聴かなければならない存在という位置づけでした。

僕の場合、基本的にはDe La SoulJungle BrothersA Tribe Called QuestといったNative Tongues一派に代表されるユルいHip-Hopが好みでしたが、Hank Shockleeを中心としたBomb Squadによる攻撃的なトラック、野太いラップでアジテートするChuck D、見るからに個性的なFlavor Flavを伴うPublic Enemyの存在は、好み云々を越えたインパクトがありましたね。

本来であれば、歴史的名盤との誉れが高い2nd『It Takes a Nation of Millions to Hold Us Back』(1988年)を紹介したいのですが、紹介するのが大変なアルバムなので、デビュー・アルバム『Yo! Bum Rush The Show』(1987年)の紹介を先行しました。

このデビュー作の時点でChuck DFlavor FlavTerminator X、(Professor Griff率いる)Security of the First World(S1W)というメンバーは揃っています。

エグゼクティブ・プロデューサーにはRick Rubin、プロデューサーにはBill Stephneyの名がクレジットされており、Hank ShockleeChuck D(Carl Ryder)の二人も共同プロデューサーとして名を連ねています。

僕は本作をリアルタイムで聴き逃し、『It Takes a Nation of Millions to Hold Us Back』『Fear of a Black Planet』を聴いた後に後追いしました。

後のPE作品で聴かれるBomb Squadサウンドと比較すると、まだまだ完成度が低いのは否めませんが、それでもP.E.の初期衝動を十分感じ取ることはできます。完成度が低い分、逆に剥き出しのPEに出会える楽しさがありますね。

この不穏な重量感は今聴いてもゾクゾクします。
当時のHip-Hopシーンを激震させた衝撃のデビュー作を堪能あれ!

全曲紹介しときやす。

「You're Gonna Get Yours」
シングルにもなったクラシック。格好良すぎるオープニングです。Dennis Coffey「Getting It On」のギター・ネタを使った攻撃的トラックに、Chuck Dが扇動的なラップを叩きつけ、PE独特の不穏な空気感がプンプン漂います。アルバムで一番のお気に入りです。MARRS「Pump Up the Volume」でサンプリングされていましたね。
http://www.youtube.com/watch?v=vYblg4i2HD8

「Sophisticated Bitch」
ブラック・ロック・バンドLiving ColourのリーダーVernon Reidがギターで参加しています。ロック色の強いトラックが印象的です。Heatwave「Groove Line」ネタ。
http://www.youtube.com/watch?v=V_pRTW6n5_o

「Miuzi Weighs A Ton」
Melvin Bliss「Synthetic Substitution」、Uncle Louie「I Like Funky Music」ネタのトラックですが、PEっぽく感じないのは1stアルバムならではかもしれませんね。Aretha Franklin「Rock Steady」ネタも使われています。Naughty by Nature「On the Run」の元ネタ。
http://www.youtube.com/watch?v=qRtrL7Nf1xc

「Timebomb」
The Meters「Just Kissed My Baby」ネタのファンキーなトラックがなかなかグッときます。後のBomb Squadによる圧倒的なトラックのような複雑な完成度はありませんが、シンプルさ故の魅力があります。
http://www.youtube.com/watch?v=-VM4GQH8UIA

「Too Much Posse」
Flavor Flavが喋くりまくります(笑)。Flavor Flavの存在はPEに欠かせませんね。
http://www.youtube.com/watch?v=lGtOIL2vgbs

「Rightstarter (Message to a Black Man) 」
後のBomb Squadサウンドを予感させるトラックですね(Trouble Funk「Grip It」ネタ)。力強く攻撃的な彼らのラップとトラックがマッチしていますね。スクラッチもグッド!
http://www.youtube.com/watch?v=zf6hg7T-Dmk

「Public Enemy No.1」
シングルにもなったクラシック。Fred Wesley & The JB's「Blow Your Head」ネタの不気味なトラックにのって、Chuck DがPE No.1を高らかに宣言します。
http://www.youtube.com/watch?v=VN4zb4LBNqk

「M.P.E.」
「Public Enemy No.1」の流れを受け継ぎ、不気味な雰囲気が漂います。
http://www.youtube.com/watch?v=Fwq3K6wDA6A

「Yo! Bum Rush the Snow」
タイトル曲はPEらしい重量感のある仕上がりです。Banbarra「Shack Up」ネタ。

「Raise the Roof」
Chuck DとFlavor Flavが煽ってくれます。スクラッチもかなり格好良いですな!
http://www.youtube.com/watch?v=RtWx4uYqFvM

「Megablast」
PEらしくないユルイ雰囲気ですね。Funk, Inc.「Kool Is Back」ネタ。

「Terminator X Speaks With His Hands」
ラストは「Timebomb」と「M.P.E.」をつないだトラックです。

PEを聴いて自分を鼓舞しようっと!
posted by ez at 03:17| Comment(3) | TrackBack(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月25日

Dalindeo『Soundtrack for the Sound Eye』

Five Corners Quintetに続くフィンランド期待のジャズ・バンド☆Dalindeo『Soundtrack for the Sound Eye』
サウンドトラック・フォー・ザ・サウンド・アイ
発表年:2009年
ez的ジャンル:北欧クラブ・ジャズ
気分は... :完全にDalindeo中毒です...

今日はクラブ・ジャズのオススメ新譜Dalindeo『Soundtrack for the Sound Eye』です。

DalindeoはリーダーのValtteri Poyhonenを中心にフィンランドのヘルシンキで結成されたジャズ・バンド。

メンバーはValtteri Poyhonen(g、el-p)、Jose Maenpaa(tp)、Pope Puolitaival(fl、s)、Pekka Lehti(b)、Rasmus Pailos(per)、Jaska Lukkarinen(ds)の6名。

フィンランドのクラブ・ジャズと言えば、The Five Corners Quintet(FCQ)が有名ですが、そのFCQも所属するクラブ・ジャズ・レーベルRicky Tickより2004年にデビュー。2006年にはFCQ作品も手掛けるTuomas Kallioのプロデュースによる1stアルバム『Open Scenes』をリリースしています。その意味で当初はFCQの弟分バンドといったイメージが強かったようですね。

ブラジル/ボッサ色が強かった1stアルバム『Open Scenes』に対して、2ndとなる本作『Soundtrack for the Sound Eye』では、タイトルの通り映画音楽を彷彿させる楽曲が並びます。映画の中でもスパイ映画、刑事/探偵もの、アクション/アクション・コメディ映画の雰囲気ですね。

そうした映画音楽的なアプローチに加えて、アフロ・ジャズ色を強く打ち出したディープな仕上がりも目立ちます。

前作では日本人女性ヴォーカリストMichikoがフィーチャーされていましたが、本作ではドイツ、ベルリン出身の女性ヴォーカリストであり、ソングライター/詩人としても活動するBajkaがフィーチャーされています。本作の持つディープな雰囲気と実にフィットしていると思います。また、FCQのTimo Lassyもゲスト参加しています。

ここ数週間、完全に本作の虜になっています。
かなり中毒性の高いアルバムです。

全曲紹介しときやす。

「Lights,Camera,Action!」
スタイリッシュなスパイ・アクション映画や探偵ドラマのテーマ曲になりそうな雰囲気のオープニング。最近のTVドラマならば、
今夏に放映していた長瀬智也、深田恭子出演の『華麗なるスパイ』のイメージにピッタリですね。

「Vintage Voyage」
アルバムに先駆けてリリースされたEP『Vintage Voyage』収録曲。アルバムで一番好きな曲かも?ディープ&スリリングなアフロ・ジャズです。特にホーン・アンサンブルのカッチョ良さには相当グッときます。
https://www.youtube.com/watch?v=vMCpJdyka4k

「Willpower」
この曲も『Vintage Voyage』収録曲。女性シンガーBajkaをフィーチャーした1曲目。既にクラブ・ヒットしているようであり、本作のハイライト曲と言えるかもしれませんね。妖艶な声質、ポエット・リーディングのような歌とあらゆる面で個性的なBajkaのヴォーカルと、本作を貫く黒くディープなグルーヴ感が見事に融合した魅惑の1曲。
http://www.youtube.com/watch?v=vL5qw4OES_o

「Take Cover!」
アフリカン・テイストの黒くディープなグルーヴが支配します。戦い挑む前の戦士のような張り詰めた緊張感がたまりません。

「Another Devil」
ロカビリー・ジャズとでも呼びたくなる仕上がりです。どこかユーモラスな雰囲気がいいですね。アクション・コメディ映画の主題歌って感じでしょうか。

「New Creation」
Bajkaフィーチャーの2曲目。ノスタルジックな雰囲気が逆にカッチョ良いです。女性スパイ映画のヒロインのテーマ曲って雰囲気ですね。

「Belleville-Pantin」
中近東風のエキゾティックな仕上がり。僕には妖艶にベリーダンスを踊る女性の映像しか頭に浮かんできません(笑)

「Herrmann」
スピード感にグッときます。『ダーティーハリー』のような刑事もの映画で、主人公の刑事が犯人を追いかけるシーンにピッタリですね。

「Words Unspoken」
大らかなモーダル感が印象的です。北欧ジャズらしい仕上がりかもしれませんね。

「Flow On」
大自然のように雄大な美しさ持った仕上がり。

「Mr.J.L.」
EP『Vintage Voyage』収録曲。ワイルドでカッチョ良い!の一言に尽きます。Mr.J.L.とはドラムのJaska Lukkarinenのことなのでしょうか。そう言えば、短いドラム・ソロでキメてくれます。やはり『Vintage Voyage』収録の3曲が好きですね。

「Two Down,One To Go」
躍動するボッサ・ジャズ。オシャレなクラブ・ジャズ好きの方ならば気に入るはずです。

「Kantava voima(second movement)」
ラストは壮大なオーケストレーションをバックに配した演奏です。シリアスな結末の映画のエンディング曲といった感じでしょうか。



Dalindeoに興味を持った方は1st『Open Scenes』もどうぞ!
オープン・シーンズ

当ブログでフィンランド人アーティストを紹介するのは、Jimi TenorTuomoに続き3回目となりますが、まだDalindeoの兄貴分The Five Corners Quintetは未紹介でしたね。そのうちFCQも紹介しますね。
posted by ez at 00:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする