2009年11月19日

The Isley Brothers『Go For Your Guns』

名曲「Footsteps in the Dark」にグッときます☆The Isley Brothers『Go For Your Guns』
Go for Your Guns
発表年:1977年
ez的ジャンル:ロックン・ソウル系ファンク
気分は... :聴けば聴くほど楽しめる!

久々にThe Isley Brothersの登場です。

これまで当ブログで紹介したIsleys作品は以下の7枚(発表年順)。

 『Givin' It Back』(1971年)
 『The Isleys Live』(1973年)
 『3+3』(1973年)
 『The Heat Is On』(1975年)
 『Winner Takes All』(1979年)
 『Between The Sheets』(1983年)
 『Baby Makin' Music』(2006年)

8枚目に紹介するのは1977年リリースの『Go For Your Guns』です。

先週紹介したJibri Wise One『Jibri Wise One』に収録されていた「Livin' in the Life」を聴いていたら、オリジナルが収録されている本作『Go For Your Guns』が聴きたくなりました。そんな流れでCD棚から引っ張り出し、この1週間ほどコンスタントに聴いています。

邦題『明日への銃撃』は、物騒であまり褒められたタイトルではありませんね(笑)
ジャケだけ観るとライブ盤のように思われそうですが、スタジオ録音作品です。

Ronald IsleyO'Kelly IsleyRudolph IsleyErnie IsleyMarvin IsleyChris Jasperの6人によるIsleys節は本作でも健在です。

3+3体制になって以降の『3+3』『Live It Up』『The Heat Is On』『Harvest for the World』といった作品と比較して、パワーダウンしたとの評価も受けることがある作品ですが、僕にはノリの良いファンク・チューン有り、メロウなスロウ・ジャムありの名曲揃い、捨て曲ナシの充実作にしか聴こえません。

「The Pride」「Livin' in the Life」というシングル・ヒット曲もいいですが、「Footsteps in the Dark」「Voyage to Atlantis」という2曲のスロウ・チューンにグッときます。この2曲はサンプリング・ネタの定番曲であり、その方面からの再評価も高い作品です。

Isleysファンであれば、間違いなく楽しめる作品です。
特にErnieファンは相当グッとくるはずですよ!

全曲紹介しときやす。

「The Pride, Parts 1 & 2」
アルバムからの1stシングルとして全米R&Bチャート第1位となっています。Chris Jasperのクラヴィネットが小刻みに鳴り響くロック色の強いファンク・チューン。Marvinのチョッパーベースも格好良いっす!
http://www.youtube.com/watch?v=EznZI4mkI4o

「Footsteps in the Dark, Parts 1 & 2」
シングルではありませんが、本作のハイライトと言えばこのメランコリック・スロウで決まりですね。僕もアルバムで一番のお気に入りです。Ronaldの哀愁ヴォーカル、ギター&キーボードによるメロウ・リフレイン、人気のドラムブレイクなど聴き所満載ですな。
http://www.youtube.com/watch?v=3rNx9_yBDVQ

R&BファンにはKipper JonesやBodyによるカヴァーもお馴染みですね。僕も本曲を好きになったきっかけは Kipper Jones ヴァージョンのおかげでした。今年初めに当ブログで紹介したFingazzによるトークボックス・カヴァーもオススメです(アルバム『Classics For The Og's Vol.2』収録)。Fingazzヴァージョンを聴いて初めて気付いたのですが、本曲とZapp「Computer Love」は相性バッチリです。セットで聴くと楽しさ倍増しますよー!

Kipper Jones「Footsteps In The Dark」
 http://www.youtube.com/watch?v=tImODdIuBDQ
Body「Footsteps In The Dark」
 http://www.youtube.com/watch?v=7k5U3XFWgn0
Fingazz「Footsteps In The Dark」
 http://www.youtube.com/watch?gl=JP&hl=ja&v=cuz9rjd3A5k

本曲はサンプリング・ネタとしても定番ですね。Ice Cube「It was a Good Day」、Usher「One Day You'll Be Mine」、Chantay Savage feat. Common「I Will Survive(Remix)」、 Frankie「My Heart」、Ruff Dogg, E-Mac & Rump 「God Save Me」、Rodney O & Joe Cooley「California Cruiser」、Compton's Most Wanted「Can I Kill It」、Redman「What U Lookin' 4」、Keith Murray「Bad Day」、J Dilla「Won't Do」、Rhymefest feat. Mario「All Girls Cheat」、Detroits Most Wanted「I Ain't Never Had a Good Day」、Full Force「I Appreciate You」等多くの楽曲でサンプリングされています。

Ice Cube「It was a Good Day」
 http://www.youtube.com/watch?v=WNSdN2nNM5M
Usher「One Day You'll Be Mine」
 http://www.youtube.com/watch?v=X_9LVErEr_Q
Chantay Savage feat. Common「I Will Survive(Remix)」
 http://www.youtube.com/watch?v=F52sVCmuBis
Frankie「My Heart」
 http://www.youtube.com/watch?v=mZMmrBdLSYg
Ruff Dogg, E-Mac & Rump「God Save Me」
 http://www.youtube.com/watch?v=ZGieHfB92FY
Rodney O & Joe Cooley「California Cruiser」
 http://www.youtube.com/watch?v=y7oReVgJPKc
Compton's Most Wanted「Can I Kill It」
 http://www.youtube.com/watch?v=5rNvFBH_6Vs
Redman「What U Lookin' 4」
 http://www.youtube.com/watch?v=HpWovxmizqo
Keith Murray「Bad Day」
 http://www.youtube.com/watch?v=5ns5dEGfcdU
J Dilla「Won't Do」
 http://www.youtube.com/watch?v=vVYza0NiWuU
Rhymefest feat. Mario「All Girls Cheat」
 http://www.youtube.com/watch?v=l7kMYG2yIZw

「Tell Me When You Need It Again, Parts 1 & 2」
骨太グルーヴが魅力のミッド・ファンク。Ronaldの力んだヴォーカルがらしいですね。Ernieのギターも好調です。The Avalanches「Close To You」でサンプリングされています。
http://www.youtube.com/watch?v=I96Xa6XOpvs

The Avalanches「Close To You」
 http://www.youtube.com/watch?v=eQN5j0bt678

「Climbin' Up the Ladder, Parts 1 & 2」
Funkadelicを思わせるようなファンク・ロック。勿論、本曲の主役はErnieのギター!Eddie Hazelにも負けない素晴らしいプレイを披露してくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=oeuSeOQUMKA

「Voyage to Atlantis」
アルバムの2ndシングルとなったスロウ・ジャム。雄大なスケールのバラードですが、この曲も主役はErnieです。泣きのギターがグッときますな。
http://www.youtube.com/watch?v=Fh6lGI1bOkw

当ブログで紹介したRiffのカヴァー(アルバム『To Whom It May Concern』収録)もオススメです。

また、本曲はIce T「Inside Of A Gangsta」、Watts Gangstas「Fuct In The Game」、20-2-Life「Inside Looking Out」、Mc Ren「Voyage To Compton」、A+「Move on」等サンプリングの定番ネタでもあります。

Ice T「Inside Of A Gangsta」
 http://www.youtube.com/watch?v=7sH-M-WGj_s
Watts Gangstas「Fuct In The Game」
 http://www.youtube.com/watch?v=M-Tkp5n-o9s
20-2-Life「Inside Looking Out」
 http://www.youtube.com/watch?v=ivemPu466RA
Mc Ren「Voyage To Compton」
 http://www.youtube.com/watch?v=V6fG7ZBcWzA
A+「Move on」
 http://www.youtube.com/watch?v=M3K6GszDIgo

「Livin' in the Life」
アルバムからの3rdシングルとして全米R&Bチャート第4位となっています。ゴリゴリと押しまくるIsleysらしいファンキー・チューン。前述のJibri Wise One「Livin' in the Life」と一緒に聴くと楽しいと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=fQ5KQnqPYx0

「Go for Your Guns」
「Livin' in the Life」のインスト・ヴァージョン。この2曲こそ「Livin' in the Life, Parts 1 & 2」にすればいいのに(笑)。Ernieのギターが炸裂します。
http://www.youtube.com/watch?v=BlJAv9HAWQ4

今日は各地でW杯最終予選のプレーオフの第2レグが行われます。
特に欧州の4試合の行方に注目ですね。波乱は起こるのか?
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2009年11月18日

Sonic Youth『Dirty』

グランジ色を強めたメジャー2作目☆Sonic Youth『Dirty』
Dirty
発表年:1992年
ez的ジャンル:USオルタナ・ロック
気分は... :この退廃的な空気が好き!

USオルタナ・シーンの重要ロック・バンドSonic Youthの2回目の紹介です。

『Goo』(1990年)に続いて紹介するのは『Dirty』(1992年)です。
『Dirty』は、『Goo』に続くGeffenからのメジャー2作目です。

メンバーは前作同様Thurston Moore(g、vo)、Kim Gordon(b、vo)、Lee Ranaldo(g、vo)、Steve Shelley(ds)の4名。

本作の話題と言えば、プロデューサーButch Vig、エンジニアAndy Wallaceの起用ですね。前年にグランジ・ロックの金字塔Nirvana『Nevermind』(1991年)を制作したButch Vig/Andy Wallaceのコンビを迎え、グランジ色を強めた作品に仕上がっています。

バンドのスケール感が大きくなり、激しさと骨太感が増した印象を受けますね。

インディーズ時代からの熱心なSonic Youthファンの中には、このグランジ路線まっしぐらの方向性に複雑な思い抱かれる方もいるかもしれませんね。

僕の場合、90年代に入りロック離れがかなり進行していましたが、Nirvana『Nevermind』(1991年)や本作が持つ、へヴィで退廃的な雰囲気には惹かれるものがありましたね。80年代のアメリカン・ハード・ロック/LAメタルのような音楽には全く身体が拒否反応を示していたので、そうした音楽を凌駕するグランジ/オルタナ・バンドの登場にスカッとした思いがあったのかもしれません。

僕にとってSonic Youth最大の魅力は、紅一点Kim Gordonの存在なのですが、本作でもKimがヴォーカルをとる曲にグッときてしまいますね。本作の持つノイジー&退廃的なサウンドとKimのヴォーカルが実にマッチしています。

たまに聴くなら、こんなロックがいいかな。

全曲紹介しときやす。

「100%」
お気に入りその1。オープニングはアルバムからの1stシングル。退廃的かつへヴィなリフが本作らしいですね。本曲はRollins Bandのローディーで前年末に射殺されたJoe Coleに捧げられたもの。
http://www.youtube.com/watch?v=iva_Y9W3hJ0

「Swimsuit Issue」
ノイジーなギターと性急なビートの中をKimのヴォーカルが突き抜けます。。
http://www.youtube.com/watch?v=ANWAHZU-tMc

「Theresa's Sound World」
メロディアスな「静」とノイジーに荒れ狂う「動」の部分のコントラストが印象的です。
http://www.youtube.com/watch?v=6bIGrK3aOEw

「Drunken Butterfly」
お気に入りその2。アルバムからの3rdシングル。タイトルからしてKimにピッタリの曲ですね。本作らしいへヴィな雰囲気がグッド!酔っ払った蝶が迷走しながら舞います?
http://www.youtube.com/watch?v=jhsT0sp0rqs

「Shoot」
お気に入りその3。不穏な空気が支配するダーク&へヴィな仕上がり。Kimの退廃的なヴォーカルにもグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=WndSxMrr6rg

「Wish Fulfillment」
Lee Ranaldo作&ヴォーカルのメロディアス&ハードな1曲。
http://www.youtube.com/watch?v=WlTTTE9GKMc

「Sugar Kane」
アルバムからの3rdシングル。シングルにするのも納得のキャッチーな仕上がり。中盤のノイジーな展開もグッド!
http://www.youtube.com/watch?v=O-pNpBopxYw

「Orange Rolls, Angel's Spit」
お気に入りその4。Kimがシャウトするハード・チューン。サビ部分のキュートな感じも好きです。
http://www.youtube.com/watch?v=vnVoLHlyI-U

「Youth Against Fascism」
お気に入りその5。アルバムからの2ndシングル。吐き捨てるようなThurstonのヴォーカルとハードなリフが印象的です。
http://www.youtube.com/watch?v=04fAzuS04R0

「Nic Fit」
ハードコア・パンクバンドUntouchablesのカヴァー。1分と短い曲ですが、アルバムのいいアクセントになっています。
http://www.youtube.com/watch?v=0VnZvmzhZ_A

「On the Strip」
この曲も退廃的な雰囲気が試合します。
http://www.youtube.com/watch?v=fACJcJNuMCQ

「Chapel Hill」
メロディアス&ハードな仕上がり。中盤のエキサイティングな展開で盛り上がります。
http://www.youtube.com/watch?v=CBivMTOOZFo

「JC」
まるでラップのようなKimのヴォーカルが印象的です。
http://www.youtube.com/watch?v=Dubt7roEtSM

「Purr」
お気に入りその6。僕的にはこれがベスト・ソング。このハードに突き抜ける疾走感がたまりません。この1曲を聴いただけで相当スカッとしますね。
http://www.youtube.com/watch?v=SlFonz3djuc

「Creme Brulee」
退廃的なのにのんびり感のあるKimのヴォーカルでアルバムは幕を閉じます。
http://www.youtube.com/watch?v=Gel19InCJm8

今回、Nirvana『Nevermind』(1991年)を取り上げようとも思ったのですが、書く勇気がありませんでした。Sex Pistols『Never Mind the Bollocks』(1977年)とNirvana『Nevermind』は記事したいのに、いざ書こうとすると躊躇してしまいます。きっとこれらの作品について書くほど、僕自身がパンク野郎、グランジ野郎に成りきれていないせいかもしれませんね。
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2009年11月17日

Original Soundtrack『Un Homme Et Une Femme』

Claude Lelouch、Francis Lai、Pierre Barouh...3つの才能が出会った名作サントラ☆Original Soundtrack『Un Homme Et Une Femme』
男と女
発表年:1966年
ez的ジャンル:Francis Laiサントラ
気分は... :♪ダバダバダ♪ダバダバダ♪

今回は久々のサントラ『Un Homme Et Une Femme』(1966年)です。

映画『Un Homme Et Une Femme(邦題:男と女、英題:A Man and a Woman)』は1966年制作のフランス映画。監督はClaude Lelouch、主演はAnouk Aimee、Jean-Louis Trintignant。カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞し、Claude Lelouchの出世作となった作品です。

音楽はFrancis Laiが担当しています。また、Pierre Barouhが楽曲提供&歌での参加に加えて、俳優として映画にも出演しています。

Claude LelouchFrancis LaiPierre Barouhという3つの才能にスポットライトが当った作品として、映画史上に残る名作ですね。Claude LelouchとFrancis Laiのコンビは、この後も『Vivre pour Vivre(パリのめぐり逢い)』(1967年)、『13 Jours en France(白い恋人たち)』(1968年)といった名作を送り出し、

映画はパートナーを亡くした男と女がそれぞれの子供を預ける寄宿舎で出会い、たちきれぬ過去の想いと葛藤しながらも、互いに愛を求めてゆく...といった大人のラブストーリーです。

そんな映画のストーリー以上に有名なのが、♪ダバダバダ♪ダバダバダ♪のスキャットでお馴染みのFrancis Laiによる主題曲なのでは?

映画好きの方はご存知の通り、本作ではまず映画のシナリオからFrancis Laiが音楽を創造し、その音楽をプレイバックしながらClaude Lelouchが撮影を進めました。その意味では本サントラは「映画のために作られた音楽」というよりも、「映画を完成に導いた音楽」といった感じでしょうか。

このような制作経緯からもわかるように、映像なくても音楽のみで十分成立するというのが本作の魅力です。

お馴染みの主題曲「Un Homme Et Une Femme」が3ヴァージョン、「Aujourd Hui Cest Toi」「Plus Fort Que Nous」が各2ヴァージョン、唯一のFrancis Lai以外の作品である「Samba Saravah」、その他1曲の全10曲という構成です。

ヴォーカル曲ではNicole CroisillePierre Barouhの二人が務めています。特にNicole Croisilleのヴォーカルにグッときますね。

サントラ作品を敬遠しがちな方も、本作は1枚通して十分満足できると思います。

さぁ、みんなで♪ダバダバダ♪ダバダバダ♪

全曲紹介しときやす。

「Un Homme Et Une Femme(Orch)」
邦題「男と女」。主題曲の1ヴァージョン目。オルガンにNicole Croisille、Pierre Barouhの男女スキャットが絡みます。皆さんが普段よく聴くのはこのヴァージョンなのでは?オルガンの響きと気だるいスキャットが実にマッチしています。
http://www.youtube.com/watch?v=1zRddxrHsPw

「Samba Saravah」
邦題「男と女のサンバ」。Baden Powell、Vinicius De Moraes作の「Samba Da Bencao」Pierre Barouhがフランス語の歌詞をつけたボッサ・チューン。以前に紹介したBarouh『Vivre』収録の「Roses (Das Rosas)」と同じ日にBarden の家で録音した楽曲です。ボッサ好きの方は2曲セットで聴くのがオススメです。
http://www.youtube.com/watch?v=O8CXEfIplVM

「Aujourd Hui Cest Toi(Chant)」
邦題「今日、貴方が」。Nicole Croisilleのヴォーカルをフィーチャーした格好良いジャジー・チューン。クラブジャズ好きの人が聴くと、グッとくる仕上がりだと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=zlIGpTti3UQ

「Un Homme Et Une Femme(Chant)」
邦題「恋のデュエット」。主題曲の2ヴァージョン目。Nicole Croisille、Pierre Barouhが歌詞付きでデュエットしています。
http://www.youtube.com/watch?v=2bYBn5VJ-ko

「Plus Fort Que Nous(Orch)」
邦題「愛は私達より強く」。エレガントなオーケストレーションと黄昏モードのミュート・トランペットが感動的です。

「Aujourd Hui Cest Toi(Orch)」
邦題「今日、貴方が」。こちらはヴォーカルなしのオーケストラ・ヴァージョンです。この曲に限ってはいかにもサントラですね。

「A Lombre De Nous」
邦題「私達の影に」。男の哀愁漂うPierre Barouhのヴォーカルがたまりません。
http://www.youtube.com/watch?v=7zw0j-ezKoU

「Plus Fort Que Nous(Chant)」
邦題「愛は私達より強く」。こちらはヴォーカル・ヴァージョン。Nicole Croisille、Pierre Barouhが、過去と葛藤しながら求め合う男と女の揺れ動く心を見事に歌い上げます。
http://www.youtube.com/watch?v=M6fm_stXkbE

「A 200 A Lheure」
邦題「時速200キロ」。主題曲の3ヴァージョン目。タイトルの通り、アップテンポの仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=WqxQGI3BTXs

Claude LelouchとFrancis Laiのコラボに興味がある方は、『Vivre pour Vivre(パリのめぐり逢い)』(1967年)、『13 Jours en France(白い恋人たち)』(1968年)もセットでどうぞ!

『Vivre pour Vivre(パリのめぐり逢い)』
パリのめぐり逢い

『13 Jours en France(白い恋人たち)』
白い恋人たち オリジナル・サウンドトラック

昨日は2つの鳥肌が立つスポーツ対戦を見ました。

1つ目は、ボクシング世紀の一戦「ミゲール・コット対マニー・パッキャオ」戦です。
フィリピンのの英雄パッキャオがプエルトリコの英雄コットを圧倒的な強さで破り、見事5階級制覇を成し遂げました。パッキャオはどんな強敵が相手でも、素晴らしいファイトで魅せてくれますね。

2つ目は、NFLの強豪対決「コルツ対ペイトリオッツ」戦です。
おそらく現在NFLで最も強いチームであろう両者の対決は、終了間際にコルツQBマニングがTDパスを決め、ミラクルな逆転勝利を収めました。マニング対ブレイディという殿堂入り間違いない二人の名QB対決は見応え十分でしたね。
posted by ez at 00:01| Comment(4) | TrackBack(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月16日

Sylvia Striplin『Give Me Your Love』

キュートなブリッ子ヴォーカルに悩殺されてしまう!☆Sylvia Striplin『Give Me Your Love』
Sylvia Striplin.jpg
発表年:1981年
ez的ジャンル:レア・グルーヴ系キュート女性シンガー
気分は... :キュート・ヴォイスに降参です!

今日は女性シンガーSylvia Striplinが1981年にリリースした唯一のソロ・アルバム『Give Me Your Love』です。

彼女の詳しいプロフィール情報はありませんが、Norman Connorsプロデュースのファンク/ディスコ・バンドAquarian Dreamや当ブログでも紹介したEighties Ladiesへの参加で知られていますね。

Aquarian Dreamと言えば、彼らの2ndアルバム『Fantasy』(1978年)が国内盤CD再発になったばかりですね。

Aquarian Dream『Fantasy』(1978年)
Fantasy

Sylvia Striplinに話を戻すと、本作『Give Me Your Love』は、Eighties Ladies『Ladies of the '80s』(1980年)同様、Roy AyersのUno Merodicレーベルからリリースされています。プロデュースはRoy AyersとJames Bedfordが務めています。

とにかくSylviaのキュートな声質が魅力ですね。
Roy Ayersがそんな抜群の素材の魅力を上手く引き出しています。

「You Can't Turn Me Away」「Give Me Your Love」という2大キラー・チューンがハイライトですが、「Look Towards the Sky」「All Alone」「You Said」あたりも相当いいと思います!

このキュートなブリッ子ヴォーカルに悩殺されること間違いナシ(笑)

全曲紹介しときやす。

「Look Towards the Sky」
つかみはOK!メロウ&キュートなダンス・チューン。キュートなSylviaのヴォーカルと気持ちのいいギターカッティングがグッド!。
http://www.youtube.com/watch?v=Wj2AfZFUXPw

「Toy Box」
ポップなダンス・チューン。僕的にはいつもスルーしてしまう曲なのですが(笑)
http://www.youtube.com/watch?v=OChJGXf4_kY

「You Can't Turn Me Away」
本作のキラー・チューンその1。Roy Ayersらしいトラック作りが印象的な人気メロウ・グルーヴ。キラキラ&ブリブリな感じがサイコーです。加えて、Sylviaの悩殺ブリッ子ヴォーカルで僕はイチコロです(笑)
http://www.youtube.com/watch?v=Om4cMbFTDvk

Junior M.A.F.I.A.「Gettin' Money」、Backstreet Boys「If You Stay」、Naughty By Nature「Hip Hop Hooray」、Assorted Phlavors「Make Up Your Mind」等のサンプリング・ネタとしてもお馴染みですね。
Junior M.A.F.I.A.「Gettin' Money」
 http://www.youtube.com/watch?v=TgJ8l5KJeOI
Backstreet Boys「If You Stay」
 http://www.youtube.com/watch?v=Oc_JejDml-o
Naughty By Nature「Hip Hop Hooray」
 http://www.youtube.com/watch?v=Alw95s04obo

「All Alone」
かなり好きです!めくるめくストリングス・アレンジがグッドなダンス・グルーヴ。夜遊びモードな雰囲気がグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=y4X4i4lZIQc

「Give Me Your Love」
本作のキラー・チューンその2。ダンス・クラシックとしてお馴染みのディスコ・チューン。キュートなSylviaのヴォーカルで盛り上がりましょう!
https://www.youtube.com/watch?v=bO_d5QNRtzQ

Armand Van Helden「Full Moon」、MC Lyte「Party Goin' On」等でサンプリングされています。特にCommonをフィーチャーしたArmand Van Helden「Full Moon」は、オリジナルがお好きな方も楽しめるご機嫌なハウス・チューンです。オリジナルと同じ位大好き!
Armand Van Helden feat. Common「Full Moon」
 http://www.youtube.com/watch?v=4DTzIlskagM

「Will We Ever Pass This Way Again」
ロマンティックなミディアム・スロウ。個人的にはこの手のミディアム〜スロウ系がもう1、2曲あると言うこと無しなのですが。

「Searchin'」
このタイトルを見て当ブログでも紹介したRoy Ayersの人気曲「Searching」『Vibrations』収録)のカヴァーと思いきや別の曲です。こちらは軽快なアップ・チューンに仕上がっています。「Searching」のカヴァーが聴きたかったですね(笑)
http://www.youtube.com/watch?v=eLpQ3XrhllQ

Roy Ayers「Searching」
 http://www.youtube.com/watch?v=H_c0AEh6K7g

「You Said」
ラストはトロピカル・モードのメロウ・グルーヴ。この曲も相当グッときます。ただし、完全に夏モードの曲ですが(笑)
http://www.youtube.com/watch?v=WSbvK55buMM

サッカーW杯予選はいよいよ最終局面ですね。

「バーレーン対ニュージーランド」はニュージーランド勝っちゃいましたね。間違いなくバーレーン初出場だったと思っていたのですが。しかもPK失敗での敗戦とは...W杯予選は怖いですね。

アフリカはナイジェリア、カメルーンがそれぞれ出場を決め、2大会ぶりにW杯に戻ってきますね。個人的にはこの2ヵ国にガーナ、コートジボアールを加えたアフリカ勢4ヵ国が相当楽しみです。初のアフリカ開催の大会で、この4ヵ国からベスト4進出国が出るのでは?と期待しています。
posted by ez at 00:31| Comment(3) | TrackBack(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月15日

Elis Regina『Elis』

シンガーとしての成熟ぶりに惚れてしまいます。☆Elis Regina『Elis』
人生のバトゥカーダ
発表年:1974年
ez的ジャンル:MPBの女王
気分は... :Elisの歌力でパワーアップ!

MPBの女王Elis Reginaの4回目の紹介です。

これまで紹介してきたElis Regina作品は以下の3枚。

 『Elis Regina in London』(1969年)
 『Elis, Como e Porque(Como & Porque)』(1969年)
 『Em Pleno Verao』(1970年)

4枚目に紹介するのは『Elis』(1974年)です。

これまで紹介してきた3作品はいずれも70年前後のアルバムですが、それら比較すると1974年リリースの本作はかなり異なる印象を受けるかもしれません。イケイケのElisから成熟のElisへステージアップしている感じですかね。

前述の3作品ほどのキャッチーさは無いかもしれませんが、シンガーとしての"歌力"には一層磨きがかかっています。本作を聴いていると、Elisが単なるブラジルの人気歌手ではなく"国民的歌手"である理由がわかる気がします。

全10曲ですが、Fernando Brant/Milton Nascimento作品が3曲、Aldir Blanc/Joao Bosco作品が3曲、Gilberto Gil作品が2曲、Ary BarrosoLupicinio Rodriguesといった偉大な作曲家の作品が各1曲という構成です。

Milton NascimentoJoao BoscoというElisのお気に入り二人の作品が多くのが目立ちますね。特にJoao Boscoは"アーティスト発掘名人"Elisにより才能を認められ、成功への道を歩み始めていた時期ですね。

夫であるCesar Camargo Mariano(Maria Ritaの父親)によるアレンジもElisの歌を引き立てます。

成熟期に入ったElis Reginaの表現豊かな歌を堪能しましょう。

全曲紹介しときやす。

「Na Batucada Da Vida」
邦題「人生のバトゥカーダ」。「Aquarela do Brasil(ブラジルの水彩画)」の作者としてお馴染みのAry Barroso作品。このサンバ・カンサォンをElisは愁いを帯びつつも力強く歌い上げます。この1曲だけでElisの"歌力"に引き込まれます。
http://www.youtube.com/watch?v=I52y6UmZYW0

「Travessia」
Milton Nascimento作品の1曲目。Miltonの1stアルバム『Milton Nascimento』(再発時のタイトル『Travessia』)収録の名曲です。夫Cesarのエレピをバックに味わい深い歌を聴かせてくれます。Miltonが作った宇宙でElisという星が光り輝きます。Miltonのオリジナルと聴き比べてみるのも楽しいのでは?この曲に関しては、Bjorkのカヴァーも僕のオススメです。
http://www.youtube.com/watch?v=3JDvbCg_4h0

Milton Nascimento「Travessia」
 http://www.youtube.com/watch?v=x7QcCrUqMkg
Bjork「Travessia」
 http://www.youtube.com/watch?v=WL6WU4j6sBM

「Conversando No Bar」
Milton Nascimento作品の2曲目。Elisの歌手としての表現力の素晴らしさを実感できます。中盤でのシフト・チェンジもいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=VKHFXDAY7TI

「Ponta De Areia」
Milton Nascimento作品の3曲目。Miltonのヴァージョンは『Minas』(1975年)で聴くことができます。また、MiltonとWayne Shorterとのコラボ『Native Dancer』(1974年)やEarth, Wind & Fire『All 'N All』(1977年)(オリジナルLPB面の「Brazilian Rhyme」)にも収録されているのでブラジル音楽ファン以外にもお馴染みの曲なのでは?当ブログでは以前にEsperanza Spaldingのカヴァー(アルバム『Esperanza』収録)を紹介しています。

曲自体が大好きなので、これをElisが歌ってくれるだけで嬉しいですね。Elisが歌うこと名曲の魅力が倍増しています。天まで届きそうな素晴らしい歌声にただただ感動です。Elisの音源を紹介できないのは残念ですが、前述のEsperanza SpaldingのカヴァーはElisのヴァージョンを意識したものだと思います。

Milton Nascimento「Ponta de Areia」
 http://www.youtube.com/watch?v=DGpRCGGB37s
Esperanza Spalding「Ponta De Areia」
 http://www.youtube.com/watch?v=e9sN3ySkkz0

「O Mestre Sala Dos Mares」
Joao Bosco作品の1曲目。軽快な序盤から徐々にエモーションが高まるミディアム・サンバに仕上がっています。オリジナルはJoaoの2ndアルバム『Caca A Raposa』(1975年)に収録されています。
http://www.youtube.com/watch?v=n6-i_XQsxCE

Joao Bosco「O Mestre Sala Dos Mares」
 http://www.youtube.com/watch?v=B-jb3Hlaj9s

「Amor Ate O Fim」
Gilberto Gil作品の1曲目。軽快なジャジー・サンバに仕上がっています。Cesar Camargo Marianoによる小粋なアレンジもグッド!

「Dois Pra La, Dois Pra Ca」
Joao Bosco作品の2曲目。哀愁モードのムーディなボレロが表現豊かなElisの歌と良く似合います。オリジナルはJoaoの2ndアルバム『Caca A Raposa』(1975年)に収録されています。
http://www.youtube.com/watch?v=-JV1u0txHz0

Joao Bosco「Dois Pra La, Dois Pra Ca」
 http://www.youtube.com/watch?v=9KroiMaWD4k

「Maria Rosa」
Lupicinio Rodriguesによるサンバ・カンサォン。前曲の流れを受けて本曲もボレロ調です。Elisの歌力が引き立つサウダージ・ムードがいいですね。

「Caca A Raposa」
Joao Bosco作品の3曲目。ドラマチックな雰囲気が実にいいですね。この曲のElisは歌手というよりオーラ出まくりで約を見事に演じきる女優って雰囲気ですね。Joaoの3曲の中では一番好きかも。

Joao Bosco「Caca A Raposa」
 http://www.youtube.com/watch?v=saeHo2T_a_0

「O Compositor Me Disse」
ラストはGilberto Gilの2曲目。本作のために書き下ろされたものです。Gilbertoのデモではリラックスした雰囲気の曲であったらしいのですが、Elisはじっくりと聴かせるバラードに仕上げています。
posted by ez at 00:47| Comment(2) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする