2009年11月14日

Prefab Sprout『Let's Change the World with Music』

17年の歳月を経て完成!僕の好きだったPrefab Sproutが戻ってきた!☆Prefab Sprout『Let's Change the World with Music』
レッツ・チェンジ・ザ・ワールド・ウィズ・ミュージック
発表年:2009年
ez的ジャンル:青春系エヴァーグリーン・ポップ
気分は... :胸がトキメキ、目はウルウル

今回はPrefab Sproutの8年ぶりの新作Prefab Sprout『Let's Change the World with Music』です。

これまで当ブログで紹介してきたPrefab Sprout作品は以下の3枚(発売順)。

 『Steve McQueen』(1985年)
 『From Langley Park to Memphis』(1988年)
 『Jordan:The Comeback』(1990年)

前作『The Gunman and Other Stories』(2001年)を聴いた時、"僕の好きだったPrefab Sproutはもう聴くことができないのか"というのが正直な感想でした。なので、2009年に再び僕の好きなPrefab Sproutに出会えることができるなんて信じられない気分です。

最初にCDショップで試聴した時、あまり期待しないで聴き始めると...最初2曲は"まぁ、こんなもんだろう"くらいに聴いていたのですが、3曲目で"もしかして..."と思い始め、5曲目から9曲目までのミラクル5連発に"即ゲットすべき"と確信するに至り、そのままレジへ直行したのでした。

本作は元々『Jordan:The Comeback』(1990年)の次の作品として、1992年にThomas Dolbyプロデュースで制作される予定だったらしいです。しかし、作業は中断してしまい、17年の歳月を経た2009年にPaddy McAloonのセルフ・プロデュースで完成にこぎつけました。

発売元がBeach Boys/Brian Wilson『Smile』に触発されて云々というのを強調していますが、正直そんな事はどうでもいいです。それよりも本来は『Jordan:The Comeback』『Andromeda Heights』(1997年)の間を埋める作品であったという点の方が興味深いですよね。

ヴォーカル、演奏、アレンジ全てをPaddy McAloon一人で行っており、打ち込み主体のサウンドに課題が残ることは事実ですが、Prefab Sproutファンが歓喜するあのメロディ&ヴォーカルを堪能できるというだけで、それ以上文句は言いません。

「I Love Music」「Music Is A Princess」「Last Of The Great Romantics」「Sweet Gospel Music」...曲タイトルを見ただけでも期待できそうでしょ(笑)

聴いていると、トキメキで胸いっぱいになり、感動で目がウルウルになってしまいます。

唯一無二のPrefab Sproutワールドを堪能あれ!

全曲紹介しときやす。

「Let There Be Music」
いきなりラップでスタートするの聴いて、"こりゃダメだ"なんて思わないで下さいね。それに続くヴォーカル&メロディには甘酸っぱく、ロマンティックなPrefab Sproutらしさが垣間見られます。
http://www.youtube.com/watch?v=4Dq_v5kZeEM

「Ride」
この曲は正直イマイチです。スルーしても構いません。
http://www.youtube.com/watch?v=NyW0-8ePDkc

「I Love Music」
オススメその1。さぁ、ここからが本作のお楽しみの始まり。『Jordan:The Comeback』が脳裏に浮かぶ4ビート・ジャズ風の小粋な仕上がりです。

「God Watch Over You」
この曲はあまりPrefab Sproutらしくないですね。
http://www.youtube.com/watch?v=cxvnoAR_AcA

「Music Is A Princess」
オススメその2。僕にとってのベスト・トラックはコレ。これぞPrefab Sprout、これぞPaddy McAloonという青春モードのメロディ・ライン&ヴォーカルを最初に聴いた時は胸が高鳴りましたね!ここからエンジン全開です。
http://www.youtube.com/watch?v=KYN1E8MAkWw

「Earth, The Story So Far」
オススメその3。このファンタジーな雰囲気は『Jordan:The Comeback』がお好きな人には相当グッとくるのでは?「
http://www.youtube.com/watch?v=2gxHcNtzFrU

「Last Of The Great Romantics」
オススメその4。タイトルの通り、壮大なスケールのグレートでロマンティックなバラードです。やはり、ロマンティックなメロディを書かせたらPaddyに敵う人はいませんな。
http://www.youtube.com/watch?v=hW6HOEjerCE

この「Music Is A Princess」〜「Earth, The Story So Far」〜「Last Of The Great Romantics」という3曲の流れがサイコーです。最初にこの流れを聴いた時には思わず涙が出そうでしたね。

「Falling In Love」
オススメその5。この曲もPaddy節全開の美メロ・チューン。この甘酸っぱいメロディを聴いていると昔にタイムトリップしてしまいますな。
http://www.youtube.com/watch?v=igWw6MCmrK0

「Sweet Gospel Music」
オススメその6。このあたりになると胸がトキメキすぎてドキドキしてきます(笑)。アレンジがイマイチだけどそんな事はどうでもいいです。
http://www.youtube.com/watch?v=EncLBa7KYcg

「Meet The New Mozart」
Paddy、貴方こそがNew Mozartなのでは?と思ってしまいます(笑)

「Angel Of Love」
ラストはPrefab Sproutらしいアンドロメダ級の感動バラード。久々に胸ときめいた本作の余韻に浸りながら聴きましょう。
http://www.youtube.com/watch?v=jIzTKTC7gLA

Paddy McAloonの風貌はどんどん仙人化していきますが、ヴォーカル&メロディは永遠の青春モードです。
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2009年11月13日

Jibri Wise One『Jibri Wise One』

R&Bファンも楽しめる90年代Hip-Hop。みんなが聴かずとも、僕は聴き続けます!☆Jibri Wise One『Jibri Wise One』
Jibri Wise One.jpg
発表年:1991年
ez的ジャンル:歌モノHip-Hop
気分は... :スポットライトを浴びるまでプッシュします!

今日はJibri Wise One唯一のアルバム『Jibri Wise One』(1991年)です。

多分、殆どの人が知らないアーティストだと思います。
僕自身も彼がラッパーであるということ以外は殆ど情報を持っていません。

アーティスト、作品名でさえ、長い間Jibriというアーティストの『Wise One』というアルバムだと思っていました(笑)

本作がリリースされた1991年当時も、日本では全く取り上げられることのないアーティストだったと思います。それでも1991年のある時期に僕が最も頻繁に聴いていたのが本作でした。

一応、Hip-Hopアルバムですが歌心のある"歌モノHip-Hop"といった内容になっています。その意味でNJS(New Jack Swing)あたりがお好きなR&Bリスナーも楽しめる作品です。


本作からは「I'll Be There for You」「House the Dog Built」 の2曲がシングルになっていますが、特にNJSチューン「I'll Be There for You」がサイコーです。また、「House the Dog Built」では、かのNile Rodgersがプロダクションに加わっています。

プロデュースはAngelo RayとChip Allen。Angelo Rayは、当ブログでも紹介したKevon EdmondsBabyfaceの兄)の『24/7』もプロデュースしている人物です。

Kevon Edmondsと言えば、久々のニュー・アルバム『Who Knew』を最近リリースしたばかりですね。

『Jibri Wise One』に話を戻すと、90年代初めらしいスタイルでHip-HopとR&Bが融合している点が好きですね。今聴いてもクラシック級のキラー・チューン満載の名作だと感じます。

いつかスポットライトを浴びることを信じて、このマイナーなアルバムをこれかもプッシュしていきたいと思います。

全曲紹介しときやす。

「House the Dog Built」
シングルにもなったオープニング曲。「I'll Be There for You」と並ぶハイライト曲かもしれませんね。前述のようにNile Rodgersがプロダクションに関与し、しかもサンプリングしているのがChic「Good Times」とくれば、Chic好きは聴かないわけにはいかないでしょう!「Good Times」ネタのベースラインに、Parliament「Give Up The Funk」のサンプリングも加わったP-Funk調の仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=mNYQw1epne4

「Sista Sista」
♪Sista Sista〜♪というセクシーな女性コーラスとJibriの歌心のあるフロウの絡みがいい感じのミッド・チューン。

「I'll Be There for You」
本作のハイライト。1991年の僕のウォークマン・ヘビロテBest10に入っていたと思います。NJS好きには相当グッとくる歌モノHip-Hopです。本作の良さを知ってもらうために、まずはYouTubeで本曲をぜひ聴いてみてください!
http://www.youtube.com/watch?v=ma9R-YyT3Us

「Livin' in the Life」
タイトルの通り、Isley Brothers「Livin' in the Life」(アルバム『Go For Your Guns』収録)ネタです。サンプリングというよりも本物カラオケ状態ですが(笑)。その意味では「Livin' in the Life」のラップ・リメイクという感じですね。Isleys好きの僕は当然お気に入りです。

Isley Brothers「Livin' in the Life」
http://www.youtube.com/watch?v=ssWDBMkm8ZE

「Coulda', Woulda', Shoulda'」
胸キュン・モードのスロウなメロウ・チューン。 これぞ歌心こそが歌モノHip-Hop!

「Life Ain't No Movie」
この曲もいかにも歌モノHip-Hopですね。良くも悪くも90年代初めな感じですね(笑)

「Blame It on the Horns」
James Brown「Get on the Good Foot」ネタのファンキー・チューンです。

「Waves of the Vibes」
超オススメ!当時「I'll Be There for You」に次いでよく聴いていたのが本曲でした。夜遊びモードの雰囲気がプンプンする大盛り上がりしそうな1曲です。

「Time to Get Black Up」
Staple Singers「I'll Take You There」ネタのソウルフルな仕上がり。ゲスト・ラッパーも加わり、なかなか盛り上がります。

「Earth Peace」
ラストはヒップ・ハウス調のアッパー・チューン。このあたりも90年代初めらしいですね。Aretha Franklin「Respect」ネタ。

情報が極めて乏しい本作関して、記事にするほどのボリュームになるのか???でしたが、とりあえずかたちになりました(笑)
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2009年11月12日

Duke Pearson『How Insensitive』

ブラジリアン・フレイヴァーが魅力の異色作☆Duke Pearson『How Insensitive』
ハウ・インセンシティヴ
録音年:1969年
ez的ジャンル:コーラス&ブラジリアン・ジャズ
気分は... :2つの味が同時に楽しめます!

再評価の高まるジャズ・ピアニスト/作曲家/アレンジャーDuke Pearsonの4回目の登場です。

これまで紹介してきたDuke Pearsonのリーダー作は以下の3枚。

 『Sweet Honey Bee』(1966年)
 『The Right Touch』(1967年)
 『The Phantom』(1968年)

4枚目に紹介するのは1969年録音の異色作『How Insensitive』です。

ジャズ・サイドからの評価はイマイチかもしれませんが、クラブ・サイドからの評価が高い1枚ですね。サバービア・ファンにもお馴染みのPearson作品だと思います。

アルバムの内容は大きく2つに分かれます。
オリジナルLPのA面はコーラス隊(Jack Mannoが率いるNew York Group Singers' Big Band)をフィーチャーし、ジャズ、ゴスペル、ソウルが入り交じったヴォーカル作品が並びます。それに対してB面はブラジル音楽/ボサノヴァで占められます。

今日において本作の人気が高いのは、B面の「Sandalia Dela」「Lamento」といったブラジリアン・フレイヴァーに対する支持に拠るものです。

Duke Pearson(p、el-p、flh)以外の録音メンバーはA/B面で異なります。

A面(B面の1曲を含む)はAl Gafa(el-g)、Bob Cranshaw(b)、Mickey Roker(ds)、Airto Moreira(per)、Andy Bey(vo)、New York Group Singers' Big Band(voices)といったメンバーです。

一方、B面のうち3曲はDorio Ferreira(g)、Bebeto Jose Souza(b)というTamba 4の2人、Airto Moreira(ds)とFlora Purim(vo)夫妻、Mickey Roker(per)というブラジル人ミュージシャン中心の編成です。

これまで紹介してきた3枚のリーダー作と比較すると、異色の作品という感じですが、ジャズの枠を広げようとするPearsonのチャレンジを楽しめる作品です。

本作の魅力がブラジリアン・サイドのB面にあるのは事実ですが、Jack Mannoの貢献が大きいA面にも別の楽しみがあります。

全曲紹介しときやす。

「Stella By Starlight」
オープニングは有名なスタンダード「星影のステラ」です(Ned Washington/Victor Young作品)。エレガントかつ軽やかな男女コーラスがいいですね。Pearsonも小粋なピアノを聴かせてくれます。A面ではコレが一番好きです。

「Clara」
有名なGershwin作品であるオペラ『Porgy and Bess』の「Clara, Clara, Don't You Be Downhearte」です。ここではAndy Beyが味わい深いヴォーカルを聴かせてくれます。荘厳の雰囲気がいいですね。ここではPearsonのフリューゲルホーンを聴くことができます。

「Give Me Your Love」
Duke Pearsonのオリジナルです。Andy BeyとNew York Group Singers' Big Bandの素晴らしいヴォーカルを堪能できるゴスペル・モードの仕上がりです。

「Cristo Redentor」
Duke Pearsonのオリジナルです。New York Group Singers' Big Bandのコーラスワークを堪能しましょう。思わずお祈りしたくなるような荘厳さがあります。Pearsonがピアノではなくエレピを弾いているのが面白いですね。

「Little Song」
Jack Manno作品。少し重たい感じが3曲続いたので、軽快なコーラスの本曲が際立ちますね。

ここまでがオリジナルLPのA面です。

「How Insensitive」
後半は「Insensatez」のタイトルでも知られているVinicius DeMoraes/Antonio Carlos Jobim作品で幕を開けます。当ブログでは以前にTriste Janeroのカヴァーを紹介しました。ここでは繊細なPearsonのピアノ・ソロで聴かせてくれます。

「Sandalia Dela」
本作のキラー・チューンと言えば、ブラジリアン・フレイヴァー全開の本曲で決まりです。Flora Purimの涼しげなヴォーカルが実にいいですね。ブラジル音楽好きは間違いなく気に入る定番曲です。Fantastic Plastic Machine「Bossa For Duke」で大々的に使われていますね(笑)

Fantastic Plastic Machine「Bossa For Duke」
 http://www.youtube.com/watch?v=kyCm1dwxMmg

僕の所有するCD(国内盤)に本曲の作者がJack Manno/Duke Pearsonと記載されていますが、これって間違いですよね!本曲はLuiz Claudio作「Deixa a Nega Gingar」の別タイトルだと思います。「Deixa a Nega Gingar」は以前にClara Morenoのカヴァーを紹介していますし、Elza Soares、Orlandivo、Regininha、Wanda Sa等もカヴァーしています。

「My Love Waits (O Meu Amor Espera) 」
この曲は正真正銘Jack Manno/Duke Pearson作品です。本曲のみA面と同じメンバーがバックを務めています。以前に紹介した『The Right Touch』の中でも演奏していたので、聴き比べてみるのも楽しいのでは?本作ではNew York Group Singers' Big Bandによるサウダージ・モードの男女コーラスがグッときます。

「Tears(Razao De Viva)」
Eumir Deodato作。ロマンティックという点ではアルバム随一なのでは?Flora Purimが大人のヴォーカルを聴かせてくれます。吐息まで聞こえてきそうです(笑)

「Lamento」
ラストはVinicius DeMoraes/Antonio Carlos Jobim作品。「Sandalia Dela」と並ぶハイライト。個人的には一番好きですね。大人のボッサ・チューンって雰囲気がFlora Purimのヴォーカルとマッチしていると思います。

本作に関しては、YouTube、imeem共に全く音源がありませんでした(泣)
先月紹介したGrant Green『Visions』同様、お値打ち価格1,100円の再発シリーズで国内盤CDをゲットできます。
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2009年11月11日

Fairground Attraction『The First Of A Million Kisses』

最初で最後のオリジナル・アルバム☆Fairground Attraction『The First Of A Million Kisses』
The First of a Million Kisses
発表年:1988年
ez的ジャンル:ジャジー&アンティーク系アコースティック・サウンド
気分は... :百万回のキスのうちの●●回目?

今日はFairground Attraction唯一のオリジナル・スタジオ作『The First Of A Million Kisses』(1988年)です。

Fairground Attractionは、Eddi Reader(vo)、Mark E. Nevin(g)、Simon Edwards(guitarron)、Ray Dodds(ds、per)の4人により結成されたグループ。
※guitarron(ギタロン)はベースの役割を果たすメキシコの民族楽器

セッション・ヴォーカリストであった紅一点Eddi Readerが旧友のMark E. Nevinにコンタクトを取ったことがグループ結成のきっかけとなったようです。

1988年にデビュー・シングル「Perfect」をリリース。いきなりUKシングル・チャートNo.1に輝きます。続いて、今日紹介するデビュー・アルバム『The First Of A Million Kisses』をリリースし、こちらもUKアルバム・チャートNo.1に輝きます。

こうして瞬く間にUKのシングルおよびアルバム・チャートを制覇してしまった彼らでしたが、その反動も大きかったようで2ndアルバムがリリースされることがないまま、1990年にグループは解散しています。

Eddi Readerはその後ソロ・シンガーとしてコンスタントに活動を続けています。

Eddi Readerの素晴らしいヴォーカルと優しく小粋なアコースティック・サウンドは、UKのみならず日本でも大人気となりましたね。

きっとフォトグラファーElliot Erwittの作品を使ったジャケに惹かれて、ジャケ買いした人も多いアルバムだと思います。タイトルは邦題『ファースト・キッス』よりも、原題『The First Of A Million Kisses(百万回のキスのうちの最初のキス)』の方が素敵ですよね。

こうしたジャケやタイトルと中身が一致しているのが本作の魅力ですよね。

僕の場合、日本でのあまりの人気ぶりに少し冷めた目で眺めているフリをして、密かに聴いていました。当時は今ほど素直では無かったので(笑)

今回久々に聴きましたが、昔聴いていた時以上に新鮮でしたね。
本作のようなアコースティック・サウンドは時間経過しても、音が古臭くならないのが魅力かもしれませんね。むしろ、芳醇な味わいが増すといった感じでしょうか。

(本来の意味は別として)"ヴィンテージ"というより"アンティーク"という言葉が似合う80年代作品という気がします。

全曲紹介しときやす。

「A Smile in a Whisper」
このオープニングを聴けば、彼らの音楽のピュアな魅力が伝わってきますね。歌・メロディ・サウンド全てに魅了され、少しだけセンチメンタルな気分になってしまいます。特にグロッケンシュピール(鉄琴の一種)の音色にグッときてしまいます。
http://www.youtube.com/watch?v=Ye4Kp7xDc3M

「Perfect」
前述のようにUKチャート第1位となった大ヒット・シングル。グループの代名詞のような曲ですね。「二番目は嫌、パーフェクトじゃなきゃ嫌なの」と軽快なテンポで歌われるスウィンギーなネオアコ・チューン。Eddiのキュートな歌声とオールディーズを聴いているかのような懐かしくキャッチーなメロディがいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=_OWzDP5cnE0

Cubismo Grafico Five、羊毛とおはな、元ちとせ、Bonnie Pink、といった日本人アーティストが数多くカヴァーしていますね。個人的にはイチローが出演していたENEOSのCMで流れていた羊毛とおはなのカヴァーがオススメ。

羊毛とおはな「Perfect」
 http://www.youtube.com/watch?v=_ONivFkLT1s

「Moon on the Rain」
素朴でナチュラルな雰囲気が魅力のフォーキー・チューン。
http://www.youtube.com/watch?v=wTKa946fwVc&feature=fvw

「Find My Love」
「Perfect」に続きシングル・カットされ、UKチャート第7位となったヒット曲。メキシカン・フレイヴァーのノスタルジックな仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=InNMprncrTs

「Fairground Attraction」
グループ名を冠した曲は、ノスタルジック&哀愁モードの仕上がりです。シニカルなドラマのBGMにマッチしそう。

「The Wind Knows My Name」
Markの書く素晴らしい楽曲と、表情豊かなEddiのヴォーカルが見事にマッチした感動的な仕上がり。一人でぼんやりと聴いていたい曲ですね。
http://www.youtube.com/watch?v=OXvUpp2eq_k

「Clare」
実に洗練された小粋なジャジー・チューン。トーキーの映像あたりとマッチしそうなサウンドですね。クラリネットが盛り上げてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=4569luyzLSY

「Comedy Waltz」
少し寂しげな雰囲気にグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=s5T5wJ7ZCrQ

「The Moon Is Mine」
サバービア好きの人は「Perfect」以上にパーフェクトな魅力を感じる曲なのでは?僕も一番好きな曲。ジャジーなアレンジ、キュートなヴォーカル、キャッチーなメロディが上手く調和した小粋な名曲だと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=TKH3evjgkBc

「Station Street」
スタンダードのカヴァーのような雰囲気の仕上がりです。アコーディオンの音色がノスタルジック・ムードを盛り上げます。

「Whispers」
密かに気に入っているのが本曲。この曲のみEddi Readerが曲を書いています。70年代の女性SSW的な魅力に溢れているのがグッド!

「Allelujah」
今の時期にしみじみと聴きたくなる1曲。♪冬はもう遠くない♪

「Falling Backwards」
本作の持つジャジーな雰囲気がお好きな人ならば気に入るのでは?

「Mythology」
ラストは少しスパニッシュっぽい哀愁チューン。

僕の場合、Eddi Readerのソロは殆どフォローできていないのですが、機会があればちゃんと聴いてみたいですね。
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2009年11月09日

Funkadelic『Maggot Brain』

初期Funkadelicを代表する1枚☆Funkadelic『Maggot Brain』
Maggot Brain
発表年:1971年
ez的ジャンル:ブラック・ロック系P-Funk
気分は... :脳ミソが腐ってくるー!

George Clinton率いるFunkadelicの2回目の登場です。

これまで当ブログで紹介してきたFunkadelic/Parliament作品は以下の3枚。

 Funkadelic『Uncle Jam Wants You』(1979年)
 Parliament『Mothership Connection』(1975年)
 Parliament『Funkentelechy Vs. The Placebo Syndrome』(1977年)

今日紹介するのは初期Funkadelicを代表する作品『Maggot Brain』(1971年)です。

前回紹介した『Uncle Jam Wants You』(1979年)の頃は、FunkadelicParliamentの違いが殆ど無くなっていますが、本作『Maggot Brain』はギター中心のブラック・ロック的アプローチが特徴的であり、Funkadelicらしさを堪能できる1枚になっています。その意味では、ソウル/ファンク好き以上にロック・ファンの支持が高いのかもしれませんね。

かつてVernon Reid率いるLiving Colourの『Vivid』(1988年)がヒットした頃、"黒いLed Zeppelin"と形容されましたが、本作のハイライト曲「Super Stupid」を聴くと、まさに黒いLed Zeppelinって感じです。

本作でGeorge Clinton総帥以上に目立っているのはギターのEddie Hazel。ロック・ファンにとっては、Jimi Hendrixを意志を受け継いだかのようなHazelのギター・プレイこそ最大の聴きどころでしょう。ギター・フリークではない僕がこんな事を書いても全く説得力がありませんが。

個人的には、ブラック・ロック的なアルバムと言っても、フォーク、ゴスペル、ドゥーワップ、ファンク、スカ等の要素も上手く取り入れており、手探りで自分達のスタイルを模索している雑多な構成が好きです。

何かわからないけど、凄いものが生まれてきそうな雰囲気は十分感じ取ることができる点がいいですね。

Eddie Hazelばかり目立っていますが、Bernie Worrellも頑張っています(笑)

全曲紹介しときやす。

「Maggot Brain」
Eddie Hazelのギターがひたすら咽び泣くスロー・チューン。10分を越える曲ですが、聴いているうちトリップ・モードになってくる中毒的な演奏です。Mike Watt等がカヴァーしています。Pearl Jamもライブで演奏したことがあるみたいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=dh3bleXWaCk

「Can You Get to That」
アコギによるフォーキー感覚のサウンドとゴスペル&ドゥーワップ調のヴォーカルの組み合わせが印象的です。
http://www.youtube.com/watch?v=8rrOdcnFbAY

「Hit It and Quit It」
この曲ではBernie Worrellのオルガン&ヴォーカルがフィーチャーされたブルージーな仕上がり。オルガン・グルーヴ好きの人はグッときますよ!ラストはEddie Hazelのギターが唸りを上げます。Ant Banks「Hit It」のサンプリング・ネタにもなっています。
http://www.youtube.com/watch?v=EBXU2t4hodo

Ant Banks「Hit It」
 http://www.youtube.com/watch?v=UOjjYRc55QE

「You and Your Folks, Me and My Folks」
「Super Stupid」、「Wars of Armageddon」と並ぶ僕のお気に入り。ダーク&へヴィなグルーヴがグッとくるファンク・チューン。Billy Bass Nelsonのヴォーカルと女性コーラスとの絡みもグッド!
http://www.youtube.com/watch?v=vl1-yfL_SKg

Insane Poetry「Manic Depressive」、Chris Rock「Your Mother Got A Big Head」、Havoc & Prodeje「Poot Butt Gangsta」等で使われている人気サンプリング・ソースでもあります。

Havoc & Prodeje「Poot Butt Gangsta」
 http://www.youtube.com/watch?v=rQR4tjajs0g

「Super Stupid」
本作のハイライトとしてこの曲を挙げる方は多いのでは?ブラック・ロックとしてのFunkadelicを最も堪能できる1曲です。よく言われるように、Led Zeppelin+Jimi Hendrixって感じですね。当然ながらEddie Hazelが暴れまくります。
http://www.youtube.com/watch?v=oVHrvx-Ua68

僕の場合、ハードロック/へヴィメタルの類は殆ど聴きません。でもLed Zeppelinだけ例外的にたまに聴きたくなり、数えるほどですがCDも保有しています。なぜZeppelinだけはO.K.なのか?自分でも理由がよくわかりませんでしたが、Funkadelic版Zeppelinって雰囲気の本曲を聴いていたら何となく納得できてしまいました。

「Back in Our Minds」
「Super Stupid」のハイテンションから一変して、ルーズでゆる〜い感じの仕上がりです。この曲はFunkadelicというよりもParliamentっぽいですね(笑)
http://www.youtube.com/watch?v=81o_migAagY

「Wars of Armageddon」
僕の中ではコレが本作のハイライト。まさにハルマゲドン状態の混沌としたファンク・チューンにアドレナリンが出まくります。軽くスカっぽいテイストが入っているのも面白いですね。本曲を聴いて真っ先に連想したのは、当ブログでも紹介した『Agharta』『Pangaea』といったエレクトリック・マイルス作品ですね。呪術的で危険な香りのするダーク&へヴィな雰囲気は両者に共通すると思います。
http://www.youtube.com/watch?v=ddgAnzKdB4Y

最近のCDにはボーナス・トラックとして「Whole Lot of BS」「I Miss My Baby」「Maggot Brain(Alternative Mix)」が追加収録されているようです。

Redman『Dare Iz A Darkside』のジャケは本作へのトリビュートですね。

Redman『Dare Iz A Darkside』
Dare Iz a Darkside
posted by ez at 01:12| Comment(2) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする