発表年:1992年
ez的ジャンル:シカゴ・ハウス系ゲイシンガー
気分は... :アルバムで聴くのは邪道かもしれませんが...
今回は久々にハウス作品を取り上げたい気分です。
セレクトしたのはJamie Principle『Midnite Hour』(1992年)
ハウス・アルバムの紹介は、2008年9月に紹介したMoodymann『Silentintroduction』(1997年)以来になります。
本当は90年代前半によく聴いていたStrictly Rhythm、III East、nervous、Madhouse、Azuli等レーベル単位のコンピ・アルバムを取り上げたいのですが、現在入手困難で音源も殆ど見つからないので、Jamie Principle『The Midnite Hour』にしました。
ハウス作品の記事で毎回書いていますが、そもそもハウスを家で聴いたり、アルバム単位で聴くいう行為自体が邪道ですが...まぁ、別の意味でのハウス(自宅)・ミュージックということで(笑)
Jamie Principleはシカゴ・ハウスを代表するプロデューサー/男性(ゲイ)シンガー。
今日紹介する『The Midnite Hour』(1992年)以前にも、Frankie Knucklesプロデュースの「Waiting On My Angel」(1985年)をはじめ、「Your Love」(1986年)、「Baby Wants To Ride」(1987年)、「Bad Boy」(1988年)、「I'm Gonna Make You Scream」(1988年)、「Rebels」(1988年)、「Cold World」(1989年)、「Date With The Rain」(1990年)といったシングルをリリースしています。
「Waiting On My Angel」(1985年)
http://www.youtube.com/watch?v=cMYswbnLaqg
「Your Love」(1986年)
http://www.youtube.com/watch?v=kup0BdoLzbg
「Baby Wants To Ride」(1987年)
http://www.youtube.com/watch?v=sbfcIcaNiN0
「Bad Boy」(1988年)
http://www.youtube.com/watch?v=eaCllYc6Yyo
「Rebels」(1988年)
http://www.youtube.com/watch?v=g7FfBdqhUVE
「Cold World」(1989年)
http://www.youtube.com/watch?v=MIrEvATOrpA
『The Midnite Hour』は、Robert Owens『Visions』(1990年)と並んで、よく聴いていた男性(ゲイ)シンガーのハウス・アルバムです。
当ブログで過去に紹介したCrystal Waters、Ce Ce Peniston、Ultra Nateといったハウス・ディーヴァの作品と比較して、危険な香りが漂うのが魅力でしたね。
儚い哀愁ヴォーカルが魅力であったRobert Owensに対して、Jamie Principleは倒錯の世界のダンス・ミュージックって感じが好きでしたね。
本作『The Midnite Hour』では、同じくシカゴ出身の人気プロデューサーSteve "Silk" Hurley がプロデュース、アレンジ、ミックスを担当しています。本作が自宅で聴けるハウス・アルバムに仕上がっているのはHurleyのおかげだと思います。
ちょうど彼が手掛けたCe Ce Peniston「We Got a Love Thang」がヒットした頃であり、Hurleyの仕事の充実ぶりが窺えます。
全曲紹介しときやす。
「Private Joy」
鐘の音と共にスタートする倒錯ワールド。初期Princeあたりにも通じる変態チックな雰囲気がいいですね。
「Hot Body」
今も昔も一番のお気に入り曲。Jamie Principleの魅力とSteve "Silk" Hurleyの仕事ぶりが見事に噛み合った1曲だと思います。ハウスを聴かない人でも気に入るダンス・ミュージックに仕上がっています。YouTubeにはリミックスしか無かったので、そちらを紹介しておきます。ある意味Steve "Silk" Hurleyらしい仕上がりですが。
「Hot Body(Silky Soul 12')」
http://www.youtube.com/watch?v=UzUpQxmCa7Q
「You're All I've Waited 4」
「Hot Body」と並ぶ本作のハイライト。危険な快楽ワールドって雰囲気が好きですね!ハウス好きの人はグッとくるはずです。
「Do It」
哀愁のメロディにグッとくる1曲。このあたりはアルバムを意識した仕上がりかもしれませんね。M. Docのラップもいいアクセントになっています。
「Sexuality」
スッキリとしたサウンドがJamieっぽくないかも?と思ったら、この曲のみSteve "Silk" Hurleyのプロデュースではありません。個人的にはMr. Fingers『Introduction』あたりと一緒に聴きたくなります。
「Taste My Love」
このあたりはR&Bチューンとしても楽しめるミッド・チューンに仕上がっています。
「Please Don't Go Away」
キャッチーさという点では「Hot Body」と並んで聴きやすいハウス・チューン。ハウス好きには少し物足りないかもしれませんが...
「The Midnite Hour」
本作以前からのJamieファンは、小細工なしにグイグイくるこのタイトル曲が一番グッとくるのでは?Chantay Savage、Madeline Stricklandらのソウルフル&ダイナマイトなバック・ヴォーカル陣も盛り上げてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=GQ9xVr_LKao
「I've Cried All My Tears」
「If It's Love」
ゲイシンガーならではの哀愁モードのスロウ・チューン2曲。特に「If It's Love」はグッときますよ。Robert OwensやJamie Principleって、"Tears"という言葉がやけにフィットしますね。オープニングを受けて、ラストも鐘の音で幕を閉じます。
「If It's Love」
http://www.youtube.com/watch?v=MJr9IoYpbts
Robert Owens『Visions』(1990年)もそのうち紹介したいですね。