2009年12月31日

ezが選ぶ2009年の10枚

年末最後のエントリーは、毎年恒例の年末特別編『ezが選ぶ2009年の10枚』です。今年購入した新譜CDからお気に入りの10枚を紹介します(順不同)。
※全て当ブログで紹介した作品です。作品の詳細は各エントリーをご参照下さい。

Marina Martensson『Fences』
フェンシズ
「Coffee Everyday」
http://www.youtube.com/watch?v=D-2L32GweUQ

Luis『Do it』
Do It
「I Can't Wait」
http://www.youtube.com/watch?v=l4I-k31Pevs

The Quiet Nights Orchestra『Chapter One』
チャプター・ワン
「Swell」
http://www.youtube.com/watch?v=SFW3TpvAweU

Milano Jazz Dance Combo『Milano Jazz Dance Combo』
ミラノ・ジャズ・ダンス・コンボ
「Much More」
http://www.youtube.com/watch?v=sfINIgk-PtI

Marcos Valle E Celso Fonseca『Pagina Central』
パジナ・セントラウ [ボーナス・トラック付]
「Pagina Central」
http://www.youtube.com/watch?v=sej4KfNCYsE

Bebel Gilberto『All In One』
All in One
「The Real Thing」
http://www.youtube.com/watch?v=x5R1WG5glDw

Kero One『Early Believers』
アーリー・ビリーヴァーズ
「When The Sunshine Comes」
http://www.youtube.com/watch?v=3P6D1ETR5sM

Pseudo Slang『We'll Keep Looking』
We'll Keep Looking
「Walkin'」
http://www.youtube.com/watch?v=ek9t-AGzprk

Chrisette Michele『Epiphany』
Epiphany
「Notebook」
http://www.youtube.com/watch?v=V14BvaUkrJM

Angie Stone『Unexpected』
Unexpected
「Why Is It」
http://www.youtube.com/watch?v=gVGAyClAMK8

欧州、クラブジャズ、ブラジル、ジャジーHip-Hop、R&Bからそれぞれ2枚ずつセレクトした10枚です。

今年は女性SSWにハマった1年でした。その中でもMarina MartenssonLuisなど欧州アーティストの作品は新鮮でしたね。

クラブジャズは2枚に絞り込むのに苦労しました。北欧、イタリアを中心にグッとくる作品が多かったですね。UKジャズ・ファンクも充実していたのでセレクトしたかったのですが泣く泣く断念しました。そんな激戦ジャンルでセレクトしたThe Quiet Nights OrchestraMilano Jazz Dance Comboは自信を持ってオススメできます。

ブラジルからはMarcos Valle & Celso FonsecaBebel Gilbertoの2枚をセレクト。前者は人気ミュージシャンの共演だけに終わらない充実のブラジリアン・メロウを堪能しました。後者はオール・イン・ワンなコンテンポラリー・センスにグッときます。

ジャジーHip-Hopも充実作の多い1年であり、かなり悩んだ末に選んだ2枚です。Kero OneはHip-Hopの枠を枠を飛び越えたアプローチに益々期待が高まります。Pseudo Slangは今年聴いた中では最もジャズ・フレイヴァーの効いた作品でした。

R&Bは全体的にやや低調な1年だった気がします。そんな中でChrisette MicheleAngie Stoneという新旧女性シンガーが素晴らしい歌声を聴かせてくれました。Chrisette Micheleは2作目にして大物R&Bシンガーの仲間入りをしましたね。

今年も上記10枚以外に特別賞として以下の3枚をセレクトしてみました。
昨年同様10枚に収まらなかった特例措置です(笑)

カムバック賞Prefab Sprout『Let's Change the World with Music』
レッツ・チェンジ・ザ・ワールド・ウィズ・ミュージック
「Music Is A Princess」
http://www.youtube.com/watch?v=KYN1E8MAkWw
Paddy McAloonのエヴァーグリーンなメロディ&ヴォーカルに涙して喜んだのは僕だけではないはず!

幻の作品賞Q-Tip『Kamaal The Abstract』
カマール・ジ・アブストラクト
「Even If It Is So」
http://www.youtube.com/watch?v=yk7-qObc11s
昨年のカムバック作『The Renaissance』に続き、幻の作品の正規リリースはATCQファン、Q-Tipファンにとって嬉しいプレゼントでした!

新人賞Diane Birch『Bible Belt』
Bible Belt
「Nothing But A Miracle」
http://www.youtube.com/watch?v=MO51LVGTcKA
来日公演も大盛況だった2009年のシンデレラSSW。当ブログではかなり早い時期からプッシュしていたので、この盛り上がりは嬉しいですね!

僕にパワーを与えてくれた素晴らしい作品に改めて感謝する年末です。
皆さんは今年どんな素敵な音楽に出会いましたか?
では良いお年を!
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2009年12月30日

Manfred Mann『Mann Made』

独自のサウンド・センスが冴え渡る2nd☆Manfred Mann『Mann Made』
Mann Made
発表年:1965年
ez的ジャンル:Mod系ブリティッシュ・ビート
気分は... :年末は小粋なサウンドで!

年末モードの中で何となくManfred Mannが聴きたくなりました。
派手さはないけど小粋なサウンドを欲しているのかもしれません。

60年代に活躍したモッドなブリティッシュ・ビート・グループManfred Mannの紹介は4回目になります。

これまで紹介したManfred Mann作品は以下の3枚(発売順)。

 『Five Faces Of Manfred Mann』(1964年)
 『Soul Of Mann』(1967年)
 『Up The Junction』(1968年)

今回は2ndアルバム『Mann Made』(1965年)です。

60年代UKロックで同一アーティストを4回以上紹介しているのは、BeatlesRolling StonesThe WhoKinksといったビッグネームくらいだと思います。

自分ではManfred Mann好き!という意識はないのですが、案外僕の嗜好に合致しているグループなのかもしれません。また、数ある60年代ブリティッシュ・ビート・グループの中でも、R&B、ジャズを巧み取り入れた独自サウンドは最も今の時代にフィットしている気がします。そのため、ブログで紹介しやすいという面もあるのかも?

そんなManfred Mannらしい独自のサウンド・センスを堪能できる作品が2ndアルバム『Mann Made』です。

前作に続きメンバーは、Manfred Mann(key)、Mike Hugg(ds、vib)、Paul Jones(vo、harp)、Tom McGuiness(b)、Mike Vickers(g、sax)の5人です。

シングル・ヒットが収録されていないため手を出しづらい面があるかもしれませんが、ファンの間では初期(HMV時代)の傑作との評価もある作品です。R&B色が強かったデビュー・アルバム『Five Faces Of Manfred Mann』(1964年)以上にカラフルなサウンドを楽しむことができます。特にオルガン、ヴァイヴ、サックスあたりにManfred Mannらしさが感じられます。勿論、Paul Jonesのソウルフルなヴォーカルも健在です。

本作を最後にMike Vickersが脱退し、Paul Jonesも独立を表明します(結局1966年夏まで在籍)。その意味でオリジナル・メンバー5名ならではのManfred Mannサウンドを楽しめる貴重な作品だと思います。

全曲を紹介しときやす。

「Since I Don't Have You」
ドゥーワップ・グループSkyliners、1958年のヒット曲カヴァー。Barbra StreisandArt Garfunkel、Don McLean、Guns N' Roses等もカヴァーしています。ブリティッシュ・ビート・グループらしいR&Bテイストの仕上がりにグッときます。Paul Jonesのヴォーカルが素晴らしいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=pteJ5GSMCaQ

「You're For Me」
Mike Vickers作のオリジナル。小粋なモッド・ジャズ・テイストが実にManfred Mannらしいですね。

「Look Away」
Janis Joplinの名カヴァーで有名な「Cry baby」のオリジナル・ヒットで知られるR&BシンガーGarnet Mimmsの1964年のシングルをカヴァー(Bob Russell/Norman Meade作)。この曲はThe Spencer Davis Groupもカヴァーしているので聴き比べるのも楽しいですね。個人的にはManfred Mannヴァージョンの方がクールで格好良いと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=lY_xzdmn5cQ

The Spencer Davis Group「Look Away」
 http://www.youtube.com/watch?v=7gnJmmMO96A

「The Abominable Showmann」
Mike Vickers作のオリジナル。『Soul Of Mann』にも収録されていたブルージーなインスト・チューン。Manfred Mannのオルガンにグッときます。Mike Huggのヴァイヴもいいアクセントになっていてグッド!
http://www.youtube.com/watch?v=9iAZoYBXTPo

「Watch Your Step」
ブルース・シンガー/ギタリストBobby Parkerのカヴァー。この曲もThe Spencer Davis Groupもカヴァーしているので聴き比べてみては?これについては両者甲乙つけ難いですね。
http://www.youtube.com/watch?v=XxXSKZJSk80

The Spencer Davis Group「Watch Your Step」
 http://www.youtube.com/watch?v=DVga3Hb9jSg

「Call It Stormy Monday」
T-Bone Walker作のブルース・スタンダード。 「Stormy Monday」「Stormy Monday Blues」のタイトルも含めて数多くのアーティストがカヴァーしています。一番有名なのはAllman Brothers Band『At Fillmore East』のライブ・カヴァーですね。ここではPaul Jonesのブルージーなヴォーカル&ハープを楽しめます。
http://www.youtube.com/watch?v=94Qsw44NFnw

「I Really Do Believe」
Paul Jones作のオリジナル。軽快な仕上がりですが僕の好みではありません。
http://www.youtube.com/watch?v=O1m695EZXWw

「Hi Lili, Hi Lo」
Helen Deutsch作詞、Bronislau Kaper作曲のポピュラー・ソング。Alan Price Set等もカヴァーしています。ブリティッシュ・ビート・グループらしい仕上がりにグッときますね。
http://www.youtube.com/watch?v=kWcZpPRbnwE

「The Way You Do The Things You Do」
The Temptations、1964年のヒット・シングルをカヴァー(Smokey Robinson/Bobby Rogers作)。モッズ好きの人はグッとくるカッチョ良いカヴァーに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=ZxwC_9X0DPs

「Bare Hugg」
Mike Hugg作のオリジナル。『Soul Of Mann』にも収録されていたモッドなインスト。オルガン、ヴァイヴ、フルートの音色にグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=Oc4C8MqbVpQ

「You Don't Know Me」
Cindy Walker/Eddy Arnold作。Eddy Arnoldのオリジナル以上に大ヒットした1962年のRay Charlesによるカヴァーが有名かもしれませんね。彼らもおそらくRay Charlesヴァージョンを意識していたと思います。

「L.S.D.」
Tom McGuinness作のオリジナル。ヴォーカル入りですが『Soul Of Mann』に収録されていました。Paul Jonesがブルージーなボーカル&ハープにグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=3QvlPuNkIoU

「I'll Make It Up To You」
ラストは「Look Away」に続きGarnet Mimmsのカヴァーです。オリジナルのソウルフルなテイストを引き継いだカヴァーです。

Garnet Mimms「I'll Make It Up To You」
 http://www.youtube.com/watch?v=wkiBkSZdqTg

僕の所有CDはオリジナルの全13曲構成ですが、最近のCDにはボーナス・トラックが12曲追加された全25曲になっている模様です。ボーナス・トラックは嬉しいですが、ここまでテンコ盛りになると、逆にオリジナルの良さが損なわれる気もします。

年内の通常エントリーは今日が最後です。
明日は年末恒例の特別企画『ezが選ぶ2009年の10枚』です。
お楽しみに!
posted by ez at 04:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年12月29日

The Trammps『Trammps』

Earl Youngを中心としたフィリー・サウンドにグッときます!☆The Trammps『Trammps』
トランプス(紙ジャケット仕様)
発表年:1975年
ez的ジャンル:ディスコ系フィリー・サウンド
気分は... :恋は流行病?

年末モードのせいでまったり気分です。
今回は普段あまり聴かない作品をCD棚より手にしてみました。

フィリー・ソウル〜ディスコ・グループThe Trammpsが1975年にリリースしたアルバム『Trammps』です。

Trammpsは、MFSBの中心メンバーであったEarl Young、リード・ヴォーカルJimmy Ellisを中心としたグループであり、フィリー・サウンドを支えた強力トリオB-H-Y(Ronnie Baker、Norman Harris、Earl Young)がプロデュースしていました。グループの経緯については省略しますが、映画『Saturday Night Fever』のサントラにも収録されていた「Disco Inferno」等のディスコ・ヒットで知られています。

「Disco Inferno」
http://www.youtube.com/watch?v=A_sY2rjxq6M

僕が保有するTrammps作品は『The Legendary Zing Album』『Trammps』の2枚。共に1975年にリリースされたものですが、前者はBuddahからのリリース、後者はB-H-Yが設立したGolden Fleeceからのリリースです。『The Legendary Zing Album』は1972年にリリースしたシングル等をまとめるかたちでリリースされたものであり、『Trammps』が1stアルバムという位置づけになるようです。

『The Legendary Zing Album』は約15年前CD化された際に購入しましたが、あまり僕との相性は良くないようです。ソウル名盤として位置づけられている作品なので、僕の聴き込み方が足りないのだと思いますが...

今日紹介する『Trammps』も聴く頻度は多くはありませんが、『The Legendary Zing Album』とは対照的にいつ聴いてもスンナリと楽しむことができます。キャッチーかつ華やかな仕上がりが聴きやすく僕向きなのかもしれません。

「Stop And Think」「Trusting Heart」「Love Epidemic」「Save A Place」「Where Do We Go From Here」「Shout」といったダンス・チューンがグッときますね。『なるほど!ザ・ワールド』の主題歌として使われていた「Trammps Disco Theme」は別の意味で感動します(笑)

ジャケに写っているメンバーは5人ですが、Dennis Harris(g)、Jimmy Ellis(vo)、Michael Thompson(ds)、Earl Young(ds、vo)、Doc Wade(g、vo)、Stan Wade(b、vo)、John Hart(or、vo)、Ron Kersey(p、vo)、Roger Stevens(tp)、John Davis(sax)、Fred Jointer(tb)という11名がメンバーのようです。

この方面は必ずしも僕のど真ん中ではありませんが、普遍的な魅力を持つダンス・サウンドだと思います。

全曲紹介しときやす。

「Stop And Think」
オープニングはつかみはOKといった感じのダンス・クラシック。Earl Youngが叩き出すビートにストリングスが重なり、そこにJimmy Ellisのリード・ヴォーカルとコーラスが加われば、そこはめくるめくフィリー・ワールド!
http://www.youtube.com/watch?v=I-1pIdIiYKM

「Trusting Heart」
シングルにもなったディスコ・クラシック。リズムがとにかく気持ちいいです!ライナーノーツに"サルソウル〜ハウスへの繋がりも感じさせる"と書いてありましたが、確かにそんな雰囲気ですね。
http://www.youtube.com/watch?v=BzFdYLksRqA

「Every Dream I Dream Is You」
ムーディーなスロウ。Earl Youngの低音ヴォーカルが印象的です。僕はちょっと苦手ですが...

「Love Epidemic」
スマッシュ・ヒットしたシングル。「恋は流行病」という邦題がスゴイですね。
http://www.youtube.com/watch?v=bsLaEdy4EA8

「Save A Place」
華やかなストリングスに誘われるダンス・チューン。リズム隊、ヴォーカル&コーラスもバッチリです!
http://www.youtube.com/watch?v=-cr528A_3IA

「Trammps Disco Theme」
前述のように『なるほど!ザ・ワールド』の主題歌としてお馴染みのインスト・チューン。どうしても愛川欽也、楠田枝里子の顔が浮かんできてしまいます(笑)
http://www.youtube.com/watch?v=dZp9ugHctCY

「Where Do We Go From Here」
Earl Youngの低音ヴォーカルと共に始まるダンス・クラシック。伝説のDJ、Larry LevanがParadise Garageの最終日ラストに流したのが本曲だそうです。それを聞くとさらに興味が湧いてきますね。
http://www.youtube.com/watch?v=0p45lTlxOjw

「Down Three Dark Streets」
哀愁のバラード。ダンス・チューンの出来栄えが秀逸なので、スロウ系の曲は印象が弱くなってしまいますね。

「I Know That Feeling」
ヴォーカル・グループとしてのTrammpsを堪能できるミッド・チューン。

「Shout」
ラストはIsley Brothersのカヴァー。ドゥーワップ風ですが軽快な仕上がりがグッド!
http://www.youtube.com/watch?v=_HPQ4uySAYA

CDにはボーナス・トラックとして、「Oh Waa Hey」「Just Say The Word」「Love Epidemic(extended version)」の3曲が追加収録されています。
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2009年12月27日

The Blow Monkeys『Animal Magic』

永遠の名曲「Digging Your Scene」収録の2nd☆The Blow Monkeys『Animal Magic』
アニマル・マジック(紙ジャケット仕様)
発表年:1986年
ez的ジャンル:UKブルーアイド・ソウル
気分は... :「Digging Your Scene」だけじゃない!

いよいよ年末モードになってきましたね。
年賀状、大掃除と何も手付かずで、そろそろ焦り始めています。
毎年このパターンに陥るのに、全く学習効果がないようです。

Dr.Robert率いるUKブルーアイド・ソウル・グループThe Blow Monkeysの2回目の登場です。

3rdアルバム『She Was Only A Grocer's Daughter』(1987年)に続いて紹介するのは、2ndアルバム『Animal Magic』(1986年)です。

僕にとってBlow Monkeysは、Style CouncilScritti Polittiあたりと並んでお気に入りの80年代UKグループでした。三者三様のソウル/R&Bへのアプローチに魅了されましたね。

2008年にDr. Robert(vo、g)、Neville Henry(sax)、Mick Anker(b)、Tony Kiley(ds)というオリジナル・メンバーで再結成を果たし、約18年ぶりの新作『Devils Tavern』をリリースしたBlow Monkeys。かつてのファンには嬉しいニュースだったのでは?

そんなThe Blow Monkeysの代表曲と言えば、やはり「Digging Your Scene」ですね。僕も「Digging Your Scene」で彼らにハマっていきました。

「Digging Your Scene」「It Doesn't Have To Be This Way」『She Was Only A Grocer's Daughter』収録)の2曲は、聴くだけで青春時代の思い出が一気に湧き出てくる特別な2曲です。

「Digging Your Scene」
 http://www.youtube.com/watch?v=ThfrfBlOE5E
「It Doesn't Have To Be This Way」
 http://www.youtube.com/watch?v=co8P6fN732U

そんな名曲「Digging Your Scene」を収録しているのが2ndアルバム『Animal Magic』(1986年)です。

デビュー・アルバム『Limping for a Generation』(1984年)は、名曲「Wildflower」等を収録しているにも関わらず、商業的には不発に終わりました。
「Wildflower」
 http://www.youtube.com/watch?v=wfJ1KAIyvlg

そんな反省を踏まえてか、本作では「Digging Your Scene」をはじめ、「Forbidden Fruit」「Wicked Ways」「Don't Be Scared Of Me」というキャッチーな楽曲がズラリと並び、シングル・カットされました。

これらシングル曲がアルバムのイメージを決定付けていることは確かですが、シングル以外の楽曲の方がBlow Monkeys及びDr. Robertのソウル志向を存分に堪能することができます。シングル曲を集めたベスト盤のみでBlow Monkeysをイメージすると、オリジナル・アルバムの方がよりディープな印象を受けると思います。

プロデュースは『Limping for a Generation』に続きPeter Wilsonが起用されています。Style Council作品でもお馴染みですね。

ソウル・マニアとしても有名なDr. Robertが創り出すブルーアイド・ソウルは、なかなか侮れないと思います。

全曲紹介しときやす。

「Digging Your Scene」
前述の通り、本作のハイライト曲。シングルとして、全英チャート第12位、全米チャート第14位のヒットとなりました。このゴージャスなグルーヴ感はいつ聴いてもグッときます。UKポップとソウル・ミュージックが見事な融合し、Blow Monkeysならではのブルーアイド・ソウルとして結実しています。僕にとって永遠の名曲です。
http://www.youtube.com/watch?v=ThfrfBlOE5E

「Animal Magic」
タイトル曲もかなりソウル度高いです。キャッチーさを狙ったシングル曲以上に、Dr. Robertのソウル・フリークぶりが反映された仕上がりになっています。

「Wicked Ways」
アルバムからの3rdシングル。「Digging Your Scene」同様Blow Monkeysらしいセクシー&キャッチーな哀愁ソウル・チューン。女性コーラス隊が盛り上げてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=d_Iw06HYh90

「Sweet Murder」
イントロでレゲエ・アーティストEek-a-MouseののSingjayをフィーチャー。ラガ・テイストにスタートしますが、全体としては浮遊感漂うファンキー・チューンに仕上がっています。Dr. Robertのギター・プレイも聴きものの1曲。サウンド的にはアルバムで一番グッとくるかも?

「Aeroplane City Lovesong」
フォーキーながらもエレガント&セクシーなソウル・チューン。パーカッシヴな仕上がりがモロに僕好み。シングル曲以外では一番のお気に入り。Neville Henryをはじめとするホーン隊も盛り上げてくれます。

「Walking the Blue Beat」
オリジナルLPには未収録だった正統派ソウル・チューン。Dr. Robertのソウル・ミュージックへの愛情が感じられます。

「I Nearly Died Laughing」
少しイナたい感じがグッとくるソウル・チューン。
http://www.youtube.com/watch?v=UrTDJHvccuI

「Don't Be Scared Of Me」
アルバムからの4thシングル。ノーザン・ソウル/モータウン調のキャッチーな仕上がりがグッド!
http://www.youtube.com/watch?v=JDbBj0oe98Q

本アルバムには未収録ですが、シングルB面に収録されたCurtis Mayfield「Superfly」のカヴァーも要チェックですね。さらに次作『She Was Only A Grocer's Daughter』ではCurtis Mayfield本人との共演を果たすことになります。

Blow Monkeys「Superfly」
http://www.youtube.com/watch?v=zgZrxguYwJw

「Burn The Rich」
アーシー&ブルージーな仕上がり。シングル曲でしかBlow Monkeysを聴いていない人は、こんな土臭いDr. Robertは意外に感じるのでは?

「I Backed A Winner (In You) 」
The Demon Barbersによるドゥーワップ・コーラスをバックに従えたアコースティック・ソウル。

「Forbidden Fruit」
アルバムからの1stシングル。元T.RexMickey Finnがボンゴで参加しています。曲自体はセクシーなポップ・チューンに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=Rmtd1YI0fL8

「Heaven Is A Place I'm Moving To」
ラストはアコースティック・ソウルで締めくくってくれます。Dick Morrisseyのソプラノ・サックスもグッド!

彼らの再結成自体はいいと思いますが、激太りでかつての色男ぶりは見る影もないDr. Robertの姿はかなりビミョーです(笑)
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2009年12月26日

Doces Cariocas『Doces Cariocas(Sweet Cariocas)』

噂のユニットのアルバムが新装されて登場!☆Doces Cariocas『Doces Cariocas(Sweet Cariocas)』
Sweet Cariocas
発表年:2009年
ez的ジャンル:アコースティックMPB
気分は... :年内最後の新譜はブラジルで!

記事のローテーションから考えると、年内最後の新譜紹介となります。

密かに好きなPretty Ricky『Pretty Ricky』や購入したばかりのMary J. Blige『Stronger With Each Tear』といったR&B新作も考えたのですが、今年の僕らしくブラジル新譜で締めくくることにしました。

ということでDoces Cariocas『Sweet Cariocas(Doces Cariocas )』です。
厳密には"新譜"というより、2008年にブラジル本国でリリースされた作品を一部レコーディングし直し、新曲2曲を加えた"新装盤"なのですが。

Doces Cariocasは、Pierre AderneAlexia Bomtempoの2人を中心に、DadiDomenicoFelipe PinaudWilson Simoninha等からなるユニットです。

当ブログを定期的に閲覧頂いている方であれば、Alexia Bomtempoの名前でピンと来ませんか?

そうです!昨年デビュー・アルバム『Astrolabio』をリリースし、Marisa Monte級の大型新人女性シンガーとして大絶賛された、あのAlexia Bomtempoです。

『Astrolabio』は当ブログ恒例の『ezが選ぶ2008年の10枚』でもセレクトした1枚でした。

Alexia Bomtempo『Astrolabio』
Astrolabio

もう一人の中心人物Pierre AderneはAlexiaの旦那様であり、フランス生まれ、リオ育ちのシンガーソングライターです。妻Alexiaのデビュー作『Astrolabio』でも献身的なサポートぶりが目立ちました。ソロ・アルバムも2枚リリースしています。

他のメンバーでは、『Astrolabio』やPierre Aderneのソロ作2枚をプロデュースしたDadiもお馴染みですね。Os Novos Baianosのベーシストとしてデビューし、その後Jorge BenCaetano VelosoMarisa Monteらのサポートで一躍有名になり、ソロ・アルバムも2枚リリースしています。

Domenico(Domenico Lancellotti)は、Moreno Veloso(Caetano Velosoの息子)、Alexandre KassinとのトリオDomenico+2やOs Ritmistasの活動で知られる、ブラジル新世代を代表するドラム/パーカッション奏者です。

Felipe Pinaud、はOrquestra Imperialにも参加しているマルチ・プレイヤーであり、『Astrolabio』にも参加していました。The Police「Roxanne」の哀愁ボッサ・カヴァーでは素晴らしいギターを聴かせてくれました。

Wilson Simoninhaは、偉大な歌手であったWilson Simonalを父に持つ2世シンガー。弟はMax de Castroです。

これらのメンバー達がリオ郊外のペントハウスに集まったのがDoces Cariocasのスタートだそうです。ユニット名はCaetano VelosoGal CostaGilberto GilMaria Bethaniaというトロピカリアを代表する4アーティストが結成したDoses Barbarosを意識したものなのだとか。

気の合う仲間が集まったユル〜い雰囲気が音にも反映されているのがいいですね。
気負うことなく、自分達の好きなことを気の赴くままに演奏してみた!って感じがグッときます。中身としては、ソフト・サンバ、ボッサ等のアコースティック・サウンドをバックにAlexiaやPierre等が透明感のあるヴォーカルを聴かせてくれます。

前述のように、元々は昨年ブラジルで『Doces Cariocas』としてリリースされたものですが、今回ヴォーカル・パートの一部をレコーディングし直し、新曲2曲を加え、ジャケ・デザインも一新して、『スウィート・カリオカス (Sweet Cariocas)』としてリリースされました。

ジャケに反映されているように、よりPierre Aderne & Alexia Bomtempo夫妻を前面に押し出すことが、新装盤の狙いかもしれませんえ。

ブラジル音楽ファンや『Astrolabio』に魅了された方は勿論のこと、ブラジル音楽をあまり聴かない方もスンナリと聴くことができる作品です。

アコースティックなブラジル音楽を聴きながら、年末年始を優しい気分で過ごすのはいかがですか?

全曲紹介しときやす。

「Quanto Tempo」
ラブリーなソフト・サンバでアルバムは幕を開けます。さり気ないけど実に気の効いた感じが大好きです。YouTubeにPierre & Alexiaのみの演奏がありました。
http://www.youtube.com/watch?v=sYdUMjBdalc

「Feira do Troca」
新たに追加された2曲の1つですが、アルバムで一番のお気に入りのソフト・サンバ。優しいアコースティック・サウンド&ヴォーカルに心癒されること間違いなし!
http://www.youtube.com/watch?v=xKqe9jzM2Ss

「O Canario e O Curio」
爽快なショーロ。Domenicoの弟であり、Fino ColetivoのメンバーでもあるAlvinho Lancellottiがヴォーカルで参加しています。Felipe Pinaudのフルートも涼しげ!

「Blackbird e Asa Branca」
Beatlesの名曲「Blackbird」のフレーズも聴ける興味深い1曲。フォーキーな味わいとブラジルならでの土着的な雰囲気が融合しているのがいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=aqMfO0d9LEU

「No Meio do Caminho」
新たに追加された2曲のもう1曲。Pierre & Alexiaの息の合ったヴォーカルにグッときます。

「Chuvisco」
雨の効果音をバックに、Alexiaが愛らしいヴォーカルを聴かせてくれます。マッタリ過ごしたい雨模様の時にはピッタリ。

「Olhos d’Agua」
何気ないけど、Pierre & Alexiaの魅力がジワジワと伝わってくるのがいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=n0Fa-cvwYK0

「Valsa do Vestido」
「ドレスのワルツ」のタイトル通り、ワルツ調の仕上がり。

「O Que Sera Que Te Excita ?」
Luis Carlinhosがヴォーカルで参加しています。ブラジルらしい土着的なリズムが印象的です。
http://www.youtube.com/watch?v=A5hDrwdHvjY

「Feito a Mao」
Wilson Simoninhaがヴォーカルで参加しています。フォーキーな味わいが魅力です。
http://www.youtube.com/watch?v=GlKUARDJ2iA

「Tava」
ラストは青春フォーキーって雰囲気で気持ち良く締めくくってくれます。

本作を気に入った方は、Alexia以外の関連アーティストの作品もどうぞ!

Pierre Aderne『Alto Mar』(2007年)
Alto Mar

Dadi『Bem Aqui』(2008年)
Bem Aqui

Domenico+2『Sincerely Hot』(2003年)
Sincerely Hot

Os Ritmistas『Os Ritmistas』(2007年)
オス・リチミスタス
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