2009年12月08日

Sounds Of Blackness『Reconciliation』

やはり12月はゴスペルが聴きたくなります☆Sounds Of Blackness『Reconciliation』
Reconciliation
発表年:1999年
ez的ジャンル:コンテンポラリー・ゴスペル
気分は... :SOBは12月に聴きたくなりますね!

毎年12月はゴスペルが聴きたくなりますね。
そんな流れでGary Hinesを中心としたゴスペル・グループSound Of Blackness(SOB)の4回目の登場です。

これまで当ブログで紹介したSOB作品は以下の3枚。
(振り返ると、全部12月に紹介していますね。)

 『The Evolution Of Gospel』(1991年)
 『The Night Before Christmas: A Musical Fantasy』(1992年)
 『Time for Healing』(1997年)

4枚目に紹介するのは、1999年リリースの『Reconciliation』です。

Jam & Lewisが1991年に旗揚げしたPerspective Record 第一弾アーティストとして、SOBはPerspectiveより『The Evolution Of Gospel』(1991年)、『The Night Before Christmas: A Musical Fantasy』(1992年)、
『Africa To Africa:The Journey Of The Drum』(1994年)、『Time for Healing』(1997年)という4枚のアルバムをリリースしてきました(Jam & Lewisが制作に関与していたのは『Africa To Africa:The Journey Of The Drum』まで)。

しかしながら、Jam & Lewisが1999年にPerspective RecordsをA&Mへ売却したため、本作『Reconciliation』はインディ・レーベルZinc Recordsからのリリースとなっています。

Jam & Lewisが制作から離れ、インディ・レーベルからのリリースということで、都落ちの印象が強くSOB作品の中でも最も地味な存在の1枚かもしれません。しかしながら、Gary Hines Billy Steele を中心に中身はSOB好きであれば納得の1枚に仕上がっていると思います。

ちなみに本作のリリース元であるZinc RecordsPrince & The Revolutionにドラマーとして在籍していたBobby Z.が1998年設立したレーベルです。そんな流れで、Gary Hinesと共にBobby Z.がエグゼクティブ・プロデューサーとしてクレジットされています。

加えて、Levi Seacer Jr.、Mike ScottといったPrinceのバックを務めていたミュージシャンが何名が参加しています。これらの名前でグッと来る方はかなりのPrince殿下好きでしょうが。

従来の作品と比較すると、厚みのあるクワイアは抑え気味で、リード・ヴォーカルの歌をしっかり聴かせる内容になっています。R&Bテイストの曲はもちろんのこと、ラップをフィーチャーした楽曲やスパニッシュ・テイストの楽曲もあり、なかなかバラエティに富んだ内容になっています。

決して恵まれた環境の中で制作された作品ではありませんが、その分SOBの底力を感じる1枚です。

全曲紹介しときやす。

「DJ Intros」
DJによるSOB紹介といった趣向のイントロ。

「Try」
オススメその1。僕がSOBのベストを編集するならば間違いなくセレクトする1曲です。Spinnersの名曲「It's a Shame」のイントロ・フレーズを使ったキャッチーなR&B調トラックをバックに、Yulanda Lunn Ramboが素晴らしいソプラノ・ヴォーカルで高らかに歌い上げます。R&Bファンも気に入る仕上がりだと思います。

「You Are The Ones」
Lil' Buddyのラップをフィーチャー。Billy Steeleと共にLevi Seacer Jr.がプロデュースを務めています。歌詞とコーラスはゴスペルですが、全体的にはラッパーをフィーチャーしたR&Bチューンという感じですね。なかなか刺激的なトラックがグッド!

「Thank You」
オススメその2。ゴスペルらしい深い愛に充ちた1曲です。やはり12月は神に感謝するゴスペル・チューンを聴きたいですね。Billy SteeleとAmy Petersonによる男女ヴォーカルが感動的です。

「Reconciliation」
オススメその3。タイトル曲はコンテンポラリー・ゴスペルらしいモダンでダイナミックな躍動感を堪能できます。ゴスペル好きの方は一番グッとくる仕上がりかもしれませんね。

「Twenty Four & Back Again」
Double "L"の女声ラップをフィーチャー。Carrie Harringtonによるアダルティなアルト・ヴォーカルが魅力の大人のR&Bチューンに仕上がっています。

「For Old Times Sake」
正統派ゴスペル・チューン。聴いていると、心の奥に強さと優しさが湧き上がってくる気がします。

「Tell Me What You Thinkin' 'Bout」
スパニッシュ・テイストの仕上がり。アルバムの中でいいアクセントになっています。

「Rainbow」
子供の戯れる声から始まります。タイトルも含めて、アルバム・ジャケを反映した楽曲ですね。未来への希望を祈りたくなる正統派ゴスペル・チューンに仕上がっています。

「Love Will Change Things」
少し哀愁モードのサウンドが印象的なR&B調の仕上がり。2001年にリリースされた『The Very Best of Sounds of Blackness』に本作から唯一収録されている楽曲です。

「Don't Be Afraid To Dream」
落ち込んでいる時に聴くとパワーをもらえる1曲です。Core' Cottonの感動的なアルト・ヴォーカルが夢の実現へと誘ってくれます。

「Straight Ahead」
オススメその4。小粋なアップ・チューン。コンテンポラリー・ゴスペルらしいダイナミックな躍動感がダンサブルなR&Bサウンドで上手く引き出されています。

「Reconciliation Blues (interlude) 」
ブルージーなインタールード。

「Sounds Of Blackness/Take The 'a' Train」
ラストはグループ名を冠した曲とDuke Ellingtonでお馴染みのスタンダード「Take The 'a' Train(A列車で行こう)」(Billy Strayhorn)のメドレーです。ラップ・パートを挿入するなどなかなか小粋な仕上がりです。

なお、現在発売されているのは2001年仕様のもので、以下の10曲構成になっています。
「Love Will Change Things」
「Reconciliation」
「Thank You」
「You Are the One」
「Try」
「Straight Ahead」
「Don't Be Afraid to Dream」
「Rainbow」
「Twenty Four and Back Again」
「Sounds of Blackness/Take the 'A' Train」

クリスマス気分を満喫したい方は、以前に紹介した『The Night Before Christmas: A Musical Fantasy』(1992年)やその続編『The Night Before Christmas, Vol. 2』(2004年)といったクリスマス・アルバムをどうぞ!

『The Night Before Christmas: A Musical Fantasy』(1992年)
The Night Before Christmas: A Musical Fantasy

『The Night Before Christmas, Vol. 2』(2004年)
The Night Before Christmas, Vol. 2
posted by ez at 01:44| Comment(2) | TrackBack(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする