2010年01月03日

Mary J. Blige『Stronger with Each Tear』

痛みを越えて強くなった!MJBの新作☆Mary J. Blige『Stronger with Each Tear』
ストロンガー(初回生産限定特別価格)
発表年:2009年
ez的ジャンル:R&Bクイーン
気分は... :強くあれ!

今日より年末年始モードから通常の記事紹介に戻ります。

2010年最初に紹介するのは、昨年末に発売されたR&BクイーンMary J. Bligeの新作『Stronger with Each Tear』です。

そう言えば、昨年も最初に紹介した作品はMJBでした。
MJBは年明けに相応しいアーティストなのかもしれませんね。

コンスタントに一定レベル以上の作品をリリースし、商業的にも成功し続けている現代のR&BクイーンMJBを聴くと、新年早々めでたい気分になるのかも?

MJBに関して、当ブログではこれまで以下の5作品を紹介してきました(発売順)。

 『What's The 411?』(1992年)
 『My Life』(1994年)
 『Mary』(1999年)
 『The Breakthrough』(2005年)
 『Growing Pains』(2007年)

2000年代に入り2年に1枚のペースできっちりアルバムをリリースしてきたMJB。
特にここ3枚は12月後半のリリースが続いています。

その直近3作品ですが、『The Breakthrough』(2005年)で現状を打ち破り、『Growing Pains』(2007年)で痛みを越え、『Stronger with Each Tear』(2009年)で強くなった、という流れのようです。

国内盤ライナーノーツでは『Growing Pains』を"キャリア最高傑作"と評していましたが、個人的には『The Breakthrough』の方がお気に入りでした。『Growing Pains』は少しメリハリに欠ける気がしたのですが...

そんな2作を経て届けられた『Stronger with Each Tear』ですが、約1週間聴きこんだ限りではかなり気に入っています。オートチューン使いなど適度に新しい要素を入れつつ、従来のMJBファンの期待も裏切らない安定感抜群の出来栄えだと思います。個人的にはRyan LeslieNe-Yo、Johnta Austin、The-Dream、Raphael Saadiq等が手掛けたソングライティングの充実ぶりがアルバムを魅力的なものにしている気がします。

プロデューサー陣にもThe RunnersDarkchild(Rodney Jerkins)Ryan LeslieStereotypesStarGateSupa DupsPolow Da DonBryan-Michael CoxC. "Tricky" Stewart & The-DreamD'MileRaphael Saadiqといった多彩な顔ぶれが起用され、各プロデューサーの個性に合った多彩なサウンドを聴かせてくれます。

アルバム・タイトルに関して、当初はNBAのスーパースターLeBron Jamesのドキュメンタリー『More Than a Game』にインスパイアされ制作した楽曲「Stronger」をそのままタイトルにしていましたが、結局「Stronger」がアルバム未収録となり、タイトルも『Stronger with Each Tear』になった模様です。

本作を聴いて、2010年も強く生き抜こう!

全曲紹介しときやす。

「Tonight」
オープニングはThe Runnersプロデュース。さらにAkonが共同プロデュース&バック・ヴォーカルで参加しています。Edwin Birdsong「Rapper Dapper Snapper」ネタのクールなシンセ・トラックをバックに、MJBの哀愁を帯びたヴォーカルが響きます。
http://www.youtube.com/watch?v=TNmQLc96ueg

「The One」
Hip-Hop界のホープDrakeをフィーチャーしたアルバムのリード・シングル。Darkchild(Rodney Jerkins)がプロデュースしています。オートチューン使いのエレクトロ・チューンは賛否両論別れるかもしれません。皮肉にもJay-Zの「D.O.A (Death of Auto-Tune)」と時期が重なってしまいましたね。個人的にはオートチューンの使用がアルバムの数曲であれば気になりません。ただし、本曲が好きかと問われると返答に困ってしまいますが...
http://www.youtube.com/watch?v=Co941gzKj2Q

「Said And Done」
当ブログでも新作『Transition』を紹介した期待の男性R&Bシンガー/プロデューサーRyan Leslieがプロデュースしています。Ryan Leslieらしいエレクトロ・サウンドとMJBのヴォーカルは案外マッチしています。
http://www.youtube.com/watch?v=wmVsSACyT-A

「Good Love」
僕の一番のお気に入り曲。T.I.をフィーチャーしています。Stereotypesがプロデューサーに起用され、Ne-Yoもソングライティングで参加しています。気持ち良い疾走感にグッときます。実はJerry Heyがホーン・アレンジを担当しており、見事なホーンサウンドで全体の魅力向上に大きく貢献しています。
http://www.youtube.com/watch?v=fFHBplzUv_o

「I Feel Good」
「Good Love」同様、大好きな1曲。StarGateプロデュース。この曲もNe-Yoがソングライティングに関与し、バック・ヴォーカルでも参加しています。Ne-Yoの楽曲、StarGateのサウンド、MJBのヴォーカルがジャスト・フィットした美メロ・ミッド・チューンに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=wXa0zcGQ5Is

「I Am」
アルバムからの2ndシングル。この曲もStarGateプロデュースです。大ヒット・シングル「Be Without You」『The Breakthrough』収録)の作者としてお馴染みのJohnta Austinがソングライティングで参加しているMJBらしい感動的なラブソングです。女性は相当グッとくるのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=HOGmtnChKec

「Each Tear」
ジャマイカ人プロデューサーSupa Dupsが起用されたミッド・チューン。聴けば聴くほど好きになってくる涙モノの仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=nlS7zUcTSCQ

「I Love U (Yes I Du) 」
Polow Da Donプロデュース。Billy Paul「Let the Dollar Circulate」ネタのエレクトロ・チューン。ストロンガーな仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=GVfwjpCRDxE

「Hood Love」
Bryan-Michael Coxプロデュース。元々はソングライティングを手掛けたJohnta Austinが自身のアルバム用に準備した曲が本作に回され、しかもヴォーカルがTrey Songzに代わっています。Johnta Austinに同情してしまいます。そのせいか哀愁感が一層切なく感じてしまいますね(笑)
http://www.youtube.com/watch?v=LgBe1TJAOik

JohntaヴァージョンがYouTubeにアップされていました。
Johnta Austin feat. Mary J. Blige「Hood Love」
 http://www.youtube.com/watch?v=d_CLo15T7Kk

「Kitchen」
C. "Tricky" Stewart & The-Dreamプロデュース。もちろんThe-Dreamがソングライティングを手掛けています。どことなくホンワカした感じがアルバムの中でいいアクセントになっています。聴けば聴くほど味わいが出てきます。
http://www.youtube.com/watch?v=zXM7ldB-Oto

「In The Morning」
D'Mileプロデュース。スケールの大きな正統派バラードに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=HMoEsPb6HE4

「Color」
映画『Precious』(Lee Daniels監督)のサントラ収録曲。映画にはMariah CareyやLenny Kravitzも出演しているようですね。Raphael Saadiqプロデュースによるオールドマナーのソウル・チューンです。出来栄えとして素晴らしいですが、アルバム中では少し浮いているかも?
http://www.youtube.com/watch?v=iix1BerIzm0

全体としては大満足の1枚ですが、『Growing Pains』同様、曲間の切れ間がない点と、PVまで制作した幻のタイトル曲「Stronger」を収録していない点が惜しかったですね。

「Stronger」
 http://www.youtube.com/watch?v=4U6TEqhxnuo
posted by ez at 07:24| Comment(2) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする