2010年01月12日

Stereolab『Transient Random-Noise Bursts With Announcements』

初期の代表作☆Stereolab『Transient Random-Noise Bursts With Announcements』
騒音的美学の終焉
発表年:1993年
ez的ジャンル:UKエクスペリメンタル/ポストロック
気分は... :騒音的美学が終焉すると...

UKポストロックの先駆者、Stereolabの4回目の紹介です。

前回Stereolabの記事をエントリーしたのが2008年11月でしたが、その後2009年4月にグループは活動休止を発表しました。残念ですねぇ!

これまで当ブログで紹介したStereolab作品は以下の3枚です(発売順)。

  『Emperor Tomato Ketchup』(1996年)
  『Dots And Loops』(1997年)
 『Cobra and Phases Group Play Voltage in the Milky Night』(1999年)

4枚目に紹介するのは1993年リリースの2ndアルバム『Transient Random-Noise Bursts With Announcements』です。

毎回Stereolabのエントリーで書いていますが、これまで紹介した3枚にミニ・アルバム『First Of The Microbe Hunters』(2000年)を加えた4枚を聴く頻度が圧倒的に多いのですね。僕と同じようにこれら4作品に聴かれるスタイリッシュな近未来的ラウンジ感覚のサウンドに魅了された方は多いのではないかと思います。

それらの作品と比較すると本作『Transient Random-Noise Bursts With Announcements』の頃のStereolabは、もう少し実験的かつラフなサウンドという印象を受けるかもしれません。『騒音的美学の終焉』という邦題やジャケからしてエクスペリメンタルな雰囲気が漂っていますよね!

ただし、実験的と言ってもあくまで相対的なもので、一般的なエクスペリメンタル/ノイジー・ポップと比較すれば、はるかに聴きやすくなっていますが。

デビュー・アルバム『Peng!』(1992年)の時点のグループはTim Gane、Latitia Sadier、Martin Kean、Joe Dilworthという4人体制でしたが、ミニ・アルバム『Space Age Bachelor Pad Music』(1993年)よりMartin Kean、Joe Dilworthの2人が抜け、新たにMary Hansen、Andy Ramsay、Duncan Brownの3人が加わりました。やはり、Latitia SadierMary Hansenの女性ヴォーカル2人が揃った方がStereolabらしいですね。

そしてメジャーのElektraからリリースされ、ワールド・ワイド展開の第1弾となったアルバムが本作『Transient Random-Noise Bursts with Announcements』です。本作ではStereolab作品のレギュラー・メンバーであるHigh LlamasSean O'Haganがゲスト扱いではなく6人目のメンバーとしてクレジットされています。

僕のように 『Emperor Tomato Ketchup』以降のスタイリッシュなStereolabがお好きな方は、"実験的"というイメージが先行するあまり、初期作品に手を出しづらい面があるかもしれませんが、聴いてみると"案外聴きやすいじゃん!"となるはずですよ。

さぁ、Stereolabの騒音的美学を楽しみましょう!

全曲紹介しときやす。

「Tone Burst」
エクスペリメンタルな雰囲気が漂うオープニング。ポップなメロディとノイジーなサウンドが上手く融合しています。サウンドはノイジーなのにLatitiaとMaryのヴォーカルを聴くと脱力モードになってしまうのがStereolabの魅力ですね。

「Our Trinitone Blast」
この曲はVelvet Undergroundしています(笑)。初期Stereolabが好きな人や彼らにカルト的な雰囲気を求める人にとってはかなりグッとくる仕上がりなのでは?

「Pack Yr Romantic Mind」
個人的に一番のお気に入りの脱力系ポップ・チューン。後に開花する近未来ボッサ感覚の芽をここに聴くことができます。
http://www.youtube.com/watch?v=_UgTOFW7T8w

「I'm Going Out Of My Way」
この曲も大好き!「Pack Yr Romantic Mind」と並び後のポップ路線を予感させるキャッチーな仕上がりです。ラストに Antonio Carlos Jobimの名曲「One Note Samba(Samba De Uma Nota So)」のフレーズが聴こえてくるあたりに思わずニヤリとしてしまいます。

「Golden Ball」
エクスペリメンタルな色合いが強く出ています。

「Pause」
この曲は"第6のメンバー"Sean O'Haganの影響を感じる仕上がりです。High Llamasファンはグッとくるのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=9uMifNKYtug

「Jenny Ondioline」
18分超の大作。タイトルはGeorges Jennyによって発明された初期の電子鍵盤楽器Ondioline(通称"Jenny Ondiolin")に由来するものです。前半はキャッチーな仕上がりですが、中盤以降はエクスペリメンタル&ノイジーなサウンドが支配します。
http://www.youtube.com/watch?v=TQ1d28WATkM
※YouTubeの映像は7"のヴァージョン「Jenny Ondioline (Part 1)」です。

「Analogue Rock」
哀愁モードのエクスペリメンタル・ポップ。レコード・プレーヤーのジャケ・デザインも踏まえると、興味深く聴くことができるかもしれませんね。

「Crest」
「Tone Burst」同様ポップなメロディとノイジーなサウンドが上手く融合しています。きっとLatitiaとMaryの脱力ヴォーカルがあるからこそ、ちゃんとまとまるのでしょうね。

「Lock-Groove Lullaby」
近未来的ノスタルジーが漂うエンディング。電子音楽のパイオニアPerrey-Kingsleyの「The Savers」を引用しています。本曲に限らず、StereolabやHigh Llamasのサウンドに近未来的ノスタルジーを感じるのは、Perrey-Kingsleyあたりの影響かもしれませんね。

昨日に続きNFLプレーオフの話題を!

昨日は「ペイトリオッツ対レイブンズ」、「カーディナルス対パッカーズ」の2試合が行われ、レイブンズ、カーディナルスが勝利しました。昨日に記事の僕の予想がズバリ的中しました。

「ペイトリオッツ対レイブンズ」は予想外にレイブンズの圧勝でしたね。レイブンズ勝利を予想したものの、終盤までもつれる接戦になると思っていたのですが、最強を誇ってきたベルチック王朝にも翳りが見え始めてきましたね。

逆に「カーディナルス対パッカーズ」は途中まで観ていてカーディナルス圧勝と思っていたのですが、まさかOTまでもつれ、あんな終幕(ファンブル・リカバーTD)を迎えるとは予想外でした。フットボールにおけるモメンタムの怖さを改めて実感しましたね。

これで来週のディビジョナル・プレーオフはAFCが「コルツ対レイブンズ」、「チャージャース対ジェッツ」、NFCが「セインツ対カーディナルス」、「バイキングス対カウボーイズ」の対決となりました。

一昨日と合わせて勝ち上がった下位シード4チームを眺めると、カーディナルス以外はラン攻撃と守備に強さを持つチームが勝ち上がった印象を受けます。それに対して、来週から登場する上位シード4チームは攻撃力に強みを持つチームが多いので、上位シードの攻撃陣と下位シードの守備陣の対決が一つの見所になりそうですね。

来週も目が離せない試合が続きますね。
posted by ez at 05:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする