発表年:2002年
ez的ジャンル:天才男性R&Bシンガー
気分は... :まぁ、聴いてくださいな!
今日はMusiq(Musiq Soulchild)の4回目の紹介です。
これまで当ブログで紹介したMusiq(Musiq Soulchild)作品は以下の3枚(発売順)。
『Soulstar』(2003年)
『Luvanmusiq』(2007年)
『Onmyradio』(2008年)
4枚目に紹介するのは2ndアルバム『Juslisen』(2002年)です。
前作では"Musiq Soulchild"の表記でしたが、本作、次作『Soulstar』では単に"Musiq"となっています。『Luvanmusiq』以降は再び"Musiq Soulchild"に戻しています。
デビュー作『Aijuswanaseing』(2000年)で確かな存在感を示したMusiq Soulchildですが、本作『Juslisen』ではさらに自分の方向性に自信を深めた内容になっています。「とりあえず聴いてよ!」というアルバム・タイトル(Just listen!)にも自信が表れていますね。それが功を奏し、アルバムは全米アルバム・チャート、同R&Bチャート共に第1位を獲得しました。
前作時点ではまだ半信半疑で聴いていたところがありましたが、本作を聴いて"このアーティストは本物だ!"と確信するようになりました。前作では、僕の方が彼独特のヴォーカル・スタイルに慣れていない部分があって、多少戸惑っていたのかもしれません。
本作以降のMusiq Soulchildは、僕の中で21世紀最高の男性R&Bシンガーの地位を不動のものにしています。年末の記事でも少し書きましたが、男性R&BシンガーならばMusiq Soulchild、女性R&BシンガーならばAngie Stone、Hip-HopならばCommonというのが僕の2000年代でしたね。
さて、『Juslisen』に話を戻すと、何となく、1st『Aijuswanaseing』(2000年)と共に紹介するタイミングを逸していた作品だったので、ようやく紹介できホッとしています。
前作『Aijuswanaseing』同様に大半の曲でA Touch of Jazz(Jazzy Jeffがフィラデルフィアで設立したプロダクション)関連のプロデューサー達を起用しています。具体的にはIvan "Orthodox" Barias & Carvin "Ransum" Hagginsをメインに、Darren "Limitless" Hensonm & Keith "Keshon" Pelzer、Andre Harris & Vidal Davis(Dre & Vidal)が参加しています。A Touch of Jazz以外ではJames Poyser/Vikter Duplaix(前作も参加)、88-Keys等が起用されています。
Keith Sweatあたりと同じで、好き/嫌いは別れるけど、気に入ったら中毒のようにハマるタイプのシンガーだと思います。
聴き逃している方は、とりあえず聴いてくださいな!
全曲紹介しときやす。
「Scratch Interlude」
デビュー作『Aijuswanaseing』に続き、The RootsのScratchのビートボックスでアルバムは幕を開けます。
「Newness」
Musiqらしさ全開のミディアム・スロウ。ネオ・ソウルらしいメロウなエレピ・サウンドと少し引っ掛かり気味のグルーヴをバックに、Musiqのソウルフルなヴォーカルで女性に話しかけるように歌います。メロウな雰囲気が全体を支配しますが、歌自体は結構強引なナンパ・ソングです(笑)。でも大好き!Ivan "Orthodox" Barias & Carvin "Ransum" Hagginsプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=zQNIO3UIvSI
「Caught Up」
『Aijuswanaseing』にも参加していた彼の妹分グループAaries(Ayana Hipps & Ayinka Hipps)をフィーチャー。Hamilton Bohannon「Save Their Souls」をサンプリングしたファンキー&ビターなミッド・グルーヴに仕上がっています。前作の収録曲「Seventeen」の続編であり、前回は17歳という年齢がネックで諦めた女性に、数年ぶりに再会したビミョーな男心を歌っています。男は引きずりますからねぇ(笑)。Ivan "Orthodox" Barias & Carvin "Ransum" Hagginsプロデュース。
YouTubeには浮遊感漂う9th WonderによるRemixがありました。
「Caught Up (9th Wonder Remix)」
http://www.youtube.com/watch?v=NLWGP02KwuA
「Stoplayin」
Jill Scott、Bilal等と一緒に聴きたくなるネオソウルらしいジャジー&ソウルな仕上がりです。Ivan "Orthodox" Barias & Carvin "Ransum" Hagginsプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=kYmvbP0os4U
「Religious」
ゴスペル風にスタートする軽快なファンキー・グルーヴ。The Meters「Thinking」をサンプリングしています。Musiqの粘っこいヴォーカルとThe Metersのグルーヴ感って実にマッチしますよね。Darren "Limitless" Hensonm & Keith "Keshon" Pelzerプロデュース。
「Babygirl」
88-Keysプロデュース。A Touch of Jazz勢以外のプロデュースで少しアクセントをつけています。88-KeysプロデュースでHip-Hop色が強い仕上がりをイメージしてしまいますが、ストリングスも入った柔らかい仕上がりで意外とネオ・ソウルしています。歌の内容は相変わらずナンパ・ソングです(笑)
「Halfcrazy」
アルバムからの1stシングル。全米シングル・チャート第16位、同R&Bチャート第2位のヒットとなった代表曲の1つ。映画『パリのめぐり逢い(Vivre Pour Vivre)』で使われたFrancis Laiの名曲「Vivre Pour Vivre(英題:Live For Life)」をサンプリングしたロマンティック・バラードです。友人だった女性が恋人となる際のハーフクレイジーな男心を歌っています。ハッピー・モードではなく切ないモードなのがグッときますね。Ivan "Orthodox" Barias & Carvin "Ransum" Hagginsプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=IP4V3TTC3fw
「Time」
ジワジワ迫ってくる哀愁モードのビューティフル・バラード。Ivan "Orthodox" Barias & Carvin "Ransum" Hagginsプロデュース。
「Future」
Hip-Hopテイストの仕上がり。♪ヘイ・ヨー♪ヘイ・ヨー♪の掛け声が印象的です。Junius Bavineプロデュース。
「Intermission: Juslisen」
Sly & the Family Stone「Thank You (Falettinme Be Mice Elf Agin)」を引用したファンク・テイストのインターミッション。88-Keysプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=PWrDilUJeQk
「Realove」
James Poyserプロデュース。演奏も全て彼です。D'Angeloのような浮遊感漂うグルーヴ感がJames Poyserらしいですね。Soulquarians好きの人はグッとくる仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=Ws25FayttsY
「Onenight」
Andre Harris & Vidal Davisプロデュース(Dre & Vidalと書いた方がわかりやすいですね)。当時は"21世紀のStevie Wonder"なんて呼び方もされたMusiqですが、この曲ではMarvin Gaye風のセクシー・モードで迫ります。
「Previouscats」
A. Jermaine Mobley/Hakim Young/Donahue Bakerプロデュース。哀愁モードのミッド・チューン。
http://www.youtube.com/watch?v=8TKtVB_5-kM
「Solong」
Ivan "Orthodox" Barias & Carvin "Ransum" Hagginsプロデュースによる、囁くような哀愁グルーヴ。
http://www.youtube.com/watch?v=e3vTTv8neqU
「Bestfriend」
新人女性シンガーCarol Riddickのお披露目も兼ねたデュエット。ネオ・ソウルらしい引っ掛かったグルーヴ感にグッときます。Ivan "Orthodox" Barias & Carvin "Ransum" Hagginsプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=ufpAmwdLieI
「Dontchange」
アルバムからの2ndシングル。全米シングル・チャート第17位、同R&Bチャート第3位のヒットとなりました。愛しい人へ永遠の愛を誓うバラード。淡々とした中でジワジワと感動が高まってくるのがMusiqらしいですね。Ivan "Orthodox" Barias & Carvin "Ransum" Hagginsプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=TzBD8t0sB-4
「Motherfather」
タイトルの通り、両親への感謝を歌った感動的なソウル・チューン。James Poyser/Vikter Duplaixプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=3IUKqHH717Q&
「Something」
ラストはGeorge Harrison作のThe Beatles名曲カヴァー。前年11月に亡くなったGeorgeへの追悼の意が込められているのだと思います。意外なカヴァーの気もしますが、曲自体はMusiqに合っているのでは?Ivan "Orthodox" Barias & Carvin "Ransum" Hagginsプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=z8EWB4vglO8
「Ifiwouldaknew (Girlnextdoor Remix) 」
ボーナス・トラックとして前作『Aijuswanaseing』からのシングルカット「Girl Next Door」のリミックスが収録されています。AariesのAyanaをフィーチャーし、DeBargeの名曲「Stay With Me」をサンプリングしています。
国内盤はジャケの色が違います!
未聴の方は他作品もどうぞ!
1st『Aijuswanaseing』(2000年)※そのうち投稿します!
3rd『Soulstar』(2003年)
4th『Luvanmusiq』(2007年)
5th『Onmyradio』(2008年)