2010年01月24日

Pat D & Lady Paradox『Soulscapes and Jazz Breaks』

さらに進化を遂げたビューティフルな英国産ジャジーHip-Hop☆Pat D & Lady Paradox『Soulscapes and Jazz Breaks』
ソウルスケープス・アンド・ジャズ・ブレイクス
発表年:2010年
ez的ジャンル:英国産ジャジーHip-Hop
気分は... :"2010年代"カテゴリー第一弾!

遂に新カテゴリー"2010年代"を追加しましたぁ!

栄えある新カテゴリー最初の作品としてセレクトしたのはPat D & Lady Paradox『Soulscapes and Jazz Breaks』です。

MySpaceを通じて意気投合したトラックメイカーPat Dと女性MC Lady Pardoxの2人によって結成された英国産ジャジーHip-Hopユニットの紹介は、デビュー・アルバム『Kind Of Peace』(2007年)に続き2回目となります。

『Kind Of Peace』に続き、発表したソロ『Take A Little Time』(2008年)も大好評だったPat D!そのため、Lady Paradoxとのコンビが継続されるのか懸念していましたが、無事2ndアルバム『Soulscapes and Jazz Breaks』がリリースされて一安心です。

ちなみに『Kind Of Peace』2007年のマイベスト10『Take A Little Time』2008年のマイベスト10に選んだほど僕のお気に入りです。どちらもピアノ・ループを巧みに使った美しいトラックをはじめとするジャジー・チューンの数々が印象的でした。

Pat D & Lady Paradox『Kind Of Peace』(2007年)
カインド・オブ・ピース

Pat D『Take A Little Time』(2008年)
テイク・ア・リトル・タイム

本作『Soulscapes and Jazz Breaks』も2010年新譜の第一弾にして、早くも2010年のマイベスト10入りの有力候補と断言できる充実ぶりです。

今回もお得意のピアノ・ループやジャズ・ギターのループを使ったビューティフル&メロウなジャジー・トラックは健在です。また、Pat D自身の鍵盤をはじめ、ギター、トランペット、サックス、フルート、ヴィオラといった生演奏が各曲に必ず入っており、トラック作りの進化が窺えます。数曲で聴かれるPat Dのターンテーブルも注目です。歯切れの良いLady Paradoxのラップも冴え渡っています。

Melodiq、Efeks、Eva LazarusといったPat D作品ではお馴染みのゲストをはじめ、今回も多彩なMC&ヴォーカリストが参加しています。

ジャジーHip-Hop好きは必聴の1枚だと思います!

全曲紹介しときやす。

「Intro」
まずは小粋なピアノとターンテーブルで軽くウォーミング・アップ!

「Leave It Behind」
彼ららしいセピア・モードのジャジーなピアノHip-Hop。小粋なピアノ・ループと少しレイジーなLady Pardoxのラップがファンにはたまりません。フルートとギターの生音をほんのり加えているあたりも心憎いですね。

「Dear Negativity」
同じピアノHip-Hopでもこちらはもう少し軽快です。

「Dreamin' Of Days」
Jackson 5「Never Can Say Goodbye」のジャズ・ギター・カヴァーのループで話題の1曲。Izzy GのラップとShaheenの女性ヴォーカルをフィーチャーしています。「Never Can Say Goodbye」のジャズ・ギター・カヴァーと言えば、以前に紹介したGrant Greenヴァーション(アルバム『Visions』収録)を思い浮かべてしまうのですが、本曲で使われているのは別カヴァーだと思います。メロウ&エレガントな仕上がりにグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=6Y2W98AHONs

「I Wanna Feel Days」
エレピのメロウ・サウンドとトランペットの絡みがグッド!そんなメロウ・トラックを牽引するLady Pardoxのフロウも実に滑らかです!
http://www.youtube.com/watch?v=hUsNySKx_pg
※YouTubeの曲タイトル間違えています。

「New Dawn」
Benjamin Zephaniah & Seloneのラップをフィーチャー。ブラジリアン・フレイヴァーのパーカッションが聴かれるトラックが印象的です。

「Once In A Lifetime」
UKのHip-HopユニットProseのMCであるEfeksとブリストル出身の女性シンガーEva Lazarusをフィーチャー。ジャズ・ギターのループによる哀愁メロウ・トラックに仕上がっています。Will Chalkのミュート・トランペットがいいアクセントになってグッド!

「Juicy Grub」
僕の一番のお気に入り。Yousifのラップをフィーチャー。トラックの完成度の高さにウットリするメロウ・チューン!
http://www.youtube.com/watch?v=cydWyx3CGfM

「What's It Worth」
Pat D作品ではお馴染み、ペンシルバニア出身のMCであるMelodiqをフィーチャー。アングラ・ジャジーHip-Hop好きには鉄板の仕上がり!彼らのHip-Hopに対する深い愛情が歌い込まれています。Pat Dのターンテーブルにも注目!
http://www.youtube.com/watch?v=gwA5urEL5dY

「8p Coke & Hope」
「Juicy Grub」と並ぶお気に入り曲。ここでもMelodiqをフィーチャー。エレピの心地よい響きがたまらないメロウ・チューン。
http://www.youtube.com/watch?v=oYiJbEUclZE

「Relief In Rhyme」
Melodiq & Praverbをフィーチャー。Melodiq三連発です!ここでもPat Dのターンテーブルが冴えています。
http://www.youtube.com/watch?v=8REZbpOiynQ

「House In The Horizon」
ラストは絶品ピアノHip-Hopで締め括ってくれます。やはりこの雰囲気こそがPat Dという気がします。

「What's It Worth (Prisma Remix) 」
日本盤のボーナス・トラックとして「What's It Worth」のPrismaによるリミックスが収録されています。オリジナル・ヴァージョンと異なる味わいの感動的なトラックが素晴らしいです!

Prismaは昨年デビュー・アルバム『Prisma』をリリースした期待の日本人トラックメイカーです。『Prisma』にはAloe Blacc、Pismo、El Da sensei、Fat Jon、Raashan Ahmad、Amanda Diva等ジャジーHip-Hop好きにはグッとくるメンバーが多数参加しているので、未聴の方はこちらも要チェックです。

Prisma『Prisma』
Prisma
posted by ez at 00:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする