発表年:1972年
ez的ジャンル:ベイエリア・ファンク
気分は... :ざっくり!
2日経ってしまいましたが、NFLのカンファレンス・チャンピオンシップはコルツとセインツが勝ち、2月8日(現地時間)のスーパーボウルでNo.1を争うことになりました。
残念ながら、応援していたバイキングスはOTの末敗れ、あと一歩で涙を呑みました。
負傷で足を引きずりながらプレーするファーブの姿は実に感動的であり、何とか勝たせてあげたかったのですが...まぁ、5ターンオーバーではバイキングスは勝てませんよねぇ。
一方のコルツはQBマニングを中心に強さを見せつけてくれました。
最初はジェッツの守備陣に手こずっていましたが、前半途中からアジャストしてしまうあたりがさすがマニングですね。プレーオフでレイブンズ、ジェッツという強力守備を誇る2チームを撃破してきた攻撃陣は本物ですな。
「コルツ対セインツ」の対決は、特に応援しているチーム、選手はいないので純粋にスーパーボウルならではのスーパープレーを楽しみたいですね。予想ではコルツの圧勝という気がするのですが...
今回はベイエリア・ファンクを代表するグループCold Bloodの3rdアルバム『First Taste of Sin』(1972年)です。
Cold Bloodは、オークランド出身のファンク・グループであり、Tower Of Powerと並ぶベイエリア・ファンクを代表するグループです。紅一点の女性リード・ヴォーカルLydia Penseをはじめ、白人/ラテン系のメンバーが中心です。
かのBill Grahamに認められ、彼のレーベルSan Franciscoからデビューを果たし、『Cold Blood』(1969年)、『Sisyphus』(1971年)という2枚のアルバムをリリースしています。
その後、Repriseから『First Taste of Sin』(1972年)、『Thriller』(1973年)、Warner Brosから『Lydia』(1974年)、ABCから『Lydia Pense And Cold Blood』(1976年)といったアルバムをリリースしています。
Janis Joplinを彷彿させるLydia Penseの圧倒的なヴォーカルとベイエリア・ファンクらしい迫力のホーン・サウンドが特徴ですね。
6枚のオリジナル・スタジオ作の中で人気なのは、『First Taste of Sin』(1972年)、『Thriller』(1973年)、『Lydia』(1974年)の3枚あたりなのでは?
今日紹介する3rdアルバム『First Taste of Sin』は、Donny Hathawayがプロデュースした作品として人気ですね。
本作のメンバーは、Lydia Pense(vo)、Bill Atwood(tp)、Rod Ellicott(b)、Max Haskett(tp、vo)、Danny Hull(ts)、Mel Martin(bs、ts、fl)、Sandy McKee(ds、vo)、Raul Matute(org、p)、Michael Sasaki(g)という9名です。
本作から日系人ギタリストMichael SasakiやBoz Scaggsのバンドにも在籍していたサックス奏者Mel Martinが加入しています。
プロデューサーのDonny Hathaway(p、org)以外にPate Escovedo(congas)、Coke Escovedo(timbales、per)等がゲスト参加しています。
Donny Hathawayがプロデュースということで、"ニュー・ソウル的な作品"という形容されますが、そうしたDonny Hathaway的な楽曲以外にDelaney & Bonnie風あり、Stax風ソウルあり、ラテン・フレイヴァーありとなかなかバラエティに富んだ内容になっています。もちろんベイエリア・ファンクらしいホーン・サウンドは随所で堪能できます。
個人的にはEscovedo兄弟が参加しているラテン・フレイヴァーの演奏が、ベイエリアらしくて好きです。
ベイエリアらしいファンキー・グルーヴとLydia Penseのパワフルなヴォーカルを堪能しましょう。
全曲紹介しときやす。
「Visions」
Lydiaのパンチのあるヴォーカルと自慢のホーン隊を堪能できるミッド・テンポのファンキー・グルーヴ。新メンバーのMichael Sasakiのギターもなかなか格好良いです。終盤のLydiaのヴォーカル、ホーン隊、Michael Sasakiのギターが絡む盛り上がりは圧巻です。
http://www.youtube.com/watch?v=C93Y6CoQxjw
「Lo And Behold」
James Taylorのカヴァー(オリジナルは『Sweet Baby James』収録)。ここではアーシー&ゴスペルなソウル・バラードに仕上がっています。
「Down To The Bone」
僕の一番のお気に入り。Escovedo兄弟の貢献が大きい、ラテン・フレイヴァーのソウル・グルーヴ。スワンピーなギター・ソロもあってサイコーに盛り上がります。後年のライブ映像がYouTubeにありました。
http://www.youtube.com/watch?v=9nDe2DZSo1I
「You Had To Know」
プロデューサーDonny Hathaway作のバラード。いかにもDonny Hathawayな感動的なバラードです。Lydiaのヴォーカリストとしての魅力を堪能するには最適の1曲なのでは?
「My Lady Woman」
Stax風のソウル・チューン。Lydiaのヴォーカルと充実のホーン隊を擁すれば、こういう曲をやりたくなるのはわかりますね。
「No Way Home」
「Down To The Bone」、「Inside Your Soul」と並ぶ僕のお気に入り。ファンキーな味わいの中に洗練された部分も感じるベイエリア・ファンクらしい仕上がり。ラテン・フレイヴァーがいいスパイスになっています。
「Inside Your Soul」
この曲も大好き!Donny Hathawayプロデュースらしいゴスペル&ニューソウルな仕上がりです。アルバムの中で最も
Cold Blood meets Donny Hathawayといった雰囲気の曲なのでは?
「All My Honey」
Lydiaのヴォーカルを前面に押し出したソウル・チューン。この曲もStax風ですね。
「Valdez In The Country」
Donny Hathaway作品のカヴァー。Donnyのオリジナルは名盤『Extension Of A Man』に収録されています。フリーソウル・コンピにも収録されていたレア・グルーヴ・クラシックです。インストですが、Cold Bloodらしい見事なホーン・アンサンブルを堪能できるファンキー・グルーヴに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=VYW8uGvyLis
本作を気に入った方は『Thriller』(1973年)、『Lydia』(1974年)もどうぞ!
前者はStevie Wonder「You Are The Sunshine Of My Life」やBill Withers「Kissing My Love」のカヴァーが人気ですね。Steve Cropperプロデュースの後者は「Ready to Live」が人気です。Lydiaのヴォーカルをメインで聴きたい方は一番グッとくるアルバムだと思います。
『Thriller』(1973年)
『Lydia』(1974年)