2010年01月28日

Mark De Clive-Lowe『Six Degrees』

"西ロンドンのHerbie Hancock"のデビュー作☆Mark De Clive-Lowe『Six Degrees』
シックス・ディグリーズ
発表年:2000年
ez的ジャンル:西ロンドン系フューチャー・ジャズ
気分は... :親近感が湧いてきます!

"西ロンドンのHerbie Hancock"の異名を持つプロデューサー/キーボード奏者Mark De Clive-Loweの2回目の登場です。

『Journey 2 The Light』(2007年)に続き紹介するのは、彼のデビュー・アルバム『Six Degrees』(2000年)です。

西ロンドンのブロークン・ビーツ/クロスオーヴァー・シーンで活躍するMark De Clive-Loweですが、『Journey 2 The Light』を聴くまで、正直彼のことや彼が活躍する西ロンドンの音楽シーンの盛り上がりについては殆ど浦島太郎状態でした(泣)

しかしながら、本作や2008年リリースされた4HeroDegoとマルチ・キーボード奏者Kaidi Tathamによるユニット2000Black『A Next Set A Rockers』を聴いてから、"西ロンドン"が相当気になるようになりました。

その後、Reel PeopleColonel RedVanessa Freeman等の西ロンドン系アーティストの名前が他アーティスト作品の記事内で度々登場するようになり、ますます関心が高くなっている状態です。

ちなみに、Reel PeopleRasmus Faber『So Far』、Darien 『If These Walls Could Talk』Colonel RedMilano Jazz Dance Combo『Milano Jazz Dance Combo』Vanessa FreemanThe Baker Brothers『Transition Transmission』『Avid Sounds』の記事に登場します。

そのせいで、『Two Pages』(1998年)でマイ・コレクションが止まっていた4Heroの2000年代以降の作品を購入したり、Reel People『Second Guess 』(2003年)、『Seven Ways To Wonder』(2007年)を最近頻繁に聴いたりしています。まだ未チェックですが、DegoとKaidi Tathamによるサイド・プロジェクトSilhouette Brownが今月リリースした新作『Two』も気になりますね。

話がかなり脱線しましたが、Mark De Clive-Loweに話を戻すと、本作『Six Degrees』(2000年)が彼のデビュー作となります。

ジャズをベースにドラムンベース、ハウス、ラテン、ブラジル、Hip-Hopなどがクロスオーヴァーされたクラブ・ジャズ・サウンドですが、大雑把に言えばクラブ・ジャズとドラムンベース/ハウスが融合し、ラテン、ブラジル、Hip-Hopなどがスパイスとして散りばめれている印象ですね。

Mark自身のキーボードを中心とした生サウンドと打ち込みサウンドのバランスが絶妙ですね。クラブ・ミュージック好き以外の人もスンナリ聴けるし、家で聴いても楽しめる作品だと思います。

ニュージーランド生まれですが、母は日本人ということで、CDのインナーには"マーク・ドクライヴロー"というカタカナ表記も書かれていて、日本人リスナーとしては親近感が湧いてきますね。

全曲紹介しときやす。

「Roundtrip」
オープニングはドラムンベースと70年代フュージョンが融合したNu Fusionといった雰囲気の仕上がりです。Markのローズが音世界をまさにラウンドトリップしています。Markと共にNuvonesiaのメンバーとして活動していたManuel BundyとSubmarinerがMarkと共同プロデュースしています。

「La Zorra」
"西ロンドンのHerbie Hancock"といった佇まいのMarkのキーボード・サウンド中心の近未来的なアーバン・サウンドを堪能できます。中盤のパーカッシヴな展開による緩急のつけ方もグッド!Manuel BundyとSubmarinerがMarkと共同プロデュースしています。

「Melodious Funk」
NZのHip-HopアーティストKing Kapisiをフィーチャーしています。ジャジーHip-Hop好きの人も気に入るジャジー&メロウな仕上がりです。Manuel BundyとSubmarinerがMarkと共同プロデュースしています。

「El Dia Perfecto」
僕の一番のお気に入り。シングルにもなったブラジリアン・フレイヴァーのフューチャー・ジャズ。開放的なブラジリアン・リズムと近未来的なメロウ・サウンドの組み合わせがサイコーです。MarkとSubmarinerの共同プロデュース。

「Cosmic Echoes」
NZの女性ヴォーカリストTeremoana Rapleyをフィーチャー。メロウなMarkのキーボードとキュートなTeremoanaのスキャットにグッとくる大人のクラブ・ミュージックに仕上がっています。MarkとJoost Langeveldの共同プロデュース。

「Day By Day」
シングルにもなり、Cafe Del Marのコンピにも収録されてました(実際に収録されていたのはDJ SpinnaによるRemixですが)。Cafe Del Marのイメージにピッタリの楽曲なのでは?サンセット・カフェで眺める美しい夕日のイメージがリンクしてくるバカンス・モードのクロスオーヴァー・ジャズに仕上がっています。Mark関連作品ではお馴染みの女性ヴォーカリストCherie Mathiesonをフィーチャーしています。
http://www.youtube.com/watch?v=fmz4FpGEgSg

「Day By Day(DJ Spinna Remix Edit)」
http://www.youtube.com/watch?v=DwFza_uPGxM

「Restless」
生音重視のなかなかくつろげるフュージョン・テイストの仕上がりですが、スクラッチでアクセントをつけているのがらしいですね。MarkとSubmarinerの共同プロデュース。

「Mindscape」
「El Dia Perfecto」、「Cosmic Echoes」と並ぶ僕のお気に入り。この曲が一番西ロンドンのクラブ・ミュージックらしいのでは?ドラムンベースから進化したフューチャー・ジャズって感じがグッときます。MarkとJoost Langeveldの共同プロデュース。

「Control」
不穏な空気感の漂うダークなNu Jazzといった感じでしょうか。アコースティック・ベースの太いベース音が全体を引き締めている感じでいいですね。

「Pour La Manana」
Cherie Mathiesonのヴォーカルをフィーチャー。ラテン・フレイヴァーのパーカッシヴな雰囲気が僕好みです。

「Motherland」
ミステリアスな雰囲気の中にもメロウな香りが漂います。

「El Dia Perfecto(Reprise)」
ラストは「El Dia Perfecto」のリプライズです。

他のMark De Clive-Lowe作品もセットでどうぞ!

『Tide's Arising』(2004年)
Tide's Arising

『Journey 2 The Light』(2007年)
Journey 2 the Light
posted by ez at 11:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする