2010年02月11日

Nirvana『Bleach』

Kurt Cobainの原点が詰まっている1st☆Nirvana『Bleach』
Bleach
発表年:1989年
ez的ジャンル:グランジの雄
気分は... :ようやくエントリーしました!

今回はグランジの雄Nirvanaです。

これまで何度か不朽の名作2nd『Nevermind』(1991年)の記事を書こうと思い立ちましたが、その度に90年代USロックのマスターピースを前に慄いてしまい断念してきました。

なので、いきなり『Nevermind』ではなく、まずは1st『Bleach』(1989年)をエントリーしました(笑)

僕の場合、『Nevermind』が全米チャート第1位となり、音楽シーンにグランジ旋風が巻き起こっていた時、どっぷりNirvanaやグランジに浸ったという訳ではありません。むしろ、80年代終わりから強烈にロック離れが進み、90年代に入ると僕の音楽ライフの中心は、R&B、Hip-Hop、ハウス/クラブ・ミュージック、ワールド・ミュージックになっていました。

ロックにしても、どちらかと言えばUKロックの方に興味がありましたね。典型的にはPrimal Scream『Screamadelica』のような、ロックとダンス・カルチャーを融合させたような音を好んで聴いていましたね。

USロックと縁遠くなっていた僕でしたが、それでも『Nevermind』の大ヒットはかなりのインパクトがありました。
"なぜ、こんな出口なしのロックが全米チャートNo.1になるのか?"

その後、『Nevermind』や当ブログでも紹介したSonic Youth『Goo』(1990年)、Pearl Jam『Ten』(1991年)を聴いて、遅ればせながらグランジや時代の閉塞感を実感していました。その後しばらくは、(今で言う)オルタナ・ロックの作品にも多少気を回すようになりましたね。

そして、『Nevermind』の大ヒット以上に衝撃的だったのが、1994年のKurt Cobainのショットガン自殺でした。

洋楽を聴くようになってから、数多くのミュージシャンの訃報を聞きましたが、ニュースを聞いた影響で自分自身の体調に異変が生じたのは、John Lennonの射殺とKurt Cobainの自殺の二回だけです。Nirvanaの熱狂的ファンではない僕でしたが、ニュースを知った直後より急に頭から血の気が引き、めまいと吐き気に襲われたことを憶えています。

僕が持っているNirvana作品は、『Bleach』(1989年)、『Nevermind』(1991年)、『 In Utero 』(1993年)というスタジオ全3作と解散後に発売されたライブ・アルバム『From the Muddy Banks of the Wishkah』(1996年)の4枚です。

昨年、『Nevermind』の記事を書こうと試みた時に、これら4作品をざっと聴き返したのですが、その中で僕がイメージするNirvana像と最もフィットしたのが1st『Bleach』でした。4枚続けて聴いたせいかもしれませんが、『Nevermind』に関しては"アレっ?こんなに聴きやすかったっけ?"という印象でした。

本作『Bleach』時点のメンバーは、Kurt Cobain(vo、g)、Krist Novoselic(b)、Chad Channing(ds)、Jason Everman(g)となっています。まだDave Grohl(ds)(現Foo Fighters)が加入前で、しかも4人体制だったんですね。ただし、Jason Evermanはクレジットのみで実際のレコーディングには参加していないようです(制作費を支払ったことで貢献しているようですが)。また、「Floyd the Barber」「Paper Cuts」「Downer」の3曲は当時The MelvinsのメンバーであったDale Croverがドラムを叩いています。

『Nevermind』と比較するとまだまだ未完成といった感じですが、逆にKurtの叫びがよりダイレクトに伝わってくる気がします。

『Nevermind』の大成功で一気にモンスター・バンドとなるNirvanaですが、それがKurt Cobain自身を悩ませることになります。権威的なものを嫌っていたKurt Cobainは、気付くと自身がポップ・スターに成り下がっていたという事実に苦しんだのでしょうね。

そんな成功を手にする前の作品である本作『Bleach』には、NirvanaおよびKurt Cobainの原点が詰まっていると思います。

全曲紹介しときやす。

「Blew」
へヴィーなリフにグッとくるオープニング。不穏な空気がプンプンするのがたまりません。
http://www.youtube.com/watch?v=t1Ft1aQJscc

「Floyd the Barber」
1960年代のコメディ・ドラマ『メイベリー110番(The Andy Griffith Show)』をモチーフした楽曲。楽しいコメディの舞台もKurtが歌うと暗い闇の世界となってしまいます。
http://www.youtube.com/watch?v=eLHlzSeuJ50

「About a Girl」
ジャケを撮影した当時のKurtのガールフレンドTracy Maranderのことを歌った、いかにもシングル向けのキャッチーな仕上がりです。Kurtのメロディ・センスが光ります。後に『MTV Unplugged in New York』のヴァージョンがシングル・カットされました。
http://www.youtube.com/watch?v=rQiwje4CTRw

「School」
Kurt自身の暗黒の学生時代のことを歌ったもの。まさに出口ナシといった感じの切迫感があります。
http://www.youtube.com/watch?v=rvwzCobcxTw

「Love Buzz」
ヒット曲「Venus」で知られるオランダのロック・グループShocking Blueのカヴァー。シングルにもなりました。オリジナルのエキゾチックかつ神秘的なテイストを引き継いでいます。
http://www.youtube.com/watch?v=ZLthJDXbq6Y

Shocking Blueのオリジナルもかなり刺激的です。むしろ、コチラの方が普段の僕の嗜好に合っていますね(笑)
Shocking Blue「Love Buzz」
 http://www.youtube.com/watch?v=dYeLKzhKFkg

「Paper Cuts」
実際に起きた児童監禁虐待をテーマに歌ったもの。「School」同様出口ナシの絶望感がひたすらへヴィに伝わってきます。
http://www.youtube.com/watch?v=66mmAeH8Aj4

「Negative Creep」
圧倒的なスピード感であっという間にKurtが歌い倒すといった感じですね。僕が苦手なメタル風の仕上がりですが、スンナリ聴けてしまいました。
http://www.youtube.com/watch?v=4Xu-gp0XMmk

「Scoff」
Kurtの心の叫びが聴こえてきます。小細工なしのストレートな感じがいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=zOtckJpsZb4

「Swap Meet」
フリーマーケットからの少ない収入で暮らす貧困カップルのことを歌ったもの。リフの格好良さにグッときますね。
http://www.youtube.com/watch?v=0lhUHekYdn8

「Mr. Moustache」
スピード感がたまりません。Kristのベースが印象的なパンキッシュな仕上がり。Nirvanaらしいかは???ですが、こういう曲大好き!
http://www.youtube.com/watch?v=YnmjGc3kXm0

「Sifting」
アメリカ社会の規範的とされる人々に対して鋭くメスを入れたへヴィな楽曲。演奏も実にダークです。
http://www.youtube.com/watch?v=qiG6VWui0ow

「Big Cheese」
怒りを爆発させる一歩手前の不気味なムードが全体を覆います。
http://www.youtube.com/watch?v=0AJjE53Ura0

「Downer」
ラストは高速で一気に駆け抜けます。
http://www.youtube.com/watch?v=mDUG9-3hSgY

昨年には、オリジナル13曲にライブ音源12曲を追加収録した20th Anniversary Editionが発売されました。
これから『Bleach』を購入する方はコチラの方がお得ですね。
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2010年02月10日

Cooly's Hot-Box『Don't Be Afraid-Get On』

UKソウル・ファンに人気のUS R&Bユニット!☆Cooly's Hot-Box『Don't Be Afraid-Get On』
Don't Be Afraid: Get On
発表年:2004年
ez的ジャンル:UKソウル/クラブ・ミュージック系US R&B
気分は... :いつ聴いてもセンス抜群!

今日はUKソウル・ファンに人気の高いUS R&BユニットCooly's Hot-Boxの2ndアルバム『Don't Be Afraid-Get On』(2004年)です。

Cooly's Hot-Boxは1992年に大学の仲間であるJohn-Christian Urich(ds、vo、key)、Angela Johnson(vo、key)、Victor Axelrod(key)、Ernesto Abreu(per)が結成したR&Bユニット。UKで人気があるため、UKのユニットと誤解されることも多いですが、N.Y.で結成されたグループです。

メンバーの中心はJohn-Christian UrichAngela Johnsonの二人。今日紹介する『Don't Be Afraid-Get On』の時点では、VictorとErnestoが抜けて二人のユニットになっています。

John-Christian Urichに関しては、以前に彼の人力ハウス・ユニットTortured Soulの2ndアルバムTortured Soul『Did You Miss Me』(2008年)を紹介しました。

Angela Johnsonは、ソロ・アーティストとしてもお馴染みですね。これまで自身の名義で『They Don't Know』(2002年)、『Got To Let It Go』(2005年)、『A Woman's Touch』(2008年)という3枚のアルバムをリリースします。UKで人気があるAngelaは西ロンドンの人気グループReel Peopleのアルバムでもフィーチャーされていました。シンガーとしてのみではなく、日本人R&BシンガーDOUBLEを手掛けるなどプロデューサーとしても手腕を発揮しています。

Cooly's Hot-Boxに話を戻すと、1993年リリースのコンピ・アルバム『Giant Steps Vol.1』に彼らの楽曲「Don't Throw My Love Around」が収録されており、このあたりがデビューなのでしょう。情報が少なく曖昧な書き方ですみません...

ちなみに『Giant Steps Vol.1』には、他にMartine Girault、GallianoVivienne Mckone、Diana Brown & Barrie K Sharpe、Sandals等UKのAcid Jazz系アーティストの楽曲が数多く収録されています。これらのアーティスト名から、当時Cooly's Hot-Boxがどのようなグループとして位置づけられていたのか何となく想像できますよね!

彼らの名を有名したのが1998年にリリースされたシングル「Make Me Happy」です。今やクラブ・クラシックと呼べる名曲ですね。DJ Spinnaによるリミックスも話題となりました。それ以外にKings Of Tomorrowもリミックスを手掛けています。
Cooly's Hot Box「Make Me Happy」
 http://www.youtube.com/watch?v=E4P-OsPdRDU
Cooly's Hot Box「Make Me Happy (DJ Spinna Remix)」
 http://www.youtube.com/watch?v=Irba2bMnJ8s

Cooly's Hot-Box名義のアルバムとしては『Take It』(2002年)、『Don't Be Afraid-Get On』(2004年)という2枚のアルバムをリリースしています。

ここまでの内容でおわかりの通り、US出身ながらUKで人気の高いユニットです。John-Christian Urichが人力ハウス・ユニットTortured Soulを結成したり、Angela JohnsonがReel People作品でフィーチャーされたことに象徴されるように、R&Bの枠を超えたアプローチがUKで支持されたのでしょうね。

John-Christian UrichAngela Johnsonの二人だけとなった本作『Don't Be Afraid-Get On』(2004年)も、UKクラブ・ミュージックやクラブジャズ/クロスオーヴァーがお好きな人がハマる作品に仕上がっています。

メロディアスかつスタイリッシュな内容は、今時のUS R&Bシーンに違和感を感じるような方もスンナリ聴くことができるのでは?

"Cooly's Hot-Boxいいよね!"と聞いただけで、僕はその人の音楽センスを信用してしまいます(笑)

全曲紹介しときやす。

「Don't Be Afraid」
タイトル曲は、アープ・シンセの響きとエレガントなストリングスが印象的なジャジー・ソウル。Angelaの艶やかなヴォーカルも健在です。

「Motions」
昨年リリースされたDJ KomoriによるMIX CD『Uk R&B Emotional Mix』にも"隠れ名曲"として収録されていた爽快ジャジー・グルーヴ。Angelaの躍動するヴォーカルと爽快なサウンドが実にマッチしています。Incognitoあたりが好きな人は間違いなくハマるはずです。

「Get On」
Angelaに負けじと、Christianが意外と(?)ソウルフルなヴォーカルを披露する爽快グルーヴ。かつてのAcid Jazz好きは気に入るはずです。

「Touch My Body」
僕の一番のお気に入り曲。UKクラブ・ミュージック/ハウス好きの人にはたまらない、バカンス・モードのパーカッシヴなダンス・チューンに仕上がっています。この曲も前述のDJ KomoriによるMIX CD『Uk R&B Emotional Mix』に収録されています。

「Are We Lovers Anymore」
Cooly's Hot-Boxならではのアーバン・メロウ。アーバン・メロウと言っても、USではなくUKっぽいのが彼ららしいのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=EgDM5qrEGMI

「Maybe I」
アルバム中最も穏やかな雰囲気です。ここでもChristianの味わい深いヴォーカルに感心してしまいます。

「Time 2 Be In Love」
この曲も大のお気に入り。Cooly's Hot-Boxらしいクロスオーヴァー・センスの良さが光るメロウ・グルーヴです。

「After Life」
メロディ、ヴォーカル、演奏がしっかりしていれば、特別なことをせずとも素晴らしい作品が出来上がることを実感できる1曲です。
http://www.youtube.com/watch?v=V4pcaDF6_Sk

「Give Me Your Money」
"歌うドラマー"Christianの本領発揮といった感じの仕上がりです。全体的にはシブめのファンキー・ソウルですな。

「Wait 4 U」
Angelaのヴォーカルの魅力を前面に押し出した哀愁モードのミッド・グルーヴ。

「Lose Your Friends」
ラストはUS R&BとUK Soulのいいとこ取りのようなミッド・チューンです。結果、かなり日本人向けかも(笑)

国内盤にはボーナス・トラックとしてBob Marley & The Wailersの名曲「Waiting In Vain」が収録されています。オリジナル収録のアルバム『Exodus』のエントリーでも書いたとおり、全Bob Marley作品の中で最も好きな曲なんですよね。当然、僕は国内盤をゲットしました。Angelaの素晴らしいヴォーカルが名曲に輝きを与えています。

興味がある方は1st『Take It』(2002年)やAngela JohnsonTortured Soulのアルバムもどうぞ!

『Take It』(2002年)
Take It
名曲「Make Me Happy」収録!

Angela Johnson『They Don't Know』(2002年)
They Don't Know

Angela Johnson『Got To Let It Go』(2005年)
Got to Let It Go
国内盤と輸入盤で収録曲および録音が異なるのでご注意を!

Angela Johnson『A Woman's Touch:Vol.1』(2008年) 
A Womans Touch
Rahsaan PattersonFrank McComb、Claude McKnight(Take 6) 、Maysa LeakGordon Chambers、Monet等をフィーチャーした、プロデューサーAngela Johnsonの手腕を発揮した1枚!

Tortured Soul『Did You Miss Me』(2008年)
DID YOU MISS ME
Christianによる人力ハウス・ユニットの2ndアルバム!
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2010年02月09日

Milton Nascimento『Minas』

これぞミナス、これぞMiltonワールド!☆Milton Nascimento『Minas』
ミナス
発表年:1975年
ez的ジャンル:ミナス系MPB
気分は... :Who Dat?

注目のNFLスーパーボウルはセインツが見事初制覇を成し遂げました。

僕の予想ではコルツ圧勝だと思っていたのですが...
実際、前半途中まではマニング擁するコルツは完全に試合をコントロールしていたと思います。

試合開始直後は浮き足立っていたセインツですが、前半終了間際からペースをつかみかけ、後半最初のオンサイド・キック、そして逆転TDで完全にいつもの姿に戻りましたね。オンサイド・キックの断を下したセインツHCペイトンの手腕に脱帽です。

アメリカ社会全体から見れば、ハリケーン・カトリーナの被害から復興しつつあるニューオリンズの象徴セインツが勝利した方が、聖者の行進ここに完結!!という感じで望ましいエンディングだったのでしょうね。まぁ、マニングには再びスーパーボウル制覇の機会が訪れることでしょうから...

音楽ファンお楽しみ!The Whoのハーフタイム・ショーは、予想通り「Baba O'Riley」『CSI:NY』主題歌)〜「Who Are You?」『CSI』主題歌)〜「Won't Get Fooled Again」『CSI:Miami』主題歌)というCSI主題歌メドレーになりましたね。特に『CSI:Miami』の舞台マイアミで「Won't Get Fooled Again」を演奏するというのはハマりすぎでした。NHK-BSの生放送では映像と音のズレでイライラしましたが、日テレの録画放送では映像と音が同期していましたね。

あとNHK-BSではQueen Latifahによる「America the Beautiful」の映像が流れなかったのが残念でしたね。

今回はブラジルを代表する世界的なミュージシャンの一人Milton Nascimentoの代表作『Minas』(1975年)です。今まで何故か紹介する機会を逸してきたMiltonでしたが、ようやく紹介することができます。

Milton Nascimentoは、1942年生まれのMPBミュージシャン。
ミナス(ミナス・ジェライス)を代表するアーティストですが、生まれたのはリオ・デジャネイロであり、幼い頃にミナスへ移ったようです。

1960年代前半から本格的な音楽活動を開始したMiltonですが、1966年にMiltonの作品「Cancao do Sal(塩の歌)」Elis Reginaが取り上げてヒットさせています。1967年にはリオで行われたソング・フェスティバルで自作の「Travessia」を歌い、上位入賞します。その勢いで、同年に1stアルバム『Travessia』(オリジナル・タイトル『Milton Nascimento』)をリリースしています。1972年にはLo Borgesと双頭名義でアルバム『Clube Da Esquina』をリリースし、ミナス派ミュージシャンの存在感を示しました。

1974年のスイス・モントルー・ジャズ・フェスティバルへ出演したMiltonは、そのままL.A.へ向かいWayne Shorter『Native Dancer』(1975年)のレコーディングに参加します。これが大きな転機となり、Milton Nascimentoの名が世界中の音楽ファンに認知されるようになりました。その勢いで今日紹介する名作『Minas』を制作しています。

その後も独自の世界観で世界中のファンを魅了しています。

僕が最初にMilton Nascimentoと出会ったのは、多くの人と同じようにWayne Shorter『Native Dancer』でした(但し、後追いですが...)。ブラジル人ミュージシャンが参加したフュージョン・アルバム、しかもジャケはいかにもサマー・モード!ということで、僕の中で勝手にGeorge Duke『A Brazilian Love Affair』みたいなアルバムをイメージしてしまい、結構肩透かしを食った記憶があります。全然オシャレな雰囲気では無かったもので(笑)

そのせいでMilton Nascimentoに対して、長い間とっつきにくいイメージがあった気がします。しかし、その後ブラジル音楽を聴く機会が増えて、決して明るくはない"憂い"もブラジル音楽の魅力であることに気付いてからは、Miltonワールドに惹かれるようになりました。

そんなMiltonワールドを象徴する作品が本作『Minas』(1975年)だと思います。『Native Dancer』で注目されたMiltonが、自らのアイデンティティを強烈に示した傑作ですね。

憂いの表情を浮かべるMiltonが大写しとなったジャケからしてインパクトがありますよね。このジャケに象徴されるように、アルバム全体を支配するトーンは決して明るいものではありません。それでもミステリアスかつピュアなMiltonワールドに引き込まれてしまいます。

アルバムには、Beto GuedesToninho HortaWagner TisoNovelliNivaldo OrnelasNelson AngeloTavinho MouraFernando BrantMarcio Borgesといったミナス系ミュージシャン/詩人も多数参加しています。

難解だけれども奥深い...聴けば聴くほど味わい深くなるアルバムだと思います。

全曲紹介しときやす。

「Minas」
アルバム中何度も登場する子供たちによる「Paula E Bebeto」(本編は後に登場)のコーラスを織り交ぜながら、Novelli作のタイトル曲でアルバムはスタートします。Miltonがミナスの大地でこだまするかのようなファルセットを聴かせてくれます。

「Fe Cega, Faca Amolada」
Ronaldo Bastos/Milton Nascimento作。「盲信は研ぎすまされた刃のごとく」という邦題がいかなもブラジル音楽の歌詞らしいですね。Nivaldo Ornelasによるソプラノ・サックスが印象的であり、思わず『Native Dancer』をイメージしてしまいますが、フュージョンというよりもジャズ・ロック調の仕上がりです。

「Beijo Partido」
Toninho Horta作のただただ美しい楽曲。Toninho Horta自身のヴァージョンは以前に紹介した『Diamond Land』に「Broken Kiss」のタイトルで収録されています。美しさの中に漂うミステリアスな雰囲気がミナスらしくていいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=emc9GhtVg0Y

「Saudade Dos Avioes Da Panair (Concersando No Bar) 」
Fernando Brant/Milton Nascimento作。邦題「パネールの翼」。Miltonの青春時代を綴ったものです。全体を包む陰鬱な空気が歌にリアリティを与えていますね。そんな中、何かを暗示するかのように子供たちによる美しい「Paula E Bebeto」のコーラス再び登場します。
http://www.youtube.com/watch?v=jdHTbkrj5eg

「Gran Circo」
Marcio Borges/Milton Nascimento作。当時の軍事政権をサーカスに喩えた痛烈な社会メッセージ・ソング。サウンドはダークな美しさが漂います。特に終盤の展開はドラマティックですね。最後の虚しく響くピアノが印象的です。

「Ponta De Areia」
邦題「砂の岬」。本作のハイライトであり、Miltonの代表曲の1つですね(Fernando Brant/Milton Nascimento作)。ミナス・ジェライスへ行ったこともないのに、聴いているとミナスの風景が思い浮かびそうですよね。いつ聴いても心穏やかになると同時に、懐かしい郷愁感に胸打たれる大名曲だと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=DGpRCGGB37s

『Native Dancer』でも取り上げているので聴き比べるのも楽しいのでは?
Wayne Shorter & Milton Nascimento「Ponta De Areia」
 http://www.youtube.com/watch?v=UhlAfIKulzs

ブラジル音楽をあまり聴かない方でも、Earth, Wind & Fire『All 'N All』収録の「Brazilian Rhyme」(オリジナルLPB面の方)の中で本曲のメロディをお聴きになった方は多いのでは?また、J-POP好きの人はTHE BOOMのカヴァーで聴いているかもしれませんね。

当ブログでは、誰よりも早くMiltonの才能を見抜いたElis Reginaや新進気鋭のジャズ・ベーシストEsperanza Spaldingのカヴァーを紹介済みです。何度も書いてきましたが、Esperanzaヴァージョンが僕の超オススメです。
Esperanza Spalding「Ponta De Areia」
 http://www.youtube.com/watch?v=e9sN3ySkkz0

「Trastevere」
Ronaldo Bastos/Milton Nascimento作。Miltonのピアノ、Beto GuedesとToninho Hortaのギター、Novelliのベースらが絡む実にアーティスティックな雰囲気の漂う演奏です。MPB4のダークなコーラスも印象的です。

「Idolatrada」
Fernando Brant/Milton Nascimento作。邦題「崇拝されし者」凛とした雰囲気とBeto Guedesのギターが印象的ですね。後半は子供たちの例のコーラスに続き、「Paula E Bebeto」のインストへと展開します。

「Leila (Venha Ser Feliz) 」
Milton Nascimento作。邦題「幸福を」。次の「Paula E Bebeto」への助走といった雰囲気ですね。「Sinhere」(Edu Lobo/Gianfrancesco Guarnien作)も挿入されています。

「Paula E Bebeto」
Milton Nascimento/Caetano Veleso作。これまで何度となく登場してきた「Paula E Bebeto」の本編です。本編は小粋なアコースティック・チューンに仕上がっています。歌自体はラブソングなのですが、アルバム内で何度も登場させたのには何か深い意味があるのでしょうか?
YouTubeにライブ映像があったので紹介しておきます。
http://www.youtube.com/watch?v=urLqWH9IW_8

「Simples」
Nelson Angelo作。ドラマティックかつミステリアスにアルバムの幕は閉じます。

現在のCDにはボーナス・トラックとして、「Norwegian Wood」Beatlesの名曲カヴァー)、「Caso Voce Queira Saber」(Marcio Borges/Beto Guedes作)の2曲が追加収録されています。ライナー・ノーツによると、どちらもBeto Guedesのアルバムに収録されていた曲らしいです。

「Caso Voce Queira Saber」
http://www.youtube.com/watch?v=8vUZAYluVAc

Milton独特のミナス・ワールドを気に入った方は他の作品もどうぞ!

『Courage』(1968年)
Courage

『Clube Da Esquina』(1972年)
Clube da Esquina
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2010年02月08日

Clementine『Solita』

Ben Sidranとのコラボ第三弾☆Clementine『Solita』
ソリータ
発表年:1997年
ez的ジャンル:日本産フレンチ・ポップス
気分は... :色メガネで見ないで!

今日は日本人に大人気のフランス人女性シンガーClementine(クレモンティーヌ)です。"クレモンティーヌなんて洋楽じゃないでしょ!"なんて言わないでくださいね!

Clementine(本名:Clementine Mitz)は1963年フランス、パリ生まれの女性シンガー。

1988年フランスCBSからシングル「Absolument Jazz」でデビュー。その後日本のソニー・ミュージックエンタテインメントと契約し、数多くのアルバム、シングルをリリースしています。詳しく書いても、ちゃんと読んでもらえないかもしれないので、このあたりは省略します(笑)

日本ではCMソングなどにも多く起用され、多くの人が知らず知らずのうちに、彼女のウィスパー・ヴォーカルを耳にしているのではないかと思います。また、オシャレなカフェ・ミュージックの代名詞的な存在かもしれません。

一方で、日本以外の国で"Clementineってオシャレだよね!"と言っても、まず通じないでしょう。特に彼女の本国フランスでは殆ど知名度がないのでは?

その意味でClementineというアーティストは、"クレモンティーヌ"というカタカナ表記の日本産アーティストという位置づけが適切なのかもしれません。実際、プロデュースやバックを日本人アーティストが務めている作品も多いですからね。

そんな背景もあって、良い作品をコンスタントにリリースし続けているにも関わらず、アーティストとして正当な評価を受ける機会が少ない気がします。

今日紹介する『Solita』(1997年)は僕のイチオシClementine作品であり、今まで色メガネでClementineを見ていた人にもぜひ聴いて欲しい作品です。

本作の目玉は何と言ってもBen Sidran全面プロデュースという点です。先月、Ben Sidranの記事をエントリーしてから、急に本作のことが気になりはじめました。

本作以前にもClementineとBen Sidranは、『Spread Your Wings and Fly Now!!』(1988年)、『Sings Ben Sidran』(1993年)といった共演作をリリースし、家族ぐるみで交流するなど公私にわたり良好な関係を構築していたようです。

『Sings Ben Sidran』のように全曲Ben Sidran作品で固めた作品も悪くありませんが、有名スタンダードやヒット曲カヴァーも交えた本作『Solita』のような作品の方がBen Sidranのアレンジ・センスの素晴らしさがより実感できる気がします。

Clementineの魅惑のウィスパー・ヴォーカルと、それを知り尽くしたBen Sidranのアレンジ・センスを堪能しましょう。

Ben Sidran好きの人もグッとくる1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Don'cha Go 'Way Mad」
Illinois Jacquet/Jimmy Mundy作詞、Al Stillman作曲のスタンダード。 Ella Fitzgerald、Frank Sinatra等のカヴァーが有名です。以前からClementineのレパートリーであったものを、Ben Sidran一流のアレンジで調理しています。アーバン・テイストながらもミステリアスな空気も流れる独特の雰囲気がたまりません。

「These Foolish Things」
Harry Link/Holt Marvell/Jack Strachey作のスタンダードをフランス語でカヴァーしています。様々な歌手・アーティストがカヴァーしているジャズ・スタンダードですが、Clementineの父がフランス人歌手/俳優Jean Sablonのヴァージョンをお気に入りだったようです。ロック・ファンはBryan Ferryヴァージョンでお聴きになった方もいるかもしれませんね。スタンダード然とした正統派アレンジをバックにしたフレンチ・ウィスパーに魅了されます。

「Polka Dots and Moonbeams」
Johnny Burke作詞、Jimmy Van Heusen作曲のスタンダード。Frank Sinatraのヴァージョンが有名みたいですね。Ben Sidranのアレンジ・センスが光るアーバン・メロウ・チューンにグッときます。

「Make Yourself Comfortable」
Bob Merrill作のスタンダード。Sarah Vaughan、Steve & Eydie、Bette Midler等がカヴァーしています。ここではBenとClementineの素敵なデュエットを聴くことができます。最初の二人のやりとりが実にいいですね。全体的にはロマンティックなジャジー・チューンに仕上がっています。

「Solita」
タイトル曲はClementineの娘であり、現在では母と共に歌手として活動するSolitaをイメージしたものです。バカンス中に仲間内で"Solitaをイメージした楽曲づくり"のコンテストを行い、優勝したのがBenの息子Leoです。Benの息子がClementineの娘をイメージした楽曲を作るなんて実に素敵じゃありません?曲自体はラブリー・モードの優しい仕上がりです。

「Always Remember You」
レコーディングに参加しているギタリストJimi Behringerの作品。Kenny Halmenの素敵なソプラノ・サックスのソロからスタートする甘く切ないラブ・ソング。甘酸っぱい感じが胸にグッときます。

「Sunny」
Bobby Hebbの1966年のヒット曲のカヴァー。当ブログでは以前にDusty SpringfieldBirgit Lystagerのヴァージョンを紹介しています。ClementineはBoney Mヴァージョンを愛聴していたようです。仕上がりはBoney Mのようなディスコ調ではなく、Clementineらしいメロウ・グルーヴとなっています。
http://www.youtube.com/watch?v=vTom8KQ69f8

Dusty Springfield「Sunny」
 http://www.youtube.com/watch?v=ehy6VjLU8DY
Bobby Hebb「Sunny」
 http://www.youtube.com/watch?v=IbUl_E-R91Q
Boney M「Sunny」
http://www.youtube.com/watch?v=yD8DcgpLp_w

「This Will Make You Laugh」
Nat King Coleが1941年にレコーディングした作品(Irene Higginbotham作)。この曲もClementineの父が好きだったようです。実にロマンティックなアレンジにグッときます。フレンチ・ウィスパーが雰囲気をさらに盛り上げてくれます。

「Chuck E.'s in Love」
当ブログでも紹介したRickie Lee Jonesのヒット曲(全米チャート第4位)のフランス語カヴァー。オリジナルの雰囲気に近いですが、フランス語の語感とウィスパー・ヴォーカルがこの名曲にマッチしています。

「You Got What It Takes」
Marv Johnson、1959年のヒット・シングル。Clementine自身はDinah Washington & Brook Bentonヴァージョンがお気に入りだったようです。 ここではDinah & Brookヴァージョンのノリを継承しつつ、アーバン・テイストの洗練されたアレンジで聴かせてくれます。

Dinah Washington & Brook Benton「You Got What It Takes」
 http://www.youtube.com/watch?v=j6YQIPz_FrA

「Midnight Tango」
オリジナルはBen Sidranが在籍していたSteve Miller Bandのヴァージョンです(「Steve Miller's Midnight Tango」のタイトルでアルバム『Number 5 』収録)。ダークな雰囲気のオリジナルから一変し、Clementineらしい哀愁モードのカフェ・ミュージックに仕上がっています。

「Baba Coo」
Ben Sidran/Leo Sidran作。オルガンの響きが印象に残る小粋なジャジー・チューン。Ben Sidranらしいアレンジにグッときます。

「Hey Hey Baby」
Benの人気曲のカヴァー。オリジナルは『Don't Let Go』<(1974年)に収録されています。Benのヴォーカルも入りオリジナルの雰囲気を引き継いでいますが、こちらの方がよりメロウな仕上がりになっています。

Ben Sidran「Hey Hey Baby」
 http://www.youtube.com/watch?v=rfZzlPfv8Lg

「Sur La Route」
作詞はClementine、作曲は彼女の友人であるギタリストのManu Vergeadeです。パーカッシヴ&フォーキーなメロウ・チューンに仕上がっています。冬の夜の旅を歌った内容ですが、夏の終わりの海岸といった雰囲気ですね。

この際、他のClementine作品も聴き直してみては?

『Spread Your Wings and Fly Now!!』(1988年)
スプレッド・ユア・ウィングス
Ben Sidran & Clementine「Chances Are」
http://www.youtube.com/watch?v=K-etjjUuS3M

『Continent Bleu』(1989年) ※Johnny Griffinとの共演
コンティノン・ブルー

『Sings Ben Sidran』(1993年) ※全曲Ben Sidran作品
パリス・ウォーク

『Ils Et Elle』(1994年) ※IncognitoのBluey、Deodato等プロデュース
イル・エ・エル〜彼らと彼女

今日は朝からNFLのスーパーボウルですね!
早起きするので今夜はもう寝ま〜す。
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2010年02月07日

Aretha Franklin『Aretha Now』

"クイーン・オブ・ソウル"絶頂期の1枚☆Aretha Franklin『Aretha Now』
アレサ・ナウ
発表年:1968年
ez的ジャンル:クイーン・オブ・ソウル絶頂期
気分は... :全身全霊を込めて!

久々のAretha Franklinです。

これまで紹介してきたArethaは以下の4枚(発売順)。

 『I Never Loved a Man the Way I Love You』(1967年)
 『Lady Soul』(1968年)
 『Young, Gifted And Black』(1972年)
 『Sparkle』(1976年)

5枚目の紹介となるのは1968年リリースの『Aretha Now』です。

『Aretha Now』『I Never Loved a Man the Way I Love You』(1967年)、『Aretha Arrives』(1967年)、『Lady Soul』(1968年)に続くAtlantic第四弾となる作品です。『Lady Soul』あたりと並び"クイーン・オブ・ソウル"の絶頂期を示す作品なのでは?

特に本作『Aretha Now』は、それまでの3作と比較すると軽快な楽曲が並ぶ明るさが特徴かもしれません。笑みを浮かべたジャケも含めて、意図的に明るい作品にしたかったのかもしれませんね。

プロデュースはJerry Wexler、アレンジはTom DowdとArif Mardinというお馴染みの顔ぶれ。参加ミュージシャンはSpooner Oldham(org、p、el-p)、Tommy Cogbill(g、b)、Jimmy Johnson(g)、Bobby Womack(g)、Jerry Jemmott(b)、Roger Hawkins(ds)、The Sweet Inspirations(back vo)、Carolyn Franklin(back vo)、King Curtis(ts)等です。

アルバムからは「Think」「I Say a Little Prayer」「See Saw」「I Can't See Myself Leaving You」という4曲がシングル・ヒットが生まれています。

圧倒的なArethaのヴォーカルは勿論のこと、バック・コーラスThe Sweet Inspirationsも素晴らしいコーラスでクイーン・オブ・ソウルを盛り上げています。

個人的には『Lady Soul』が一番好きですが、アルバム全体の完成度では本作も引けをとらない出来栄えだと思います。

クイーン・オブ・ソウルの真髄を堪能しましょう。

全曲紹介しときやす。

「Think」
全米シングル・チャート第7位、同R&Bチャート第1位となったヒット曲。Arethaと夫Ted Whiteの共作です。バック・コーラスのThe Sweet Inspirationsとの息もピッタリの躍動感溢れたジャンプ・チューンに仕上がっています。

映画『The Blues Brothers』でも使われていましたし、Lou Rawls、Lonnie Smith等がカヴァーしています。また、3rd Bass「The Gas Face」のサンプリング・ネタにもなっています。
3rd Bass「The Gas Face」
 http://www.youtube.com/watch?v=QYp28tEAVvs

「I Say a Little Prayer」
Hal David/Burt Bacharach作品の名曲カヴァー。オリジナルは1967年に全米シングル・チャート第4位となったDionne Warwickのヴァージョンです。当ブログでは以前にCal Tjaderのカヴァーを紹介しています。Arethaヴァージョンも全米シングル・チャート第10位、同R&Bチャート第3位のヒットとなりました。Dionneには申し訳ないですが、Arethaヴァージョンこそ本曲の最高峰と思われている方は多いのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=STKkWj2WpWM

また、本作には未収録ですが、シングル「I Say a Little Prayer」のB面「The House That Jack Built」(Thelma Jonesのカヴァー)も人気の高い1曲ですね。

「See Saw」
前作『Lady Soul』からの大ヒット・シングル「Chain Of Fools」の作者であるDon Covayのヒット曲をカヴァー(Steve Cropper/Don Covay作)。当ブログでは以前にLonnie Smithのカヴァーを紹介しています。Arethaヴァージョンはシングルとして全米シングル・チャート第14位、同R&Bチャート第9位のヒットとなりました。軽快ながらもコクのあるソウル・チューンに仕上がっています。

「Night Time Is the Right Time」
Ray Charlesのカヴァー・ヒット(1959年)でお馴染みのブルース・スタンダードのカヴァー(Big Bill Broonzy作)。当ブログでは以前にCreedence Clearwater Revival(CCR)のカヴァーを紹介しています。ArethaヴァージョンはRay Charlesヴァージョンの女性版といった感じですね。

「You Send Me」
Sam Cookeの名曲カヴァー。当ブログでは以前にNicolette Larsonのキュートなカヴァーを紹介しています。Arethaが本曲をカヴァーするのは、いろいろな意味でハマりすぎですね。
http://www.youtube.com/watch?v=pAqInZnSymQ

「You're a Sweet Sweet Man」
Ronnie Shannon作品。Roger Hawkinsによるドラムブレイクがキマっている小粋なソウル・チューン。

「I Take What I Want」
Sam & Daveのカヴァー(Isaac Hayes/Mabon "Teenie" Hodges/David Porter作)。小気味良いカヴァーに仕上がっています。

「Hello Sunshine」
Jimmy Cliff/King Curtis/Ronald Dean Miller作。ホーン隊やThe Sweet Inspirationsの絡みがいい感じです。Jimmy Cliffのレゲエ・ヴァージョンと聴き比べるのも楽しいのでは?

「A Change」
Dorian Burton/Clyde Otis作。アコギがアクセントとなっているアップ・チューン。本作の隠れ名曲という気がします。

「I Can't See Myself Leaving You」
全米シングル・チャート第28位、同R&Bチャート第3位となったヒット曲(Ronnie Shannon作)。ラストはクイーン・オブ・ソウルの貫禄漂う堂々としたソウル・チューンで締め括ってくれまます。本曲はThe Whispersもカヴァーしていますね。

そう言えば、昨夜のサッカー日本代表の試合はひどかったですね。
あの試合ぶりではグループリーグ3戦全敗確実なのでは?
posted by ez at 02:06| Comment(2) | TrackBack(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする